ニンジャスレイヤーTRPGソロリプレイ【ザ・ホーンテッド・ネクター】
はじめに
この記事は、ニンジャスレイヤーTRPGの自作プラグイン、「ティターン・ニンジャクラン」のテストプレイを目的としたソロキャンペイグン(キャンペーンのこと)のリプレイです。
前のお話はこちら
今回は、ゴルダ=アルカトラスさん制作の【ヤマ山地のオーガニックウイスキー】を元に、一部展開等を変えてプレイを行いました。元シナリオはソウカイヤ、傭兵どちらでもプレイできるようになっており、原作ニンジャとの接点も生まれるためとてもストーリーテリングの捗るシナリオです。
1
事前調査、知識:高級嗜好品でダイス+2
/nd h12
:
12d6>=5 = (6,2,3,1,3,5,5,5,6,3,5,1 :成功数:6)
合計値:6
即応・緊急回避+2
「あなたがオールドコロッサス=サンですか。お待ちしておりました。ドーモ、アマリイチ・セイジュウロウです」
ヤマ山地奥地、江戸様式の奥ゆかしい邸宅のドージョーで、正座する紺甚平姿の老人が向かい合うオールドコロッサスにアイサツした。
マスターブリュワー・アマリイチ・セイジュウロウ。平安時代からここで酒造技術の研鑽を重ねてきたアマリイチ酒造の当主である。そして、齢七十を超えながらも、今夕日が照らすその瞳には二十代めいたバイタリティが宿る。
「ドーモ、アマリイチ・セイジュウロウ=サン。オールドコロッサスです。本日は、警護のご依頼に応じて罷り越しました」
オールドコロッサスはアイサツを返しつつ、周囲の気配を探る。
気配察知
/nd n3
:
3d6>=4 = (5,3,4 :成功数:2)
合計値:2
成功、ニンジャの気配を察知。
ニンジャソウルはやや遠巻きに三……否それより近くの一つを含めて四。事前の調査と一致する。ソウカイ・ニンジャ、キツネビ、デッドローニン、そしてブラックゴースト。もう一つはストライダーの名以外を掴ませぬ謎のニンジャ……かのニンジャが悪辣なる存在でないことを祈るほかない。
「はい。お聞き及びとは存じますが……このアマリイチ酒造の秘宝、天照の涙三十年をラオモト=サンの知事選出馬壮行会に供ぜよと要求されているのです。これは本当に相応しい者にしか分けてはならぬ秘蔵のウイスキー。アマリイチの当代として従うわけにはいきませんでした。しかし、ここに至ってニンジャを寄越すと脅されてしまい……」
セイジュウロウ老人の表情に悔しさが滲む。知る人ぞ知るオーガニック・ウイスキー、天照の涙、その中でもこれまで世界に数本しか確認されぬ三十年物、値をつければ万札にして500は下らぬそれを力づくで奪うと脅されたのだ。その心中は察するに余りある。
「なるほど。このヤリに賭けて奪わせますまい。なに、アマリイチ=サンには私からもおいおい伺いたいことがあるのです。ハニー・サケの作り方だとか、ここの古い言い伝えだとかね」
オールドコロッサスは微笑んでみせる。
思い出すのは、YCNAN……ナンシー・リーの言葉だ。オカルトは専門ではない、と言いながらも彼女は、このアマリイチ酒造の歴史のみならず、平安時代にこの付近に流れ着いた円形の奇怪な小舟と、それに乗ったローマ人めいた服装の異人の伝承までもを調べ上げてくれていた。
シルバーハニーサケ・オブ・ダイギンジョ。目の前のマスターブリュワーなら、この旧きギリシャのレリックと伝承の関わりについてなにがしかのことを知るかもしれぬ。
「おお……。ラオモト=サンの使いがくると言われたのは間もなくです。頼みにさせていただきますぞ!」
セイジュウロウ老人はオールドコロッサスの巨大な手を強く握る。オールドコロッサスは頷き、老人の斜め後ろに控えてまさに今戸口に立った気配を待ち構える。
2
時はやや遡る。ヤマ山地上空に、不吉なるローター音を響かせる湾岸警備隊軍用ヘリあり!その中に控えるのは油断ならぬ三忍のソウカイ・ニンジャ!
「田舎のジジイ一人チャメすだけのミッションっスよね?早く終わらせて、ネオロポンギで打ち上げ重点っスよ!」
楽天的に笑うのは青髪にストリートウェアのニンジャ、キツネビだ。
「俺は御免被る。サイバネのメンテナンスの先約があるでな」
キツネビに応じるのは重サイバネのデッドローニン。ノリが悪い。キツネビは小さく舌打ちをする。
「お前ら、無駄口を叩く暇があれば地図を頭に叩き込んでおけ……。間抜けに足を引っ張られたとあってはラオモト=サンにもサナダ=サンにも申し訳が立たん」
オバケめいた陰鬱で威圧的な声が二忍を制する。この黒メンポのミリタリー装束ニンジャこそはブラックゴースト。湾岸警備隊ケイノウ・サナダからラオモトに貸し出された無慈悲なトクシュブタイ・エージェントだ。その時!
ゴオッ!
「チィッ!乱気流か?」
時速666㎞めいた暴風がヘリを乱暴に揺らす。それだけではない!
KBAM!KBAM!
「「アバーッ!」」
計器類が突如謎の爆発!パイロットクローンヤクザ、助手ヤクザともどもに死亡!
ヤマ山地はワンソーの使徒ヤマ・ニンジャとの所縁も古く、多くの怪現象が報告される霊場である。古き霊場それ自体が、驕れる暴君の魔手を拒むというのか!?
しかしブラックゴーストは瞬時に状況判断し、指示を飛ばす!
「キツネビ=サン。デッドローニン=サン。これより我らはこの機体を放棄し各自降下する。着陸後ASAPでIRC連絡し、私と合流すべし」
「「ハイヨロコンデー!」」
二忍が動く!
「イアイド!」デッドローニンのイアイがヘリの外壁をくり抜き、吹き込む風をものともせず三忍が空中に躍り出る!そして!「ゴミ、残しちゃいけねっスよね!イヤーッ!」ニヤリと笑ったキツネビがニンジャサインと共にジツを発動!
KRA-TOOOM!!
ヘリ空中大爆発!破片も残さず塵となって気流に飲み込まれ、三転着地したキツネビの頬にただ数片の炭めいた痕跡を残すのみ。
「フウーッ……。デッドローニン=サン、ブラックゴースト=サン。近いっスかー?」
どこか暢気な呼びかけに、背後の茂みをかき分けて現れたニンジャが応じる。
「お前は声帯がIRCなのか、キツネビ=サン。俺は羨ましいぞ」
デッドローニンの目は冗談だと言っていない。彼はサイバネの信奉者なのだ。
「まあ、あんたのそれはいつものことだからもう驚かねっスけど……ブラックゴースト=サン、はぐれちゃったっスね」
「逆だキツネビ=サン。俺たちが!ブラックゴースト=サンから!はぐれたのだ!早くIRCを……繋がらんだと!?ふざけおって!非テック未開地帯め!」
デッドローニンが激昂する。少なくともIRCの通じる地点を探さねば、ブラックゴーストとの合流も、ミッションを中断しての撤退もあったものではない。
その時、移動しようとする二忍の背後で、がさり、と草叢が揺れた。
「バイオパンダ……とかじゃなさそうっスね」
「わからん、パンダのニンジャかも知れん」
キツネビとデッドローニンに緊張感が走る。ニンジャソウル。
直後!
『ドーモ、ストライダーです』
草叢から躍り出たシバ種の犬が威圧的アイサツを決めた……。二忍のニューロンに。
同じ頃!「チッ、はぐれた上に連絡もできんのか、無能者どもめ」パラシュートを巧みに操作し、アマリイチ邸を視界に収める位置に着地したブラックゴーストが舌打ちした。
元より単独ミッションのつもりで備えていたとはいえ、威力部門のホープ二名という触れ込みに反してこの体たらく。ミッションの遂行能力は単なるドージョーでのカラテにあらず。ソウカイヤへの出向が長く続くようなら、ゲイトキーパーにいずれ進言せねばならぬことだろう。
ともあれ、連絡を待ち続けて時を失うわけにはいかず、強引にキツネビとデッドローニンをピックアップしようと試みてこの胡乱の地で二次遭難を引き起こしてもうまくない。所詮非ニンジャの老い耄れ一人、持ち出せる備えも知れている。交渉でゴネるようなら指の二、三本も折ってやればよい。
ブラックゴーストはアマリイチ邸に歩を進める。その戸口に立つ頃、ミリタリーニンジャ装束はいかにしてかシックな黒のビジネススーツにカモフラージュされ、無慈悲な軍人ニンジャは今、カスミガセキ地区の敏腕秘書めいた怜悧な美女の出立を取っていた。
予想に反し屋内にはニンジャの気配。しかし。よい。トクシュブタイに二束三文の傭兵ニンジャ一匹で対抗しようとする思い上がりを、丁寧に挫いてやるだけのことだ。
3
「ドーモ、アマリイチ・セイジュウロウ=サン。ネコソギ・ファンドのネイコ・クロメです」
夕日差すドージョーでセイジュウロウ老人と向かい合う黒スーツの女の声はぞっとするほど冷たい。
「ドーモ。ネイコ・クロメ=サン。アマリイチ酒造の返答は前から変わりありません。お引き取りを」
セイジュウロウ老人は毅然と立ち向かう。……カコン。睨みあう両者の間の張り詰めた空気を中庭のシシオドシが打つ。老人の背後に控えるのは巨神ニンジャ、オールドコロッサス。
ネイコ・クロメ……ブラックゴーストの冷酷な視線を前にセイジュウロウ老人の職人の目は一歩も引かぬ。極限まで緊張した沈黙が江戸様式タタミ張りドージョーを満たす。気丈なる老人の額には、脂汗。……カコン。
「……これが最後通告だ。アマリイチ=サン。天照の涙三十年を献じ、ラオモト=サンに味わっていただくことを喜べ」
沈黙を破るのはブラックゴースト。その視線はセイジュウロウ老人のみならずその護衛ニンジャをも睨み据えている。
「ハァーッ!ハァーッ!何度言っても同じことだ、ヤクザめ。ネオサイタマに帰りたまえ!」
長時間ニンジャと睨みあって疲弊したニューロンを励ましてセイジュウロウ老人が答える。その瞬間!ブラックゴーストの目が不吉に輝いた!
「下手に出ればつけあがりおって!この老い耄れめ!イ「イヤーッ!」
残忍なるニンジャの暴力は気丈なるマスターブリュワーに届く寸前でビークド・ヤリナギナタにインタラプトされた。オールドコロッサス!
◆オールドコロッサス/シーチ先生 (種別:ニンジャ)
カラテ 1 体力 7
ニューロン 3 精神力 3
ワザマエ 10 脚力 6/UH
ジツ 3(壁越え) 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 2/10/3/3
回避/精密/側転/発動 8/11/9/6
即応/緊急回避 3+2/4+2
◇装備、サイバネ、ジツ、スキル
ヤリ、ニンジャブレーサー
☆巨神化の秘儀LV2
●連射2、◉◉タツジン:ヤリ・ドー、◉ヒサツ・ワザ:ムーン・シャドウ、☆◉イサオシのティターン
◉交渉:超然、◉知識:古代ニンジャ文明、◉知識:高級嗜好品
◆ブラックゴースト(種別:ニンジャ)
カラテ 8 体力 8
ニューロン 5 精神力 5
ワザマエ 8 脚力 4/N
ジツ 0 万札 0
スキル:『●連続攻撃2』『●連射2』『◉トライアングル・リープ』『◉◉タツジン:ミリタリーカラテ』
装備:『カスタム・チャカガン』
ジツ:
サイバネギア:
近接/射撃/機先/電脳 8/8/5/5
回避/精密/側転/発動 8/8/7/5
「交渉が終わったならば私の仕事ですな。ドーモ、オールドコロッサスです」
背後にいた巨神ニンジャがセイジュウロウ老人を庇うように進み出、ブラックゴーストの前に立ちはだかる。
「ドーモ、オールドコロッサス=サン。ブラックゴーストです。なるほど、老い耄れが雇うのも老い耄れというわけか」
瞬時に黒スーツからミリタリーニンジャ装束姿となりアイサツを返すブラックゴーストがカラテを構えた!
1Tイニシアチブ5>3でブラックゴースト(BG)先制
BG側転・APK攻撃n(5211226)n(2165)(1653)>OC回避n(56)(26)
OC強化精密攻撃n(551)(25212653)>BG回避n(525)(532)
BG側転・APK攻撃n(5136553)(2166)(5136)>OC回避n(3264)(52)残り緊急回避4
OC強化精密攻撃n(361)(21244116)>BG回避n(521)(513)
アイサツから0コンマ数秒後!「イヤーッ」機先を制して動くのは……ブラックゴースト!不規則な跳躍で攪乱し……BLAMBLAMBLAM!ハンドガンを三連射!
「イヤーッ!」セイジュウロウ老人の別室離脱を見届けつつオールドコロッサスは一発にビークド・ヤリナギナタの穂先を合わせ、もう二発をヤリ回転で弾く!タツジン!
「どこを見ている!間抜けめ!」しかしその隙にブラックゴーストは……ナムサン!オールドコロッサスの頭頂部ストンピングを狙う!KRAAASH!破砕音!着地点のタタミが爆ぜ土煙!
「ヌウーッ!」オールドコロッサスはバックステップ回避!「バカめ!体を開けたな!イヤーッ!」ブラックゴーストが着地の隙に更なるカラテを捻じ込みに行く!
「欲張りすぎだ!ブラックゴースト=サン!」「バカな!?ンアーッ!」ゴウランガ!オールドコロッサスは逆にタックルで対抗!ブラックゴーストは咄嗟にガードするも跳ね飛ばされる!
「そして、そこだ!」突進の余勢を駆ったヤリ刺突から薙ぎ払いのコンビネーション!「調子づくなよ?イヤーッ!」BLAM!ブラックゴーストは射撃反動加速で不可能タイミング回避!床の間のフクスケ破砕!そのまま再度跳躍する!
「イヤーッ!」トライアングル・リープからの踵落としをオールドコロッサスはヤリの柄で弾く!次の瞬間!BLAM!
鴨居のキツネ・オメーン破砕!「トロいぞ老い耄れ!イヤーッ!」カラテシャウトは下から!ガードと射撃の二重反動を生かした急着地!致命打に繋がる足払いを仕掛けに行く!
「虫めいた奇策というわけかね!」オールドコロッサスは極度集中、ストンピングで追い払う!タタミ爆発の土煙に隠れブラックゴーストは瞬時にバック転離脱!
「イヤーッ!」突進し追い打つオールドコロッサス!BLAMBLAMBLAM!ブラックゴーストは冷静に見極め射撃牽制!「コシャク!」銃弾をことごとくヤリで、ブレーサーで、叩き落す巨神ニンジャの正面には既に跳躍するブラックゴースト!大気がカラテで張り詰める。……カコン。シシオドシ音と同時に早回しめいて状況が動く!
2T前ターン被弾者なしのためHARD(試験的措置)
BG側転・APK攻撃n(2223343)n(5551)(4211)>OC回避h(64)(55)>BGカウンター回避(52)
OC強化精密攻撃n(422)即応4(441255663563)>BG,AB使用回避n(31)u(245345)>OCヒサツ(31)BG8>2,OC精神3>2
BG側転・APK攻撃n(666242)n(5564)(2514)>OC回避h(24)(61)OC7>5
OC強化精密攻撃n(331)(34552163)>BG回避h(15)
BLAM!ブラックゴーストの空中射撃!首を捻って躱すオールドコロッサスに「イヤーッ!」射撃反動空中ローリングソバット!「グワーッ!」辛うじて衝撃を体幹で受けるもブラックゴーストは既に追撃態勢!ナムサン!恐らくは覆せぬ戦闘経験の差!このままではジリー・プアー(訳注:徐々に不利)か?
オールドコロッサスのニューロンが異常活性し、主観時間が泥めいて鈍化する。蘇るのはあの夜、赤黒の影とのイマジナリー・カラテの中で得た悟り。ヒアスのヤリは、駆けるべし。オールドコロッサスはヤリを構え、ブラックゴーストに対し真正面から踏み込む!
「「イイイヤアアアアーッ!」」異様なアトモスフィアに危機感を覚えたブラックゴーストもまた全力で突進!両者が!交差する!「アバーッ!」一方が膝をつき、その肩からスプリンクラーめいて血を噴出させる。他方はやおら向きなおってザンシンする……オールドコロッサス!
この中に、カイデンを明日に控えたヒャッポ・ニンジャクランのグレーターニンジャがおいでなら、この一瞬の凄絶な攻防を詳細にご覧になったことだろう!オールドコロッサスはまず踏み込みながら突きを繰り出し、それがブラックゴーストの肩を捉えたとみるや瞬時にその場で一回転、回避不能体勢の敵を無慈悲に薙ぎ払いつつその回転ベクトルのままに切り抜けたのだ!
イアイドーの奥義ムーン・シャドウに増して巨きく、鋭い、この失われたヒアス・ニンジャのヒサツ・ワザを仮に再び名付けるとすれば……「これがヒサツ・ワザ、シャドウレス。君にこの場の勝ち目はない。引くがいい」オールドコロッサスは声に可能な限りの威厳を纏わせて呼びかけた。
「ハァーッ!ハァーッ!オハギめいて甘いぞ老い耄れ!ニンジャのイクサを知らぬと見える!イヤーッ!」センシ!ブラックゴーストは瞬時に止血、ZBR投与!応急処置を行い再跳躍!BLAM!射撃はオールドコロッサスに弾かれる。しかし!「イイヤアアアアーッ!」ゴウランガ!射撃反動のベクトルを巧みに操作し急着地、そこから放たれる変形暗黒カラテ奥義、サマーソルトキック!
「グワーッ!」オールドコロッサスが仰け反る。ブラックゴーストは逃さぬ!「イヤーッ!」小ジャンプから致命的眼球摘出チョップ突き!「イ、イヤーッ!」辛うじてオールドコロッサスはヤリを突き上げ追い払う。ブラックゴーストは壁を蹴って再突撃の構え!ゴジュッポ・ヒャッポ!
3T
BG側転・APK攻撃n(1165515)n(6332)(6664)>OCAB使用回避n(53)h(655154)緊急回避0
OC強化精密攻撃n(441)n(34136112)>BG回避h(111)(345)BG2>1
BG側転・APK攻撃n(5266321)n(3462)(3111)>OC回避h(4466)
OC強化精密攻撃n(255)(63132534)>BG回避h(343)(511)
BG体力0、ニンジャ耐久力ルールを援用し撤退演出
BLAM!「イヤッ!」「イヤッ!」BLAM!「イイイヤアアアアーッ!」ブラックゴーストは空中後方射撃加速から飛び蹴り、オールドコロッサスのガード腕との接点から再跳躍し踵落とし、その全てを囮に急着地、膝を射撃破壊するピストルカラテ下段突き!オールドコロッサスはニンジャ第六感でこの危険な奇襲を察知。半身回避してヤリ刺突!
「ンアーッ!」初撃がブラックゴーストを捉えるが、浅い。ブラックゴーストは追撃を潜るように身を沈め、不規則跳躍から致命打を狙う!BLAM!奥ゆかしいコケシ飾り破砕!「イヤーッ!」オールドコロッサスはフェイントを見極め致命打撃を捌く、そのまま踏み込み!決めに行く!
「イイイヤアアーッ!」「イ、イヤーッ!」ブラックゴーストは辛うじて初撃の突きを捌くも「ンアーッ!」続く斬撃を避け損ない、その身をまたも裂かれる!もはや凡庸なニンジャであれば爆発四散して不思議はない重症。ニンジャ耐久力以上のトクシュブタイとしてのセイシンテキが今ブラックゴーストを支える全てだ。
4
「カイシャクが望みかね。ブラックゴースト=サン」巨神の体が憮然と迫る。「……ハァーッ!ハァーッ!ミッションは未達!撤退の理由はない!」壮絶に笑うブラックゴースト。……その時!PIPIPIPIPI!IRC着信音がイクサのアトモスフィアを乱す。
『ブ、ブラックゴースト=サン!?やっと繋がった!今、ヤバい犬に!襲われてて!グワーッ!デッドローニン=サンと二人でも!ヤバい!退却申請!受理されたんで!援護が欲しいっス!グワーッ!』
IRCの主はキツネビ!キツネビとデッドローニンはシバ犬のニンジャ、ストライダーに散々に追い立てられつつあったのだ!
「チィッ!あのカスどもめ!」ブラックゴーストは状況判断する。いかに多くの権限を与えられているとはいえ自分は湾岸警備隊から出向中の外様。スカウト部門のソニックブームはおろかゲイトキーパーにまで見込まれているあの二人を捨て駒にするのはうまくない。そして、友軍の援護を目的とした転進は撤退ではない。
「預けるぞ!老い耄れ!イヤーッ!」判断は瞬時に行われ、キゴーン!ジャミング効果つきのスモークが室内を満たす。オールドコロッサスは追わぬ。目的はアマリイチ・セイジュウロウの警護であって、敵ニンジャの爆発四散ではない。むしろアマリイチ酒造に手を出すリスクをソウカイヤに教え込むことに成功したと考えたのだ。
「オールドコロッサス=サン、彼女は……」数分の後、隣室から戻ってきたセイジュウロウ老人にオールドコロッサスは頷いてみせる。「重傷を負わせ、撤退させました。これでソウカイヤも今後軽々にはアマリイチ酒造に手を出せぬでしょう」
「おお……、ありがとう!オールドコロッサス=サン、ありがとう!」セイジュウロウ老人は涙ながらにオールドコロッサスの手を取り、大きく上下に振った。
そして、しばらく感極まってオールドコロッサスに背を擦られた後、改めて口を開いた。「実際恩人です。オールドコロッサス=サン。なんなりとお聞きください。この老体の知ることであれば、否、知ることでなくとも、ご協力は惜しみませんぞ!」
オールドコロッサスは奥ゆかしく感謝し、旧きレリックの名を口にする。「シルバーハニー・サケ・オブ・ダイギンジョ。このサケの名を耳にされたことは?」
セイジュウロウ老人の表情が変わった。何か極めて神聖なものを目の前にしたかのように。「……家伝のマキモノに書かれております。そうですか、貴方が……。明日です。明日マキモノをお見せし、私の知るところをお教えしましょう」
……カコン。もはや日の落ちたヤマ山地の大気をシシオドシが打ち、アオーン!盗人を追い払った番犬めいた誇らしげな犬の遠吠えが響く。落ち武者じみたアトモスフィアのヘリがよたよたと山脈の向こう、ネオサイタマに帰投するさまを見すらせず、オールドコロッサス、シーチ先生は奥ゆかしくアマリイチ邸に宿を借りるのだった。
ウイスキーを強奪することに成功した/ブラックゴーストを爆発四散(撤退)させた
【万札】30 【名声】+1
余暇4スロットを得た!
【ザ・ホーンテッド・ネクター】終わり
DIYニンジャ名鑑
あとがき
シーチ先生の3シナリオ目になります。前回のあとがきでも書いた通り、今回の敵ニンジャ、ブラックゴースト=サンはタツジン持ちかつ回避ダイスも側転込みでフルに使ってくる大変に手ごわい相手でした。
前回取得したヒサツ・ワザの火力を生かして突破することができましたが、これまでとは次元の違うイクサにダイスを振っていてとても楽しかったです。
また、いい感じのイクサが展開できて、今後のストーリーにも便利に使えそうだったので、急遽ブラックゴースト=サンには生存してもらい、タツジン:ミリタリーカラテから湾岸警備隊出身の女軍人という属性を付与しました。またちょこちょこ出てくると思います。
描写に関しては、タツジン持ち同士の戦闘ということもあり、これまでのサンシタ~アデプト帯とは少し次元の違う攻防、というコンセプトに挑戦してみました。今後どんどんイクサは激化していくので、テキストカラテもそれを書ききれるようプラクティスしたいですね。
……プラクティス?プラクティスと言えば、最近逆噴射プラクティスなる概念を知り、タノシイな遊びとしてまず2編ほど書いてみたので、そちらも同時にアップロードされていると思います。本当に楽しかったのでぜひお読みください。
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