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私は「やさしい人」ではない。


それなりに配慮を積み上げた文章を書いているからか、それを書いている私自身までやさしい人だと思われることがあるのだけれども、それは誤解ですよ、と言っておきたい。

私はそんなにやさしくはない。むしろ部分的には、おっかないほど厳しい人だと思われているような気もする。

べつに年がら年中ずっと激昂している訳じゃないのだけれど、たとえば自分の文章を傷つけられた!と感じるときには、なんだかもう産後間もないメス狼のごとく気が立ってしまう。血肉を削りながら産み出した文章なのに、勝手にタイトルを変えられてしまったり、リード文で先に結論を書かれてしまったり……

でも、もしかしたら、相手にも何かしらの深い考察があるかもしれないから、まずは相手に理由を尋ねてみる。その理由が大したことでなければないほど、がっかりして、「いま! 私はとてもがっかりしています! なぜならば◎✗△……!」と直接言葉で訴えることが、おおよそ年に7回くらいはある。

(逆に、惚れ惚れするような編集を提案されたりすると、それはそれで、嬉しい方の遠吠えをしてしまいます)


文章表現だけじゃあなくて、インターネットの使い方とか、マネタイズとか、そういう面でもそれなりにカッカしている。(別に今、なにか直近の出来事で怒っている訳ではないので、誤解なきよう……)

たとえば、何かしらの形で協力していた企画などで


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新刊『小さな声の向こうに』を文藝春秋から4月9日に上梓します。noteには載せていない書き下ろしも沢山ありますので、ご興味があれば読んでいただけると、とても嬉しいです。