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Dark Templar ベテリ領に来たる

 此処は地の果てベテリ領。
 ヴェテリス、グリシャ、ジラール、“赤い星の息子たち”の幹部が集う場に、ヴェテリス邸の使用人から一報が齎される。

「ジラール、Dark Templarが到着したそうだ」
「先に出立した筈の部下が、ここまで遅れるとはな」
「兵士の質を維持するのは、貴殿ら共通の課題のようだな」
「貴殿“ら”? どういう事だ」
「(グリシャめ、余計な事を……)賊に侵入されて近衛兵も無事では済まなかった、それだけの話だ」
「ヴェテリス。貴公を侮る気は無いが深緑森の討伐、本当に僅かな手勢で良いのか?」
「貴様らの手を借りる程でもないし、久しぶりの狩りを存分に楽しみたい」
「こう言って聞かぬのだ。別の思惑もあるようだが」

「ヴェテリスには何か考えがあるのか?」
「この機に乗じて動く者を炙り出す」
「それで貴公自身が動くと……空になった邸宅を我々が抑えたら、貴公どうするつもりだ?」
「知れた事。貴様らという大物が釣れたからには、獲物として追い詰め仕留めるまでよ」
「ヴェテリス、そんな事は言わないでくれ。貴殿の誘いに乗りたくなってしまうではないか」
「ヴェテリスもグリシャも少しは落ち着いたかと思えば、相変わらず戦バカのままか」
「「そうでなければ、“赤い星の息子たち”は名乗れまい」」

 ベテリ領には人の皮を被った悪魔が居る。
 水晶湖に住まう不死身の殺人鬼に、領主邸に巣くう赤い星の息子たち。

・後書き
(;・□・)
 あれ?
 先に予約してたDark Templarよりジラール卿が早く手元に届いた事から、“到着が遅れた部下に憤慨するジラール卿”という内容の予定が、蓋を開けてみたら赤い星の息子たち幹部達の血に飢えた日常会話みたいになっていた。
 ……と言うよりジラール卿はヴェテリスにとって、敵か味方か分からないミステリアスな協力者という公式設定なのに、玩具妄想だとヴェテリスの方が重要だからジラール卿が割りを食ってる気もする。
 でも“赤い星の息子たち”にはヴェテリス達より格上な盟主スカプラーが居るんだよな。フィギュアが再販されたらゲットしたいけど、ヴェテリス達よりマッドでイカレたカリスマの骸骨戦士か……どんなヤツか想像もつかない。

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