昨日、修行を納めた帰りに写真屋さんに寄った。現像してもらったポジフィルムとデータを受け取るために。1週間現像を待った溜めもあるのか、楽しみすぎて"お迎えに行く"みたいな感じだった。

今回ポジフィルムで写真を撮ったのは初めてだった。一般的に馴染みがあるフィルムというのは茶色い黒っぽい、光が反転したネガフィルムだけど、ポジフィルムというのは反転していなくて、フィルムのあの帯を白い壁とかに透かしてみると目に映ったまんまに近い色が見えるのだ。それが楽しみでカメラ屋さんにはやる気持ちで駆け込んだ。

受け取ったとき、まず感動というよりも、「パッと見ちゃんと撮れてて、感光してなくてよかった〜!」というスタートに立てた安心感だった。ポジは初心者には難しいとか言われているからだ。フィルムを別の店で買うときに「こちらポジフィルムですが、よろしいですか…?」と2人の店員さんに聞かれちゃったものだから、なんか心配になってカメラに詳しい友達に一斉に連絡しちゃったぐらいだ。

はじめに確認したときは、大きな失敗がないか、うまく撮れているか、そういうハラハラを持ちながらの確認作業だった。「うん、素晴らしい写真が撮れている」と安心した。

眠る前、またデータを見てみる。落ち着いて見ると、自分が見たときの光、気持ちよさ、時間の感じ方が思い出され、胸がギュッとなった。ここには思い入れのある旅先、香港での光が写っている。この写真たち、どうしよう。プリントしたい。


今日は喫茶店で店番をした。先日、飲みに行った店に忘れ物をしてきてしまい、ちょうど遠くない場所だったから歩いて行くことにした。スマホのバッテリーが切れそうで、道順の確認のために、まじで困ったときにしかスマホを見ないことにした。私はよく道端で写真を撮るが、それもできない。音楽も聞かない。

少し道を間違えたところ、神田川の上を中央総武線が走り抜ける様子を見た。電車の光、川沿いの店の光が闇の川に反射して、それだけなんだけどなんだかただならぬ光景、時間だった。橋を渡りながらもよそ見をして歩いていた。同じタイミングで橋を渡った他人も、同じようにそれを見上げていたし、三脚を立てて撮影している人もいて、さらに先には欄干にもたれてただそれを眺めている人がいた。4人中4人が釘付けになるような景色が毎日ここにはあるのかと、私は嬉しくなった。スマホのバッテリーがあれば絶対私は、何秒かそこから目を話してスマホで撮影していたと思う。

忘れ物は無事受け取り、周へんの街並みもなかなか面白いのだが、なんか今日は満足してまっすぐ帰った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?