【親業講演会でのエピソード】



今年初めての親業に関する講演会がおわたった。市民センターからの依頼で小学生の保護者対象の家庭教育学級での講演会

タイトルは『言葉を変えれば世界が変わる〜親業に学ぶ言葉かけ〜』

昼間の講演会だったためか人数は少なかったものの、参加してくださった保護者の方は涙を流されていらした方も多々見受けられ講演会が終わってもなかなか席を立たれることなく、余韻に浸っていらっしゃった。

あるお母さんが、わたしの元にやってきた。「先生、今日はありがとうございました。講演会中にラインなどしてしまい申し訳ありませんでした」これが第一声だった。お詫びの言葉を発しているが、なぜかお顔は微笑まれている。

「実は娘が不登校で、今日この講演会に来て本当に良かったです。ちょうど講演会中に娘からラインがあったんです。娘曰く、

『今から学校行こうかな〜』『久しぶりだから緊張する』と書かれていたんです。

今までのわたしだったら、『偉い、偉い!大丈夫だから、心配しないで行っておいで』と何の根拠もなく、行かせたい気持ちで言っていたと思います。そしていつも通り、『やっぱり行くのやめる』と失敗に終わるパターンだったと思います。

しかし、ちょうど「能動的な聞き方」の練習をやったところで、今が娘に「能動的な聞き方」をするタイミングだと思い、講演会中で返事を書くのは失礼かと思いながら『久しぶりに学校だから不安なんだね』と娘の気持ちにフォーカスして余計なことは書きませんでした。

そうしたら5分くらい経って『お母さん午前中だけ行ってくる』とメールがあったんです。本当にジャストタイミングでした。講演会参加してよかったです。

今から家に戻って、娘の好きなケーキ焼きます。そして帰ってきたらまた、今日学んだ肯定のわたしメッセージで『お母さん、あなたが自分で決めて一歩踏み出したことが嬉しい』と伝えます」

こう言われて頭を深々と下げて満面の笑顔で帰って行かれた。何だかわたしも嬉しい気持ちになった。

実家に帰ると、ベランダのプランターに育てていた椿が一輪花を咲かせていた。

【能動的な聞き方とは】
子どもが悩んでいる、困っている時に子どもが自分の力で乗り越えていけるように、気持ちの整理をしていけるように、アドバイス、提案、命令、脅迫や叱咤激励などせずに能動的に聞く方法
1 くり返す
2 言いかえる
3 気持ちをくむ

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