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クラシックピアノを習っていた頃(13)〜 ブラームス 編〜

僕がどんな曲たちといっしょにどんな風にピアノを習っていたか、『クラシックピアノを習っていた頃(1)〜(12)』たくさんの方に読んで頂き、♡も多数頂き、感謝しています。

さて、中学生高校生の頃に習っていた曲を、この先数回に分けて紹介していこうと思います。
ショパンのワルツに続けてノクターンなどはやらず(ポロネーズは少しやりましたが)、他の作曲家の曲を先生は強く勧めて下さいました。

その中でも、出会いが印象的だったのはブラームスです。

当時、正直、”だれ?”という感じで、ものすごく分厚い全音の楽譜(ブラームス ピアノ曲集2)を買ってくるよう指示され、その譜面から何となく伝わってくる音楽の密度と本の重さと開きにくさ、から何となく困難を感じさせる幕開けでした。

オチから話してしまうと、ショパンやベートーヴェンには感じたことのない親しみにくさ(当時の個人的主観です)が理由で、練習しなかったのです。

週1回のレッスン通いですから、なんだかんだと言い訳して、譜読みもせずにいると、あっという間に土日はすぎ、だいたい木曜日がレッスンだったのですが、月曜から焦りが出始めました。

火曜日、母から「まだ手を付けてないの!?」の怒りの雷が落ち、泣きながら
”狂詩曲の第2番”
をまず前半くらいは先生に見てもらえるレベルに2日で仕上げる、というハメになりました。

そもそも、「狂詩曲」って何だ?
J-POPも聞かない少年に、”ラプソディ”と言っても通じるはずもなく、例によって見本音源となるレコードを持っているはずもなく、譜読みをすればするほど、これで音や曲想はあってるのか?
と混迷の度を深めていきました。

でも、残された練習時間はほとんどない、自分が悪いのですが。

こんな曲です。(例によって僕の拙い演奏です)

聴いたことのない調性、旋律。そして歌い上げ方。
びっくりしながらも、遅れを取り戻さなきゃ、という一心で、どの曲よりも集中して取り組みました。

そして、レッスン当日。
いつもなら一行目から(演奏が音楽的にぜんぜん違うという旨で)止められる”初めてもらった曲を見てきました”の回、先生がいっこうに止めません。

そして、上の動画では25秒のところまで弾いたところで、止めて、
「よく見てきてあるじゃない」
と、お褒めの言葉を頂きました。

こんなことは10年ピアノを習っていて、後にも先にもこの1回だけです。

ブラームスという作曲家をしっかりと認識するきっかけになりました。

追い込まれて見えてくるものってあるんだな、と子供心に思いました。

それでは、今回はこの辺で。
いつも読んで下さり、ありがとうございます。

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