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【翻訳】Stoneshard開発日記:経済・契約・状況

 みなさんこんにちは!
 今回の開発日記では、来たる "Rags to Riches" アップデートで実装予定の主要システムのうち、まだご紹介していなかったものに触れていこうと思います。すなわち、契約の改善、経済、そして集落の状況についてです。

契約

 はじめに触れるのは契約システムです。選べる契約の数からQoL(ゲーム体験)の改善まで、みなさんにお伝えすべき大きな変更がたくさんあります。
 契約タイプというものが実装されるのと併せて、私たちは契約をもっと多様なものにすべく力を入れてきました。今までの契約では、ほとんどの場合においてその目的は要するにダンジョンのボスを倒すこと(そして同じ部屋にあるクエストアイテムを回収する場合もある)でした。Rags to Richesでは、ほとんどの契約にまったく新しい目的が備わるほか、いくつかの古い(レガシーな)契約は新たに加わったシステムによって大幅に拡張されます。

 たとえば、「呪われたページ」は墓所内のアンデッドに大きなバフを与えるようになり、呪いの本を処分するたびにその効果は弱くなります。そして、数々の変わった効果をもつ「禁呪の書」を回収する契約はなかなか骨の折れる仕事になるでしょう。もう一つの例としては、カタコンベにおける「腐敗の源泉」の契約です。この契約では、目的となる汚れた遺物にたどり着く前に、防備の厚い祭壇をいくつも破壊しなければなりません。

・全ての契約が帰結を持つようになりました。ある契約に失敗すると、対応するダンジョンは次回、不利な補正を備えた状態でリスポーンするようになります。また、契約の失敗によってネガティブな集落の状況が引き起こされることもあります。集落の状況についてはこの開発日記の最後に詳しく見ていきます。ただ、このシステムは好悪のどちらにも働きます。契約を成功裏に完了すればその地域全体がより安全になり、狩りの獲物や巡礼者、そして旅商人などが訪れるようになります。

・契約は、プレイヤーが受諾するまで無期限に残り続ける今の仕様ではなくなります。Rags to Richesでは、契約は定期的にローテーションされます。これは、他の傭兵がその契約をこなしてしまったことを表現しています。プレイヤーが受諾していない契約は、裏で成功または失敗し、そしてプレイヤーが受諾した場合と同様の帰結をもたらします。

・契約関連の会話が大幅に拡充され、たくさんの選択肢も追加されました。これによって、プレイヤーは遠征の準備をよりよく行うことができます。まず、プレイヤーは利用可能な契約のうちから一つ(複数ある場合)を選択します。次に、ダンジョンのサイズ、ダンジョンに影響を及ぼしている補正(墓所における安らかならざる霊や、カタコンベの邪悪な儀式など)の有無、そしてダンジョン内で遭遇する可能性のあるミニボスのタイプといった情報を契約の依頼者から教えてもらえます。

 追加された会話選択肢の中には、報酬を増やすように交渉するものもあります。この場合、報酬で獲得できる評判が少なくなるか、契約をかなり短期間で完遂するように求められることになります。また、契約期限を待たず、受領中の契約を自らキャンセルすることもできるようになります。また、集落での評判が上がれば仕事の前に前金を要求できるようにもなります。ただし、前金をもらった契約に失敗すると通常よりもはるかに大きく評判が損なわれますので注意してください。

経済

 次は経済の話です。Rags to Riches で経済はどのように変わったのでしょう?
 経済のリワークの主な目標の一つは、経済がよりダイナミックで、プレイヤーの注意を常に引き、経済状況に応じて適応しなければならないようなものにすることでした。そのために、私たちは価格変動需要という二つのメカニズムを導入することにしました。

価格変動とは、決められた範囲内で生ずる売値と買値のランダムな変動のことです。このシステムは市場の不確かさを表現するとともに、過度に複雑なシミュレーションを避けることを目的としています。ゲーム内の仕様に不慣れな人から見れば、市場価格の複雑さはとても分かりにくく複雑怪奇なものに見えがちだからです。
 全体として、価格変動はあらゆる取引に予測不可能な要素を加えることを期待して実装されます。プレイヤーが集落に到着したとき、もしかすると現地価格が驚くほど安く、予定よりも多くの物資を買うことができるかもしれませんし、またその逆もあり得ます。

需要と供給もまた、価格に変化をもたらします。しかし、この変化はランダムではなく、プレイヤーの行動と集落の置かれている状況を反映します。たとえば、集落じゅうの薬を買い占めれば、商人たちは次の入荷があったときに薬を値上げするでしょう。このシステムによって値下げが発生することもあります。拾ってきた武器を大量に売り払えば、集落の商人はその後武器を安く提供してくれるようになります。
 一部のカテゴリのアイテムはこのシステムからは除外されています。これに該当するのは何よりもまず貴重品です。貴重品の価格はランダムな価格変動のほかは概ね同じ価格で維持されます。
 需要と供給はいずれ自ずからバランスが取れます。これにかかる時間は市場に与えたインパクトの大きさによります。ひとつのアイテムカテゴリの価格が大きく変化した場合、元の価格に戻るまでには数週間を要します。

・NPCの取引設定に見直しを行いました。これにより、プレイヤーは商人それぞれの好みに対してより柔軟に対応できるようになり、また、以前のシステムでは不可能であった要素も追加されました。たとえば、一部の商人は在庫の全てを入れ替えるのではなく、一部の商品のみを補充しますし、あるいは特定の生産地や耐久度のアイテムしか買い取らなかったり、破損した装備しか取り扱っていなかったりなど様々です。

 商人にはアップデート後の経済における細かな点をプレイヤーが試行錯誤せずに確認できるよう、追加のツールチップも加えられました。それぞれの商人が興味を持っているアイテムカテゴリ、彼らが好ましいと思っている販売価格、次の入荷予定などを確認するオプションを確認することができます。

・アップデート後は、産業志向の郊外集落で生産される数多くの交易品に特別な役割が与えられます。集落はそれぞれ、ワイン、穀物、木炭、塩、シードル、木材という様々な交易品に関心を持っており、経済の機微に敏いプレイヤーならばそれらから利益を得ることができるはずです。

状況

 今回の開発日記、最後のセクションでは、契約システムや経済の話の中でも何度か登場した集落の状況についてお話しします。これは、既存の集落に活気をもたらし、プレイヤーに新しい機会とチャレンジをもたらしてくれます。

 状況は全て、有利・中立・不利のカテゴリに分類されます。
 名前の通り、有利な状況ではいろいろな恩恵や新たな機会に恵まれます。中立の状況では有益なものと有害な効果の両方が発生し、不利な状況ではおおむねその集落に悪影響をもたらし、ひいては経済状況の悪化が引き起こされます。

 それぞれの状況には独自の効果があり、新たなNPCが追加されたり、既存のスピーチ(吹き出しの会話)やセリフにも変化があります。Rags to Riches では合計で12種類の状況があります。そのうち9種類がメインとなる状況で、3種類は経済に関するものです。

有利な状況:

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  • 「市」は旅商人が開くもので、たくさんの品物が手頃な価格で取り扱われています。

  • 「繁殖期」では集落周辺の巣穴に動物が戻り、動物のスポーン率が増加するほか、取引を求める狩人を引き寄せます。

  • 「繁茂」は地域の植物やキノコの量を大きく増やし、それら植物や医薬品アイテムの需要を増加させます。集落には採集者である農民の集団が訪れ、収穫した珍しい植物を喜んで売ってくれます。

中立の状況:

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  • 「競争」は村にライバルとなる傭兵が存在することで引き起こされます。利用可能な契約の数が減少し、残っている契約にも不利な補正がつくほか、完了期限も短くなります。よい点としては、こうした高難度の契約には、はるかに多額の報酬が設定されます。

  • 「巡礼」はアルドール各地の聖地を巡る僧侶たちの集団と関係しています。彼らはプレイヤーに効果時間の長い祝福を与え、墓所およびカタコンベの契約を達成した際の獲得評判を増加させます。同時に、巡礼者たちは地域の食料と医薬品の価格に大きな悪影響をもたらします。

  • 「増援」は追加の衛兵が到着したことを表します。この状況では集落周辺の敵や待ち伏せの数を減らしますが、食料と酒の価格を上昇させます。その代わり、プレイヤーは集落周辺に残っている敵を倒すだけで一定の評判を得ることができます。

不利な状況:
不利な状況は契約の失敗による帰結、すなわち、ダンジョンに住まう野盗や狂信者たちが好き勝手に暴れることが可能な状況として発生します。

  • 城砦の契約に失敗したり放置したりすると「危険な道」が発生することがあり、周辺で待ち伏せが増加したり、地域の商人の品ぞろえが限定的になったりします。

  • 死霊術師(ネクロマンサー)を放置すると、地域に「悪夢」がもたらされ、睡眠の効果が減少するほか、睡眠によって「清涼感」が得られなくなったり、士気や正気度が回復しなくなったりします。

  • カタコンベの狂信者たちを放置しておくと、最終的に「疫病」が拡散し、周辺の動植物や、集落の住民が汚染されて行きます。

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 集落を襲う不幸の噂(そしてそれに伴う不利な状況)が無視できないほど酷くなると、集落を訪れ、物資を運び入れるキャラバンの数が減少し、それは徐々に悪化する不利な経済状況の出現を引き起こします。これは地域の商人の品揃えにさらに打撃を与え、売値を顕著に上昇させます。

 有利および中立の状況は単一の実体として存在し、数日間継続したのちに、また別の集落に発生することがあります。一方で不利な状況は自然に消滅することはありませんが、その効果に対処するのは簡単です。必要なのは、(その不利な状況に)対応するダンジョンと紐づいた契約を完了すること(あるいは他の傭兵が代わりにやってくれることを待つこと)です。ひとたびそのダンジョンをクリアすれば、不利な状況はほどなくして消え、集落は普段を落ち着きを取り戻すでしょう。


 今回は以上です。Rags to Riches の主な追加要素を紹介する開発日記は今回で終了となります。次回の開発日記では私たちが去年行ったすべての仕事をお見せし(まだ発表されていないたくさんの要素や改善点を含みます)アップデートのリリース日をお知らせできるはずです。
 それでは次回をお楽しみに!

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