マガジンのカバー画像

視点 メンバーシップに移行するため、新規購読はお勧めしません

暮らしや営みの中で零れ落ちそうなことを掬い上げたり、心や脳に浮かんだ閃きを忘れないよう書き留めたりする、思考や思想の直売所のようなものです。
※2022年8月移行はnoteの新機能「メンバーシップ」に移行していくため、定期購読マガジンの新規… もっと詳しく
¥500 / 月
運営しているクリエイター

2021年1月の記事一覧

謙虚でいるのは誰のため?

午後八時にぴたりと閉まる飲食店、二軒目の行き場をなくしたカップルが致し方なくラブホ街に消えていくのを見ていると、この疫病はいろんな事情をすっ飛ばして人の関係性を変えてしまいそうだなぁと思うTOKYO2021。外国語がほとんど聴こえてこない東京の街は、江戸と呼ぶのが相応しかろうという趣で、少し古い時代に来てしまったようにも感じます。

私は「やさしい人」ではない。

それなりに配慮を積み上げた文章を書いているからか、それを書いている私自身までやさしい人だと思われることがあるのだけれども、それは誤解ですよ、と言っておきたい。 私はそんなにやさしくはない。むしろ部分的には、おっかないほど厳しい人だと思われているような気もする。 べつに年がら年中ずっと激昂している訳じゃないのだけれど、たとえば自分の文章を傷つけられた!と感じるときには、なんだかもう産後間もないメス狼のごとく気が立ってしまう。血肉を削りながら産み出した文章なのに、勝手にタイト

傑作を書こうと張り切るほど駄作になってしまうジレンマ

「好きこそものの上手なれ」と言われても、好きという感情が完全なる片思いであれば、あまり上手になれないこともあるんじゃなかろうか。 たとえば私は物心がついた頃から絵を描くのが大好きで、将来の夢といえば絵描きさんだった。そして脳内では、「絵描きさん」という将来の夢に対する猛烈なイメージが完成していた。むしろ完成されすぎていた。 それは、"木漏れ日の美しい林の中にイーゼルと椅子を置き、鳥の声や川のせせらぎを聴きながら、森や草花の繊細で瑞々しい絵を描く" ……という(なんともステ