長い歴史の中で

8月11日

3週間ぶりに喫茶バイト。毎度のことだが忙しかった。今日もあっという間に上がる時間になった。

最寄り駅から歩いているときに鳩の亡骸らしきものを見つけ、どこかに連絡しようか迷った。詳しくは見ていない。羽根がいくつか散っていることから、絶対に鳩だった。17時を過ぎていて役所もやっていない。そもそもお盆休みなのか。今日は打つてもなしかと諦めかけた。この週末、この亡骸や道路はこのままなんだろうかと思い、気持ちが歯切れず調べていたら道路緊急ダイヤルが出てきて、電話した。住所を教えると、居酒屋のある通りですか、一方通行のところですか、など場所の特定をされる。それからたぶん自治体の道路管理課かなんかに引き継がれた。通る人通る人、亡骸に気づいてギョッとする。気付いてなさそうな人もいる。カラーコーンでもあればいいのだが、私は怖くて近づくこともできず、ただ遠くから踏まれないよう願うだけだった。遠くから手を合わせた。どういうものなのかわからない。

ウッチャンのコント、LIFE SUMMERを楽しむ。
そのまま同じチャンネルで観た、恐竜発掘の研究者たちのやつ面白かった。北海道の大学教授、小林さんとその研究生たち、ウランバートルの博士や研究者たち。モンゴル南のゴビ砂漠で、まだ誰も手をつけていなそうな空き地で化石を探す。と方もないぐらい広大な砂漠の中で、限られた日数の中、この正体のわからない化石の採掘を諦めて別の箇所を見るか?まだもうちょっとやってみるか?という感じでピックで骨をあらわにさせたのち、ふとしたときに大物であることがわかった。この巨大な生態は、ティラノサウルスがなんであんなに広く繁栄したのかを解明する手掛かりになるらしい。こういうの、国を跨ぐ場合はどうやって持ち帰るんだか。化石をその場で取り出すには繊細な取り扱いのためえらい時間がかかるから、ジャケットと言って、周辺の砂ごとゴッソリ持っていき、あとで化石採掘作業をじっっっくりやる。ひとかたまりだけで、「これとは3年の付き合いです」という人もいる。とにかく途方もない作業。
小林さんは言う。これは物のバトンであると。前の人や自分が発掘したものを、その後つぎの研究者が新しい発見をしてなにかが覆ることもある。私たちはそうやって、研究を受け継がれ、次に繋いでいます、と。研究している化石や研究の全貌は一生のうちにはわからなくても、そのバトンを回すことがこの研究なんだ。
なんか、化石を壊さないように年月をかけて形を出していく様は、ものを作るようにも見えた。でも、新しいものを作る彫刻などとは違い、これは、過去へ進んでいっている。その違いがすごく不思議で、面白い。
夕方に鳩の死骸を見てなんとも言えない気持ちになったけど、この番組で化石を見て、生態の研究に繋げていることを知ったら、別に私は研究してるわけじゃないけど、なんだか少し救われたような気持ちになった。

通り過ぎていく時間や長い歴史のほんの数年、数日、数分間をしっかり紐解いていく人たち。

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