東京エレクトロン、岩手県奥州市に半導体製造装置の新棟建設を発表
東京エレクトロンは、半導体製造装置の生産能力を拡大するため、岩手県奥州市に新棟を建設することを発表しました。新棟は2025年秋の稼働を目指し、生産能力を現行の1.5倍から最大2倍まで引き上げる計画です。総工費は約220億円を見込みます。
生産子会社の東京エレクトロンテクノロジーソリューションズも、奥州市と工場立地に向けた協定を結んでいます。新棟は2階建てで、延べ床面積は約5万7000平方メートルで、2階部分では半導体ウエハーの成膜装置を生産し、1階には物流センターを設置して生産を効率化します。協力会社に生産を委託している部品を物流倉庫内に集めるなどして、生産のためのリードタイムを短縮する予定です。
東京エレクトロンは、奥州市での生産拠点を7棟目に設置します。20年に稼働を開始した6号棟は、すでにフル生産の状況にあり、今回の新棟建設により更なる増産が見込まれます。新棟を建設する敷地にはまだ余裕があり、今後の拡張も視野に入れています。
従業員数は協力会社を含めて900人規模を見込んでおり、このうち半分程度の450人を新規採用する予定です。東京エレクトロンは、中長期的な半導体市場の成長を見据え、設備投資を積極的に進めており、国内には岩手県のほか、宮城県や山梨県、熊本県に生産拠点を置いています。
最先端半導体を製造するための次世代装置の開発にも注力しており、総額1兆円以上の研究開発費を27年3月期までの5年間に投じる計画です。過去5年間の7割増にあたる水準で、先端品の開発や産業生態系の構築に取り組んでいます。