見出し画像

クラシックピアノを習っていた頃(1)〜 レッスン行く前 編〜

ここでは僕がどんな曲たちといっしょにどんな風にピアノを習っていたか、記憶をたどって書いてみようと思います。(初、文章化)

母が真っ黒のアップライトピアノを弾いていたので、興味を示したのであろう僕は小学校にあがると、そのピアノで練習を始めるよう言われました。「ブルグミュラー25の練習曲」でした。うまくは弾けないものの、素朴に美しいメロディがあったのと、スパルタ的に教育熱心だった母のお陰で、1年間でだいたい譜読みしながら両手を動かすくらいはできたように思います。

小学校2年生になると「あなたも先生に習いなさい」と母に言われ、母が通っていた先生のお宅に”生徒として”通うようになりました。それまでは母のレッスンについていき、レッスン中は隣の部屋のグランドピアノの下で一人遊びをするという、ちょっと隠れ家のように思っていた場所が、ある日突然変わったような、そんな気がしました。

この隣の部屋は壁一面が作り付けの書架になっていて、レコード盤・レコードプレーヤー・スピーカーに埋め尽くされていましたが、きちんと整えられた部屋でした。ピアノが部屋いっぱいいっぱいに置かれていたのも印象的でした。

(この”隣の部屋”が先生のお嬢様のピアノ練習部屋だと知ったのは”生徒”になってしばらく経ってからでした。)

習い始めた初日、初めて入ったレッスン室はグランドピアノとアップライトが1台ずつ、そしてソファがあるだけの、でも窓が床から天井まである明るい部屋でした。「この家、ピアノが3台もあるの?!」と驚きながらも、ちょっと弾いてみなさいと先生にいわれ、ブルグミュラーの曲の何かを弾き、その後、「ピアノの横に立って、後ろを向いてて」と言われて、先生がいくつか打鍵され、僕があいまいな答えをすると、「ま、いいわ。始めてみましょう。これ(ブルグミュラー)はもう弾かなくていいから、これとこれとこれと・・を弾いてきて。楽譜は貸しておくから同じのを買ってらっしゃい。それから、毎週B5のノートに、何の曲をやるのか、書いてきて。」と立て続けに言われたように思います。

この日、レッスン室で感じたやけに明るい陽の光と、B5ノートに5曲ずつ書いて持っていく、という指示は鮮烈に今も記憶に残っています。

1 バッハ

2 ツェルニー

3 ピアノソナタ

4 近現代

5 連弾

連弾は中学生から無くなり、近現代もほぼ記憶にありませんが、毎週、5曲を練習してレッスンに持っていくのはたいへんでした。


今は自分が親の立場で、子供にピアノを習わせていますが、自分が経験した事ほどの印象や刺激を彼らに与えられただろうか、と、ずうっと自問したままです。ま、当人のとらえ方、なので分からないのですが。

それでは、今日はここまで。お付き合い下さりありがとうございました。

この記事が参加している募集

自己紹介