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【翻訳】Imperator: Rome開発日記2020/6/15

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前書き

 こんにちは!Imperator: Romeメナンドロスアップデートの開発日記にようこそ!
 今回の開発日記ではメナンドロスアップデートの大きな特徴ではなく、どちらかと言うと小規模から中規模の内容について触れていきます。いくつかのものはこれまでに紹介したシステムについての追加的な情報で、それ以外は古いシステムで私たちが納得していないものについての情報になります。

ディアドコイ戦争

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 最初に紹介するのは皆さんが大好きな後継王たちの変更点についてです。
 ゲームの開始時点で、アレクサンドロス大王の帝国を巡る衝突は未だ活発な状況で、アンティゴノスは他のすべてのディアドコイと対峙しており、独力で彼ら全てを打ち破る過程にあるように思えます。
 前回のアップデートではスクリプトを用いて引き続くディアドコイ戦争の切っ掛けを与えていました。メナンドロスアップデートでは、この変更にさらなる枠組みを作り、ディアドコイ戦争の力学にちょっとした微調整を導入します。

1. 戦争目標「アレクサンドロスの遺産」

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 まず初めに、ディアドコイたちが他のディアドコイに対して請求権を得た時点から、初期の王(アンティゴノス朝の場合はアンティゴノス死後の王)の死亡時に発動する「エピゴノイ(子孫)」というイベントまでのあいだ、全てのディアドコイが新しい戦争目標を使えるようになります。この優位性戦争目標は他のディアドコイのみに用いることができ、勝利した際に広大な領土をより安価に要求することができます。

2. もはやフリギアとは呼ばれない

 アンティゴノスの王国はフリギアではなく「アンティゴノス王国(アンティゴノス朝」と呼ばれるようになります🙂 以前は、この国に地名を用いた名を与えたいと考えていたので、フリギアという名称はアンティゴノスのサトラップの名から選択されました。しかし結局のところ、この国は「アンティゴノス朝」という名称で知られている訳で、私たちもその慣例に倣うことにしました。

3. カッパドキアの反乱

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 カッパドキアに帰還したアリアラテスを受け入れるイベントは、発動時にやや決定論的ではないように変更されました。これはつまり、アンティゴノス朝と他のディアドコイとの間の戦争の前か、あるいは戦争中に発生する可能性がより高くなったということです。カッパドキアが受け入れた場合、たとえ彼らが既にディアドコイ戦争に加わっていたとしても、戦争から離脱し、アルメニアの進貢国になるようになりました。アンティゴノス朝はカッパドキアの行動を黙認するか、カッパドキア及びアルメニアを敵に加えて宣戦布告するかを選択できます。

4. トラキアの参戦

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 ディアドコイ戦争において、トラキアは、マケドニアによって間接的に巻き込まれるのではなく、参戦するか傍観するかを選択する単独のイベントを持つようになりました。
 大事なことを言い忘れていましたが、スクリプトによって制御される戦争はいまや常に関係する従属国を参戦させるようになります。戦争をスコープすることができるようになり、参加国を加えられるようになったことは、Modderにとっては嬉しい情報だと思います🙂
 エジプトは、仮に彼らが望めば、以前よりも効率的にディアドコイ戦争から手を引くことができます。(しかし、アンティゴノス朝にとっては依然として不可能です。彼らはゲーム開始時点よりもずっと前から衝突に関わっており、降伏する以外に引き下がる余地がないからです。)

奴隷の幸福度

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 メナンドロスにおけるPOPの幸福度の再検討に伴い、奴隷の幸福度についても再検討を行いました。今までは、奴隷たちは最も幸福なPOPタイプであり、他の階層を苛立たせる多くの事柄に対しても影響を受けませんでした。
 メナンドロスアップデートでは、奴隷の幸福度は一般的に非常に低いものになりますが、不穏度に与える影響は自由民POPの三分の一になります。そして、幸福度に関わらず常に最大の産出を発揮します。
 加えて、集落の適正奴隷POP比率が100%ではなくなります。代わりに、建造物によって適正POP比率が変更されない限り、この区域には奴隷と自由民が共存することになります。

統合における変更点:貴族と市民

 メナンドロスアップデートの過去の開発日記において、「市民権を持っている文化は統合されたものと見なされる」と書きました。統合された文化は主要文化と同じ幸福度補正を用い、同化の対象外になります。
 統合された文化はそれぞれ、他の統合された文化や主要文化の幸福度を5%低下させます。
 貴族と市民はともに「統合された」状態を与える市民権の階層ですが、貴族階級を許された文化は追加で5%のペナルティを与えます。つまり、貴族階級の権利を与えるということは、市民権を与えるよりもさらに幸福度を薄める行為であるということです。誰を貴族に叙すのかはよく考えてくださいね!
 統合された文化を持ってスタートするすべての国は、市民権のみを与えた状態であり、貴族階級は主要文化にのみ許されています。
 最後になりますが、文化統合にかかる時間に影響を及ぼすものがあります。その文化がどれだけのPOPを抱えているかですね。
 ある文化に文化ごとの権利を与えた数が多いほど、統合にかかる時間は短くなり、統合のプロセスのあいだに失う安定度も減少することになります。

安定度、圧政、侵略的拡張

 メナンドロスアップデートについて、これまで幸福度と州の忠誠がゲーム内でどのように機能するのかについて深く見てきました。しかし、上記の数値がどのように働き、どのように変更されたのかを見ないことには、変更点全体を紹介したことにはなりませんね。

安定度

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 以前までは、安定度とは国家がどれだけ安全で安定しているかを示すものでした。低い安定度は生活の混乱と国家の弱さを、高い安定度は国内平和と繁栄を享受する黄金期である、というようにです。
 POPに焦点をあて、反乱閾値を取り除いてより地域的な反乱システムに置き換えたことは以前の開発日記で紹介してきましたが、私たちは安定度の効果を、国に住む人々、つまりPOP自身に焦点を当てたものにデザインしなおそうと決めました。
 安定度は直接的な効果のほとんどを失い、POPの幸福度に影響を与えるようになります。安定度が最低の状態ではPOPの幸福度を50%低下させます。
 同様に、正の安定度は帝国全土のPOPの幸福度によい効果をもたらし、さらに人口増加と研究も増加させます。
 文化的決断と文化的統合によって、新たに様々な方法で安定度を失うようになりましたが(新たに文化的統合を図る場合の長期的なものと、文化に権利を与える場合の即時的なもの)、長期的に見た場合、こうした決断は帝国全体の幸福度に対して、特定の文化の幸福度増加に重きを置いたものになっています。

圧政

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 圧政とは統治がどれだけ権威主義的・独裁主義的か、力の行使が伝統や法に比してどの程度暴力や君主の裁量に依存しているかということを表現したものです。
 以前までは、圧政は全面的に悪いというものではありませんでした。捕囚や処刑といった行動のコストを減少させ、奴隷の産出を増加させもしました。加えて、侵略的拡大の減少速度を増加させるようにもなっています。
 一方で、圧政は国内の全ての人物の忠誠を減少させ、大隊が国ではなく指揮官に忠誠を誓う確率を増加させます。圧政はまた、不忠な人物が内戦を始めるために必要な閾値を減少させます。この効果は、かつては安定度が担っていたものです。

侵略的拡大

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 侵略的拡大とは、国家の対外政策に対する反応を表した数値です。侵略的拡大の主な発生源は宣戦布告と併合であることは変わりません。
 安定度が人々の幸福度に影響を及ぼすようになったことで、侵略的拡大は主に他国との関係と、従属国がどれほど忠実かということに影響するようになりました。
 しかしながら、侵略的拡大が幸福度に及ぼす効果は取り払われていません。侵略的拡大を多く得るほど、安定度を50%以上に維持することは困難になり、積極的に行動すればするほど反対派の増加を招きます。
 50を超える侵略的拡大の効果はより厳しくなり、統合された文化の幸福度や、政治的影響力の増加などが影響を受けるようになります。

共和国と元老院の支持

 以前の開発日記で紹介したように、私たちは共和国システムに手を加えてきました。票は人物と紐づいており、プレイヤーの行動に対する元老院の賛否は、それぞれの派閥がプレイヤーの統治にどれほど賛成しているか、ということを基準にするようになりました。
 このシステムでのプレイを重ねてきましたが、私たちは執政官により大きな権威を与えるとともに、元老院の要求をどれだけうまく操ったかということを国の状態が良くなるということに関連させようと思っています。
 元老院の支持が50%を下回っているときに完全に行動を阻害されるのではなく、元老院の70%以上が反対していない限りは行動を起こせるようになりました。しかしながら、60%未満の支持しか得られていない状態で何かしらの決定を行えば、それに応じた圧政の増加という結果を招き、つまるところ同様の行動が全て高コストになってしまいます。

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 加えて、元老院の支持、すなわちプレイヤーの行動に賛成票を投じる議席の数は、プレイヤーの行動に賛成するだけではなくなりました。元老院の支持を50%超得ている共和国は全て、掌握している多数派の大きさに比例して、月々の圧政の間接的な減少に寄与するようになります。
 一方で、政府の権限が弱く、元老院の支持を欠いている場合は、POP達がプレイヤーのことをレームダック(役立たず)だと考えるようになります。元老院の支持が50%を下回っている共和国は、それに応じて時間とともに安定度が減少し、国全体の人々の幸福度がゆるやかに低下します。
 最後に、派閥のメンバーは、所属する派閥がどれほど政府に賛成しているかに応じて忠誠度が増減するようになりました。

不穏度と要塞

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 全体として、メナンドロスではPOPを幸福に保つための手段が多くなりました。交易品の輸入から文化的決断の実行、他国のエリートの統合などですね。不幸は不穏度を増加させ、地域の反乱を発火させるという、より即時的なリスクと関連するようになりました。
 場合によっては、不幸の原因よりも症状と格闘した方が効率的なこともあります。メナンドロスアップデートでは総督統治下の不穏度を減少させるためにより多くの部隊を総督に任せたいと思うようになるでしょう。
 メナンドロスでの新しい機能として、ある州に属する全ての区域の不穏度を、要塞の建設によって減少させることができるようになります。これは、歴史的に永久要塞に与えられていた二つ目の役割を反映したもので、戦争における直接的な有用性をしのぐものです。市民の秩序を維持するという新たな広い有益性を反映して、要塞のコストは増加します。
 最後に、小規模な新機能の多くについてですが、開始時点のPOPの多様化について私たちが行った仕事のスクショを、皆さんのためにいくつか置いておきます。様々な文化集団が交わる場のPOPをより多様にし、文化的マイノリティーを追加する作業は多くのアップデートで行われてきたことですが、メナンドロスアップデートほどゲームプレイに大きな影響を与えるものはおそらく無かったと思います。

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↑イタリアの支配文化

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↑マイノリティも含めたエトルリア人の居住範囲

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↑マイノリティも含めたリグリア人の居住範囲

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↑アフリカの支配文化

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↑マイノリティも含めたマッシュリア人の居住範囲

1.5「メナンドロス」を皆さんが楽しんでくれることを願っています!

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