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かんがえてみたいおばけ(ネタバレあり)

考察おばけこと、クララリネットです。

男性ブランコ コントライブ
『やってみたいことがあるのだけれど』

横浜公演に参戦&配信も購入。
身体の記憶と頭の記憶が蘇ってきました。
今回は私が見た横浜での公演と、
配信公演の内容を比べながら
大いにネタバレを含んで、
感想と考察を書いていこうと思います。

なので!
配信まだの方はそちらを見てからを
強く強くつよーく、おすすめします!

ただの自己満な、いち素人の考察おばけ。
偉そうな発言多々あると思います。
はじめに謝ります。ごめんなさい。

今回もゆらゆらと書いていきます。






やってみたいことがあるのだけれど

エレベーターで赤レンガ倉庫3Fに到着。
やてみたポスターがお出迎え。
受付を済ませて、いざグッズ売り場へ。
しかし、すんなりと行かせてくれる訳ではなかった。
(いい意味で)

通路の至る所に
ちっちゃいおばけちゃんたちがちらっと。
おばけたちに案内されるまま、
グッズ売り場、そして会場へ。

コントライブのはずなのに、
ステージ上にはセンターマイクが1本。

漫才なの?
それにしてもマイクの高さが高い。
身長あれぐらい高いのかな。
想像と妄想でそわそわどきどき。

開演。
上手からトニーフランクさん登場。
会場のBGMが徐々に生演奏に切り替わる。
そして、出囃子へと変化。

ここの演奏の変化と照明の点き方が
かっこよくて、エモーショナルで、
期待値がグッと高まる感じ。


【プロローグ「漫才師」】

パッチワークのようなジャケットで登場。
オシャレだ。可愛すぎる。

この日の横浜はあいにくの雨。
そしてトライアスロンが行われていた。
日本大通り駅を出るや否や自転車自転車自転車。

平井「雨すみませんね。」
  「トライアスロンも。迂回して頂いて。」
浦井「あなたは主催者じゃないでしょ。」
平井「天気の代わりに謝ります。」
浦井「駅出たらね、もう自転車が🚴‍♀️」

あぁ、お二人も同じ景色を見てきたんだな。
嬉しさでもう涙腺が緩みそう。
そして、浦井さんのこの一言。

浦井「ちょっと、やってみたいことがあるのだけれど」

会場全体の背筋がピキンと伸びた。
来る。いよいよ、本題が始まる。

平井さんの「分かった。」をきっかけに
照明チェンジ&生ギター。
上手下手のパネルが回転。
様々な衣装を纏ったトルソーがずらり。
よく見ると、初めの漫才衣装に、
それぞれのコントの生地が使われている。
(この時点で気づいてしまった自分)


【観光案内】

浦井さん:野宮正(観光案内所の人)
平井さん:亮太

野宮の子どもが生まれる前日に、
亮太が野宮の観光案内所を訪れる。

亮太「あなたの思い出の地を観光させてください」
野宮「なぜ私の地元がここだと知ってるんですか」

亮太の正体は、未来から来た野宮の息子だった。
26年後の未来から父親の思い出の地を観光に来た亮太。
明日になれば、野宮の記憶から
今日の出来事は綺麗さっぱり無くなるらしい。

自分の時代に帰ろうとする亮太だが、
表情はどこか曇っている。

野宮「そんな思い詰めた顔のまま帰らせられない」
亮太「…父さんは僕が産まれたから音楽をやめたのかな」

亮太が産まれる前までは、
趣味でギターを弾いていた野宮。

野宮「あまり親をなめない方がいい。
   自分が考え抜いて決断したことを
   子供のせいにする親なんていない。」

[考察&感想]

このコントでのポイントは、
『ある人から記憶が無くなる』

世代によって印象に残る場面が変わると思いました。
妊娠期だったら
「妻が入院している」のところで泣いていただろうし、
出産後の今は、
亮太の思い詰めた表情でぐっときている。
おそらく、もうしばらくすると、
「親をあまりなめない方がいい」の所で
泣くんだろうな。私。

言い方を変えれば、
色んな世代の人に刺さるコント。
どんな人にでも寄り添えるコントって
素敵ですよね。


【音楽家】

浦井さん:音楽家
平井さん:三叉路の悪魔

寿命と引き換えに
ギターの超絶技巧を身につけたい音楽家。

悪魔「25年!」
音楽家「……18!」
悪魔「25!」
音楽家「15!……えーい、漢気の10!!」

寿命の値切り合戦。
悪魔も人間の寿命がないと生活できない。
寿命はお金みたいなもの。

悪魔「税寿命を納めないと、存在がなかったことになる。
   何もかも。一切合切。虚無の罰という。」

ふと、音楽に興味をもった悪魔。

悪魔「音楽ってそんなに面白いのか?」
音楽家「おもしろいたのいしいだよ。」

悪魔にギターを聴かせる。

音楽家「もし、人間だったらどんな人間になりたい?」
悪魔「普通のおっちゃん。」

[考察&感想]

このコントでのポイントは、
『存在が無くなる』

私がみた回では、悪魔はフード被ったまま。
悪魔度と可愛さが倍増して憎めない悪魔平井さん。
悪魔が人間に寄り添っていく過程が優しくて、
最後の方で
2人が座って会話しているところが好きです。

お芝居のようなリアルのような。
非日常の三叉路だけど日常を見ているような。
しんみりと温かい気持ちになれました。


【おっちゃん】

浦井さん:せいちゃん 袖なしベスト。リバーシブル。
平井さん:かっちゃん 黄色袖あり。リバーシブル。

大好きなワタ子さんに告白しにきたかっちゃん。
せいちゃんに連れられ、行こうとするが、
「無理や!」「できん!」という有様。

「かっちゃん!」「無理や!」
「かっちゃん!」「無理や!」

言いあいながら服をリバーシブルにする。
すると、
2人の声もおっちゃんの声から子どもの声に変化。

せ「かっちゃん!」
か「無理や!100円取られた!」
せ「本当はボクがカツアゲにあったのに、ありがとな」
か「ん?なんか言った?」
せ「いや、なんでもない」

そして、再び服をリバーシブル。
子どもの声からおっちゃんの声に変わる。
せいちゃんに背中を押され、
無理やりワタ子さんの前に出るかっちゃん。

か「ワタ子さんがお腹を空かせていたら、
  ボクがそばで食べてあげる。これで中和されて…」
せ「中和ってなんや!」
か「ワタ子さんがアルカリ性で私が酸性…それで中和」
せ「だから中和ってなに!?
     かっちゃんの気持ちを伝えて!」

か「ああ!好きですぅ。
    …こんな、おっちゃんで良かったら…」

手を差し出すかっちゃん。
ワタ子さんはその手を握り返す。

大喜びのせいちゃんとかっちゃん。
そんな2人を不思議そうに見るワタ子さん。

せ「ワタ子さんに、僕は見えない。
か「え?……今これどーゆう感じ!?」

伝わらない状況。
読書をしてこなくて行間が読めないかっちゃん。
2人が別れると、幼少期の場面に。
リバーシブル。

か「せいちゃーん!見てみてこれ、列になってる!
  すごいなぁ、迷わんのかな?
せ「かっちゃん!……帰らんでええんか?」
か「大丈夫やで。」
せ「ぼく、親いつも仕事で遅いんや」
か「知ってる。」
せ「かぎっこなの。」
か「知ってるって。」
せ「…気ぃ使わんでええからな。」
か「使うかぁ。おりたいからおんねん。」

[考察&感想]

このコントでのポイントは、
『親友がこの世にいない』

「ワタ子さんには、見えてへんから」
のあとのギターコード。

ジャーン♪と響いた音が
長調(レソシの和音かな?)が
優しくてシンプルな和音だから、
すごく救われた気持ちになりました。

平井さんのおっちゃん加減に、
田舎の優しさが溢れてて愛おしい。
リアルなおっちゃん。
畑で採れた野菜とかお裾分けしてくれそうです。

そして、最後の気持ちのえぐり方。
せいちゃんはもうおばけになっている、
という切なさからの幼少期の場面へ移ったあの瞬間。
「おりたいからおんねん。」で涙腺崩壊。

笑っているのか泣いているのか
もう、気持ちがぐちゃぐちゃで快感。

優しさの塊。
なぜ、こんなにも気持ちよく心をえぐれるのか。
脚本も。演技力も。
このえぐられ方がたまらないから
推しているんだけれどね。

※インスタライブで平井さんが
 「今回のコントは繋がっている物語ではない。」
 とおっしゃっていましたね。
 なので、
 『観光案内』の野宮正と、
 『おっちゃん』のせいちゃんは、
 同一人物ではないようです。


【研究者】

浦井さん:久保(助手)白衣が似合いすぎる。
平井さん:博士 同じく白衣が似合いすぎる。

久保「博士、先ほどの実験で90%の抽出に成功しました」
博士「そっかぁ。90%かぁ」

コーヒーゼリーからコーヒーを抽出する装置。
なかなか100%抽出できず、納得がいかない博士。
何のためにこの実験をしているのか分からない久保。

博士「コーヒーゼリーから
   100%コーヒーを抽出した先には、
   純粋なゼリーが待っているんだよ!
   世の中不思議なことばかりじゃないか。
   複雑にからみあってるものばかりじゃないか。
   だからね、僕は純粋なものに憧れるんだよ。
   一度コーヒーを経験しているから、
   抽出したあとに
   より純度の高いゼリーができるんじゃないか。」

博士の考えが理解できない久保。
今にも辞めそうな表情をしている。

久保「あの!・・・辞めませんよ。」
博士「耐えた・・・!初めて見た、耐えた人!」

耐えたことにフワフワしている博士を横目に、
抽出装置のプログラムを書き換える久保。

博士「抽出装置なんだけどさ、
   ちゅうしゅっちゃんって呼んであげて。」
久保「ただの機械でしょ。」
博士「ちゅうしゅっちゃん!」

プログラムの書き換えを終えると、
久保は抽出装置を博士に向けた。

久保「ちゅうしゅっちゃんは、新たな兵器だ。
   人間から恐怖心を抽出することができる。
   そうをすれば、
   恐れを知らない完璧な兵士ができあがる。」
博士「君の中にそんな
   どす黒い感情が渦巻いていたなんて」
久保「世界に売るためには、人体実験が必要です。
   博士!実験台になってください。
   悪く思わないでください。
   さぁ、博士。注射の時間ですよ!」

抽出装置を片手に博士に襲い掛かる久保。
地面を這いながら逃げる博士。
博士に抽出装置が刺さる直前、久保の手が止まる。

久保「・・・なぜっ!?」
博士「ちゅうしゅっちゃん!?」

意思を持ったちゅうしゅっちゃん。
久保の手を離れずそのまま暴れだし、
あろうことか久保は自分自身に突き刺してしまう。

博士「久保君!?大丈夫か!?」

目覚める久保。真っ黒な成分を100%抽出された
まっさらな久保が出来上がった。
何の感情も抱かず、まっすぐと立ち尽くしている。

博士「100%抽出成功してるよ!
   君の中から黒いもの、
   すべて抽出されたんだ。
   君はこれで純粋な人間になれたんだ。
   よかったねぇ。めでたしめでたしだ。」

久保の口元に純粋ゼリーを差し出す博士。

博士「食べる?いらないの?あ、そう・・・
   そうだ。久保君。
   抽出ができるなら注入もできるのかな?
   ちょっと、
   やってみたいことがあるのだけれど。
   知り合いの絵描きから絵描きの成分を抽出して、
   君に注入する。
   僕もなにか適当なやつを注入するから。
   それでおあいこ。いいかな?だめかなぁ~?
   人体実験だもんねぇ。」

   『ウン、イイヨォ。』

微動だにしない久保。
中身のないおばけ。意志を持たない操り人形。

博士「え、いいの!?」

『ウン、イイヨォ。ウンイイヨ オバケ ダヨォ。』

博士「そっかそっかぁ。ありがと。」

[考察&感想]

このコントが好きすぎるあまり、
字数が多くなってしまいました(汗)

このコントのポイントは
『研究者の心が無くなる』

お二人の演技が光りすぎてまぶしい。
ただ立ち尽くしているだけなのに
・今にもやめそうな久保
・心がなくなって空っぽになった久保
の違いが伝わってくるという凄さ。

みんなの見たかったダーク浦井さん。
照明とギターでよりシリアスな場面に。
ちゅうしゅっちゃんが刺さった瞬間、
私は「来た!」とガッツポーズでした。
(私の性癖おばけがあらわる。)

空っぽ浦井さんが出来上がった瞬間、
会場からは
「・・・!?」という
声にならない声があがっていました。
それぐらいハッとさせられました。

そして、平井さんの方が狂気じみてきて
怖さが出てくる。
最後の「ありがと」なんて、
目の奥は笑っていないやつですよ。

暗転後のトニーフランクのギターも絶妙です。
長調で明るいわけでもなく、
短調でバッドエンド強めでもなく。
次のコントにつながるような
すべてにおいて丁度よいメロディ。
弦のひずみからも怪しさが醸し出されています。


私はふと、ラーメンズの『採集』を思い出しました。
プリマという生き物に憧れ、興味関心の塊、ジャック。
純粋なものに憧れ、実験の結果にだけ興味がある博士。
この狂気さが大好きです。


【絵描き】

浦井さん:禅さん(絵描き)
平井さん:けいた

マトリョーシカを作る禅さん。
急に頭を抱える。
2番目と3番目のマトリョーシカの大きさが同じだった。

禅さん「はぐれマトリョーシカだ!」
けいた「そんなのないよ」

ケイタの父親は禅さんのパトロン。
禅さんには盗作の疑いがかけられている。
このままでは資金援助を受けられない。

けいた「禅さんはあの絵を何年もかけて
    コツコツ描いてきたじゃないか!」
禅さん「俺は、汚名を着せられているのか。」

突如始まる、『汚名ソング』by禅さん
困難を歌い飛ばした。
絵の盗作をしたのは禅さんではなく、
ウガハラ君だというけいた。

けいた「世間にちゃんと説明するんだ!
    絵を見て、調べてもらえればわかるだろ!?」
禅さん「そんなことをしたら、今度はウガハラ君が
    汚名を着せられてしまう」
けいた「資金援助を受けられなかったら、
    絵が描けなくなるのは禅さんだって一緒だろ?」
禅さん「俺は絵を描きたいから描いているんだ」

いずれにせよ
泥棒という濡れ衣を着せられている禅さん。
再び始まる『濡れ衣ソング』by禅さん
目的を歌い飛ばした。

けいたからけいたの父親に
資金援助をしてくれないか、と
話してほしいと頼む禅さん。

けいた「今の倉木家に
           僕の声に耳を傾けてくれる人はいない。
    ちょっと前に、正式な後継ぎが生まれたんだ。
    僕、養子だからさ。
    今の僕には何の力もない。」
禅さん「力なんてどうでもいい。
           側の部分はどうでもいい。
    今、お前が
           ここにあるっていうのが大事なんだよ。
    お前は、お前でしかありえない。」

禅さんのお金の問題をどうにかしたいけいた。
そんなけいたを他所に、禅さんはけいたに宛てて
絵を描いていた。

けいた「(この絵は売らずに)持ってるよ。ずっと。」
禅さん「何がやりたい?なんだってできるぞ。」
けいた「僕…やってみたいことがあるのだけれど」
禅さん「いいね。聞かせてくれ。」

[考察&感想]

このコントのポイントは、
『人間の価値が無くなる』

私が横浜に見に行った日は、大雨でした。
会場につくとブラウスが濡れ衣状態。
濡れ衣ソングが身に沁みました(笑)

禅さん「側の部分はどうだっていいんだ。」

空っぽ純粋人間コントの後に
このセリフですよ。深い

禅さん「絵を描きたいから描いているんだ」
        「お前がそこにあるのが大切なんだ」

禅さんもこれまでに
色んなことを経験してきたんだろうな。
誰も傷つけない前向きな言葉があふれ出ている。

もしくは……
真っ黒成分が100%抽出された久保君に
注入された絵描きだから、
やさしさしかないのか……。


【服屋~エピローグ「漫才師」】

浦井さん:記憶を無くした男
平井さん:洋館にある服屋の女店主

13年間の失われた記憶を求めて、
ある服屋を訪れた男。

店主「ドイツの文化人類学者、民族学者
   アントン・ウェーバーいわく、
   『服は、記憶である。』
   彼は、体に纏う衣服には記憶が宿ると言っている。   
   あなたは着る記憶、
   つまり『着憶』を探しに来たんですね。」

トルソーにかけられた様々な衣類たち。

店主「ここにある衣類に袖を通し、
   その衣類の記憶に身を任せる。それだけです。
   そして、その記憶に私が見事に対応して、
   私が導きます。」

最初に手に取ったのは観光案内所の法被。

男『あまり親をなめない方がいいです。
  自分で考えて考え抜いた結論を、
  子供のせいにする親はいません。
  少なくとも、私はそんな親には、ならない。』

なんかしっくりこない。
次に手にしたのは、研究者Aの服。

男『ボクハ チュウシュッチャン。
  ボクヲ ソンナコトニ ツカワナイデ。』

これも違う。
次に手にしたのは、研究者Bの服。
袖を通した途端、直立不動になる男。
こういうのじゃない。

ふと、1着のジャケットに目が止まる。

男「なんだか、懐かしい気がします。」

ライブの初めに着ていたパッチワークジャケット。
袖を通した瞬間に男の表情が変わる。

男「…観光案内所の人がやりたいって言ってるんだよ。
  って、何やこの格好は!?
  早く着替えて!早く!
  お客さんも集まってるんだから!」

女店主に着替えを促す。
ステージ中央にサンパチマイクを準備する男。

平井「…とか言うておりますけれども、」
浦井「何をいうてんねん!
   俺は、
        観光案内所の人やりたかったって言うてんねん。
   はぁ、やりたいこと何もできんかったなぁ。」
平井「まぁ、お前の期待には応えられなかったけど、
   着たい服は着れたんちゃう?」

どうもありがとうございました。
終演。


[考察その①~男性ブランコとして~]

やっとここまできました。
あと少しお付き合いください。

「13年間の記憶」と言われて、
どのコントとつながっているんだ?と
思考をぐるぐるさせた人も多いと思います。

・今回のコントはすべて独立している。
・最後は漫才(本人)で終わっている。

このことから、記憶をなくした男は、
浦井さん本人だということにつながります。

「浦井と平井で…
 帰るころにはわからなくなっていると思います。」

色んな役を纏っておばけのように変化する2人。
でも、最後は「男性ブランコ」本人に戻る。
主軸は彼ら。
キャラクターあくまでおばけの衣。

2010年から活動している2人。
13年間、色んなキャラクターに変化したり、
アイドルになったり漫才に挑戦したり、
色々現れて消えて纏ってきたけれども、
「男性ブランコ」という「着憶」は1着しかない。

その1着こそが彼らの本質であり、
そこに彼らが存在している証なんだと思います。

禅さんの言葉を借りるなら、
「お前がそこにあるのが大事なんだよ」
でしょうか。


[考察その②~コントライブとして~]

今回のコントはそれぞれ独立している、
と書きましたが
「服」を通して1つの共通点があります。

それは、どのコントも
『なにかを無くしている』ということ。

『ある人から記憶が無くなる』
『存在が無くなる』
『親友がこの世にいない』
『研究者の心が無くなる』
『人間の価値が無くなる』

なにかが無くなったとしても、
その時に着ていた服に記憶は宿っている。
纏うことで姿を現す『着憶』。
まるで、布をかけないと見えない
『おばけ』のようなものですね。

そして、エンディングで
トニーフランクさんが歌っていた曲も
なにかを無くしている歌詞です。


初めて生で男性ブランコを見て、
コントを見て、
気持ちをぐちゃぐちゃにされて、
私の心の黒い成分も100%抽出されて、

何とも言えない
すっきりとした気持ちになれました。

私はおふたりの演技が好きです。

平井さんは外側に役を纏う。
本当に違う人に見える。
佇まいも、喋り方も。

浦井さんは内側に役を憑依する。
本当に違う性格の浦井さんに見える。
表情も、雰囲気も。

改めまして、
男性ブランコさん
チーム男ブラのみなさん
素敵な空間・時間を作っていただき
ありがとうございました。

そして、こんなにも長い長い
散文を読んでいただいたあなた様。
ありがとうございました。

私は、横浜赤レンガ倉庫に纏って行った
洗うほどに膨らむタオルをも一度纏いながら
着憶に浸ります。

#やてみた
#やってみたいことがあるのだけれど

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