Fujii Kaze (藤井風) tiny desk JAPAN
感動しかないです。
この人がいなかったらtiny deskのJAPANシリーズなんて始まらなかったのではと思う。
いちリスナーとして、本当に本当に感動だった。
世界中で、たくさんの人に聴いてもらえたら嬉しいなぁ。
日本の誇りだね。
そして日本に tiny desk の扉を開いてくれたこと、深く感謝したい。
ということで。
デビューした瞬間から「え、何十年もそこにいました?」っていう存在感を放ち続ける藤井風さんの、tiny desk JAPAN 。ちょっと紐解きたいと思います。
【はじめに】tiny desk concertとは?
tiny desk concert とは、アメリカの非営利ラジオ放送局NPR(詳細はwikiってね)がオフィスの片隅の小さなデスク(tiny desk)にアーティストを招待して演奏してもらうライブシリーズ。
当初はアーティスト発掘の側面が強かったと思うが、今では名だたるアーティストたちがこぞって出演するようになりました。
私のお気に入りは、なんといっても今年、念願のNBLハーフタイムショーにも出演し、BTSジョングクともコラボし、アルバムも売れてて、いつまでもカッコいいが過ぎるアッシャー。
歌って踊ってカッコいいアッシャーが、アコースティックでこんなカッコいいとか反則じゃない?
ねぇ反則じゃない?
管楽器とか入れてくるところが憎いんだよ。
何十回も見たけど。
今また全部見たw
別途書こうかな。w
あとは H.E.R. もおすすめ。
曲がフロウだし、tiny deskの雰囲気にめっちゃ合う。
という感じで。
キリがないので今日はこの辺にしておきますw
他では味わえない親近感と、真の実力が試される感があって。非営利だからか?商業的な匂いが一切しないのが最もいいところ。
本当にシンプルに「良質な音楽」を届けてくれる超良質コンテンツです。
「あえて小さい空間でやる」というのは、かつての MTV Unplugged シリーズの思想にも似てるよね。
が、こちらtiny desk はリアルオフィスでやってるから「日常感」。まさに現代にぴったりなコンテンツ。ほんと大好き。
そんなtiny deskが、今回はじめて日本バージョンを立ち上げ。
そのトップバッターが藤井風くんだったというわけ。
基本的に本国はワシントンのNPR本社でやるんですが、JAPANはNHKでやるみたいです。
本国との関係がどうなのか気になってましたが、正式に契約して日本版をやるという感じのようで。普通にNPRからも配信されて嬉しい。
NHKが仕切ってくれるのなら、この1回では絶対終わらないよね。それがまた嬉しい。
ということで。
やっとのことで、今回の藤井風くんのtiny desk どんなところに感動したか?個人的にまとめてみた。
藤井風 tiny desk JAPAN の凄いところ❶:とにかく音楽的に優れている
知ってたよ?
分かってたよ?
けど久しぶりに目の当たりにしたら、やっぱり凄かったなぁ。
音楽的にきっちり知識や技術があって歌も上手に歌う人っていうのは、日本にはホントものすごく少ない。
宇多田ヒカルさんとか、椎名林檎さんとか、AIさんとか、清水翔太くんとか。
いるのはたくさんいらっしゃるんだけど、藤井風さんみたいなバランスの人(ミュージシャンっぽさが強いけどナチュラルに歌もいけちゃうみたいな感じ)って本当あまりいない気がする。
藤井風くんの場合、ピアノが弾けるっていうだけじゃなくて、ジャズピアニストを目指していただけあって「ピアノがめちゃすごい」じゃない???すごすぎるじゃない????
※ご存知ない方はYouTubeでデビュー前のカバー動画漁ってほしい、天才すぎて目が飛び出るよ。
ただピアノが弾けるのと何が違うかって、
◯アドリブができる
→ つまり歌やピアノのアドリブ&フェイクが的確かつ自由自在
◯曲のアレンジ(コード進行や選定)自由自在
なんだよね。
とにかく音楽が自由自在なんだよね。
ポップスだから、ジャズができたら誰でもすごいということでもないとは思うが。
やはりジャズがベースにあるのは風くんが「音楽的にすごい」ことの根底になってる。
今回のtiny deskでそれがよくわかった。(ライブとか見に行ってる方はとっくにご存知と思うが)
ピアノ弾きながらバンドの人と目を合わせて笑う感じとか?超ミュージシャンっぽいよね。笑
やっぱりピアノがあそこまで自由に弾けるのは強いし、ステージ全体としてクオリティーすごい。
なんかさ。
「練習してできるようになりました」じゃないんだよね。
もちろん練習はしてると思うけど、むしろ
「音楽の中に住んでますが、何か?」
って感じ?笑
ほんとアメリカのトップアーティストの水準だなと思った。
藤井風 tiny desk JAPAN の凄いところ❷:ちゃんとJ-POP
これすごく重要です。
「ちゃんと」日本語だし、ちゃんとJ-POP。
ここがなかなか真似できないんだよなぁ。
この人の音楽って、ジャズとかR&Bとか、洋楽の要素が満載じゃないですか??
それをこんなキレイに J-POP に落とし込めます??笑
でも、だからこそグローバルで他が追随できない個性になるんだよね。
英語で歌わないところが超カッコいい。
けど、言葉の選び方とか、歌詞の作り方とか。
じつはちゃんと「音」を重視してて。
韻も踏んでるし、リズムが際立ちやすい言葉を選んでる。
つまり「洋楽へのリスペクト」は思想として組み込まれているという感じ。
YouTubeのコメントに「歌詞の意味を知りたいから昨日から日本語の勉強をはじめた」ってあって。
あぁ。
日本にもこういうアーティストがついに現れたんだなぁ。
って感動で涙出た。
世界に出るとは、こういうことなんだね。
自分の持ってるアイデンティティ(日本)を、ちゃんと愛してるっていう。そういうところが、やっぱり藤井風くんは抜群にバランスがいいと思います。
藤井風 tiny desk JAPAN 凄いところ❸コーラスの選び方&ディレクションが神
今回コーラスの方が2人いらっしゃるんだけど。
この方々は彼のコンサートとかにも出ていたのかな?(存じなくてすみません)
二人とも声が「ザ・コーラスの人」っぽくなくて、一見(一聴?)混じらずにバラバラに聴こえる。
多分だけど、あえて「ソロで歌ってるみたいに歌ってください」ってディレクションされてるんじゃないかなー?
二人があえて合わせてない感がある気がして。
(またはそういうタイプの人を選んでいるか)
だから最初「ん?」って思ったんだ。
コーラスって、ボーカルに合わせたり際立たせたりすることが多いけど、そうじゃない。
少し勝手に歌ってる感?(特に女の子、声は可愛いけどクールな歌いっぷりがカッコいいんだよ)あるなって。
けど、それが聴いてくほどに心地よくて。
で、これね、よく考えたらゴスペルの思想なんだよね。
人と響きを合わせて合唱するのではなく、それぞれが持っている声をフルで活かして、ぶつかり合ったときに生まれるエネルギーに重きをおく。
だから声が全然混じり合わないのに、ちゃんと1つのエネルギーになって聴こえてくる。
今回のコーラスの方々は、歌のアプローチはゴスペルとかと全然違うんだが、聴くほどにそういうエネルギーを感じたし、これぞグローバルな音楽の考え方だなぁと思えてきて。
ボーカルを活かすためのバックコーラスではなく「個性を活かす」音づくり。
そういうのが、ほんと素晴らしいなって思った。
メンバー紹介のときも「コーラス」ではなく「シンガー」と呼んでいて。
こういうところに、彼の謙虚な性格とか、究極の音楽愛みたいのが反映されてて、本当に素敵だなって思った。
あぁ〜これぐらい謙虚に音楽やってると世界が見えるんだなってね。
音楽界の大谷翔平と名づけたい。
はい!終わり。
藤井風くんの魅力は、話し始めたらキリがないというか、今さら私が語らずともみんなご存知というか。
とにかく曲を、歌を、聴けばすぐわかる。
今回は自分も強く憧れているtiny deskということもあって、あらためて書いてみた。
で、ここから余談。
tiny desk が以前から大好きで、いつかここに出ることが夢のひとつでもある私の、音楽人としての個人的メモ。
(余談)tiny desk で感じた個人的な所感と決意。
結論。とにかくもっともっと音楽がんばろうって心から思った。
離れている時間や抑制されてた時間が長かったからか、どこかで「やればできる」と思ってしまいがちなとこあるけど、嘘だわ。恥ずい。笑
できるハズなのにできないのなんでだろうって思ってたけど、ただ全然できてないだけなんだわ。爆
せめて今からでももっと本気で頑張りたいし、心からそれを楽しみたい。
若いときからソウルやR&Bに憧れて、いつか憧れのアーティストと同じステージに立ちたいと思ってきて。
けど実力的にも住んでる世界的にもぜんぜん遠くて夢のまた夢で、小さいライブハウスからそこを目ざすというギャップに耐えられなくて挫折を繰り返した。
音楽活動は楽しかったけど、なぜか頑張るほどに夢が遠く感じられて「こんなに頑張ってるのに、なんでうまくいかないんだろう?」とか思うこともあったけど。
ただただ、ほんと全然、すべて足りなかったんだわ。笑
何年も経って、やっとそれをまるっと素直に受け止める日がきたって感じ。
そもそも頑張り方を間違えてたし、メンタルにも謙虚さが足りなかった。
そして頑張る量も質も、ぜんぜん足りてなかった。
すべてが足りてなかったけど、そんな現実をちゃんと見ないで「環境さえあれば」とか「もっとできるハズなのに」とか現状に不満を抱いてきた感じがする。
今回、私が「遠い存在」として憧れてきたアーティストと同じように tiny desk をやってる日本人の風くんの姿を見て、自分がそこに行くために足りないものみたいのが、痛いほどに刺さった(全部すぎて。笑)
まぁ、趣味の延長としては色々楽しいこともあったし、私なりに音楽に没頭した時期もあった。
だからそれなり満足いくスキルを身につけられた部分もあるんだが。
それがスキルだけに終わったところが、やっぱりすごく小さな世界でよがってたんだよなぁ。
今の私はもう40代だし、一度は夢半ばにして諦めかけてしまったし、今からどこまで勝負できるか、わからないけど。
一方で、時代は明らかにグローバルになってきているし、個人でつかえるプロモツールもあるわけで。
昔みたいに業界の大御所とか先輩たちのパワハラみたいなものに耐える必要も、ない。これほんとデカい。
だからまた、あらたな気持ちで頑張ろうって。
気持ちよく打ちのめされて、清々しく、ゼロからやろう!
って。
久しぶりに、いい意味でそう思って、最高に謙虚に、最高にやる気がでた日となりました。
ありがとう藤井風くん。
tiny desk 最高。
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