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【海外で研究しませんか?】海外ポスドク就活のあれこれ①

こんにちは,Claraです.

「卒業したら海外で研究をしたい!」

博士後期課程に進学・在籍する方は,在学中の研究留学や国際交流経験を通してこのように思うことが1度はあるかもしれません.

しかしながら,海外でのポスト探しともなると一見どうすればよいのか分からないというのも現状.私自身ポスト探しから雇用契約締結まで情報が少なく苦労することが多かったです.

この記事では,私がドイツでのポスドクポジションに就くまでを順を追って説明します.この記事が卒業後に海外で研究者をやりたい誰かの助けになれば幸いです.

① 海外ポスト探し(2月・任期開始まで残り14ヶ月)

海外でのポスドク先候補としては,主に以下の3つがあります.

  1. 所属している研究室の共同研究先

  2. ネット等で公開されている公募

  3. 論文等で見つけた研究室

以下にそれぞれの説明を記載します.

​1. 所属している研究室の共同研究先
博士後期課程での研究内容がマッチしている場合が多く,具体的に現地でどのような実験が出来るかイメージしやすいです.実際に現地に赴く機会があったなら,研究室の雰囲気も既に知っている状態ですし,向こうの研究室のボスも応募者の人となりを把握しているので話が進みやすい印象です.​

2. ネット等で公開されている公募
Research gate​や​Academic Positions​ではポスドク公募情報を簡単に検索することができます.私の周りで卒業後にポスドクポジションについた方の7割ほどが,この方法でポストを見つけていました.Twitterでポスドク公募情報を共有するPIも多く見ますので,研究アカウントを作ってフォローしておくのも良いかもしれません.しかし,多くの公募は9月ごろに公開が始まるため,海外学振などの申請のために早く希望研究室を見つけたいという方にはあまり向かないかもしれません.

3. 論文等で見つけた研究室
一方,研究活動を通して,たくさんの学術論文を読むことになります.その中でも時折,

「なんてセンスのいい考察なんだろう」
「この手法,合理的だな」

​などと感動する1報に出会った経験はないでしょうか.このように有り体に言って運命を感じた研究室に直接コンタクトを取り,ポスドクとして赴くという手もあります.自分のまさにやりたい・興味のある研究に携われる可能性が高い点で魅力的な方法です.しかし、このように偶然見つけた研究室では公募があるかどうか定かでない点でリスキーです.​


私の場合,研究滞在経験のある共同研究先は希望する研究内容にあまりマッチしていなかったこと,ポストを探し始めたのが2月でネット公開されていた公募が少なかったことから,3. 論文等で見つけた研究室に直接コンタクトする方法を取りました.

② 希望研究室へのメール(2月・任期開始まで残り14ヶ月)

希望研究室を見つけたら「ポスドクやりたいんだけど」という旨をその研究室のボスにメールします.これはおそらく日本国内外限らず共通の過程になります.

メール本文

  1. 自己紹介

  2. 現在の研究内容

  3. 希望研究室で携わりたいこと

  4. 応募を考えているフェローシップ

1. 自己紹介
自己紹介にはざっくりと,

  • 名前

  • 学年

  • 所属大学・研究室名

  • どのようにして研究室を知ったか

  • 任期開始希望日

を記載しました.簡単な例文を以下に示します(文法間違い等は多めに見てください).

My name is (名前), a 2nd(3rd)-year Ph.D. student at (所属大学・研究室等) in Japan. I found your group from (研究室をどこで知ったか) and visited web site of your group. I am now interested in studying about (研究の興味) at your group. I would like to know if there is an available post-doctoral position after (任期開始希望日) in your laboratory.

研究室をどこで知ったか→私の場合は論文で希望研究室を見つけたので,論文タイトルとDOIを記載しました.

2. 現在の研究内容
3. 希望研究室で携わりたいこと

この2つは一貫して「私を採るとあなたの研究室にメリットありますよ」とサブリミナルする場です.書き方は個人の背景によって千差万別ですが,私の場合は大まかにいうと

「私は今こんな研究をしていて,この技術をあなたの研究室で活かせばこんなことが出来る」と2段落に渡りアピールしました.実際はもっとギラギラした文面です.恥を捨てて書きましょう.

学振DC等の外部資金に採択されている場合は,それについて記載すべきです.自分でお金を獲って研究しているという事実には大いに意味があります.

4. 応募を考えているフェローシップ
私の博士課程のボス曰く,「お金さえ持っていけばこっちのもん」だそうです.
お金持ち研究室なら研究費で雇ってもらえるかも知れませんが,ここはひとつ,自分で外部資金を申請することを仄めかしておきます.外部資金獲得は本人にも所属研究室にもメリットしかありません.何処の馬の骨か分からん学生のメールに対しても「フェローシップを書くなら話を聞いてやろう」と思ってもらえる可能性もあります.

いずれにせよ,外部資金を書くことはお勧めします.何度も言いますが,自分でお金を獲って研究することには意味があります.申請書って書くだけでも意外と勉強になりますしね.


上記のメールに記載する内容自体は別段特別なことではありませんが,特に海外の方にメールを送る際に気をつけたいことがあります.それは,

「伝えたいこと・聞きたいことははっきりと書く」

当たり前のことに聞こえますが,これが意外と難しいです.こちらが「よーし,これで意図が分からんやつはおらん」と完璧にメールを書いたつもりでも,伝わらないことがよくあります.

また他にも,

  • Curriculim Vitae (CV)

  • 出版した主著論文

のPDFを添付しました.これらを論文及び研究室ホームページに載っている希望研究室のボスの連絡先に送付し,あとは果報は寝て待てです.


​次回に続きます​

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