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クワガタムシを見せる小さな選手

小学生のサッカークラブで、
子どもがいつまで経っても上達しない、向上心がない、辞めさせた方が良いのかも、という保護者の悩みが書き綴られた記事を目にしました。

当たり前ですが、上達スピードは人それぞれ。
子どもは、キッカケがあれば驚異的に成長することもあります。
習い事については”見守ること”は最も大切な親の役割の一つだと思います。

ではクラブの役割はどうかなのか。

信じて見守っていただいている保護者に対して、価値を提供しなければいけないなと感じます。

1.サッカーを楽しむ雰囲気を作る

子どもは素直です。技術の差をそのまま口にすることも多いです。
でも、サッカーの素晴らしい所の一つに「ピッチに立ったら皆平等」という概念がある、と思っています。
チームでマイナスがプラスになるよう補い合い、全員で勝利を目指す、その楽しさを経験できるよう指導することがクラブの役割だと思います。
あいつは下手だ、同じチームに入れたくない、そんな言葉を口にする子がいたら、サッカーの楽しさを知らずに損をしています。すぐに教えてあげて下さい。

2.育成世代はプロではない

サッカーは勝ちを目指すものです。ですが、プロ選手が目指す勝ちと、子ども達が目指す勝ちは異なります。技術的にチームの足を引っ張っても責めることはないと思っています。チームでボールを追いかけ、必死にゴールを目指す瞬間を味わい、その記憶を共有することが、素敵な未来を作ると思います。子ども達に無理をさせることは決してあってはならず、大人になってどんな楽しい記憶を残しているのかを意識することが大切だと考えています。

3.サッカーの時間を好きになってもらう

サッカーコーチをしていた時、サッカーを始めたばかりの4歳の子が「クワガタムシ!」と言って私にクワガタを見せてくれました。
練習中でも、あらぬ方向へ走り出すことも多く、サッカーはまるでやれていないことが多い子でした。
「凄いね。かっこいいクワガタだね。」
まずは、その子の気持ちを受け入れることにしました。
今まで見たこともない笑顔だったから。
驚いたのは、ほかのチームメイト、とりわけ3~4年の中学年の子たちが「凄いね!」と私と同じ声をかけてくれたことです。
それから4歳のその子は、時折ですが、笑顔でボールを追っかけたり、必死にシュートを打とうと頑張ったり、サッカーに対する姿勢が変わりました。
私がコーチを辞めた後、現在は同学年チームのキャプテンをやっているそうです。
今回は幼児の例を紹介しましたが、小学生でも当てはまることだと思います。
サッカーを習っている時間を、
”教えられている”と思うか”楽しんでいる”と思うかは
紙一重だと思います。
サッカーをしに来ているその時間を「また来たい!」と思ってもらえるように考えること。
それは甘やかしているのでは?と思うかもしれませんが、
辛いことも楽しさが勝れば乗り越えられることを伝えるチャンスだと思います。

子どもは、まだ発達段階です。
すぐに結果を求めたくなりますが、結果より笑顔に目を向けることが、
保護者にもコーチにも必要だと考えています。

子どもを信じる力が子どもを成長させます。

信じていきましょう!

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