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世界の道をお散歩したい人にオススメのゲーム『GeoGuessr』

『ゲームとことば Advent Calendar 2023』、ありがたいことに今年もお声がけいただき、参加しました。今年のお題は「○○な人にオススメしたいゲーム」だそうです。


いきなりですが問題です!

デデンッ!
ここはどこでしょう?
(※「Google マップで見る」を押すのは無し!ググるのも無し!)



正解はここで~す!ここ!ここ!

こんな感じで、ランダムに表示されたGoogleストリートビューの画像から、その場所がどこにあるかをGoogleマップ上で当てるゲームがあります。

今回、「世界の道をお散歩したい人にオススメのゲーム」としてご紹介するゲーム『GeoGuessr(ジオゲッサー)』です。


『GeoGuessr』について

GeoGuessrはPCのブラウザで遊ぶことができます。無料で遊ぶこともできますが、プレイ時間に制限があります(5分間プレイしたら10分間お休み)。

有料プランは月額or年額のサブスク形式ですが、1ヶ月あたりの料金はコンビニデザートくらいの値段で高くはないので最初から課金も全然アリ。

有料プランは3種類あり、このうち「Pro Unlimited」と「Pro Elite」プランが無制限で遊ぶことができます。アバターの装飾にこだわらないなら、真ん中の「Pro Unlimited」で十分だと思います。私もこのプラン。

GeoGuessrの料金プランの画像
『GeoGuessr』より


「Pro Unlimited」か「Pro Elite」プランだと、フレンドを招待して一緒に遊ぶことができます(時間無制限)。招待する相手は無料プランの人でもOKなので、身近に「Pro Unlimited」か「Pro Elite」プランのプレイヤーがいる場合は、お試しに招待してもらって体験してみるのもいいと思います。

『GeoGuessr』には様々なモードがあり、1人で遊ぶことも、多人数で遊ぶこともできます。また世界中のプレイヤーと対戦するランク戦もあります。

『GeoGuessr』のClassicモードのスクリーンショット
Classicモード。「World」はカバレッジ全体から出題。
「Famous Place」「Japan」など個別のマップを選べば、出題範囲を限定して遊ぶこともできる
『GeoGuessr』のストリークモードの画像
ストリークモード。左側の「COUNTRY STREAKS」は国を当てて遊ぶモード。
初心者でも正解しやすくすごくオススメ。
一方、右側はアメリカの州を当てるモードでかなり難しい。

GeoGuessrには上級プレイヤー(通称プロゲッサー)がいて、「RTA in Japan」の走者となったDaigoさんなど日本人のトッププレイヤーも存在します。

こちらは、Daigoさんによる、「COUNTRY STREAKS」(国を連続で当てていく)モードのプレイです。すごい勢いで当てていくので見ていて爽快。

※動画のように速く正確に当てられなくても十分楽しめます


動画でも言われている通り、画像に写っているありとあらゆるものが場所を当てるヒントになります。有志の情報サイトや上級プレイヤーによる解説動画などが充実していているので、それを参考にすれば初心者でも知識がどんどん増えていきます。

ヒントになる情報の例

  • 太陽の位置
    空を見上げて、太陽の位置が南側なら北半球、北側なら南半球

  • ドメイン
    営業車や広告に記載されているURLの末尾の文字を見る。例えば「.us」だったらアメリカ。やっと見つけたURLが「.com」だと勝手にめちゃ凹む

  • 言語・文字
    例えば、「æ」の文字を使うのはデンマーク、ノルウェー、アイスランド、フェロー諸島だけ。この時点でかなり絞り込める。

  • 車両のナンバープレートの色や形状
    例えば、EU諸国のナンバープレートは左端に青帯がある

  • 道路情報
    右側通行or左側通行、道路標識、ボラード、シェブロンマーカー、センターラインや車道外側線の色や形状

  • 電柱の形状
    例:メキシコには八角柱の電柱がよく見られる

  • 植生
    例:緯度が高いと針葉樹林が多い、バナナの木があれば温暖な地域

  • 建物
    建物や屋根の形や色や材質など。例えば、フィンランドやノルウェーには赤い壁の一軒家が多く見られる。

その他、ややメタではありますが、グーグルカーの色や車種、撮影機材による画像の乱れなどもヒントになります。

上記のような様々な情報を頭の中で組み合わせて、場所や国を当てていきます。推理ゲームのような楽しさがあり、知識が増えるほど正解の精度がどんどん上がっていくので上達も実感しやすいです。当たった時の快感がクセになってついついのめり込んでしまいます。

ちなみに、Geoguessrプレイヤーの中には、気に入ってしまった道路標識やボラード(道路の端に立ててある杭)を輸入して自宅や自室に飾る人もいるのだとか。ある意味で、公式グッズ的な…?

私のお気に入りのボラードはアイスランドの黄色いボラード。冒頭の問題にも写っていますね。アイスランドの黒っぽい山肌や地面に黄色がよく映えて綺麗です。黄色いボラードはヨーロッパではアイスランドだけなので重要なヒントです。流石に買って自室に置こうとまでは思いませんが…。

波及効果(?)として、私はGeoguessrにハマってから、他のゲームをプレイしているときや映画・ドラマを観ているときに、やたらと道路にあるものに注目してしまうようになってしまいました…

ゲーム『Alan Wake』のスクリーンショット。放置された車両にアメリカのワシントン州のナンバープレートがついている
ゲーム『Alan Wake』のプレイ中に見つけた放置車両。
アメリカのワシントン州のナンバープレートがつけられているので物語の舞台が分かる。
センターラインが黄色で二重線なのもアメリカ大陸の特徴

GeoGuessrは授業に使われることもあるそう。確かに地理や地政学の学習にはいいかもしれない。北半球でフランス語が書いてあってちょっと寒そうな地域だからフランスだ!!!と思ったらカナダのケベック州だったりね。

たとえうまく当てられなくても、世界中をお散歩している気分に浸ることができるのはとても楽しいです。

雄大な大自然に囲まれた山道、旧市街の素敵な裏通り、地元の人すらめったに使わないようなのどかな農村の小道、荒涼とした砂漠にどこまでも伸びるハイウェイ……このゲームが存在しなければ知ることすら無かったであろうありとあらゆる「道」を旅することができます。

しかしながら、時として、楽しいばかりでは無いこともあります。

あるときは、パッと見ただけで格差や貧困を感じ取れしまう場所が表示されることもあります。

またあるときは、今は紛争の真っ只中にある地域の在りし日の場所が表示されて、ここに写っている人たちは今は無事なのだろうかと不安になることもあります。

世界は広く、息を呑むような美しい場所も、暗い気持ちになってしまうような場所もあるけれど、ストリートビューに写っている人々は、たとえどんなに遠く離れていても、私たちと同じ空の下で生きている。

「自分を含むこの世界のすべての人が、よりよく暮らせる明日のために、なにか少しでもできることはないかな?」……プレイしていてふとした瞬間にそう気づかせてくれるゲームでもあります。

これを読んだあなたも是非、Geoguessrをプレイしてみてはいかがでしょうか?年末年始にご家族やお友達とプレイするのもオススメです。

それでは良いホリデーシーズンと良い新年をお迎えください。

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