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毎週メタバース出社を続けるうちに、リアル人間としても大事なものを教わった件【ドズル社】

お疲れ様です、pontaです。

弊社は長引くリモートワークと、それの弊害による社員同士のコミュニケーション不足を解消すべく、"マイクラ出社"を半年前に開始しました。

これは、ゲームのマイクラ内に作成したオフィスにアバター姿の社員たちが出社し、朝礼MTGや雑談を行うというものです。

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これまで利用していたzoomはたしかに便利なものの、特定の人に発言が集中してしまったり、雑談が盛り上がりづらいといった欠点も目立ち始めておりました。

ちょっと面白いことをしようという会社の方針にも沿う形で、2022年9月より、週に2~3回はマイクラ内に出社するようになりました。

"メタバース"とかいう言葉が最近、あちこちから聞こえてくるようになり、「これはチャンスだ、大きな波だ」なんて拳を握って唾を飛ばすおじさんもよく見かけるようになり。

それでいて彼らが、アバターのひとつも持ってないのが個人的に無粋に感じていて。

今どきのゲーマーは、"メタバース"なんて概念を知らなくても当たり前のように仮想空間でアバターによる交流を楽しんでいてそっちのほうがオシャレですよね。

普段着のメタバースを楽しむ、その文脈でゲーム好きな僕たちもマイクラ出社にすんなり馴染んでいきました。

好意的な意見としてはこういったものがありました

・会議後の雑談や作業、話したいときに話しやすい(zoomだと用件が終わるとブチっと切ってしまいがち)

・不便なのが楽しい

・見た目が可愛いので厳しい会話でもピリピリしない

・対外的に「面白い会社」のアピールがしやすい

・いつもと違う気持ちになれる

・インタラクティブな会議ができる

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※いつもと違う気持ちになるべく、社屋をノリで仮想爆発したの図

なんや!ええことだらけやんけ!

とまあ、ここまで流れでマイクラMTGを持ち上げてみましたが、正直、個人的にはあんまりピンとこないまま半年が過ぎてしまいました。(みんなは楽しんでる)

だって俺、そもそもマイクラそんなに好きじゃないんですよね…。

すごくいいゲームだなと頭でわかってはいるんですが、快楽ポイントが見つからないんですよ、正直…。

でも、でもドズル社ってマイクラで成功して、地位と人気とお仕事と…いろんなものをマイクラ様からいただいている会社じゃないですか。

そこに勤めるワイが、「マイクラあんまり…」とかぬかすのって、スタジオジブリで働いているのに宮崎アニメ見たこともないというか、そういう恩知らず感がありませんか?

マイクラ大好き!な人の価値観や思いを踏みにじることになりませんか?

他人のスキを否定するのってすごく失礼なことですし…。

ましてや、このマイクラ出社ではドズルさんが鉄の掘り方を指導し、ネコおじがええ声ではげまし、ぱるぱるさんがネザーとやらの場所に手を引いて連れてってくれる。

そんな、ドズル社ファンの人たちがうらやむような至れりつくせりの環境で、イキイキと楽しんでいる新人のマオさんモリさんを横目に、「いやーこれぞメタバース!」という空気の中において、どんよりマイクラ酔いしているのはけっこう孤独感がありました。

ただまあ、ある時、同じ営業チームのヒカルさんという人が「マイクラの面白さがわからん」と言ってくれて助かりました。

考えてみれば当たり前です。

マイクラで飯を食ってるレベルの人たちと、マイクラ始めましての人たちがいっしょに同じ目線で楽しもうというのはそもそも難易度が高かったんだと思います。

それをきっかけに社内で話し合いがもたれ、なんやかんやあって、ドズルさんやネコオジなどを抜いた初心者だけでチームを組んでエンドラ討伐を目指すことになりました。(上級者は建築を楽しむ部活を結成しました)

討伐部ののプレイたるやひどいものです。

そろいもそろって、マイクラ的にはポンコツです。

誰かに作ってもらったダイヤの武器防具を雑魚敵相手にロストし。

貴重なエンダーパールを溶岩に投げ入れケンカとなり、敵を倒すべく矢を射かけるものの当てた本数は仲間同士のほうが多いていたらく。逃げる兵を射殺するロシアの督戦隊じゃないんだから。

キノコに驚き、水に溺れ、座標が見れないので迷子になりがちです。

つきみさんという方だけがマイクラの知識を持っているので、適度に彼女に泣きついてはゆっくり進んでいる状態です。

おんりーちゃんのRTAと同じゲームやってるとは思えません。

そろいもそろって正解知らず。経験者からしたら見ていられない、間違いばかりになりました。

ただまあ、それが楽しいんですよね。やってる側からしたら。

至れりつくせりでわけもわからないまま金の靴を履かされ、死なずに要塞までたどり着いていたときより、ずっと。

ゲームなんてそもそも時間のムダなんだから、こういう非効率や無知に戸惑うことこそが真髄なのかもなあと思う次第です。

思えば、正月、ドズルさんのゲーム実況で「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」で祠に入ったとたんに謎の解き方やヒントをチャット欄に貼る人がちょっとだけおりましたがそれがよろしくないのと同じ理由で。

やっぱりモタついて悩んで、的外れな試行錯誤をする実況者を生暖かく見守ってほC。

ただ、偉そうに下から目線で威張っているワイもわが身を振り返ると、娘に勉強を教えるときは答えを最初から言ってしまったり、自分で代わりに解いたりするんですよね。

そのほうが早いから。

でも適度に迷わせる、ムダ道を食わせるということは、本人にとって失敗体験を積ませる、楽しませるという意味でとても大事なんだなあと思いました。

それは経験者にとってみれば寄り道に見えたり、イライラしたり、もどかしかったりするかもしれませんが。

わけのわからないまま最強武器を提供され、安全にスイスイ冒険していた時よりも、装備もなしにつっこんでいってブタ人間にボコられて死に戻っている今のほうが「スムーズに進んでいる」実感があります。(※実際は進んでいない)

という感じで、最近は個人的にやっとマイクラ出社に抵抗がなくなってきて、楽しいなとすら思えるようになってきました。

まあ、バーチャルな世界ではありますが、コーチングスキルを学ぶことができたという意味で、リアルで得られない経験をもらえたなと思う次第であります。

以上、よろしくお願いします。


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