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クラシックピアノを習っていた頃(6)〜 発表会 編〜

僕がどんな曲たちといっしょにどんな風にピアノを習っていたか、『クラシックピアノを習っていた頃(1)〜(5)』たくさんの方に読んで頂き、♡も多数頂き、感謝しています。

さて、前回、進路を決めたヤマ場だったわけですが、もうひとつ、その頃の脳裏に焼き付いているシーンをお話したいと思います。

ピアノレッスンのお教室の発表会に、”聴きに”行った話です。

小学校3年生くらいの頃(わけもわからずツェルニー30番弾いててーー演奏速度は遅いーー)か小学校4年生の頃(ピアノソナタ系の教材が一時的にショパンワルツに変わった頃)のいつだったか、でも、間違いなく小学校4年生の11月に引っ越しをする前、(3)話でお話したように駅から遠い田舎に住んでた頃のことです。


先生から、発表会に出ますか?と聞かれ、「出ません」とまた、即断の母。でも、一度は発表会を聴きに行こうという話になり、後にも先にも十年間ピアノレッスンに通っていてこの1回だけ、行きました。

発表会、興味はありました。舞台の上で一人っきり、みんな見てる、耐えられない緊張状態になるんだろうな。でも自分は弾かない。毎週のレッスンで自分の順番を小1時間待ってる時に聴く、自分の前の順番の子はみんな上手すぎる。そんな子ばかりではないだろう、生徒さんほぼ全員の演奏を聴いたら自分の腕のレベルも分かる、と漠然と思って行ったように思います。

当日はひどい雨でした。会場に入る道はぬかるんでいました。でも、中に入るととても広い立派なホールで、舞台の真ん中におかれたグランドピアノが小さく見えました。

始まりました。一人目から、”この子はプロか?”と思うような演奏。その次もその次も。男の子の知りあい(一つか二つ年上)も出ていたのですが、みんな超絶にうまかった。それが休憩を挟んで3部構成で延々続いて・・・

最後の部では、ピアノソナタを第一楽章から第三楽章までフルで暗譜で(←当たり前だ)弾くツワモノが数人。拍手喝采。

全員の演奏が終わると先生が舞台袖から現れ、一言も発せずただ、深く一礼されました。観客席からは、ものすごい拍手の渦。

あのお教室でほぼ最下位の自分の立ち位置を確信。

ま、当たり前、か、と。

練習量、情熱が違う。

発表会には出ないと心に決めた瞬間、でした。


そんなわけで発表会とは無縁のピアノレッスン生活を小・中・高校と続けたわけですが、まさかこの歳になって、人前で弾かせて頂きたいと思って弾く場を見つけて弾く、とか、演奏動画を撮って(それだけでもかなり恥ずかしい)ネットにUPするとか、自分でも思いもよらないことをするものですね。

それでは、今日はここまで。お付き合い下さりありがとうございました。

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