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家づくり2025年問題知ってますか?

2025年からは建築コストと工期が大幅に増加

実はあまり知られていない2025年からの法改正、ご存じでしょうか?
今まで通常規模の住宅は4号特例という、いろんな意味で設計者による建物安全性が確認されたという前提で審査期間による確認が省略されていました。しかしながら一部の規則を守らない業者などにより、ついに特例が廃止の動きになってしまったのです。他に一次エネルギー計算など住宅温熱環境の底上げもあり、それに対応するためにお客様の負担がかなり増えると思います。

構造計算の提出により設計費用・期間が大幅に増加

特例廃止により構造計算の提出、審査業務が発生します。これにより4号物件の審査は1週間程度でしたが、最低3週間はかかることが予想されます。設計サイドでの構造計算書の作成も合わせると全部で6週間くらいはかかってしまうのではないでしょうか?期間の増加に合わせて構造計算費用、審査費用もお客様の負担になり、今後は簡単に窓の大きさや位置も変えられなくなると思います。

一次エネルギー計算の義務化により建築コスト上昇

家から出るエネルギー(特に冬)と家に入るエネルギーの抑制(特に夏)の最低基準が定められます。これに関しては将来温熱環境レベルをZEHまで引き上げたいという思惑があり太陽光を無理につけてまでというのは疑問が残りますが、今までは設計する住宅が国で定める基準を満たしているかどうか報告する義務止まりでありましたが、これからは基準を超えることが必要になります。しかし電気やガスの高騰が止まらない中、温熱環境レベルの底上げは現実的な対応ではないかと思います。しかしこれにも断熱材などの建材コスト、計算書の作成や審査費用なども全てお客様負担になってきます。

現場での変更ができなくなる可能性

構造や断熱材、窓の仕様全て建築確認の段階で審査されますので、現場で窓の大きさを変更したり、断熱性能に関わる部材変更などは難しくなると思います。設計者の計算業務や審査期間の確認業務なども増大するので現場負担はかなり大きくなり、結果として顧客には不利な状況になるともいえます。

竣工が果たして銀行決済に間に合うのか?

一番の問題は住宅ローン実行まで期間が定められていることです。今まででもご相談時にすでにあまり期間がなく押せ押せスケジュールで頑張ってはきました。設計期間に2−3ヶ月、見積もりに1ヶ月、工事期間に6ヶ月程度、これが更に2ヶ月は伸びると考えると融資実行に毎回間に合わない事態も考えられます。また子どもの入学に合わせて、などの線引きも約束できないものになるでしょう。普通に考えると今回の法改正はやり過ぎという声が上がり、何かしらの緩和策が出るとは思いますが本当に注意が必要です。

つまりは2025年までに家を建てましょう

普通にしていれば設計者がしっかり構造を考え、今の時代にあった温熱環境の高い住宅を建てられると思います。それが今後はお客様負担で家全体の底上げが余儀なくされてしまうので、今から準備をして2025年前に着工するのがベストなのかと思います。

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