キャラ作り・RP苦手男がエモクロアにハマってシナリオを発売するまで 前編

つい先日、エモクロアTRPG「メギノメザメ」を公開しました。まさかこうなるとは。

僕は何かを作った人のバックグラウンドを読んだりメイキングを見たりするのが結構好きなので、それをやってみようと思います。あと、自分の思い出用として。

TRPGとの出会い

大学入学と同時に入ったサークルがきっかけでした。オールラウンドに何でもやるオタクサークルみたいなところにお邪魔して、そこで催されていた「TRPG会」にふらっと参加しました。
それまでいわゆる「ボドゲ」といったアナログゲームに全然触れてこなかった自分に親切に遊び方を教えてくれた先輩たちには感謝しています。

そこでプレイしたのはクトゥルフ神話TRPG(CoC)、後から知ることになりますが(おそらく)TRPGの代表・最大手的なルールです。当時の僕はTRPGに色々なルールがあるという前提すら知りませんでした。

TRPG会はその後も何度か開催されていたので、繰り返し参加し、「パラノイア」「ソードワールド2.0」といったルールにも触れました。それぞれ違った魅力があり、逆に苦手なルールもあり、少しだけTRPGというものがわかってきました。
ただ、この時点では「シナリオ」というものがどこから湧いてくるのかさっぱり理解不能だったし、あまつさえプロでもない人たちがそれらを自分たちで作って遊んでいるなんてイメージが全くできませんでした。創作自体、遠い存在だったので。

感じた魅力

印象に残ったのはCoCとパラノイアです。

CoCではおぼろげな記憶ですが「だるま駅」というシナリオを遊んだと記憶しています。僕はホラーが苦手なのでちょっと厳しいシーンもあったものの、GMが語る描写から脳内でステージをイメージし、想像の中で調査し、脱出を目指すという点に大いに惹かれました。昔プレイしていたFlash脱出ゲームを思い出していました。
しかも、技能を(ほぼ)自由に使って何でも行動できる。感動しました。

パラノイアTRPGでは「市民、犬とはなんですか?」と聞かれた瞬間の衝撃が忘れられません。完全に自分が生きている世界とは異なる場所に突っ込まれ、それに則って喋るという難しさと面白さ。感動しました。
また、ドアを開けようとしただけで爆発したのはマジでビビりました。先輩許さん。爆薬を塗った先輩に「市民、まさかUV様が管理されている建物の清潔さを疑うのですか?」と反撃できたのが思い出です。

苦手だったこと

ソードワールド2.0というシナリオを遊ばせてもらった時、戦闘に非常に長い時間がかかり、それが猛烈に苦手だったことを覚えています。僕はポケモンやドラクエのようなターン制の戦闘を採用したRPGも苦手なので、同じなのかもしれません。これを体験したことで、自分のやりたいTRPGがかなりハッキリしたことは確かです。

また、CoCについて、(背景を知れば当然ですが)クトゥルフ神話についての前提知識がないと100%は楽しめないのかな、という点が気になりました。「ほげほげ写本」みたいなアイテムが出てきたときに「あぁ~あれね!」ってなれないところで、上級者とのギャップを感じました。

自分の好みに合わないだけであり、システムを否定するものではないことをご了承下さい。

キャラを動かすのが面白いという気づき

さて、CoC・パラノイア・ソードワールド2.0をやってきたものの、僕が感じた楽しさの中に「キャラクター作成」「ロールプレイ」が含まれることはありませんでした。毎回のTRPGで僕はほぼ「名前だけ違う僕自身」としてTRPGに参加し、普段どおりの口調と思考で喋り、行動していました。一番最初に先輩がキャラクター名で名乗ったときに猛烈な違和感を覚えたのを覚えています(ネガティブな話ではなく、慣れなくて…ということです)。

そんな折、別口の友人から何度かテキストセッションに誘ってもらい、参加しました。その時は周りに倣って「僕自身」ではなくちゃんと「キャラクター」を作ってセリフを考えて描写するプレイをしてみたのですが、これがなかなか面白い。
その中で新たなルール「ダブルクロス」にも触れました。戦闘の描写をするにあたって、セリフ以外に地の文を書くというのも、新しい体験でした。

ある時は車椅子に乗った美少女(多分ゆゆゆの影響)。またある時は、明らかな敵とフードコートで仲良し友達を装って喋る高校生(多分キングスマンの影響)。

ただ、

長いんです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

テキストセッションでロールプレイを続けたり地の文を描写したりしていると、とにかく時間がかかるのがネックでした。
1回3時間くらいというだけで結構長いのに、それを数日間かけて行う。もっと長いと数週間?予定を拘束されまくるのは結構大変だし、気軽に人を集められないし、自分としても「やるぞ~うお~!」ってならないとできない。

というわけでTRPGは自分の中で「面白いけど、やるのがマジ大変」という位置づけになってしまいました。アトラクションみたいな。

エモクロアとの出会い

出会ってしまった。エモクロアTRPG「1072」に。

僕はMonsterZ MATEの動画が好きで結構追っていたんですが、TRPGのリプレイは長いし(10時間って何だよ…)、TRPG自体触れる機会がめっきり減ったのでスルーしていました。
そんな中、周央サンゴがニコニコ動画でブームを巻き起こし、面白い人だなあと思っていたのですが…MZMコーサカと周央サンゴでやったTRPG配信のアーカイブがサジェストで流れてきたのです。

気まぐれで見たらマジでドハマリしました。

キャラクターを動かして即興で劇をやっている人たち、とんでもない離れ業をやってのけていると感じました。
ほとんど出来上がったシナリオにしか見えないストーリー。勢いで出てきた(と思われる)セリフを後でさらっと拾って伏線だったかのように扱う熱い展開。そして、それらをドラマチックに見せる喋り方・演技力。

そこにあったのは、自分がやっていた「TRPG」でありながらも、似て非なるものでした。

それに

短いんです!!!!!!!!!!!!!!!

ボイスセッションというのもあるけど、最初から最後までやって長くても3時間くらい。しかも人によってストーリー・設定が全然違って無限に展開が広がる。一生遊べるじゃんこんなん。

気づいたらBoothでシナリオを買ってPL集めてました。ほぼデビュー戦といっても過言ではないKP側(エモクロアではDLといいますが)をやることになったのです。
いろんなパターンのリプレイが大量に上がっていたので自分が回す時の展開でパクらせてもらえたし、ハードルは高くありませんでした。準備として相手はキャラ1人作るだけ、というのも最高の魅力。

虜になるとはまさにこのことで、GW前後だったこともあり3週間くらいで10回くらい回してました。1日2卓やったことも。

次回予告

その後、気づいたらシナリオを作っていたので、後編ではその辺の話を書きます。いわゆるメイキング本編。
お楽しみに!(?)

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