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日の詩集(2024.3.7)

 曇りの日、静かな小雨に、道濡れる朝、風のひかりが、雲の紫に、吹き抜けて、微かな朝日の、気配を残す。

 心のひかり、空にとけ、ほのかにゆらぐ、雲の水へと、漂い浮かぶ。白い霧に、ひかりの陰影、わずかに青く、淡い水面に、心はひとり、口ずさむ。

 彼方の空の、流れるひかりの、明るいこと。地平はるかに、ひらけた雲に、透けるひかりの、水のながれの、彩る色が、眺める眼を、染め上げる。

 明るい雲の、白い息の、吹かれて漂う、日の思い。空の様子は、心の何かを、あらわすもの。景色みつめる、人の思いの、無言の何かを、あらわすもの。

 景色の綾を、みつめる人は、自分の心を、みつめている。空ながれるときは、思いもながれ、雨濡れるときは、記憶の涙を、ひとみに濡らし、ひかり鮮やかに、雲染まるときは、希いのひかりに、自分を染める。

 静かな小雨の、撫でる地表は、水を吸いとる、緑も深く、霧の流れる、風の心地も、快い。穏やかに曇る、しずかな時は、ひかりやさしく、思いを鎮める。


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