カリスマと出会い、目を逸らし、また合わせるまで
2022年10月、親友が突如このURLを送り付けてきた。
普段なら紹介されたものには全て目を通す私だったが、今回ばかりはスルーして「やめてください 見ませんよ」と返信した。
カラフルローポリゴンボディとイケメン箱型頭部を持ち、まるでコピペでもしたかのように均等に並ぶ、謎のお兄さん七人組。それ自体には見覚えがあったので、驚きはしなかった。ファーストインパクトは確かTwitter(2024年現在はX)だったと思う。
私は返信を続けた。
「こんなものにハマったら人生おしまいだって分かってますからね」
「その沼は爪先ちょっとじゃ済まない そういうにおいがする」
「いやですよ わたしビジュアルの時点でそれから距離をおくと決めているんです」
「クオリティと胡乱さを兼ね備えた名作が一番狂うんだって……」
頑なに拒否。それも訳分からなさへの忌避感によるものではなく、底無し沼に引きずり込まれることを恐れての拒否であった。
この動画を作業用BGMにしてタスクを片付けた、と親友は綴る。話題はそのまま作業の内容へと移っていったため、ローポリ箱頭お兄さんズことカリスマの話はここで終わった。
2024年2月、そんな親友がカラオケで歌ったのがこの曲。
ランララ ランラ ラーラー!
ランララ ランラ ラーラー!
ランララ ランラ ラーラー!
カリスーマ!
聴き終わった私は、すぐにカリスマの画像を調べた。しかしカラオケに本人映像が入っていなかったので、どれが誰か分からない。親友に教えてもらって、各キャラクターの顔と個性を照らし合わせていく。
セクシーの人。天邪鬼。奴隷。財布忘れた人。秩序がどうたらの人。SDGsな肥料。テラくん。
想像以上に濃い顔ぶれだ。あんまり噛み合わなさそうだね、実際そうだよ、などと会話を交わした後、私はふとこんなことを言ってみた。
「普段はお互いに不満もあるけど、部外者から何か言われたらしっかり味方になってくれるやつ、好きなんだよね」
すると親友はこう答えた。
「カリスマはそんな感じだよ」
えっ……マジで? 最高じゃん……
そうして私はカリスマを履修していった。
この記事は、初見の反応でしか得られない栄養を求める凡人の皆様向けに、親友とのやり取りや感想ツイート(ポスト)の一部をまとめたものである。
カリスマが何者なのかまだ知らない方は、とりあえず本編1stシーズンを見てほしい。最初の8話を見れば大体分かる、分からないということが。
以下、2ndシーズン最終話までのネタバレあり。
長めのウォーミングアップ
まだジャケ絵しか見てないくせにめちゃくちゃ語っている。
内罰を自罰と間違えた時は、親友から「わかりづらくてすみません......死にます......」という解像度の高い返信がきた。
一方でしっかり名前を憶えられているテラくん。さすがはカリスマピクニックのソロパートで三回も名乗っているだけある。
やっと動画を見始めた
ボイスドラマ視聴中ツイート
どことなくオタク文化圏っぽい語彙や言い回しを自分に向けて使うところから出てきた感想。
「秩序 is All Green.」ウニョウニョウニョ……
早々に気付き始めた。
おそらくカオティックハウスを見ている時の感想。
リカピュアを見てからは「決して諦めない不屈の精神! さすがは理解お兄さんだ……!」になった。
親友との会話から抜粋
ウインナーコーヒーはウィーン風コーヒーという意味で、決してウインナーソーセージをブチ込んだコーヒーのことではない。
猿川1stブレイク辺りから、カリスマの強さに着目し始める。
アニメ化したら喧嘩シーンにたっぷり尺を使ってほしい。ふみやが得意技と公言している頭突きが炸裂するところを見たい。そしてセクシーアタックとビューティビームで何が起きているのかも。
1stでキャラクターの魅力をしっかり描き、地盤を十分に固めてから、2ndで一気に引きずり込んでいく展開。方向性が変わってしまったと感じた人もいただろうが、私はタイトル回収がアツすぎて最高になっていた。
カリスマ達の過去を調べた中神博士と、ハチャメチャ動物園をメインに見てきた視聴者との間で、カリスマ達に対する認識のズレが発生する構図が巧い。
プチ読書感想文
社会に居場所がない。普通が分からない。そんな癖の強い人間ばかりが寄り集まったところで、上手くいくはずがない――と思いきや、カリスマ達はこちらの想像を遥かに超えて仲良くなっていった。
噛み合わない主張を固持し、大小様々な迷惑をかけ合って、絶えず大騒ぎを繰り返すカリスマ達。にも関わらず、彼らの関係に致命的な亀裂が生じることはなかった。きっと誰もが「どうかしている」からこそ、対等な関係を築くことができたのだろう。同居人を翻弄し、また翻弄されながらもカリスマ性をのびのびと育てている姿は、なんだか幸せそうだ。
部外者から見れば、社会のはみ出し者達が結束して開き直っているだけ。
それでいい。それがカリスマという物語だから。
カリスマ性とは欠陥である。作中でもそう言われているし、カリスマ達の中心人物である伊藤ふみやがまさに「個性あふれる欠陥仲間」と歌っている。しかし彼は正邪のカリスマ、きっと「欠陥人間じゃダメ? なんで?」くらい簡単に言ってのけるだろう。
つまりはそういうことだ。彼らは止まらない。誰に何を言われても、誰にも理解されなくとも、カリスマならば極めるのみ。神の領域を目指して。
おもしろかった~~~~~~
面白かった。とても………………面白かった。噛みしめている。
とっつきやすいコメディで油断させた後にじわじわと深みを見せてくるのが本当にうまい。あの日の警戒は正しかった。やっぱりパッと見で様子がおかしい作品は沼なんだ。
最近は「#89 トラップ」を繰り返し見ている。私は拘束フェチだ。ありがとう。「#90 帰る」も同じくらい見ている。私は強者が好きだ。ありがとう。
伊藤ふみやのおかげで購買意欲が湧いたので、これを投稿したらオフィシャルストアを見てこようと思う。ステマではない。あんなこと言われたら買いたくなるだろう。カリスマハウスの運営はファンの手にかかっている。
3rdシーズンで七人の……いや、八人の元気な姿がまた見られるのを、楽しみにしています。