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雨宮蓮へのインストールに失敗しました! 21

【 雨宮蓮へのインストールに失敗しました! 】

#夢小説  ♯ペルソナ5ロイヤル ♯女主 ♯成り代わり
夢主は周回プレイ記憶者です。

全体あらすじ
No.5 No.10 No.15

作中4月24日(攻略完了)



 \前回までのあらすじァ!!/

 4月24日。
悪魔化したカモシダを撃破。パンサーの説教を受け、オタカラを渡し、シャドウカモシダは消えた。
オタカラ奪取に成功、パレスは消滅。全員生還への喜びを、蓮はハグの形でぶつけるのだった。






 4月24日 退学まで8日
カモシダ・パレス オタカラ奪取作戦決行。
竜司は早朝に学校に入り込み、予告状を貼り付けていったそうだ。記念に1枚もらって、机の中に入れてある。
巡回さんがいたろうに、と言ったら、怪盗としてカバーで隠れる仕草を思い出したら案外いけた、とのこと。『印刷代のために、牛丼1杯我慢したんだからな』と自慢げな竜司につい笑ってしまったし、文才の中途半端さ加減を指摘したらついにプンプン怒り始めて、杏と一緒に大笑いした。
鴨志田と話している間に、パレスとシャドウが現実世界にリンクして見えたのは驚いた。皆で確認しあったから、間違いない。
 悪魔カモシダ戦との戦いは問題なし。
 懸念材料……、
杏は、カモシダにトドメを刺さなかった。
カモシダは昇天。
パレス崩壊に、誰か巻き込まれることもなかった。
“原作通り”が一番安全なところだ。
 その後疲れ(と色々なもの)がどばあっと出て、学校でぐったり寝落ちした。

疑問点:オタカラに惹かれるモナと同じく何か感じた俺
あれはなんだ?男と女のニオイなのか?確認しようがない。もしくは、そういう“欲”のニオイが、俺もわかるということか?
『改心』総集
・オタカラを手に入れる。「手放していい」と思うことが大切なのか?
・シャドウカモシダが『自分を殺せば現実の俺も消える』と発言する。シャドウにはシャドウの自覚がある。そして自分の死=現実の廃人死と理解している。
この理解はどこから来た?
・シャドウカモシダの昇天。この後メメントスでも何度か見る光景。パンサーの強めのお説教のように、そして俺からの進言を聞いてのこと。
「現実世界の俺の中へ帰るよ」「そして必ず」
 →欲望の根源を取り除く
  歪んだ心に語りかける
このふたつが改心に必須か
・カモシダ(パンサー) ・マダラメ(フォックス) ・カネシロ(?) ・フタバ(相互理解) ・シドウ(ジョーカー) マルキ(ジョーカー)
✕オクムラ(ノワール) ✕ニイジマ(解体せず?)

 生理3日目。体が無理をしている。
しばらくは『最低限』かもしれない。

「レン。ノート書けたのか?」
「ありがとう」
「くわあああぁぁぁ… ゴシュジンのたっぷりごはん、ねむい…」

ルブランカレーにタマゴのトッピング、サラダまでつけてなんと皿洗いだけ!
 食事前に体をほぐすのはすませておいた。モルガナもネコの体でのストレッチのやり方を模索しつつある。正直まだ眠い…カレーでもっと眠いのを抑えて、明日の準備だけきっちりすませておいた。
メダルは念のため、ふかふかタオルの更に底にしまっておく(竜司たちに、いつ出してと言われてもいいように)。
 パンツを汚してしまった。
モルガナが「ヘンな血のニオイがする」と言ってベッドの隅に縮こまってしまった。「普通の血のニオイってなんだ?」と尋ねると、「なんか、キモチがグラグラするみたいな、ニオイだよ」と答えられた。

「そうか。それって性欲じゃ」
「わーーーーーーッそれ以上言うなぁ!!」





 


 4月25日


「鴨志田、見た?マジで変わったと思う?」

 竜司はそわそわして落ち着きがない。午前中に【昼食べたい】だけチャット来たから集まったらいの一番だ。廊下から庭とかに行こうともしないまま。

「俺は信じる」
「……蓮、つぇえな……」

カバンの底からお腹空いたニャーが聞こえてくる。

「あ、いいとこに!」

顔を向けると、川上べっきぃ大明神が先生駆けてくるところだった。

「午後の体育は自習。みんなには伝えたけど念のため。鴨志田先生は、お休みですって」
「鴨志田が休み?」

竜司が目と口をぱっかりと開く。川上先生は、左右にきょろきょろ目をやると、声をひそめる。

「……これ、私から聞いたって言わないでね。鴨志田先生から『自宅謹慎する』って連絡があって……大会前の大事な時なのに。校長先生も事情を聞きに行ったらしいんだけど、何が何だか、さっぱりらしくて……」
「自宅k!!!!!(モガッ)」
「ナイス、雨宮くん」

川上先生が、組んでいた腕を解いて声の調子も戻す。

「君たちの退学の話も、保留になるかもね。よくは知らないけど。それじゃ、伝えたわよ」

よくは知らないけど。が、少し他人事のような口ぶりだった。川上先生は、じゃあねとひとつ手を振ってすたすた歩いていった。ふさいだ口を話す。竜司が、フーッと息をついて壁に寄りかかった。

「……何か、起きてるみてえだな。廃人とは違うみてえだけど… ……待つしかねえか」
「ワガハイ、早く春のチキンサンドイッチが食べたい」
「かぷっ」

モルガナのほっぺを噛んでやった。



 放課後。

【待ってるだけじゃ
 落ち着かねえし】
【みんなでどっか行こうぜ】
{ごめん、私ちょっとパス}
【なんか用事?】?
{しばらくの間
 放課後は志帆のお見舞い}
{何もできないけど
 せめて顔が見たくてさ}
【そうか
 早く目が覚めるといいな】
   【行ってらっしゃい】>
{ありがと}
{落ち着いたらどっか行こう
 楽しみにしてる}


 買い物を色々終えて、竜司の練習に付き合いたいとチャットを送り返した。竜司がヘバっているのに、プロテインを差し出していた時だった。

「何やってんだよ」

ジャージ姿の生徒が、数人突っかかってきたのだ。俺には見覚えもない。中岡、武石。そう呼ばれる。

「……そう言や、ここはお前の練習場所だったよな。けど、今は違う。俺ら… 『元』陸上部の『居場所』だよ」
「部室もねーしな。誰かさんのおかげで」

…俺の入る幕じゃない。
しかし、竜司に辛辣な言葉が投げかけられる。唇が曲がりそうになる。

「ケンカはやめろ」

そうじゃない。
わかっているのに、ついそう口に出してしまっていた。だってこれはケンカ未満、ケンカ以上の……

「ケンカ、つーか…」
「ああケンカじゃねーよ。それ『以前』だ」

竜司は返す言葉を持ち合わせていない。一方的な罵倒だ。

「気をつけろよー転校生。コイツ、キレるとぶん殴るから! コイツのオヤジもそーだったらしいぜ? 血だよなぁ、血」
「それはっ…関係ねーだろ……」

絞り出す声で踏み込む。「竜司、落ち着け」と声をかける。握り締めた拳を解いてくれる。

「あ、の…あの、時、は……」

ぼそりと、
言い出そうとした竜司に、「何も聞きたくねえ」と1人が、メンチを切る形で距離を詰める。

「みんな鴨志田のヤロウには我慢してたんだ。ムチャクチャなことされても、陸上部のためだって…。それをな…みんなの努力を、オマエは踏みにじったんだよッ!」

ふん、と鼻を鳴らす。

「オマエを仲間だと思ってたオレがバカだった。それだけのことだ」


ざっざっ、と足音が去っていく。竜司はうつむき、唇を噛み締め、ただ…震えているだけだった。
彼らが角の向こうに見えなくなって、はあっ、と息をつく。

「さっき、オヤジのこと言われた時、また、殴っちまうかと思った」
「でも、殴らなかった」
「…お前がいてくれたからだ。冷静になれたの…お前のお陰だ」

やっと、竜司が顔を上げてくれた。

「サンキュー!」

 ハイタッチが、少し上手くなった。

「    なんでもっと━━   」

 何か言い争う声が向こうから聞こえる。「俺が首突っ込むことじゃねえか」と言う事柄は、のちに竜司が関わることになるが、


「竜司はさ。あの時、カモシダのこと、殴らなかったよな」
「どの時?」
「王冠抱えてプルプルしてた時」
「ああ」

 得心した様子で。

「途中でさ。囲まれて、俺は鴨志田なんだぞーって喚くところを見て、すごくだっせーなって思って。別に俺が改めて殴るまでもないかなって思った。あん時は、杏の方がガチだったしよ」
「…………うん」
「同時に、なんかガックリ来た。俺が暴力事件を起こした相手は、こんな情けねーヤツだったんだなって。せっかく殴るなら、もっとオオモノで殴る価値のあるヤツが良かった」
「なんだそりゃ。……じゃあ、その拳は、もっと殴られるべきヤツのために、残しておかねえとな」
「ははっ。なんだそりゃだよ、そっちの方が」



 ピピピピ。

『あー、俺。ちょっといいか?』
「もち」
『おう。今日はマジ、ありがとな。改めて、礼言っておきたくてよ。つーか俺もいい加減、すぐカッとなるところ直さねーとなぁ』
「怒って当然だ」

怒ることは。その後殴っちゃ駄目ではあるくらいで。

『いや、もともと俺が悪いのは間違いねーし。てか、あいつら…なにモメてやがったんだろうな? まっ、部外者の俺が気にしてもしゃーねーか。とにかく今日はサンキュな!』
「どいたましてな」
『ん!脚、寝る前にちゃんとほぐしておけよ? そんじゃ、おつかれ!』




 夜のルブラン。
モナの戦利品(おこづかい)から、猫用クッションが配達されてきた。現実のワガハイに合わせて仕方なくぅ、と言いながら、クッションに沈んでさっそく駄目になり、今や四肢を投げ出してすぴすぴと眠っている。
写メった。
後で杏に送ろうと思う。

 ぴぴぴぴ。

{志帆に報告してきた}
{鴨志田のケリつけたって}
{まだ意識戻ってないけど…
 せめてもの償い}
【償いって
 杏は悪くねえだろ】
【なあ、蓮?】?
   【悪いのは鴨志田】>
{でも助けられなかった
 友達失格だよ…}
{今からでも
 やれることやらなきゃ}
{でないと私、
 前に進めない気がする}
【そんな熱いヤツ
 だったんだな】
【中学のときは
 気づかなかった】
{あんたたちのおかげかもね
 照れくさいけど}
{改めてよろしく
 竜司、蓮}

漢字検定がなかなかいいところまで行ったので、猫が駄目になるクッションをもう一度撮ってから、喫茶店の階に降りる。
 今日もお手伝い、いいですか。
片付け頼むわ、と言われて喜んで上の階に行った。
ソッコーで降りてきた俺を、ん?と佐倉さんが目を細めて見る。

「じゃーん。買いました」

エプロン。これからも個人的に使うし、一枚買っておこうと思ったのだ。

「じゃーんて」
「駄目でしょうか。店の雰囲気は損なわない物のつもりですが」
「駄目じゃねえけどよ…嬉しいのが隠しきれてないぞ。見て見てする子供か。俺は時々お前の琴線がわからねえよ」
「おかねなら大丈夫です」
「…あー、長持ちするやつだったら文句言わねえよ。雰囲気も損ねてねえしな。ほら、働け」
「やった」


 グアテマラ、ルブラン、キリマンジャロ…。

「おぅい、豆の種類と知識は頭に入ったか?」

 コクリと頷く。「約束だったな」と佐倉さんはサイフォンの前に立つ。

「コーヒーの味を決める要素は3つ。豆の挽き方、火加減、それに時間だ。まずは挽き方からだな。うちはサイフォンだから『中挽き』が基本」

コーヒーは90℃くらいがいいんだっけ。

「……ちゃんと聞いてたか?」
「中挽きですね」

ゴリゴリして砕くやつ。(雑認識)

「正解だ。その調子で勉強しろよ」

仕組みはわからないが使えるからくりの下で、水を沸かす火が点っている。

「手間の割に儲からねえが、カネ目当てでこだわってるわけじゃねえ。客に不味いなんて言わせたら、許さんからな。ちゃんと覚えろよ」
「はいっ」

少し佐倉さんの表情が柔らかくなっている。
 ━━ピピピピ
佐倉さんが穏やかにスマホを取り出したが、すぐに表情が固くなった。チラッと見えたのは、『非通知』。

「誰だ、この番号…?」

そもそも、ルブランに連絡するなら、古式だが電話がある。つまり…佐倉さん宛……

「 はい、もしもし? アンタ…なんでこの番号を。 今から?場所は? ……わかった 」

律儀に出て。
応答を続けて。
むずがゆくなる。佐倉双葉なんて、知らない。

「悪い、急用だ。続きはまた今度にしてくれ」
「……お手伝いは終わり、ですか?」
「続きは、また今度だ。シンクの洗い物、やっといてくれ。それと、ガス栓、戸締まりな」

…つまり、今日のルブランは閉店にする用事ということだ。
もどかしい。

「こういう時は、手伝いがいると助かるなぁ。しかも、思ってたより真面目だしな。これからもよろしく頼むぜ?」

佐倉さんは笑ってくれた。営業で鍛わったスマイルだ。こうされては従うしかない。自分の中の物がそわそわして仕方なく思う。目だけの肯。

「それじゃ行ってくる。後は任せた」

佐倉さんはエプロンを脱ぎ、シャツを着直して外へと出ていく。ぱたんと閉じられた戸を見送って、俺はまず、

   【お前のことが大好きなネッコ】>

杏にさっきの写真を送ってから洗い物に取り掛かった。


 ピピピピ。

『よう。店仕舞いちゃんとできたか?』
「できてます」

ちょっと嘘。弁当作る必要がある。

『さっきは悪かったなぁ、野暮用が入っちまったせいで。ま、時間はいくらでもあるんだ。これからもしごいてやるよ』
「よ、よろしくお願いします」
『ふうん、やたら素直じゃねえか。ま、お前がイイ子にしてくれりゃ、こっちも悪いようにはしないからよ。んじゃ、火の元だけはしっかり確認して、さっさと寝ろよ』

まずい。卵焼き作ってる効果音入ってるかもしれない。


 4月25日 退学まで7日
鴨志田が自宅謹慎しているとの噂が回りはじめている。ただの休校ではない、そういう意味だ。
俺たちが一番、因果関係を祈っている。周囲は「関係あるかもしれない」と疑っているかもしれないが、こちらからすれば「関係あってほしい」という疑いだ。
演算は途中。
脳というスーパーコンピューターは、未だ結論を出していない。
ゲームプレイするなら、“そんなこと”は有り得なかったが、 もし、何か思い直して、オタカラが復活したら?パレスが再構築されたら?
 ここはゲンジツであり、イセカイは隣にある。 雨宮蓮を取り巻くゲンジツは、俺そのものである。

ぴぴぴぴ。

{ちょ〜〜〜〜〜〜}
{え、モルガナが買ったの?
 センスいいね}
{モルガナもかわいい
 お腹ナデナデしたい}
   【 (写真貼付) 】>
   【杏がオススメしてくれた
   店のエプロンも見て】>
   【動きやすくて使いやすい】>
{うわ〜〜〜〜!}
{女の子のデザイン
 着せられないの惜しい!}
{私も今度買お〜〜〜〜}
   【佐倉さんには
   ウケなかった】>
   【(´・ω・`)】>

「むにゃ……。ん?なにニヤニヤしてんだぁ…?」
「お前にも理解されないんだろうな」
「え、どうした急に」
「大丈夫、モルガナのモナモナは全世界理解できる。お前が望むならきっとバズる」
「いや、何の話だよ!」





☆★ To be continued!! ★☆

 
21話まで読了ありがとうございます。
ふざけた文章量だぜ!
自分でも文章や自己解釈雑談文書いてるからこれも小説、多分。

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