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グリル等取り外し


いったい何度目の作業になるだろう。いつからか、グリルを外すこの儀式がルーティーンワークのように感じている自分がいる。また今回も長丁場か、、、という、これから42.195kmをいやいや走ろうとするマラソンランナーの気持ちである。きっとお隣さんも、また故障したのか、大変だなあと思っていることだろう。そう、大変なのだ。外車のしかも巨大なキャンピングカー、平行輸入車、誰も修理してくれないのだ。自分で修理しない人は、いったいどうやってこの車を維持しているのだろうか、逆に私にはわからない。2000年以降の欧州車は昔ほど故障しない。そんな都市伝説があるが、そんなことは全くない。我が家にある2台の欧州車は、どちらも2000年より新しいが、なんだかんだいって常に故障との闘いなのである。これを読んで、やはり外車はやめておこうと思う方も多々いることだろう。正直なところ、そのとおりだ。生半端な気持ちで、古い外車に手を出さない方が良い。普通の感覚の人なら今頃とっくに愛想が尽きているはずだ。あの金髪のねえちゃん、めっちゃ可愛いよな。まるでバービー人形だ。金髪女子との結婚生活なんて男の夢だし、言葉や思想の違いはなんとかなるだろうし、思い切って結婚してみよう、といったような軽い気持ちで契約書という名の婚姻届けにサインをしてはいけない。こんなはずじゃなかった、いや聞いてはいたけど、自分の場合は大丈夫だと思っていた、などと盛大に後悔するのが関の山た。
金髪女子に対する自分の気持ちを、もっと良く見極めて欲しい。言葉や文化の違いはもちろん、わがままや気まぐれ、理不尽な仕打ちもすべて受け入れます。それでもあなたを愛している、だからまずは3年間のお試し期間を通じて私にあなたを娶る資格があるか、あなたがその目で判断してください。という気持ちで2000年代初頭の外車と接して欲しい。最近おしゃれアウトドア派の間で、古いベンツのワゴンが流行っているらしい。恐らく多くの場合、購入後2~3年くらいは何も起こらないだろう。中古車販売店だって最低限の消耗品は変えるし、2~3年平穏に過ごせるくらいの整備はする。でも、いずれ必ずXデーは来る。その時、例えば30万円以上の修理代がかかることがわかった場合、大抵の人は金髪美女との国際結婚生活を諦めるのではないだろうか。古いものに30万円払うなら、新しいものにもう少しお金をかけたほうが良い。さらにもう少し頑張れば、最近出たばっかりの最新モデルが買えちゃうよね。レーンアシストも付いてるし、15インチのディスプレーが近未来的だし、ハイブリットのPHEVで燃費も最高だ!ローン組んで新車買っちやおうぜ!あーやっぱり新車の匂いってたまんねーよなー。となったととがある人もいるのではないだろうか。そこで金髪美女への想いが試されるのである。
日本以外の国の車は、故障したら個人や町工場、またはディーラーで直しながら乗ることがスタンダードだ。いや、正確には私は日本人であり本当のところは判らないので、そうであろう、と思っている。
自動車を所有し、それを運行すること自体に、ただでさえ多大な出費を強いられる我が国の自動車社会システムにおいて、自動車の修理費はイレギュラーな出費として捉われがちだ。だから壊れないことは正義であり、義務なのである。壊れることがイレギュラーなのだ。一方、日本以外の私が知るほとんどの国では、自動車を保有し、運行する全国民に対し、目に見えないものを含む何種類もの意味不明な税金をかけ、どう見ても天下りの収入源となっているJAFやら交通安全協会の入会費をせがみ、どう考えても自分の払ったお金が戻ってきているだけの任意保険に入っていないことが悪とされ、そのくせ自賠責とかいう意味不明な保険にも強制的に加入させ大金を横領し、平日しか受けることができない車検などという制度をつくり、自分じゃできないという先入観で善良な市民を洗脳した挙句、疑問を持たせる隙も与えず、代行代として大金を払わせることなど、まずない。そんな極悪な集団は見たことがない。キューバのマフィアだってもう少しましだと思う。だから日本以外の国では、壊れた車を修理すること、もしくは丁寧に扱うことにお金をかけることができるのだ。だから壊れることは、ない方が良いが決して悪ではなく、修理することがユーザーの役割として市民の生活に馴染んでいるのだと思う。
日本車は優秀だ。日本車は壊れない。日本車に変えたい。そんな風に何度思ったことか。ランクルなんて20万キロ走った22年前のモデルだって本当に壊れない。正義の味方だ。それでも今所有している外車を日本車に乗換えるには至っていない。
なぜそこまで金髪美女が良いのか。別にここで外車かぶれとしてうんちくを語るつもりはないが、なんせすこぶる出来が良いのだ。実際に突出した魅力があるのだから、それは惚れてしまうのも仕方ないというものだ。車は走るものだ。欧州車は、とにかく良く走る。いかなるジャンルの車でも、走りに第一の目的があり、それが揺らがない。スポーツだろうが、ファミリーだろうが、エコだろうが、走ったら誰にも負けませんし、楽しさを最大限に追及してます、楽しくなきゃ人生じゃない、という気概があり、作った人の気概をビンビンに感じるのだ。
このDucato もそうだ。でかいのによく走る。よく曲がる。よく止まる。それでいてキャビンは高級ホテルのようだ。わがままだけど、ずっとそばにいたい。本当にそうなのだ。一緒にどこまでも走りたい、一緒に旅がしたい、一緒に寝たい、一緒に笑いたい。同じジャンルの車で、他にそう思える車は単純にないのだ。まあ2千万円払えるならもちろんあるんだけど、、。こういう発言をすることすら少し怖い。いつ怒り出すんじゃないかとびくびくしてしまう。実は今回の故障も、少し調子が悪いからと、乗り換えを本気で検討した瞬間に不動となった。ああ、なんてわがままなんだ。ちょっとインターネットで見たミニスカートの美女のことを可愛いと思っただけで、別に本当に2人で食事したわけじゃないのに、それだけで口も聞いてくれなくなるなんて、わがままにもほどがあるってもんだろ。
もう本気で別れようと思うと、もっと私を見なさい、とけしかけてくる。退路を断たれ、真剣に向き合う。ああ、なんて綺麗な瞳なんだ。もう完全に病気である。
さて、グリル類を外す作業に関して、いつも通りの作業なので特記事項はない。外したグリル等はキャビンの中に保管した。

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