土を喰らう十二ヵ月
十二ヵ月って
十二カ月なのか十二か月なのか十二ヶ月なのか十二ケ月なのか
分かりづらいので、入場時に貰った栞をタイトル画像にしました。
ちなみに現在公開中の映画です。
内容ですが、雪深い集落にある古民家で一人暮らす男が
精進料理を作る様子を、一か月ごとに丁寧に描いた作品です。
そこに訪れる近隣住民や、亡くなった奥さんの親類や、恋人との
触れ合いも描かれますが、あくまで付属品といった感覚で
兎にも角にも、調理シーンに心血が注がれています。
作品の事といえばキービジュアルぐらいしか知らない状態で
臨んだので、BGMもセリフもなく続いていくストーリーは
まるで環境映画で、眠さと格闘してました。
しかし、半世紀以上昔の暮らしぶりを経験してきた人には
どこかしら引っかかるエッセンスがあり、懐かしみながら
楽しめるそうで、客席の年齢層も高め。
ほぼ付属品といった印象の、主人公以外の登場人物ですが
恋人については立場上登場回数が多く、この人が精進料理を
食べる時に立てる咀嚼音が、またおいしそうで。
干し柿を食べる音に始まり、沢庵やタケノコを齧る音などが
静謐の中、咀嚼音ASMRのように響きます。
途中、義母の死や自身の病気を経て、死生観を経た主人公は
恋人と別れて一人で生きていく事となり、その後の生活は
やはり料理。
ただ一貫して、(独居状態に対して勝手に抱いている)「寂しさ」
を感じる事がなかったのは、土に育てられた植物を自然から
頂く事の喜びが滲み出ている主人公の様子が印象的だから
だったのかもしれません。
ちなみに何故見に行ったかというと、火野正平さんが出てるからです。
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