キャラ作り・RP苦手男がエモクロアにハマってシナリオを発売するまで 後編

この記事は、エモクロアTRPGシナリオ「メギノメザメ」の制作裏話的なものを残しておくヤツです。
ネタバレが含まれるのでご注意ください。

※後編ですがこっちから読んでも大丈夫です。前編のつもりで書いた記事が長いだけの自分語りになってしまった…

ザックリ書いてあることまとめ

  1. タッグで制作するとアイディアを打ち合わせられてブラッシュアップしやすいし、チーム内でテストプレイできるのが非常に便利

  2. シナリオ1.5ヶ月・デザイン1.5ヶ月で合計3ヶ月くらいかかった

  3. キレイに装丁するとめちゃくちゃテンションが上がる

アイディア出し

前編でも触れた「1072」を回した友人を無事エモクロアファンに引き込み、勢いでシナリオを作ることになりました。僕はキャラクターを作ったり喋らせたりするのがずいぶん苦手ですので、得意な人を引き込むに限る!という考えです。

というわけで、まずはアイディアを出しから。
「こういうセリフ言わせたくないか?」「なんかカッコいいトレーラーを参考にしたいな」「しかし怪異と紐づける必要が…」などなど議論は紛糾。通話で数時間話して、いろんな言わせたいセリフやひねり過ぎた案が湧いてきました。

その中に「仲間を失う」ことが必要なシナリオがあったのですが、仲間を作って失うまでを描こうとすると以下の問題があります。

  • そのシナリオの中で作った仲間に対してPLがアツい気持ちを持てるか?

  • アツい気持ちを持てるとして、それに時間がかかってしまうのではないか?

逆に言うと最初から仲間を持っている人間を主人公にする必要があり、そこから「みんな知ってるし主人公が桃太郎の立場になったらいいじゃん」という案を出しました。
すると相手からは「桃太郎に依頼してくる人が実は鬼の生き残りだったとかどうだ」というアイディアが出てきました。
お互いに意見を出し合って作った感があります。

シナリオ作成

4月の中旬から6月頭くらいまででシナリオができました。1ヶ月半くらいですね。

大変だったこと

ざっくり桃太郎ベースで鬼と会話!みたいな方針は決まったものの、ここからかなり難航しました。我々がエモクロアデビューした「1072」のギミックがあまりにも面白すぎたことで(そして他のシナリオのインプットが足りなくて)、猛烈に影響を受けてしまったのです。これ露骨に似てるじゃん…みたいなギミック案が出まくりました。

他にも、これまで見てきた映画を参考にしてみたり、「結局言わせたいセリフって何だったっけ?」と立ち返ってみたり。紆余曲折を経まくりました。

良かったこと

最終的にたどり着いたのは、処女作から何を調子に乗っているんだ、まずは王道でやるべきだろ…という冷静な判断。よかった。

プロットの原案を作ってもらってからは、それを軸にしてめちゃくちゃ意見が飛び交って最高の時間でした。どんどん良くなるじゃんシナリオ…
天才の案が大量に出たし、完成シナリオに直接影響した展開もかなりあります。

また、二人組で作っていたので、ある程度固まってきたらテストプレイを簡単に回せたのも良かったです。ネタを知ってはいるものの、あくまでもPLの体で情報集めや戦闘をテストすることで、よく見ると設定が足りなかった…というところを見つけられました。シナリオをこれから作る人にもオススメしたい。

DTP・イラスト

シナリオが完成したところで、ここからはデザインです。キレイかつ見やすいpdfファイルを目指して、InDesignによる組版を頑張りました。
こっちの作業は6月頭に試作を開始し、7月中旬に作業を完全に終えました。1ヶ月半くらいですね。

良かったこと

めっちゃキレイになりました………

冒頭部分、試作の状態
そしてこちらが完成版

TRPGシナリオのDTPは初めてだったので(ていうか組版自体、初挑戦)いろんなシナリオファイルを拝見しました。これいいな!あれいいな!と真似してなんとかこんな感じにまとめることに成功。
Boothに以下の画像をpdfサンプルとして堂々と載せているのですが、それをやりたくなるくらい自信作です。

また、同時に立ち絵の発注も行っていました。ココナラというサービス上で、2人の好みの画風で価格と評価がそれなりで…という条件で探しました。
一作目の記念ということもあり、変にケチらずしっかりしたものを!というテンションで依頼し、それに見合う素晴らしくかわいいイラストをご納品いただきました。ありがたし…

大変だったこと

DTPやりながらシナリオの修正点がめちゃくちゃ見つかる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「ここまでは出来たな」「やっぱここ修正」「ここの調整はこんなもんだな」「これ抜けてね?」というのを永遠に繰り返します。
創作物ではよくあることですが「形式を変えてもう一度見てみる」ことの重要さが分かった事例です。

また、イラストの発注という作業が初めてだったので、地味に難しかったです。どのように・どこまで指定すれば良いのか、どういったファイルを貰えばTRPGシナリオに同梱するブツとして困らないのか、などなど…
ラフが届いた後に修正依頼をするべきなのかどうかも、いわゆる「見すぎて良いのか悪いのかもはや分からん」になりかけたり。

余談:シナリオファイルの管理について

2人でファイルを共同編集できる状況が良いと考え、Notionで共有していました。
コメント機能もあるしデータベースも作れるしページのコピーとか属性付けも柔軟だし、非常に便利でした。

ただ、デザイン側としては便利だと思っていたけど、シナリオライター的にはどうだったんだろう…今度聞いてみよう。

そして、発売へ

怒涛の体裁整えタイム。告知文章・Booth用画像・TALTO用画像・各種立ち絵につけるReadme(規約)などなど…頒布できる形にするために色々と作成しました。割りとそれらしくまとまったんじゃないでしょうか?

そんなこんなで制作できた「メギノメザメ」は現在BoothとTALTOで発売中。よろしくお願いします!


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