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【翻訳】Stoneshard開発日記:疲労と魔術のシステム

 みなさんこんにちは!
 はじめに、大事なお知らせをお伝えいたします。次回の大型アップデートの名称が「Forgotten Lore(忘れ去られし伝承)」に決まり、今年の8月5日に配信されることとなりました。

 大型アップデートの内容は以下の通りです。

  • 以前にお伝えした通り、待望の新ボスが登場します!古代のトロール狩りと同じく、このクエストにおいても、十分なレベルに達したあとで怪しげな噂のある場所に行くことで開始することができます。

  • 新クエスト「グウィネルの返答」はメインストーリーの序盤の物語の締めくくりとなり、それを機にオープンワールドの探検へと乗り出すことになります(なお、しばらくの間はこのクエストがメインのシナリオのゴールになります。ストーリー全体については、必須のシステムとメカニズムの実装が終わってから取り組む予定です)

  • 新魔術「電術」では、危険で予測不可能な雷の魔術を習得することができます。

  • 新ユーティリティツリー「魔術技能」。これについては次回の開発日記でお話しします。

  • 複数の新しい未探索地点(point of interest)

  • ブリンで未実装だった建物のほとんどが実装されます。活版印刷所、碧糸館、ブリン銀行、金麦亭、大聖堂、大学、酒場「渚屋」、錬金百貨店、そして波止場商店。

  • 新しい敵:2種類の中ボスを含む13種類のプロセライトと、グーロ(Gulon)、未熟なトロール(Young Troll)

  • 新メカニズム:疲労。詳しくはこの記事で。

  • 新しい魔術メカニズム、反動(Backfire)と魔術におけるいくつかの追加ステータス。詳細はこの記事で。

  • 新しい戦利品タイプ、二つ折り版(Folios)。これらの文章を読むことで、ゲーム背景に関するいろいろな情報を得ることができます。また、読むことでいくらかの経験値を得ることもできます。

  • キャラバンの停留地では休息やアイテムの保管を行えます。キャラバンでの旅は今後の大型アップデートで追加されます。

  • 新しいバイオーム:海辺

  • 新アイテム

 ご覧のように、Stoneshardでも最大級のアップデートが目前に迫っています。今回は "Forgotten Lore" で追加される二つの要素、疲労と反動についてご紹介して、少しでも待ち遠しさを緩和できればと思います。

疲労

 疲労は私たちが実装を予定している残り少ないサバイバル要素のうちの一つです。疲労はゲームプレイにおける重要な機能をいくつも持っています。

  • 行動計画やキャラクター管理で考慮すべき要素を創り出す

  • 睡眠の重要性を高める(現在ではセーブのためにしか使われていません)

  • 薬物や高級な料理など、特定の消耗品の価値を高める

疲労

 疲労は他の健康メカニズムと同様、0~100%の範囲で変動し、様々な行動に起因して発生します。

  • タイルの移動

  • 攻撃

  • ブロックと回避

  • スキルの使用(コストの2%の疲労が発生)と、魔術の詠唱(コストの4%の疲労が発生)。
    *これらは暫定的な数値であり、変更される可能性があります。

 疲労の上昇値は二つのステータスと関連しています。まず一つ目は「疲労耐性」で、正負両方の値を取ります。二つめは最大活力で、これも大きな役割を果たします。最大活力が高ければ高いほど、キャラクターが疲労を来たすまでの時間が長くなります。

疲労の説明

 キャラクターの疲労がそれぞれ25%50%75%に達すると、ファンブル率、活力回復、クールダウン時間に大きなデバフが掛かります。

 これら全てに加え、疲労は活力限界を徐々に低下させます。これは体力限界に似た新しいステータスですが、一つ大きな違いがあります。活力限界は回復による活力の補充量を制限するだけなので、特定の消耗品やアビリティ、効果によってはそれを超えることも可能になっています。

活力限界

 全般的に、疲労は頻繁にイライラさせられないようなバランスにはなっていますが、それでも無視できないほどの影響をゲームプレイに与えます。利用可能なリソースをうまく使っていれば、平均的なダンジョン探索で25-30%を超えて上昇することは無いはずです。

 疲労の対処方法にはいくつかのものがあります。

  • 十分な睡眠を摂った後や、エルフの泥などの消耗品を使用した後に得られる「精力的」の効果。疲労の上昇を抑え、その時点で持っている疲労を徐々に低下させます。

  • ブリンの酒場や料理屋で購入できる多くの高級料理。疲労を軽減したり、疲労の上昇を抑えたりできます。

  • 薬物の一部を使用すると、通常よりも長く起きていることができます。ニカーフは疲労上昇に顕著な効果があり、アルクードはターンごとに徐々に疲労を減少させます。

  • 休憩モードを使えば、戦闘の後に一息つくことができます。

  • そして最後に、最も分かりやすい方法、睡眠です。睡眠は一時間摂るごとに疲労を大きく軽減するため、長旅に出る際には寝袋や遠方の野営地の重要性が一層高まります。また、より高価な酒場で休めば、より大きな疲労回復効果を望めます。

 ご想像の通り、睡眠は大きな見直しが施されました。新しいメカニズム、「最大睡眠時間」によって、実際の生活と同じように、キャラクターが何週間も眠り続けることはできなくなりました。この機能は、睡眠を摂る際に毎回作用するようになります。

最大睡眠時間

 起きている時間が二時間経過するたびに、最大睡眠時間は一時間長くなります。これは最大8時間まで延びます。また、疲労が10%貯まるごとに、追加で1時間延びます。つまり、16時間活動すると8時間の睡眠が摂れ、さらにキャラクターが疲れ切っている場合は、最大で18時間まで眠っていられるということです。

 もちろん、キャラクターが眠るほど疲れていない時にゲームをセーブする状況も想定してあります。睡眠のUIに「休憩」ボタンを追加し、時間をスキップせずにセーブできるようにしました。

魔術の変更点

 それでは、開発日記の第二部、魔術システムの変更点に参りましょう。いくつかの理由によって、魔術システムに変更が行われることになりました。

  • ゲーム背景における魔術師の描写と、ゲームプレイ中の実際の魔術師に矛盾がありました。設定では、魔術とは古代の知識の断片をやみくもに組み合わせたものであり、暗黒時代に元々使われていた魔術の姿から、より複雑怪奇なものに変貌しています。魔術の使用はほとんどが戦場に限られていて、魔術の本質や実際の原理を理解している者は存在しません。その結果、魔術師たちというのは、自分の得意な魔術派閥(訳注:炎術、電術など)に現存する数少ない呪文を機械的に暗記しているだけで、それをそっくりそのまま暗唱する以外のことはなにもできないのです。

  • 時おり現れる天才が、既存の魔術を修正したり改善したりする方法を発見したりはしますが、既に確立されている伝統的な手法から逸脱するのは、どんな場合でも極めて危険な行為であり、しばしば怪我を負ったり、気が触れたり、あるいは苦しみながらの死に至ったりするのです。

  • その上さらに、魔術師たちは自らの肉体と精神を活力の導体として使わなければなりません。この種のストレスは魔術師たちの健康に極めて大きな害をもたらします。例えばヨナはやつれた顔をしていますが、それでもまだ30代にもなっていないのです。

  • 現在のバージョンのゲームにおいて、魔術師のゲームプレイには近接攻撃ビルドのような戦術的な深さもないうえ、必要なリソースも非常に少なくて済みます。魔術師は健康システムに触れる頻度もかなり少なく、消耗品や修理にお金を使うこともなく、自分の立ち回りについて考える必要もほとんどありません。魔術師ビルドで気をつけなければならないのは活力と魔力のみであり、多様性を大きく損なっています。

 この問題点を解消するため、私たちは新しいメカニズム、「反動」と、いくつかの関連ステータスを追加することにしました。

  • 反動ダメージ

  • 反動確率

  • 奇跡確率

  • 奇跡効能

反動」は、魔術師が呪文の文言を不明瞭に詠唱したり、誤った所作を行ったり、あるいは単に集中力を欠いた際に発生します。こうしたとき、魔術師は少しのダメージを受けます。実際のダメージ量は別のステータス、反動ダメージに左右されます。さらに、詠唱に失敗すると正気度が減少し、通常よりも多くの疲労が発生します。

反動:gif動画

 基本となる反動確率は20%ですが、詠唱しようとしている魔術の複雑さによってはもっと高くなります。「炎弾」を唱える時より、「猛火」を唱える時のほうがずっと失敗しやすいのです。反動確率は、特殊な装備品、特定のアビリティ、スターダストの使用、敏捷性のレベルアップによって減少させることができます。

 反動ダメージとは、魔術を唱えるために使用した活力のうち、反動で与えられることになるダメージの割合のことです。例えば、反動ダメージが50%のとき、コストが活力20の魔術の詠唱に失敗すると10のダメージを受けます。初期状態では反動ダメージは0%ですが、魔術を詠唱するたびに20%ずつ上昇します。同じタイルに留まっていると反動ダメージは10%減少し、ターンをスキップするとさらに10%減少します。これは、魔術師が集中力を回復するためには時間が必要となることを表現したものです。

 このように、依然として魔術師は多彩な手段を持ちつつも、より有意義な決断をする機会が増えました。わざわざ敵を引き連れて移動したりせず、詠唱と詠唱の間に休憩を挟んでいれば、反動ダメージを0に保って詠唱に失敗した際にダメージを受けないようにすることも可能です。また、戦場を活発に動き回りながら毎ターン魔術を唱えることもできます。この場合、魔術耐性や自然耐性を確保したり、スターダストを大量に服用したりする必要はありますが。

さまざまなアミュレット

 奇跡確率と奇跡効能は魔術におけるクリティカル率およびクリティカル倍率のようなものです。この追加によって、魔術師関連の装備品がより多種多様になり、魔術師ビルドにおける洞察力の重要性が高まり、「高いクリティカル率を備えた近接攻撃武器を装備したほうがより多く魔術のクリティカルが発生する」というナンセンスが取り除かれます。


 今回は以上になります。次回の開発日記では魔術技能について詳しく説明していくとともに、魔術技能が疲労や新しい魔術メカニズムとどう関係しているのかについてもお話ししようと思います。

 それではまた次回!

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