『ザ ワールド イズ マイン』ライナーノーツ
音楽はリリースと同時に作者の手を離れて、リスナーによってそれぞれ意味を持たされる。
なんてことを誰かが言ってたけれど、一応模範解答というか、こんな感じです作ったよみたいなのがわかったら、「こうだと思ってたけどそういう意味だったのか」みたいなことがあって面白そうだなと思ったのでライナーノートを書き残してみる。
第一弾は本格的に活動を始めた、『ザ ワールド イズ マイン』
テーマはタイトル通り「この世界は自分のもの」
そんな壮大なテーマとは裏腹に、舞台はスーパーマーケットという小さなものである。
この曲を書いた頃、僕はコンビニでバイトをしていた。
何か身近なものをモチーフにしたく、コンビニを舞台にした歌詞を書こうとしたけれど今ひとつ筆が進まず、辿り着いたのはコンビニより少し規模が大きいスーパーマーケット。
僕はいわゆる陰キャなのだけれど、そんな僕にだってこの世界は自分のものだと思う瞬間は存在している。
それは自分と同じような陰キャ、極端に言えばあぶれ者が集った空間で訪れる。
そんな瞬間を過ごした僕は、なんら変わってもいないのに少し強気になって、自分にはなんでもできるんじゃないかと考える。
それはバンドマンにでも通づるのではないだろうか。
芸術で飯を食うあぶれ者たちが肯定される空間で、億単位で存在する人間のうち、せいぜい数十人の元にしかない音楽をかき鳴らして、それでもこの一曲、一音で世界を変えられると信じられる瞬間が訪れるのだろう。
そんな瞬間を切り取った一曲がこの曲である。
なお、ギターソロはくるりの『ロックンロール』の象徴的なリフをオマージュしている。
もう一つ補足すると、”質の悪いステレオから流れる安っぽいBGM”は呼び込み君の音のことである。
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