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KCPOの地力 -関西シティフィル第72回定期レポ

演奏会が無事、終わった。いろいろあれど演奏会をやり切ったことにまずは感謝。皆さま、おつかれさまでした。ブラボーでした!

いつもと少し違うのは、少なからず広報に携わったからか、「自分ごと」感がとても強かった。いつもはもっと、「あのソロを上手く吹かなければ」とか「あの難所が無事乗り切れるだろうか」とか自分の演奏面の心配がほとんどで、多少メンバーの演奏も心配しつつ、基本的には演奏のことが中心だったのが、演奏会の運営や組織、またいかにお客様に来てもらえるかを考えることが格段に増えた。なので演奏はもちろん、少し携わらせていただいたおかげで、「自分ごと」に感じたのかもしれない。

とはいえ演奏面。これは近年の我が関西シティフィルの演奏会の中でも指折りの完成度だったのではないかと、自画自賛してみる。私は前半のみだったのでモーツァルトの魔笛のトップとショスタコーヴィチの9番のセカンドという、これだけでもまあお腹いっぱいだった。モーツァルト愉し。ショスタコも良き。2楽章は、至福の時間だった。ソロも皆さん、ブラボー!!!それに加えて、ブルックナーの5番という超大曲を持ってくるという、恐らくアマチュアでもかなり挑戦的なプログラムだったように思う。普通はアマでもプロでも、ブルックナー1曲プロか、せめて序曲つけるかぐらいなのに!恐るべし、関西シティフィル。

アマチュア特有の細かい事故は大なり小なりあったものの、最後までやり切ったメンバーみんなに大拍手を送りたい。ブルックナーは4楽章のみ客席で聴かせていただいた。最後はのけぞった!贔屓目もあると思うけれど、強力な助っ人が加わったブラスセクションは、「圧巻」の一言!ブルックナーの世界を、余すところなく表現できていたのではないか。もちろん弦も、艶やかな美しいメロディが、ホールに良く響いていた。なんというか、ブルックナーサウンドに包まれている心地良さを、2階席の1番後ろの右端で、思う存分愉しませていただいた。

終わりよければすべてよし。最後のコラールを客席で聴いていて、素直に「すごいな」と思う。1ヶ月前にはファミリーコンサートで2時間半の濃密なプログラムをやったばかりなのに、このクオリティでこの熱量をまた発現できるのは、もはや関西シティフィルの地力と言って良いのではないか。演奏する方は相当な疲労感があるだろうけれど、十分にやり切ったと思う。

惜しむらくは観客の少なさ。いつもの半分以下という、過去最低水準の動員数。こんな中来ていただいたお客様には感謝しかない。アンケートもたくさん書いていただいた。本当に感謝。しかしながら、もっとたくさんの方々に聴いて欲しかった。過去と比べても演奏会全体の完成度として高かっただけに、残念。次回に向け、もっとたくさんのお客様に来てもらえるよう、手を尽くしたい。

どうしても書いておきたいのは、指揮者の力だ。ゴギさんとは早や20年近くご一緒しているが、先生の巧みな指導と弦楽器のプロフェッショナルとして非の打ち所がない技術力、そして何よりもその人間性。
たまたま帰りが同じで、雨の中30分ほどご一緒させていただいた。いろんな話を聞いた。音楽に対する考え方、情熱、そして愛。それは、人間愛につながるもの。愛することに不器用な我々日本人は、もっとゴギさんに学ぶべきだ。流暢な日本語の中でも、愛に溢れる言葉の数々。決して遠回しな表現などない。ご指導のときも感じることだが、ご自身の人間性を十二分に発揮された暖かい、愉しい時間だ。ときにその伝えたいことを伝えるために言葉が長くなってしまうこともあるが、それもまた、ゴギさんらしさ。マエストロのお人柄。これからも難曲大曲か続くが、また、ご指導を受けられる悦びを愉しみたい。

演奏面も発展途上だけれど、運営面についての私の役割についてはもっと、発展途上。自分ごとにはなりつつあるが、まだまだクオリティが低い。まあ、当日シャツを借りなくて済んだだけでも良しとするけど、もっとレベルとクオリティを上げて、運営面でも役割を全うしたい。はじめてのホールという意味では戸惑いが多い中、それなりに健闘したともいえる。また慣れたホールに戻るので、この経験を活かして、次の本番に向けてがんばってみたい。

とくにがんばりたいのが、広報。この文章も広報の一環といえば聞こえがいいが、ほとんど趣味の領域。もっとリーチするアクションをつづけたい。計らずも広報チームのメンバーにも入れていただいたので、アイディアはもちろん、実践をつづけたい。試行錯誤は嫌いではない。臆せず、やってみたい。つづけることが私にとっては最大の課題。つづけたい。

という訳で、次はコレ。

憧れの、ショスタコの5番。もちろんとても有名な大曲。トップを吹かせていただけそうだ。新進気鋭の指揮者との共演も楽しみだ。音楽の火花がバチバチに散ることを期待したい。

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