立体という状態について
ある日雲を見ていて、ふと思った。
あれは立体なんだろうか。
そう思い始めて色々なものを見てみると、その辺の建物や木、人までそう思うようになってきた。 浮世の世界のなんと平面的なことか。
実際、この目で見ているものと、写真とでは大差がない。
もちろんカメラはレンズを通すから歪むけれど。
これについては色々言われそうだけど、この目で見ている雲や建物は、どう見ても平面的だ。
あくまでも遠近感があるだけだ。ただ、いくら平面的に見えようとも、現実的には立体物なのは間違いない。
じゃあ物体を立体物たらしめるものは何か。
それには距離の問題がある。
物体と人間との距離。そして至近距離。
具体的に言えば手で触れられる距離。
せいぜい1m。この1mまでと、そこから先にどんな違いがあるのか。
この距離の問題も厳密には違っていて、触れることによって感じるのが立体物だろう。
「手が触れる」というのは重要な要素だと思う。
これもただ触れればいい訳ではない。
テーブルを撫でても平な板としか感じられない。テーブルを撫でて、角の裏側に手を滑り込ませる。
ここからが立体を感じる境目。
つまり、裏側に触れる、裏側を感じないと、どうにも立体感を感じないようだ。
これも厳密には立体感というよりは、そのものの本質みたいなものに近い感覚。
手のひらを見てみる。
ぐるっと手首を回して手の甲が現れる。
視覚的には動いている間は立体的に見える。
ただこれも視覚的なフォーカスによるもので、遠近感と同じようなものだと思う。
色々グダグダと書いたけれど今回は、結局、人間は立体物を手元でしか感じる、認識することはできないんじゃないかというお話。
ころっと変わりそうな考えだけど、今自分がしている事との擦り合わせも含めて、こんな感じ。
では、また。
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