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湘南で初めて家を建てることのコツ2023

会社中心に暮らしていた毎日がコロナ禍でその必要性も薄れ、家族が望んでいた本当の暮らしが選択できるようにもなりました。都内から湘南への移住組が増えた現在ですが、そろそろ本腰を上げるかなと思った皆様に意外に知らない湘南での家づくりの最初のステップをお教えします。

1.家の予算を確保してから土地を探すこと

湘南では特に土地ばかりに目が入って上物の予算がショートするお客様が8割以上だと思います。暮らしの主役はやはり家、まずは家の予算を確保し諸経費を引いた残りが土地に使えるリアルな金額になりますが、まずはここを知ることで急に土地が出てきた時に瞬時に判断できることにつながります。全体予算の5割が土地上限で1割が諸経費、4割が建物というバランスが理想ですが、ここ湘南では土地に6割以上つぎ込んで安い家を買うことになったケースがたくさんありました。この土地の5割で見つけられるかどうかは下の2、3にかかっているとも言えます。

2.似て非なる湘南の土地の癖を読むこと

東は横須賀から葉山逗子、鎌倉そして藤沢、茅ヶ崎あたりまでが湘南でも人気なエリアだと思います。しかしこのエリアは激戦区で土地はほとんど出ない状況でもあります。またエリアによって住民の癖やカルチャーも違うので自分に合ったエリアを選択するのが良いでしょう。別荘地が多く人里離れた雰囲気が人気の葉山は駅へのアクセスが特に大変で家での仕事や子どもに自然と触れさせたい、高速道路で都内に出る人には向いたエリアです。逗子は米軍基地もあるので外人さんも多く、横須賀線から始発で都内に通勤する人に人気なエリアですが、津波や崖崩れ、地震に弱いエリアも多いので土地の選定には注意です。鎌倉は全国的にも有名な観光地で自社仏閣が身近にある人気エリアですが道の狭さ、日照条件、急傾斜地、埋蔵文化財、高い湿度、軟弱地盤など土地探しの厳しい諸条件に加え、風致規制法による植栽やセットバックなど建築条件も厳しいので何かしらデメリット覚悟となり建築のプロサポートなしではいい土地に出会うのは厳しいですが住めば最高の場所です。藤沢は小田急線やJRのアクセスはもちろん、公共施設含め子育て環境が良いので若い世代に人気なエリアですが鵠沼や片瀬山など場所によっては坪100万をこえる土地もあるので幅広く土地を見る必要があります。茅ヶ崎は人気の南部ビーチタウンと田園風景のある北部に分かれておりサーフィン文化も強いので南部はカリフォルニアでいうサンノゼのようなサーフィンしかないような田舎街の雰囲気も特徴です。北部は市街化調整区域という建物が基本建てられないエリアが多いのですが昨今の土地高騰により北部もかなり土地が動いているとも言えます。このように同じ相模湾に面した街ではありますがかなり特徴も違うので自分に合ったエリアをいくつか選択することをお勧めします。

3.土地探しは不動産だけには任せない

駅前大手不動産会社の常套句は“建物は工務店でなんとかなります“ ですが、この資材高騰かつビルダーが淘汰されている中で、なんとかなるわけないでしょ。そんな困りに困ったお客様をたくさん見てきましたが、ほとんどが駅前の大手不動産に行かれた方ばかり。フラットな土地がほとんどない中で業者は同じ物件をひたすら毎日見ているのでどこに行っても同じ状況です。しかし湘南にはなかなか味のある不動産業者も多く、特徴もかなり違います。ちょっと癖のある物件を抱えており、逆に気になるものも本当に多い。これは自分のような建築士には技を活かせる好物件でもある訳です。鎌倉近辺であればココハウスさん、R不動産さん、純粋エステートさん、エンジョイワークスさんなどですかね。それぞれ物件の特徴も違うので色々足を運んでみるのも良いと思います。とはいえ、最近ではフラットな土地はなく、手を出せるのが古家付きの物件ばかりとも言えます。なので建築士がそこいれば解体しないで使う方法や、古屋がある段階でも家の提案ができるのでなかなか想像しにくい古屋付き物件の魅力を先に見出せることもできますので、自分のような土地探しからお手伝いできる建築のプロを同伴させることは大きなメリットになると思います。



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