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公務員の職員提案制度について

自治体が定める職員提案制度

突然ですが、(多分)多くの自治体にはそこで働く職員が、自ら考えた業務改善や事業を提案することのできる制度が設けられています。

検索してみるとこんな感じ

多分多くの、と書いたのは、ググっても「職員提案制度を制度化している自治体数」が探せなかったためです。(誰か知ってたら教えてください。)

職員提案の条件というか、提案内容は多岐に渡ります。ググったら上の方に出てきた新潟県上越市さんのHPには以下のように記載されていました。

 職員提案制度は、市が実施する事務事業に関して、職員の自由な発想によるアイデアを活用することにより、経費削減や費用対効果の向上につなげ、継続的な改善活動への一助とすることを目的として実施しています。
 職員からの提案は、提案内容の担当課が法令等の制限、 当市の現状等により実現可能性を判断し、採否を決定します。採用された提案は、事務改善や事業に反映しています。

上越市HPより抜粋

また、提案内容としては、

職員の自由な発想による新たな業務改善、市民サービスの向上、経費削減または収入増加に役立つ取組

上越市HPより抜粋

とされています。

花岡は割とこの制度が好きで、杉並区時代もちょいちょい提案してました。

「何をわざわざ制度化しているんだ。日々の業務の中で改善すりゃいいじゃないか」という声もありそうですが、ただでさえ縦割り文化、セクショナリズムが残る行政組織で、自分の所属・部局を超えたセクションに「これ、やったほうが良くないですか?」とか言おうものなら、良くて無視や対応拒絶、場合によっては「おい、お前んとこの花岡とかいうのが余計なことを言ってきやがって、ウチの課が困ってんだ!なんとかしろ!」とか自分の上司に言われる羽目になります(表現を著しく誇張してお届けしています)

そのため、キチンと制度化して人事(または総務や行革担当)の制度として公にし、「採用」「表彰」というクッションを加えることで、改善対象となっている事業を持つ所属が文句を言いづらく、改善提案に実行力を与えているんだと思っています(他にも理由はあるんだろうけど)

公務員の職員提案、民間企業の企画提案は違う

この職員提案制度、先ほどググったように公表している自治体が多くある一方、HPに提案件数や内容、採択状況などを公表していない自治体もあるようです(どことは言わないけど)

僕は、自治体として制度化しているのであれば、しっかり公表すべきだと思っているのですが、これも職員提案すべきことなんでしょうかね?(おっと、批判とか皮肉じゃないですよ)

というのも、民間事業者の中でも社内の企画提案事業などはあると思いますが、そもそも民間事業者の中での企画提案は採用されれば事業者として投資し収益を生む企画だったり、民間事業者として(あまり外に出したくない)今までやってなかった無駄を削減する取り組みだったりする訳です。

対して自治体の職員提案というのは、メモの紙切れでも情報公開請求の対象となる自治体職員が行う提案であって、当然その内容も自治体としての提案だからです。
採否関係なく提案全てを公表することは、豊田市さんのように(*)膨大な数の提案だと現実的ではない気もしますが、少なくとも、職員提案制度の存在と、毎回採用やら表彰された提案内容については、しっかり公表していくべきなんじゃないかと思ってます。
*豊田市の職員提案は、3000人強の職員数に対して例年7,000件〜10,000件に上る

今年、初めて南相馬市への職員提案を行うことにしているので、まずはその結果がどうなるかが楽しみです。

ただ、南相馬市のことではないですが、職員提案制度自体が少し形骸化というか、オワコン感というか、そんな風潮があるような気もするので、他の自治体の職員の方と、職員提案制度について少し話をしてみたいです。

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