キンキーブーツ再再演について思うこと

キンキーブーツ再再演の情報解禁。あの印象的な赤いKのマークとともに以下のような文章が載せられていました。

この度、ブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」は2022年秋、3度目の上演をさせていただくことになりました。
多くのご声援をいただいた2019年の再演の後、私たちは3度目の公演にむけて動き出しておりましたが、昨年私たちは大きな存在を失い、一時は公演を断念することも考えました。
しかしながら、これまで日本のキンキーブーツを牽引してくれた三浦春馬さんの思い出と、彼がこの作品に捧げてくれた愛情とともに、私たちは「日本にはキンキーブーツが必要だ」という強い想いのもと、2022年の再再演の歩みを止めないことを決意いたしました。
ローラには、今回城田優さんがオーディションに参加してくださり、これまで共に歩んできたブロードウェイチームも城田さんのオーディションムービーを見て、彼のローラでいきましょうと、すぐに連絡をくれました。
このミュージカルを愛してくれた全ての皆さまに、そして、これから出逢ってくださる全ての観客の皆さまに。
キンキーブーツジャパンカンパニー全員が心から大切にしているこの作品を、初演以来同じく作品を牽引してくださっている小池徹平さんを始めとするジャパンオリジナルキャストと、城田優さんを含めた新しく参加してくださるキャストの皆さま、日米クリエイティブチームとともに、心を込めてお届けいたします。
2022年秋、どうぞよろしくお願い申し上げます。
ブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」
主催一同


個人的には、嬉しい!おめでとう!の気持ちが大きい。またあの作品が観れる喜び。そして、きっと今後も繰り返し上演されるんだろうという期待。

だけど、多くの人が抱える複雑な気持ちも理解できる。
実際、三浦春馬さんが残した功績は計り知れない。日本初演で、彼が作り上げた日本のローラ。あのローラに、あのローラだからこそ勇気をもらった人がたくさんいる。これは揺るぎない事実。彼の存在は大きすぎる。
だからこそ、新たなキャスティング、しかも他のキャストはほぼ続投という形での再再演に対して、多くの人が複雑な気持ちを抱くのでしょう。
新たなローラ誕生に戸惑う人も多いよね。もう見ることのできない彼の思い出を上書きされるみたいな気分になるよね。他のキャストがほぼ続投なのも、わかる、いっそ総入れ替えで新たなキンキーブーツだったら…という気持ち、ものすごくわかる。他キャストも一新だったら、別物だと割り切れるもんね。
私もいろんな気持ちが渦巻いて、喜び100%というわけではないもん。

だけど。だけどね。

公式ツイートのリプ欄や引用RTに、再再演に対して、新たなローラに対して、心無い言葉がたくさんあって、すごく悲しくなった。
一つや二つだけじゃない、たくさん。もちろん、こんなの一部の人だけでしょう。でも、たくさんだよ。これも彼の存在の大きさ故なのだとしても、それにしても多すぎて、胸が潰れそうになった。
多くの人は、複雑な気持ちを抱いていたとしても、きっと自分の中で気持ちを整理してると思う。
でも中には、再再演に踏み切ったカンパニーの気持ちを踏みにじるような、とても酷い言葉をぶつけている人もいた。
思うのは自由だよ。でも、脊髄反射的に投げつけてはいけない言葉ってあるでしょ。簡単な決断じゃなかったことぐらい、あのメッセージからわかるでしょ。あなたが大好きでたまらない人にとって大切な仲間たちを傷つけるようなことをして、それで彼は報われるの?

キンキーブーツは、ローラは、三浦春馬だけのものですか?
彼が亡くなって、彼以外ローラを演じれる人はいないからという理由で封印されてもいい作品なのかな。
もう二度と「日本のキンキーブーツ」が観れなくなってもいいの?
それって本当にキンキーブーツを愛してると言えるの?
キンキーブーツと言う作品は、キンキーブーツを愛した全ての人のものであって、誰か一人のものじゃない。
本当に「キンキーブーツ」という作品を愛してるなら、彼亡きあと何年も何十年も何百年も、キンキーブーツと言う作品が続いて、多くの人の心に感動をもたらし続けてくれるという希望の第一歩に、感謝しなければ。

一つの作品を、一人の役者だけに縛り付けてはいけない。
この作品は、この役はこの人のもの!なんて作品も役もないよ。
愛される作品は、キャストを入れ替え、世代交代して続いていくものだ。

私は、キンキーブーツ2022を応援します。

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