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君の中に私はいない

誕生日。
あの人からLINEが来ないかドキドキしながら待っていた。
けれど、1日待っても連絡は来なかった。
SNSのフォロワーからのハピバメッセージと後輩からのLINEのみで、私は期待半分、諦め半分だった。

春休みのあの一件もあったからだろう。
私とは関わりたくないと思っているのかもしれない。

もう忘れた方がいいのだろうか。
ずっとそんなことを考えている。

思えば、彼と話すきっかけはLINEの交換だった。
授業のことを話すためにLINEを交換したのだ。
当時、授業で絡みがあった先輩とLINEを交換したらお茶に誘われ、そういうことが苦手な私は付き合いが浅い人にLINEを教えるのをためらっていた。
でも、彼は同期だし、今後も関わる可能性がある。それに、授業のことで困っていることがあるのなら、助けてあげるのが普通だろうと思っていたから。

でも、あのときいえばよかった。本当は知っていたって。

知らないふりしなければよかった。本当は知っているんだよって、君と同じ学科の人、同じ授業受けてるよねって、何で私に聞くの?私じゃなくてもいいじゃんって。

私がそう聞かなかったのは、私に友達がいないから。同じ学科の人だからって気軽に話せるわけじゃないってわかってるから。君もそうなのかなって思ったから。

でも、全然違うのかもしれない

あのとき冷たくしてたら君との関わりは終わっていたかもしれない。
でも、君との出会いが私を変えた。

興味のない専攻に興味を持つことができたし、苦手な接客に挑戦しようとも思えた。早期内定なんかももらっちゃって。フィードバックで褒められた内容のほとんどは君がきっかけで始めたことばかり。

君がいなきゃ私は何もない空っぽの自分でいたと思う。

手放したくはないけど、こんな結末で終わるくらいなら出会わない方がよかったって思う。


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