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作者の土産話

 先日『お土産話』というライブイベント(音楽)を行い、これを機に"お土産ZINE"というものを作り、来場された方に特典として配布した。旅にまつわる10個の質問を用意し、出演者の飯島はるかさん、浮の米山ミサさんにインタビューした内容をメインとした土産話冊子だ。当然起こることだが、同じ質問に対する二人の回答が全然違い、面白いと思った。
 冊子の最後には「作者もインタビューに答えてみました」という、自分で考えた質問に自分で答えるコーナーを設けた。インタビューと言っても自分の回答は記述式で、そうするとかなり簡素な、箇条書きのような内容になることがわかった。

「これ、自分も喋って録音して、それを文字起こしすればいいんじゃね?」

 既に出来上がった冊子を読んでからそう思いつき、本記事で実行することにした。冊子を入手されていない方には全貌が見えずピンと来ないかもしれないが、私の土産話を聞くような感覚で読んで頂きたい。眠れない夜とか、病院の長い待ち時間とかに…

①荷造りは楽しいでしょうか、億劫でしょうか。

 荷造りに関してはだんだんと腰が重くなってきましたね。基本的には、あの、持ち物リストっていうのを作るんですよ。なんかもう、A4の紙、ルーズリーフのあの線の入った紙が一番やりやすいな。それに何十個とある持ち物を全部一個一個書き出して。詰めたものに赤鉛筆でチェックつけて荷造りしてます。うん。その持ち物リストが自分の中で恒例行事化してて。毎回作るようにしてるんですね。それでやってるんですけど、だんだん億劫になってきてね。あのー10年ぐらい前は、2日ぐらい前から大きいカバンとかを床に置き出して、持っていくものをこう、そこに集めていくようにしてたんですけど。今は大体、前日に用意するぐらいになりましたね。そう、前は億劫じゃなくて、楽しい寄りだったかな。

②一番好きな交通手段は?

 新幹線ですね。高い。高いけど、まあ楽だし。車両もどんどん、快適になってきてるんですよ。特に乗る頻度が高いのは圧倒的に東海道新幹線なんですね。名古屋に行くにも、関西に行くにも、やっぱり東京からだとあの、新幹線になるんですけど。
 なんかねあの、これちょっと、鉄道的な話なんですけど。東海道新幹線のなんかいろいろシリーズがある中で最新型車両とされているのがまあ、N700系ですね。N700系の中でもいろいろあるんですけど。初期のN700系っていうのは結構、for ビジネスっていう感じだったんです。乗った感覚としては。なんかあの、のぞみだけに使われてたんですね。ほかのひかりとかこだま号には使われてなかったんです。速く走ることを目的に作ったんで。その速さに車体が耐えられるために、新幹線の窓をちっちゃくして、車体への負担を減らすとかそういう作りになってて。まずその窓の小ささも、車窓を楽しむっていうよりはスピード重視っていう感じだし。で、車内の作りも結構簡素だったんですよね、とにかく速さを求めてるから。初めて乗ったときは…なんて旅情に欠ける車両なんだろうと思って。私は最初好きじゃなかったんですけど。でも最近のN700系はちゃんとね改良してて。窓も、もしかしたら大きくしたかもしれないし。あと…デッキっていうのかな?あの、座席じゃないコーナー。あそこの広さにまず「おお!」ってなったかなあ。トイレが広いのと、あとは洗面?手洗いするところの、鏡とか照明がきれいだし。かなり快適。というより、うん、ビジネスとか移動するだけにめちゃめちゃ傾いてたのを、もうちょっといろんな人に配慮するようになったなっていう作りになって。それから結構(N700系も)捨てたもんじゃないというか。あの、いいなって思いましたね。
 であの新幹線って、意外と車窓から全然目を離せないんですよね。ちゃんと面白い。やっぱり新幹線からしか見えない景色っていうのもあって、普段自分が歩いてるところから絶対に見れない景色が見れるというか。廃車になった車が積んである景色とか。長閑な景色の、若干高いところから、でっかい工場の全貌を見れるみたいな…のがすごい楽しいなって。思いますね。
 寝台特急も捨てがたいです。私が乗ったのはサンライズ瀬戸ですけど。これが今現在、唯一走ってる寝台列車かな。東京駅から毎日、夜の10時に出てるんですけど。それがすごい、いいです。私が乗ったのは個室で、入ったら荷物を置くスペースと、飲み物かなんか置けそうなスペースと、まああとは寝床。それだけのスペース。あとはね、窓がとにかくでっかいです。部屋に対する窓の割合が大きい。うん。その窓も、車体の上まで曲線を描くように、上まで見れるようになってるんですね。だから視界が非常に広いんですよ。夜だから見えにくそうだけど、電気を消せばよく見えますね。そこから見える景色はもう、非日常の極み、連続でして。だって、終電のあとの時間の熱海とか、あのへんの景色が見れるんですよ。夜のそのー、普段はありえない時間に電車に乗ってるわけですよね。だからもう、全部の景色が珍しくて、もうやっぱそこから旅ですよね。夜の海が見えたりとか、月が海に反射してる景色がすごく印象的でしたね。なんてきれいなんだろうって。眠ってる京都駅を眺めて通過したりとか。そんなこんなでね、寝れないんですよ寝台特急ってのは。楽しくて。寝た方がいいのにね。そう1回目は全然寝れなかったです。楽しかったのと、完全にベッドとは言えやっぱ揺れてるからさ、なんかやっぱ…全然寝れないっす(笑) 夜寝るのが得意じゃない人はそうなるかも。でも2回目に乗ったときは、なんせ2回目だから刺激がまろやかになって、多少は寝れる条件揃いますよね。それでね、寝床にラジオついてるんですよ。それを聞こえるか聞こえないぐらいかのボリュームに調節して、NHKラジオ、あのー、なんか地味なやつ流してるとね、それが非常にほどよく、心地良くてね。あれはちょっと眠りの誘いになりました。でも寝れて2時間とかでしたね。そのあと行動ってなるとちょっと、きついんですけど…
 あの、寝れないと聞くと苦痛そうに思えるかもしれないですけど、かなりおすすめです。快適ですよあれは。あと値段がやっぱりね、何より高い。 だからなかなかしょっちゅう乗れるものではないですけど。願わくばね、やっぱ生きてるうちに、そしてその、寝台特急が走ってるうちに、友達と一緒に乗りたいですね。友達と一緒に乗りたい。なんかこう修学旅行な雰囲気をたまに、味わってみたいっすよ。

③良かった街はどこですか。

 去年の4月に行った長浜。すごい良かったですね。琵琶湖も近くにあるし。本当にあの、街並み…景観がすごいですよ。木造の建築がバアーっと残ってて。それでもやっぱり街の再開発みたいな、新しい建物はどんどん建ってるんですけどね。その中で一軒だけが立ち退きを拒否してずっとそこにあるっていう、うどん屋さんもあってね。そういう一面も見れたり。まあそこのうどんは食べてないんですけど…
 ライブしに行った、喫茶プカプカっていうお店がね、すごい良くて。2~3年ぐらい前にできた新しい店なんですけど。やけに天井が高くて、広くて。とにかく、居心地がいいんですよ。んで、なんかどうやら元々ガソリンスタンドの建物みたいなんですよね。だからこんな天井が高いのかと思って。あれは非常にねえ、あの街にあの店があるっていうのは、結構、大きいことなんじゃないかなあって、思ってるぐらいです。
 私が長浜に行ったタイミングで、曳山祭りっていうのがやってたんですね。昔から長浜で行われているお祭り、あの、三日間行われるんですけど。そのうちの一番盛り上がる、最終日かな?の晩に立ち会うことができて。各地域から山車が出てて、小さな舞台があって、そこで小学生の子どもたちが、子ども歌舞伎っていうのをやってて。歌舞伎の格好をして、台詞を覚えて、やってるんですね。で、人が集まってるところに、えーっとまあ、山車というか舞台に照明がバーンと当てられて、選ばれし子どもの役者たちが群衆の中から入場してきたとき、なんともこう、すごい盛り上がるんですよ、パチパチパチって。で歌舞伎がはじまったときに、なんつーかな、こう…うんー結構、感動しましたね。泣いちゃいそうになりました。うん。そういうなんか、地元の祭りを見れるっていうのはかなり貴重な体験ですよね。良かった。
 それと去年の夏、新潟市に行ったんですけど。古町、初めて行ったんですね。雪国だから基本的には商店街にはアーケードがついてます。だから雨が降ってても、歩き回れる。散歩できるっていう利点があって。その代わり、冬場は雪がたくさん降って大変なんですけど。
 あと熱海は好きですね。本当に。元々海が近いところって好きなんですけど。あそこーやっぱ温泉街で、観光地で、賑わいに安心感があるのと、やっぱその、変に洗練されてなくて、昔の観光地っていうか、ああいうとこなんていうの?慰安旅行で行くようなとこ。昔の観光地の風情がそのまま残ってるところが好きなんですよ。言葉悪いけど、ダサいところ…でも、その目も当てられないようなダサさじゃなくて、今見ても良いなって思える興奮があって。すごく楽しいんですよね。
 あとは、那覇市。初めてライブで遠征に行った街です。楽しかったな。(宿から)歩いて10分ぐらいのところにすぐ国際通りがあって。観光地としてはメジャーな通りですけど1本(道へ)入るとアーケードの商店街があって。あそこでかなり時間つぶれる。いろんな果物が置いてある八百屋とか、日本一小さな古書店とか。その辺にサーターアンダギーが売ってて、それを買ってカフェで飲み物買って宿に持ち帰って、お茶するみたいな。なんかね、あんまり思い切って頑張って足を伸ばさなくても、もう歩いてるだけで楽しいですね。すごく心が躍る光景がギュッとあそこにありました。でも、今度はほかの島にも行きたい。うん。

④旅先でハプニングはありましたか。

 さっき話した、寝台特急に初めて乗って一睡もできなかった朝に、「私はついに寝れなかった…」っていう気持ちで高松駅に降りて…スタートの時点で疲労感があるのと、7月だったんで「ヤバイ、これは暑いぞ…」っていう、初夏の暑さに絶望的な気持ちになりましたね。だから香川県庁に行って、そこの展望台の椅子に座ってボーッとしてました。でも、せっかく来たんだしと思って、頑張ってあの、でっかい公園とかに行って歩いてました。でもやっぱり「あー疲れてるな」っていうのがずっとつきまとってて(笑) 大変でしたね。うん。
 あとはあのー、滋賀県のおごと温泉に行きたくて。雄琴駅からバスに乗って行くんですけどその、行き先を間違えちゃって。すぐに降りたんですけど、これがもうどうしようもない。よくわからないところに降りてしまって。人も全然歩いてないし。なんなら雨もポツポツ降り始めてきちゃったし。傘も持ってなくて。うわ~これはしくじったなと思って。まあ幸いバス停に小さい屋根がついてたんで、その下でひたすら、もう来る気配もないぐらい静かな道でバスを待ってたんですけど…その数分間が非常に長く感じましたね。でもね、きれいな虹は見えました。うん。

⑤ワースト宿について教えてください。

 これは、うん、ある。やたらこだわりが強いオーナーで、やたらルールが多くて、融通の効かないゲストハウス(笑) でまあ、ゲストハウスの醍醐味って、ほかの旅行客も居合わせてるから、喋りたければ喋れる環境にあって、やっぱ一人旅には丁度いいんですよ。思わぬ会話が生まれるっていうのが魅力だと思っていて。うん。別に、喋る必要はないですし、喋らないときもありますけど。ただそこのゲストハウスはね、なんかオーナーがそこ(コミュニケーション)を重要視しすぎてるのか、あの、「せっかくなんで炬燵に入って皆さんで話しましょうよ」みたいな、そんな感じのことを言ってて、うん。 もう私は、「嫌だよ」と思いながら、すぐに寝る支度に入ってましたけど。なんか全てがだめでした…(笑) うん。全てソリが合わなかった感じがあるな~。
 もう一軒は、それも同じ県のゲストハウスなんですけど。寝床がねえ。こう、押入れみたいな。ガラガラっと横に開け閉めする扉があって。いや昔、学校から帰って押入れの中で寝るっていう習慣があったぐらい、押入れで寝るのは好きだったんですけど。だ、宿として、なんか、ちゃんとした寝床として、そこにね、ガラガラっとした、完全にピシャッとした扉がついてる寝床っていうのがちょっと閉鎖感があって。微妙でしたね。ダメな人はダメかも。
 ただ、相部屋の人はすごい、もう一人女性が来てたんですけど。その人の感じが良かったことはすごい覚えてます。山登るような荷物置いてたんですよ。それで、「山登るんですか?」って私が聞いて。「明日の朝、伊吹山に登んですよ」って言ってたから。ああそうなんだ~と思って。で、たぶん朝めっちゃ早いだろうから、その、寝床も2段になってるから。あんまりこう自分も開け閉めしたり、物音立てたら、ちょっとあれかなと思って、(起こさないように)気遣っちゃったのもあるかなあ。その、なんか使いづらさを感じたっていうのはそこかもしんない。そのゲストハウスは。でも私はそこの県はすごく好きなんですよね。

⑥旅先での朝食はいつもどうしていますか。

 私、3食の中で朝食のこと一番ぞんざいに扱ってしまうんですね。抜きにするっていうことはほとんどないんですけど。朝食抜くとなんか本調子じゃなくなるんで、欠かせないんですけど。ただ別に、食べればいいと思ってるだけで、一番(内容に)こだわりがないんです。だからよくやるのは、コンビニで買ったスープ春雨を宿で食べる。これはゲストハウスでもホテルでもそうしてました。
 でもたまに、やっぱねあの、せっかく来たんだしと思って、喫茶店行ってモーニングをすることもあります。京都に泊まるといつも柳月堂っていうパン屋さんでパンを買って、鴨川で食べるっていうのが、あの定番化してたんですね。で、あるとき柳月堂でパン買って出たあとに、その、目の前におにぎり屋さんがあるんですけど。「おにぎり屋さん」っていう名前のおにぎり屋さんが。「粕汁があります」っていう看板?手書きだったと思うな。が、貼ってあって。それを見て、冬だったから温かいもん飲みたいと思って。んで、たぶんね粕汁だけを求めに初めてそのおにぎり屋さんに入ったんですよ。そしたらおにぎりが、形もかわいいし美味しそうで、結局おにぎりも一緒にね、買ったんですけど。もうそれからはそのおにぎり屋さんのファンですね。そう。京都だったら、鴨川で朝食を食べることが好きです。

⑦コロナ禍はじまりの20~21年。その時期に旅をして印象的だったことはありますか。

 ライブとかミュージックビデオの撮影とか、それで旅に出ました。飲食店が営業時間を短縮しなきゃいけない時期にあって。やっぱライブハウス自体も、お客さんを終演後に(お店に)残せなくて。もう強制的に、お店の人も演者もお客さんを帰すということをしてたんですけども。お客さんもそれをわかってるから、みんなサーッと帰ってくれたんですけど。うん。あれやっぱりね、あれをやんなきゃいけなかったのはほんとに大変だったなって思います。
 何よりお店がやってなかったってことが、結構でかかったですね。京都でレコーディングに参加したんですけど。それが夜の確か7時とかに終わって。なんかこう、ほどよい緊張感といい刺激と、楽しかった気持ちでこう、はぁ~って、いい気分になったあとに、なんかやっぱ美味しいもの食べたいじゃないですか。打ち上げじゃないけど。それはたとえ一人でも。ただ私は一人で船岡温泉行って、そのあと、もうお店まじでどこもやってないから、宿の近くのコンビニでカップ麺を買って(笑) たぶんなんかね、すみれとか一風堂とかあのあたりの、とんこつ系のカップ麺を買って、宿でお湯を入れて食べました。絶対あのーいつもの旅の夕食でやらないことです。なんですけど、ただ、選択肢がそれしかなくてそれをしたっていうの、なんかね、案外嫌じゃなかったです。なんかこういうのも、こういう状況じゃなかったら絶対してないから。これもこれで思い出だなって思って。そうやって楽しんでました。が印象的だったな。

⑧旅から帰ると、どんな気持ちになりますか?

 最近は刺激に慣れてきたけど。結構、楽しすぎる旅のあとって逆に辛くなっちゃうんですよね。もう泣いちゃう。本当。まじで。これ比喩じゃないです。楽しかったな~とか、恋しいなあとか。なっちゃいましたね、前は。
 いろいろあったこと忘れたくないから毎回、旅のレポートとかブログに書いてました。今もnoteやってるけど、遠征行くたびにいちいち印象的だから、出来事があまりにも多いのと、やっぱり、みんなに楽しく読んでもらおうと思って書こうとするとなかなか早くできないから、下書きのままになってるのが最近です。そう。とにかく、記録も残しておきたいって思います。その作業もしますね。

⑨お土産は、よく買いますか?

 めっちゃ買いますよ。買わないときなんてないぐらいですね。特に人に買いたくなっちゃいます。これなんかね、旅行に限ったことではなくて、見たことない良いものを見ると、なんか、この人に見せたら喜ぶかなと思ってね。買いそうになったりすること、あります。
 あっとは、そうですね自分にお土産は買いますね。食べ物よりも物?本とか多いです。ずっと置いておけるじゃないですか。やっぱあの、すごい心に残った場所だと、記念品として一つ、なにかは買っていきたくなります。本はまじで買っちゃうんだよな。で、たまにこう、店頭で最初の一行を読んで「よしこれは買いだ」って、絶対面白いと思って買って帰るんですけど。東京に帰ってちゃんと読んだらそんなに面白くなかったっていうのもあって。でも思い出もあるからなかなか手放すことができなかったりしますね。まあ結局売ったりもしたんですけど。うん。そういうものが多い。
 写真集とか好きだな。あんまりこう、大きい本屋さんに出回ってなさそうな作品とか。那覇の、その日本一小さい古書店で買ったのは、えーっとねなんか(ゴソゴソ)島の人の髪を切る理容師さん、その様子を撮り集めた写真集なんすけど、あーっと今、ちょっと出てこないから詳しく説明できない…を買ったりね、しました。

⑩もらって嬉しかったお土産について教えてください。

 お土産はなんでも嬉しいですけど、食べ物とか。人が旅から帰ってきてその、くれるお土産も嬉しいんですけど。福井県に行ったときに、福井の方がですね、あの、ウェルカム的な感じで、お土産にどうぞって。そう日本酒をくれたんですよ。この日本酒美味しいんですよっつって。美味しかった。向こうの人がくれるお土産ってのがめちゃくちゃ嬉しいですね。現地の人セレクトっていうのが。信頼できるというか。
 結構ベタなその、台湾のさパイナップルケーキとか。もう、生八ツ橋とか…信州土産の、雷鳥の里。これがねめちゃくちゃ美味いんだよな。前バイトやってたところで、そこの人の実家が長野で。この雷鳥の里をね、毎回買ってきてくれるんですけど。まじで、毎回買ってきてくださいってぐらい、あの飽きない。美味いんですよ。とかさ、ままどおる。福島土産のとか。新潟の笹団子。あの、よもぎ餅を笹で包んだ、形から可愛いお団子ですね。とかそういう、めちゃくちゃ定番だけど、定番化するほど美味しいものってことじゃないですか。そういうのも嬉しい。
 あとなんか、ぶっ飛んだ土産としては、九州に行った友達が「野球がうまくなる!」石っていうのをくれたんですよ。ふふ。あの、インチキパワーストーンですね。トルコ石って書いてあるから、本当にこれがトルコ石なら、インチキではないんですけど。いや、野球がうまくなるっていうのは絶対にインチキです。なんかそういうインチキ土産って昔ありましたよね。今あんまり見ないな、"モテる飴"とか。そういうのもらいたくないけど、うん、あって。自分では買わないけどさ。ただその、野球がうまくなる石はね、野球少年の絵が描いてあって「父ちゃんオレはやるぜ!」とか「いいから早く打て!」っていう台詞が書いてあって、パッケージがかわいいんですよ。で、友達が「こういうのが好きだろう」と思って買ってくれたのがすごく嬉しかったですね。うふっ。絶対、九州ならではのものではないんですけど。
 あとあのー、フィンランドの友達が日本に来たときに、(フィンランドの)お菓子をくれたんですよ。この黒い箱なんだろうって思って、食べてみたら、なんか…未知の味で。あの…全然美味しくないんですよ。でまあ、調べたら「サルミアッキ」っていうフィンランドの、んーなんか、日本人にとってはまずいお菓子として有名なんですけど。でも友達は、どういうつもりでそれをくれたのかわかんなくて(笑) あの、フィンランドの人にとってはそのお菓子がどういう立ち位置なのかっていうのがわかんなくて。普通に美味しいと思ってるなら、美味しいから食べて欲しいっていう感じでくれたと思うんですけど。もし、美味しくない、刺激的な味として認識しているんだとしたら、ちょっと衝撃じゃない!?っていう感じでくれたのか、まじで意図がわかんなくて(笑) でも、お礼をメッセージで言うしかなくて。とにかく私は「お土産ありがとう!あのお菓子すごい味だったね!」ってこう(笑) どっちとも捉えられる、えー感想を送りました。あれはほんとにわかんないな。いつか会ったときに聞いてみたいと思います。



わかったこと

 一人で喋ると、途中で滞る。このテキストの「、」や「。」の間には、長い間のシンキングタイム「…」があり、なんなら考えまでストップしている。しかしどんなに滞っても、聞き手が目の前に居なくても際限なく喋れてしまうことを新たに発見した。聞き手がいたら、話の途中で相槌を打ったり、回答に対する質問を挟むことによって話の内容に一区切りがついたり、道ができてまとまったりする。そこがインタビューアーの技量が問われるところでもあるが、とにかくこの人がいないと、いくらでも時間が許され、道がなく、途中で思い出したことをいくらでも話せてしまうんだとわかった。目的によっては際限なく話せてしまうことも良い状態ではあるが…
 ここまでやればラジオにしても良かった、と思ったが、最近、話し言葉を文字で見ることが好きなため、やってみたかった。これからも、そういうことをやっていきたい。

 また、『お土産話』というライブにご来場頂いた方々、会場ひかりのうまのマスター:マルタさん、出演やインタビューに快く応じてくれた飯島はるかさん、浮の米山ミサさんには多大に感謝している。初めての冊子制作の日々は、とても楽しく、メラメラと燃える日々だった。お土産をもらった皆さんの雰囲気がなんだかホクホクしているように見えて、お土産っていいんだなあと思った。

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