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パラノマサイトクリア ネタバレ感想

スクエニのホラーミステリーADV『パラノマサイト FILE 23 本所七不思議』感想です。(真エンドまでクリア)全編ネタバレしています。

・このゲームの存在を知ったのは、たまたま読んだニンドリだかファミ通だかで特集をやっていたからなのだが、流し読みした結果ガチで『パノラマサイト』だと思いこんで、検索にうまく出ないな〜とか思っていた。ゲームをクリアした今も若干どっちだったか迷うとこある。視界を動かすことがゲームの大きな要素になってるんだから、パノラマの方だっけ…?ってなる。パラノーマル=超常的、の方で覚えればいいんだな…。

・案内人に「アナタの名前を入れてください アナタの名前は〇〇(Steamのユーザー名)ですね?」と言われたところでストレートにびびった。これ、ユーザー名を本名にしてる人が配信やると本名バレのリスクがあるのでは…?

・案内人に「蘇りの能力をどんな条件なら使いたいか」みたいに言われるところ、これでなんか分岐するのかな?と思いながら答えた。最後の最後にも同じ質問されて、新規選択肢を選んだけど、別の選択肢を選んだらどうなってたんだろう。

・「他の人間を殺してでも葉子さんを蘇らせる」という、興家の葉子さんに対しての強い思い入れがよくわからなくて、記憶を失っているだけでなんかヤバい過去持ちだったりするのか?と疑いながらやっていた。

・それはそれとして、折角だから呪いをフルに使おうと思ってやってたら、興家がサクサク5人殺して目標達成してしまったので、誰かこいつを止めた方がいいと思いながらプレイしていた。最終的に興家が亡くなっていたのにちょっとホッとしてしまった。置いてけ堀の呪い、強すぎる。

・パラノマサイトの会話で、【会話の話題パート1】を聞いたら、【会話の話題パート2】を再度選択し、それを繰り返して全パートを聞かないと次のストーリーに進まない、みたいなシステムだったのがまあまあダルかった。ひとつひとつの会話パートが短めだから、それなら全部統合して流してくれよ…と思った。

・マダムが興家と対峙するところで、7…6…とカウントダウンするとこ、強キャラ感が溢れていて良かった。火種を持っているか否かって喫煙家が多い昭和だと確かに強いね。

・序章後に「興家さんが殺した数は何人ですか?」と問われて、5人でしょう…と答えたら0人だったので、このゲームはプレイヤーの干渉がゲーム内でも認識されてるタイプのゲームなんだなと思った。

この後もちょくちょくミヲちゃんが「誰か憑いてる…」みたいなことを言うシーンがあるけど、あれはキャラがプレイヤーの影響下にあることを示唆してるんだな。

・津詰パート、刑事が呪殺したら駄目じゃない!?と思って一度も呪殺ボタン押さなかったけど、後からボタン押しても呪殺しないと知ってなるほど…と思った。でも呪殺してしまった時のエンドも見てみたかった気もする。

・超常現象があるタイプの作品だと、警察はそんなオカルトある訳無いだろ!と言うことが多い印象だけど、津詰はがっつりそっちの組織の人間だったので話が早いのが新鮮だった。

・マダム、色気がある。未亡人キャラによく見られる色気があるせいで、クリア後も「マダムは未亡人」だと時々勘違いしてしまう。夫も息子も亡くなったけどせめて息子は蘇らせたいって流れでも成立しそうなので…

・マダムが趣味もないし何にも興味を示さないところを見て心配になったけど、息子を亡くしてから精神的に参ってしまって何も踏み出せないみたいな心境になったんだとしたら悲しいなあ……と思った。調査中のリヒタとのやり取りは息子と母という感じがして、少しずつ情緒を取り戻してる面もあるのかなと思って良かった。

・昭和が舞台なのに、リヒタは令和の感性に寄り過ぎじゃない?
現代とは違う時代が舞台でもプレイヤーの好感度のためにキャラに現代に近い感性を持たせるというのはあるあるだと思うけど、リヒタは令和の社会制度とかを未来視してません?ってレベルだったのが若干気になった。

・あやめさんの望みが「北斎を蘇らせたい」なの、歴史上でも屈指の長生きで生前も評価されてた北斎だからこそ、何言ってんだこいつ感が出ていて良かった。(あやめは彼女の望みに共感しづらいのが肝のキャラだと思うので)これがゴッホを蘇らせたい、とかだとまた印象が変わった気がする。

・ミヲちゃんのもっちりほっぺ、かわゆい。
ミヲちゃんはこのふくふくしたキャラデザでカッコよさと可愛さが増幅されていると思う。五芒星イメージであろうヘアピンもかわいい。見た目はかわいらしいのに腕前はプロフェッショナルでかっこいい。でもお給金ゼロなのがかわいそう。ミヲちゃんの労働環境をなんとかしてほしい。

・こっくりさん降霊後、ミヲちゃんの好きな人は誰ですかと聞いたら焦りだすミヲちゃんもきゃわたんだった。ゲームをやってて思ったけど、こっくりさんって映像映えするな。

・案内人さんに「アナタは朝8時に白石美智子がどこにいたかもうおわかりですよね……」とか言われて、わからんけど???と固まった。案内人さんはプレイヤーの推理力を高く見積もり過ぎなとこあるよ。

・津詰が霊感の高さをアルコールで例えるところで、津詰の娘は葉子だと思ったんだけど、ただ霊感の高さをアルコールで例える言い回しが被ってただけで笑ってしまった。なんでかぶせたの!?

・やっこちゃんとミヲちゃんに乗せられる新石のやりとりは割とかわいくて、この三人いいじゃん、と思った。
このゲーム、学生たち大好き!って学校関係者がいないけど、そこは人間味があって割と好きだったかも。城之内は許せませんが……。

・轢き逃げしたことを無かったことにしたいから蘇りの秘術を使いたい並垣の言い分は、私は気持ちはわかるなあ〜と思っただけに、登場人物からボコボコに言われててすみません…と思った。でもひとり蘇らせるために何人も殺す必要がある時点で並垣の手に負える案件ではなかったんだろうなと思った。

・蝶澤さんの監禁パート、オプションから明るさを調整すれば見やすくなるかも!と思ったのに何もなくて悲しかった。オプションを操る系の対処、もっと欲しかったな。並垣へのカウンターのみで終わるとは……

・蝶澤さんのペンが固まってて出ないところ、本気で進め方がわかんなくなって焦った。エリオが出ないペンは除光液で出るようになるっす(^_^)と唐突に豆知識を披露してくれて助かった。ここ、ストーリーチャートで明るい画面はまだやり残した事があるってシステム上のヒントが無ければ詰んでたな…

・公衆電話に根島から電話がかかってくるところ、これも何かの超常現象なのか?と思ったけど、公衆電話に電話がかかってくるケースも実際あると知ってへ~と思った。

・根島の正体が序盤から津詰が疑っている用務員さんだとは思えない、他に誰かいるはずだと思っていたので、ストレートに葦原=根島だったのに驚いた。他に年代が合う人はそういないけど、実は若返りの術が既にあって年齢を変えてるんじゃ?とか考えてた……

でも根島の正体をプレイヤーに当てさせたいという思惑がある場合、キャラ表に「今までの来歴」を載せたりはしないよなと思った。来歴詳細が載ってないキャラが怪しいとすぐわかってしまうから。
でもホラーミステリーADVを名乗っているならプレイヤーに当てさせるつくりにしても良くないか…?と思った。

・片葉の芦の発動条件は、七不思議のエピソードが男女間の諍いっぽかったので、片思い状態の男女を抹殺する能力なのかなと思ってたら違った(学校の用務員さんなら学生の恋愛事情も知ってそうだし)

実際はDEATH NOTEみたいな発動条件だったけど、この時代の学校勤務だと強力な能力になるっていうのはなるほどなと思った。

・白石美智子さんの境遇が悲惨過ぎる。一個だけでも耐えがたい過去が四つくらい出てきたのできつかった。吉見とかやっこちゃんとか、彼女を本気で案じている人が何人かいたことが救いではあるけど……。

・弓岡さん、この手のキャラデザのキャラとしては珍しいくらいあんまり活躍出来ていない気がする。ヒハクでは有能なんだろうけど、呪い関係の立ち回りがイマイチだった。「回収した呪詛珠は六個」っていうハッタリがバレるくだり、なんか嘘がバレるシーンとしてリアルで面白かった。

・ヒハク社長は色々美味しそうだからいずれ出てくるんだろうな、と思ったら出てこなくて悲しかった。弓岡さんが心酔してるけど霊力は大したことない社長の姿を見せてよ!!!

・興家パートをやっているときはガンガン呪殺していくゲームなのだろうと思っていたので、その後あまり呪殺する機会が無いのが不満だったが、あやめさんvsマダムパートは興家パートみたいな緊張感があって良かった。スポーツ漫画のライバル校vsライバル校は勝敗が読めないが故に面白い傾向にあるが、このシーンもその趣があった。

あやめさんにタバコ吸う?って聞いたら呪殺チャンスが来たので即呪殺したけど、ここでタバコ吸うか確認だけしたらその後呪殺不可になるのになるほどな…と思った。

・あやめさんの津詰への反発は、なんかそこまで自暴自棄になるようなことなのか?と思ってしまって、スッと飲み込めなかった。津詰があやめさんを引き取った後経済援助もせずにネグレクト状態だったなら恨むのもわかるけど、昭和に美大まで行けるくらいに金銭援助はされてるみたいだし……。あと津詰の元妻に育てられた筈だけど、そこはあやめさん的にはどうでもいいところだったのかな。
津詰が緊迫した場面でも根島に対して割と軽口を叩くところで何やこいつ……とちょっと困惑してしまったのだが、あやめが思う津詰の嫌なところってそういうところでは無さそうだし……。

・あやめさんとマダムの会話シーン、なんかすごい沁みた。あやめさんは轢き逃げ放置するようなヤベーやつではあるけど、本人が愛に飢えていたのは本当で、そんな彼女だからマダムを説得出来たというのが良い。リヒタだけならこうはならなかった気がする。あと警察の家族はダメという共通の話題で盛り上がってるのが微笑ましい。

・プレイヤー私が操作する津詰はあやめさんに対して上から順に会話をしたので、まずは人質になったことの心配からだろと言われて、すみません、、と思いました。

・嘘をついたら呪殺される可能性が高い状況で、あやめさんに対してお前は俺の娘って言い切る津詰のくだりは屈指の名シーンだと思う。太鼓アタックをくらっても割とまだ話せたところは、親の愛以前に「津詰の物理防御ステが高すぎる」という気持ちになりましたが……

・エリオとミヲちゃんのパート、「一連の事件の黒幕は誰か」まで指摘するのかな?と思ったらその辺は無かったのでミステリ系ゲームとしては珍しいな……と思いました。エリオもミヲちゃんも黒幕の存在を知らないからどうしようも無かったということなんだろうけど。

・トゥルーエンドに繋がるストーリーチャートはどこに飛べばいいかわからなくて攻略サイトを見た。最初の公園に提灯の人魂が出てたことをすっかり忘れていて、このままだと詰む……と思ったので。ここ、自分で気付けてたら気持ちよかっただろうな〜。ここが唯一攻略を見たところだった。この手のゲームをする時は、怪しげな伏線はメモ取った方がいいなと思った。

エリオとミヲちゃんのところから再開したら未来を変えられないか?興家が葉子を生還させた後から未来を変えられないか?と試してみたけど駄目だったのが悲しかった。葉子は生きたままで説得して未来を変えるんじゃないか?と思っていた……

・真エンドの為に公園に戻って色々操作したことで、初めて弓岡に殺されて笑ってしまった。物理的に殺してくるんじゃないよ

・セイマンの精神は誰ですか?は3回くらい間違えたけど自力で当てられたので良かった。ここ、まさかの弓岡か!?呪玉を集めようとしてるのは社長に心酔してるからじゃなくてセイマンの意思だったのか!!!??とか興奮してたのに違った。

・興家パートで興家が葉子に入れ込んでる理由がよくわからなかったので、真相がわかった後はなるほどと思った。セイマンとアシノの縁が強すぎて、時には愛にも転ぶ事があるって思うとなんか独特の怖さがある。セイマンの精神が吉見に入ったとして、蝶澤さんという婚約者がいなければ葉子と何かあった可能性もあるんだろうか。

・トゥルーエンド、大団円とは言い難いというか、あやめさんとマダムの交流とか、白石さんとやっこちゃんの友情とか、決死の覚悟で津詰があやめさんに愛を伝えたところとか、極限状態だからこそ輝いていたシーンの数々も失われたんだなぁと思うと、すごく寂しい。でも案内人が「アナタがこの終わり方が不服なら…」と語りかけていたのはセイマンの精神だから、アシノの呪いを止められればOKなんだろうな。

・案内人が最初「馴染みが無いとは思われますがこれはブラウン管テレビで……」みたいなこと言っていたの、想定プレイヤーが若い世代の想定なんだろうか、でもブラウン管テレビを知ってる世代のプレイヤーもまあまあいるんじゃないの?と思っていたので、セイマン=江戸時代の記憶が最後の人に語りかけていたからって思うとなるほど…となった。こういう叙述トリックみたいなやつ面白いよね。

・興家が記憶を取り戻した後に葉子(死体)を置き去りにして公園から去るのに笑ってしまった。広い目で見れば正当防衛ではあるけど、自首するとかないの!?

・最初のルートだと他の人を害しても生き返らせるぜ……とかなり葉子に入れ込んでいた興家が、真実を知ったら酒でも飲むか……でサッと切り替えてるのにびびった。
「ホラーの怪異は様々なものがあるが、人間が一番怖い」的なオチは多々あるが、「ノンポリが一番怖い」と思ったのはパラノマサイトが初めてかもしれない。というか、ノンポリ云々は関係なく興家がヤバい奴なだけかもしれない。

・真エンドの津詰と根島が喋ってるところ、仲良しか!?と思って笑った。実際は違うんだろうけど、この二人はゲームを通じて軽口を叩き合っているので、なかよぴに見えるんだよな……。この世界の津詰と根島とあやめちゃんの複雑な親子関係を見てみたい。

・白石美智子に起きた事は巻き戻らないのに、真エンド後も城之内先生は野放しっぽいのがつらすぎる。なんか超常現象で城之内も罰を受けてほしい。

真エンドって「白石さんのこと絶対忘れない」のセーブも上書きして世界が巻き戻ってる形になるんだけど、それは白石さん的にはOKなんだろうか。でも、やっこちゃんの身体で呪殺してしまったくだりが無かったことになって良かったのかな。

・総じて序章が一番面白かったというか、興家パートの呪術を用いた聖杯戦争みたいなゲームをやってるところが刺激的で面白いと思った。なので序章以降はちょっと落ち着いてしまった感じがあった。ミステリー+ホラー+ヒューマンドラマが本来のジャンルなんだろうけど、序章のノリで1本ゲームを作って欲しいという気持ちがある。

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