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第5話 リトルラックは希望に縋る-前編

■ 前回のあらすじ ■

 当初水利権の争いと思われていたポラリス市との戦いだったが、その裏でマッチポンプをしていたものがいるらしいと判明。
 その可能性に気付いたライゼン委員はリトルラックに機密情報を届ける依頼をするものの、リトルラックはこれを予期して仕掛けられたと思われる機雷によって深刻な被害を受けてしまう。
 足が止まったところを襲撃されるも、なんとか救援が間に合い、危機を脱したが、情報は時すでに遅く、謎の部隊によってWW社の北限支社は占拠されてしまっていた。
 WW社は、ポラリス市との戦いと並行して奪回することを困難と判断し、北限支社の放棄を決定。
 リトルラックは、船底の補修に2カ月と、その間の社の維持費に悩まされつつ、状況の推移を見守る他ない状況に置かれていた――。


GM ……てな状況でしたね。

レン わくわくー!

アントニオ 良いように踊らされてるなあ。

ヨルノハ ここからどうなるんでしょうね……。

GM さて、事前に告知しておいたのですが、本キャンペーンも大詰めで、今回と次回で完結の予定です。

ケイン 奴との決着も近いか……!

GM さぁ、それはどうなるかまだわからない。

ケイン そんな!(笑)

GM ま、ともあれ、今は船も動かないということで、今回は幕間回です。A:GuS戦闘もない予定です。

ヨルノハ ですね、聞いてました!

GM 経験値と報酬は出る予定なので、ご心配なく……ってことで、まずは成長報告をお願いしよか。

一同 はーい!


■ 成長報告 ■

レン 私は〈知覚/反応〉を1→2、〈欺瞞/偽装〉を2→3に。装備とスキルは次回に備えてパワーローダーとパリィを外しておきましたー。

ヨルノハ 〈医療〉を2→3にして、【ウェザーサイト】を【ウェザーサイト+】に。改造でイニシアチブを1→2に上げました!

ケイン 〈欺瞞/偽装〉を1→2、〈交渉:軍〉と〈交渉:裏社会〉を0→1。 それと、改造でパイルバンカーを1→2にLvアップだ。

アントニオ 技能は〈交渉:軍〉を2→3に。スキルは【ブロッキング+】を一度外して【ブロッキング】に。【ショットセンス+】を【ショットセンス++】にしたぞ。

GM ここまでくると得意分野を集中して伸ばす方向になっていくなー。


■ ジュリエットの所見 ■

GM さて、今回のお話を始める前に……前回のラスト、ジュリエットがレンの機体になんか違和感をおぼえていたのをおぼえてるかな?

ケイン ああ、確か普通とちょっと違うとかなんとか。

レン なんだろうねー?

GM 今回はその結果発表から。いい機会だからとオーバーホールして骨格だけになったソードマンを前に、ジュリエットとバーナードが頭突き合わせて唸っていますよ。

アントニオ 何が出るかな?

レン 「何か解りましたかー?」

ジュリエット(GM) 「そうだね。結論から言うと……あんたのA:GuSの機体制御OSが、既製品じゃないみたいだね」

■OS……オペレーション・システム。機械類をコントロールするための基本的なプログラムだ。windowsなどを想定してもらえれば大体ok。

レン 「どういうことですか?」はてなマークがいっぱい浮かんでいます。

アントニオ 海賊版か?

ジュリエット(GM) 「いや、海賊版というより、もっと後期の機体――俗に第3世代と言われるタイプに近い。そのプロトタイプってところかもしれないね」

■第3世代……A:GuSは戦線への投入が始まった1440-60年代に設計された第1世代、砂海での主力兵器としての地位が確立した1470-80年代の第2世代、1490年以降の最新技術が投入された第3世代に大別され、後期型程高価でスペックも高くなっていく。

アントニオ 試作OS! そいつはアツいな!

ヨルノハ ハイスペック!

ジュリエット(GM) 「このタイプは、学習能力が優れていてね。実戦を経験するほどに最適化が進むんだ」

ケイン 学習型OSというわけか。

レン 「どんどん使いやすくなるのですね! 他のA:GuSに乗ったことがないのでわからなかったです」

ジュリエット(GM) 「最終的に第3世代に採用されているOSには、あらかじめ経験を積んだOSが使われたんだけど、これは、そういった学習機能の試験段階のものなのかもしれないね」

バーナード(GM) 「経験値をあまり積んでない状態だったから、当初の性能は第2世代とさほど変わらなかっただろうが、実践を繰り返した現状では、かなり最適化が進んでいるな」

アントニオ 「データ蓄積をしたハイスペックのOSか。いいなぁ。コピーできないか?」

ケイン 「レンの機体用のだろ? アントニオに合うのか?」

アントニオ 「合わんだろうが、基礎OSは欲しい!」

バーナード(GM) 「いや、第2世代用と第3世代用じゃCPUのスペックが違い過ぎる」

アントニオ 「あぁ……なるほど、それじゃ無理だな」(しょぼん)

ヨルノハ 基礎データの重さが圧迫しちゃうパターンですね。

GM そゆこと。そもそもアントニオの"仙虎"は帝国製のCPU使ってるからな。規格が合うかも解らん。

アントニオ そういや帝国製A:GuSだ! ますますダメだった。(笑)

レン 「わかりました!これからも一杯学習してもらいます!」

ケイン 「しかし、という事はレンのソードマンはソードマンの皮をかぶった別物だったってことか?」

ジュリエッタ(GM) 「まあ、そこまでじゃないけどね。他よりは伸びしろがある、ってところさ」

レン 「でもどうしてそれが家のA:GuSに……?」首をかしげています。

ジュリエット(GM) 「そうだね……こいつをどこのだれが積んだのかはちょっと気になるね。第3世代A:GuSは連邦軍の最高機密だった。実戦に投入された第3世代A:GuSは数えるくらいしかないからね」

レン そうなんだー、という顔でよくわかっていません、軍隊のことはさっぱりです。

ジュリエット(GM) 「あんたの家の倉庫にあったって言ってたね。あんたの親父は何者だったんだい?」

レン 「わからないです! 気づいた時にはもう、お父さんはいませんでしたから……」

ジュリエット(GM) 「それはGMが勝手に設定を組んじゃっていいってことだね?」(笑)

アントニオ いきなり何言いだすんだばーさん!(笑)

ヨルノハ メタ~い!

GM おっと、ジュリエットアイコンのまま喋らせちゃったぜ。(確信犯)

レン 設定については、どうぞーです。(笑)

ジュリエット(GM) 「そうかい……。まぁ、ともあれ悪さするようなもんじゃないから心配はしなくていい」

レン 「お父さんが残したもの、大事にします!」

ジュリエット(GM) 「そうだね、手掛かりになるかどうかは解らないけど……CPUユニットに『剣に絡みつく蛇』の記章があった」

バーナード(GM) 「俺も見たことのない記章だから、どこの部隊のもんかはわからんが。なんかの手掛かりになるかもな」

レン 「剣に絡みつく蛇……」 誰か見たことありますかー?

ケイン 俺は見覚えあるか?

GM いや、ケインもないね。誰もない。なんかの判定に成功しても「確実に見たことないことが解った」って言われる類い。

ヨルノハ まったく知らない奴なんですね。

GM あ、ユニット自体はそれなりに古いというか、80年代後期くらいのものだよ。第3世代がロールアウトしたのが90年代以降で、そのプロトタイプだからね

アントニオ ふむ。軍事機密なのか、昔のままなのか。

GM ま、ともあれ気にしてもしょうがないってことがわかったんだぜ!

レン はいー。

GM なお、性能が良いって散々言ってるけど、フレーバーで特に新たにボーナスがつくってわけじゃないです。(笑)

アントニオ それは仕方ないね。(笑)

レン 動きでがんばるー!

GM ってわけで、このシーンは〆だぜ!


■ 危急の知らせ ■

GM ……さて、予定外の長期休暇を得てしまった君達は、砂海いちの大都会といって差し支えないウズモンド市で、束の間の平和な日々を過ごしております。

ダニー(GM) 「お前ら、節約しろよな! 維持費が既に赤字なんだから! 物価高いんだから!」

GM と、ダニーは蒼褪めてたりするわけです。

アントニオ 「まっ休んだ分、身体も治ったし、稼ぐとしよう!」

GM あ、ラックはまだ動きません。修理中。

ケイン ズコー!

レン 「休暇ですね!」

GM ラックが動かない上、戦況も膠着状態ってことで、君達はほんとに無為に過ごすしかない状況です。

アントニオ ラックが動かなきゃ、余所者にできる仕事なんて限られてるよなあ。

レン A:GuS自体は動かせるのです?

GM 動かせるけど、地面がある場所では、作業用のAがないGuSの方が使い勝手がいいんだよね。

ケイン この際リトルラックも改造してもらっては?

GM その金誰が出すんだい?

ヨルノハ 「節約なら得意です。私に任せてください!」

GM ハハハ、じゃあそんな感じで必需品などはなるべく節約する方向で買い出しなど任されてるヨルノハから、今日のお話を始めるとしましょうか。

ヨルノハ はいなっ!

GM いつものように市場にカイルと買い出しに出た帰りのこと。君達は久々にして懐かしい言葉を耳にするのです。

ヨルノハ むむ、どんな声でしょ?

???(GM) 「※▲×◎aくぁ@せぱ! なE■■バらぅKし*ぁ!」

一同 は?

???(GM) 「あsdふぁい×aくぁ@*せ!ふぁ±sだふぉ※よmp!」

アントニオ 文字化け? ……ってわけでもなさそうだな。

ヨルノハ 「食材になりそうなものの種も買ったのでしばらくは……あれ、今のっは……?」 そっち向こう。

GM どうやら検問所のあたりのよーですね。……で、ヨルノハは実は今の言葉が解るんです。

アントニオ おおっ?

ヨルノハ おおっ! ……でもなんでだろう?(笑)

GM うむ、それは今のが砂海の原住民……ジュラ族の言語だからなんだよ。

■ジュラ族……東西大国侵出前から"砂海"で暮らしていた原住民の総称。厳密にはいくつもの部族があり、文化も違うのだが、一緒くたにされている。スナトカゲという大型爬虫類を食用・乗用として利用する。

ヨルノハ  あっ! そう、私、人里離れた土地の出身で、ジュラ族と交流があったって設定なんです!

レン すごいー!

GM ちなみに、豊かな水資源のある中央山嶺近辺は後からきた連邦人や帝国人に奪われ、ジュラ族らは南西のバロ山地の周辺に追いやられてしまったのだ。そのため、ウズモンド市の周辺でジュラ族を見かけることはほとんどありません。

ヨルノハ 「こんなところにジュラ族が……?」と、声のした方に向かってみます。

カイル(GM) 「なんだか揉めてるみたいだね……?」とカイル君。

ヨルノハ 「何があったのかな……?」

GM であれば、こんな会話がされているのが聞こえてきます。

衛士A(GM) 「……だからここは通行証がない奴は通せないって言ってるだろうが!」

衛士B(GM) 「だいたいお前ひどい匂いだぞ。衛生上お前みたいのは……って言葉通じてないぞこれ」

衛士A(GM) 「マジかよ。……ジュラ族か。俺ジュラ語は喋れないぞ?」

衛士B(GM) 「俺もだよ。誰か喋れる奴呼んで来いよ」

GM ……見れば、ズタボロの状態のジュラ族の少年が何かを必死で訴えているのだが、衛士は言葉が通じておらず困っている模様。

ヨルノハ 駆け寄って、『何があったの!?』とジュラ語で話しかけます!

※以後、『』で括った部分はジュラ語での会話と思いねえ。

GM ではヨルノハが近づくと、ズタボロの少年はぱっと目を輝かせる。

???(GM) 『ヨルノハさんっ! ヨルノハさんですよねっ!? 僕です、"明け方の凪"族のマヒルですっ!』(ジュラ語)

衛士A 「ん? あんたこいつの知り合いか?」

ヨルノハ 知り合い、なんですね?

GM ですです。

ヨルノハ じゃあ衛兵に「ええ、そうです……!」と返事しつつ、 『マヒルくん? どうしてこんなところに?』とこちらはマヒル君に。

GM 話は長くなりますが……まず、ヨルノハの出自から。ヨルノハはもともとバロ山地近くでカイルと二人暮らしをしていましたが、近くを通るジュラ族とは交流があり、食料や生活必需品を分けてもらったり、山菜と交換したりしてたと思いねえ。

アントニオ ふむふむ。

GM マヒルは、そんな交流のあった遊牧民の一人だったというわけ。

ケイン しかし、バロ山地からここまでは結構な距離があるんだよな?

GM うむ、連邦語や帝国語を勉強して都会に出てくる奴や、行商として砂海を渡りあるている奴がいないわけではないけど、現状、多くのジュラ族はバロ山地近隣の居留区で暮らしている。

ケイン そんなところからここまで、何の用があったんだろう?

レン 歩いてきたわけではないでしょうしね~?

アントニオ 占領でもされたか?

ヨルノハ むむー?

GM ま、とにかく話を戻すと、ヨルノハに優しく声をかけられると、マヒルは感極まったのかぶわっと泣き出しちゃいます。

マヒル(GM) 『た、助けてください! 父さんも母さんも捕まって酷い目に……! ジュラ族も、西方人もたくさん捕まってます!』

GM あ、西方人ってのは君達のことね。

アントニオ やっぱそういう事情だったか。

GM で、大分衰弱してたようでそこで意識が途切れてしまうのです。

衛士A(GM) 「うおっ、倒れた!? 大丈夫か?」

ヨルノハ 「この子は私が預かります! 何かあったら"リトルラック"って船のヨルノハを訪ねてください!」と、言って、マヒル君を抱きかかえて船に戻ります!

衛士(GM) 「おい、通行証がない奴は……ええい、非常事態だ、仕方ない通っていいぞ! あとで確認しに行くからな!」

ヨルノハ 「ありがとうございます!」


GM ……ってことで。マヒルはラックに連れこまれましたよ。

アントニオ とりあえず休ませないとな。

GM 介抱の甲斐あって、その日の夜にはなんとか喋れる程度には回復しました。

ヨルノハ 良かった……。

レン 怪我とかはしていたのです? 疲労だけですか?

GM 衰弱&鞭か棒で打たれたような傷が体中にありますね。

ヨルノハ ひどい……!

レン 「拷問でも受けたのです……?」

GM うむ、ヨルノハの通訳を介して事情を尋ねますと……。

マヒル(GM) 『……一月くらい前でしょうか。突然集落を黒塗りのA:GuSの一団が襲ってきて。……全員捕まってしまったんです』

ケイン 「黒塗りのA:GuSだと……!?」

マヒル(GM) 『その後は目隠ししたまま連れていかれて、半月前頃からどこかの地下で強制労働をさせられていたんです』

レン 強制労働……鉱物の発掘とか?

ヨルノハ 『一体だれがそんなことを……!』

マヒル(GM) 『解りません……。僕らの集落以外にもたくさんのジュラ族や、他にも西方人の方もたくさん捕まっています。労働は過酷で、食事も満足に与えられずにバタバタと倒れていて……それで、子供で目立たないからと、僕が救援のために逃げ出したんです……。お願いです! どうかみんなを助けてください!」

レン 「子供の足で歩いてこれる場所に発掘場所があるということです?」

GM あ、足じゃないです。係留されていたスナトカゲを一匹盗んで、それに乗ってきました。

アントニオ ふむ……それでも数日範囲くらいか?

レン 「場所は覚えてるの?」

マヒル(GM) 『山がずっと左手にあって……山側から4回朝日が昇りました』

GM ……つまり、中央山嶺を左手に見ながら、南下してきたってことだね。

ダニー(GM) 「スナトカゲで4-5日……北限支社の近くだな」

アントニオ 「ダニー、こいつはWW社の例の人にも伝えたほうが良いんじゃないか? かなり近い距離に相手の拠点があるぞ」

ケイン 「そうだな、オーナー。もしかしたら前線基地か、抜け穴でも掘ってるのかもしれないぞ」

アントニオ 「その可能性もあるな。WW社が知らないとまた裏をかかれるちまう」

レン 「WW社に伝えればお仕事になるかもです!」

ダニー(GM) 「みんなでいっぺんに言わないでくれよ! 解ってるから!」

レン 進展しそうなのでみんな目の色が変わっちゃったです。(笑)

ダニー(GM) 「黒塗りのA:GuS部隊ってのは、北限支社を襲った部隊と一致しているし、マヒル君がいたのは北限支社の程近くなのは間違いない」

ヨルノハ ですね……!

ダニー(GM) 「地下で何をしてるかわからんが……何をしようとしているかわかれば、対策の取りようがある。とにかく、WW社に注進してくる。マヒル君は慌てないでとにかく体を休めてくれ」


■ 危険な任務 ■

GM ……ってわけで時間は流れて。次の朝。難しい顔したダニーが、WW社のお偉いさんと一緒に帰ってきましたよ。

ケイン 「オーナー、難しい顔して交渉にならなかったんですか?」

GM いや、そんなわけはない。

アントニオ 喜んで難しいこと投げてくるだろう。

GM はい、まあその通りです。(笑)

WW社の偉い人(GM) 「WW社自衛軍のリカルド・ボードウィン大尉だ。この度は貴重な情報を提供していただき、感謝する。情報を精査するに――我が社はその件、調査の価値があると判断した」

ヨルノハ 「強制労働されている人たちも救わないと……!」

ボードウィン大尉(GM) 「うむ。それも含めて、順に説明する。……そちらも先刻承知していると思うが、強襲するにも我が軍の戦力は今、大部分が南方に展開しており、大規模な攻勢は現状不可能だ」

アントニオ 「でしょうねえ」

ボードウィン大尉(GM) 「だが、敵の目的は把握しておきたい」

ダニー(GM) 「……で。結論」

ケイン 「船の一隻でも借りれれば、俺たちが引き受けますよ」

レン 「偵察と救出ですね!」

ダニー(GM) 「いや、もう一つ方法がある。ジュラ族のフリをして、スナトカゲを使って接近・潜入するんだ」

アントニオ 「なるほど、スナトカゲなら船よりも見つかりにくいだろうし、良い案だな」

ケイン 「……オーナー、でも俺、ジュラ語はしゃべれませんよ?」

ボードウィン大尉(GM) 「恥ずかしながら、当社の下士官にはジュラ語を使えるものがいないのだ。が、君達の中にはジュラ語が堪能な人がいるとか」

ヨルノハ 「……私、ですか」

ダニー(GM) 「そういうことだね」


GM じゃ、作戦の要点をまとめましょかね。

・船を使って接近するとさすがにバレちゃうから、スナトカゲを使って夜陰に乗じて敵地に潜入。
・マヒル君が出てきた、外部に通じる地下道があるのでそこから地下の強制労働現場に入る。
・そこでジュラ族の労働者のフリをしつつ、情報を得る。
・その際、ジュラ語を喋れるヨルノハには、ぜひとも参加してもらいたい。

GM ……というわけ。

ヨルノハ(GM) 「任せてください! 彼らには畑を貸してもらったり、孤児院の子とも仲良くしてもらった恩がありますから……!」

アントニオ 「頼む。現地の人との意思疎通は必須になる」

レン 「ヨルノハちゃんだけですか?」

GM ヨルノハだけでは危険だし、現地のジュラ族との折衝担当ということで、それ以外にも敵の目的や戦力を探る作業があるから、みんなで参加してくれ。

アントニオ 了解だ。

GM 一応、WW社の下士官も参加するが、君達に変わって実作業をする、程度にしか役には立たないぜ。

ケイン 「いや、来てくれるだけでも助かる」

ボードウィン大尉(GM) 「あまり大人数で潜入すれば却って目立ってしまう。連携のとれているメンバーの方がうまくいくだろう」

レン 「わかりました! ……でもダニーさんが何か悩んでおられたのはどうしてですか?」

ダニー(GM) 「危険だからに決まってるだろ!」

一同 ……………!

ダニー(GM) 「僕らが適任で、報酬も約束されたけど、それにしたって生身で潜入調査なんて危なすぎる! 僕らは単なる運送屋で、軍人じゃないんだからな!」

アントニオ そうだな、軍隊出身者はケインだけだもんな。

ボードウィン大尉(GM) 「君達に内部で破壊工作してもらいたいわけではない。労働者たちとコンタクトをとり、情報を集めるだけで十分だ。
 ……いや、それでも危険な任務であることに違いはないのだが――しかし、能力を考えると君達にしか頼めんのだ! 頼む!」

GM ……と、ボードウィン大尉は真摯に頭を下げるのです。

レン 「あの……。その依頼には、現地にいる方の救出は……?」

ボードウィン大尉(GM) 「……今回の作戦には含んでいない。現状では彼らを救出するのは難しいと言わざるを得ない」

ヨルノハ 「そんな……!」

ボードウィン大尉(GM) 「いや、現状では、だ。今回はとにかくコンタクトを取り、状況を見極め、その上で救出のための手筈を考える。行き当たりばったりの作戦では危険が大きくなるばかりだ」

アントニオ 「ああ、生身じゃ無理だろうな。解放となると制圧できるだけのA:GuSがいる」

ボードウィン大尉(GM) 「ああ、こちらの侵攻に合わせて内側から蜂起を促すことができれば――いや、そこまで叶わなくとも、当社に救出の意志がある、ということを伝えるだけでも、彼らにとっては救いになるはずだ」

ヨルノハ 「……解りました。少しでも助け出せる可能性が上がるなら、私はこの仕事、やりたいです」

レン 「ダニーさん……」 判断を仰ぎます。

ダニー(GM) 「……………」

ケイン 「どうしますか、オーナー?」

ダニー(GM) 「……正直、商船の乗組員に頼む仕事じゃないよ」

アントニオ 「そうだな。だが断っても突っ込みそうな奴もいるぜ?」

ダニー(GM) 「……みんな、もっかいだけ考えてくれ。今回はガチで危険だ。これまでの比じゃない。断っても恥じることはないんだ」

一同 「……………」

ダニー(GM) 「……それでも、受ける、という者は?」

ヨルノハ 「勝手なことを言ってごめんなさい。……でもどうしても、何があっても、マヒル君の家族や、苦しんでるみんなを救いたいんです……!」
カイル(GM) 「僕も……! この中でジュラ語が喋れるのは僕とねえさんだけだ! 僕だって役に立ちます!」

レン 「ヨルノハちゃんとカイルくんだけいかせるわけにはいかないです! 私もいきます!」

ケイン 「若い衆が暴走しないよう、保護観察役としてついていくさ」

アントニオ 「ダニーがいけない以上。面倒は俺が見るっきゃねーだろ?」

ダニー(GM) 「……解った。――大尉。この仕事、お受けします」

GM ダニーは、苦渋の顔でボードウィン大尉に向き直り、大尉は神妙な顔で頭を下げるのでした――。



■ 潜入作戦! ■

GM てなわけでオープニングも終わって、ようやく任務の内容です。

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GM 【部隊情報】【コンタクト】【潜入調査】の3つのクエストを達成すればクリア、他の3つはサポートって内容ですね。

ケイン 全4Rで最低17かー。

アントニオ 21成功すれば大もうけだな。

レン 4R×4人だと16手番。得意分野で頑張らないといけない感じですね。

GM 今回戦闘ないから、LPは使い切ってokだ。

ヨルノハ でも、追加でイベントが出るかもですし、サポート系も溜めておきたいですね。

GM そうそう、ジレ爺ちゃんもサポート役としてついてきます。

一同 ジレ爺ちゃん!

ジレ(GM) 「昔取った杵柄です」

アントニオ 爺さん、何者だよ。(笑)

GM ふふふ。……あと、ウィリーのサポート能力ですが、こちらはカイル君がウィリーのもってきたお弁当など持参したってことで、カイル君が処理する形で使ってok。ただし、例によって1回/Mね。

アントニオ ふむ……。俺は【部隊情報】を3回で7成功が目標か。

レン 私は【コンタクト】と【潜入調査】なら4と3でいけます。

ヨルノハ 私は初回【休憩/補給】をして、2Rめから【コンタクト】か【部隊情報】にいきますね。


GM ……てなわけで。WW社の防衛線から、スナトカゲを使い、こっそりと目的地へと向かった君達。周辺は黒塗りのA:GuSによって厳重に警戒されていたものの、さすがに夜陰に乗じて走るスナトカゲの一匹一匹までは目が行き届かず、なんとかマヒルの案内する脱出口にやってきたよ。

マヒル(GM) 『……良かった。まだ、塞がってなかった』

ヨルノハ 『これで中に入れそうね』

マヒル 『みんな、僕が救援を呼んでくるって信じて待っててくれてたんです。……いきなりみんなで脱走したら、たくさん犠牲者が出るから……』

ヨルノハ 『案内ありがとうね』(よしよし)

GM マヒルはぐしぐしと涙ぐんじゃう。

アントニオ 「さ、できるだけのことをしようぜ。食料なんかも渡せる分は置いていくからな」

ケイン 武器も置いていくんだったか?

下士官(GM) 「うっす。持ち運びが用意で隠しやすいものだけっすが……今回のコンタクトが成功したら、もっと運び込むことも検討するっす!」

ヨルノハ 「それだけでもありがたいですっ」

GM じゃ、今日はRound1まで進めちゃおうか。行動順は素のイニシア値順で、ヨル→アントニオ→レン→ケインとしましょ。

一同 はーい。


■ Round1 ■

ヨルノハ では、まずは【休憩/補給】でバックアップ体制を整えます。

GM おけー。判定どうぞ!

ヨルノハ 〈医療〉Lv3で……[0,2]! 3成功ですっ!

GM ゲエエ。やる気に満ちてるじゃないかヨルノハ……!

ヨルノハ 「医薬品と食料、ちょっと目立つくらいかもしれないので隠し場所も探しておかないと……」 中身を1つ1つ確認しつつ、医療箱にしまっていく。

レン 「捕らわれている人にも持っていこう!」

ヨルノハ 「ええ!」

GM ヨルノハは潜入に備えてしっかりと準備を整えるのだった――ってことで次!


アントニオ 〈交渉[軍]〉で【部隊情報】だ。[9,2]で2成功。

レン やったねー。

アントニオ ……いや、ここは稼いでおきたい。LPで9を振り直す。

GM ジレ爺ちゃんは使わない?

アントニオ LPは6点もあるからな、まずは自前で。……[4]か。もう1点使って3成功に。

ケイン いきなり注ぎ込むな。

アントニオ 後が楽になるからな。

GM うむ。ではアントニオは労働者に混じってムチ打たれて働きつつ、目ざとく敵の部隊内容を特定できる情報を探るのだった。

アントニオ 「ぐぇええ!」


GM では次、レン。

レン 【コンタクト】を〈探索/調査〉で……わーんー! 4Lvなのに[8,9]で失敗ー!

GM 爺ちゃんの使い時だね。

レン こここそジレさんだー! [3,6]で2成功ー!

ジレ(GM) 「レンさん! 危ないですぞ!」

レン 「え?」

GM ジレがこそっと言ったそばから、敵の臨検隊が通り過ぎていく。

ジレ(GM) 「ふう、なんとかやり過ごしましたな」

レン 「ありがとうです、ジレさん!」

ジレ(GM) 「逸る気持ちは解りますが、周囲の警戒を怠ってはなりませぬぞ。ここは敵地。後ろにも目をつけるくらいに警戒するのです」

レン 「わかりました!」 ……あっ、まだLP使えますか? 6も振り直したいです。

GM 良いでしょう。

レン 振り直して……[1]!

ヨルノハ 出目が強い!

レン わーいー。


GM じゃ、次はケイン。

ケイン 【潜入調査】を〈欺瞞/偽装〉Lv2で……げっ、[9,6]で失敗……。

アントニオ 爺ちゃんかな?(笑)

ヨルノハ やはりジレさん、頼りになる。

ケイン じゃあ、使わせていただけると。(笑)

GM そうだな、爺ちゃんばかり目立つのもナンだから、ここは下士官たちが頑張ったことにしよう。(笑)

ケイン 「恩にきる」 ……[8,5]かぁ。

GM 前の6と今の5と6で11。1成功はいったね。

ケイン 8を振り直してみる。……[4]で変わらず。残念。


GM で、1Rめ終わりかな。

レン あ、思ったのですがウィリーさんでサポートを先にした方がいいかもです。みんなLPどんどん使ってますので。

GM そうだね。大分技能Lv上がってるから、振り直しするより、大事なところで出目を操作して2成功、3成功を確定させる方が強い感だ。

ケイン 【サポート】は〈交渉[軍]〉と〈電子機器〉か……誰がやれる?

ヨルノハ 私はどっちも……!

アントニオ 俺が〈交渉〉3Lvある。

GM おお、この分野はアンちゃんの得意だったか。

アントニオ 任せてくれ。……よぉし、[1,3]で3成功!

GM えええ。

ケイン みんな出目いいな~。

アントニオ 「いてててて。……やっぱ労働者に混じるのはキツいぜ。もうちょっとバックアップの準備を整えておこう」

GM ウィリーの役はカイルが担当したことになってるので、カイルがアントニオの怪我の手当てなどしつつ。

カイル(GM) 「うぅ、あんなひどい……! こんなの、ひどいです……! アントニオさん、がんばってください! みんなのこと……頼みます!」

GM と、懇願するのであった。

アントニオ 「ああ、あいつらの情報はきっちり集めておくさ」

GM そういや、カイルとアンちゃんこれまであんまり絡んでなかったな。絡めてよかった。

アントニオ 俺、ダニー担当だからな。(笑)

GM 担当決めなくてよろしい。クルーはみんな家族!(笑)


GM おっと、そういえばケインの調査結果を演出してなかったな。

ケイン そういえばそうでした。

GM ……じゃ、最後にケインと下士官のやりとりをちょっと巻き戻ってやっておきましょ!

下士官(GM) 「こりゃ、思った以上に大規模な作業っすね。……200人は動員してるっす。こんなん、さすがに今の砂海の状況だからって許されることじゃないっすよ」

ヨルノハ 200人も……!

レン ジュラ族と、北部支社で捕虜になった人でしょうか。

GM そんな感じだね。

ヨルノハ 私とカイルもバロ山地の近くに住んでたし、もしかしたら私たちもここで強制労働させられてたかもしれない……。

GM ……ま、これは今後もゲーム中は出てこない情報だろうから言っちゃうが、黒スワン部隊はバロ山地近くにあるポラリス市近隣でマッチポンプのための隠密行動してたのだが、ついでに強制労働に必要な人間狩りもしてたんですなあ。

ヨルノハ ひどい……!

GM 北限支社に取り残された捕虜は数十名ってとこなので、強制労働に従事しているのは7割方ジュラ族だ。

ケイン 「敵の目的が何なのか見えてこないな……」

下士官(GM) 「……外聞を無視してでも、掘り返さなきゃならんなにかがあるってことっすよね……」

ケイン 「あぁ。……もう少し探って、そいつの情報を探り出さないとな。バックアップ、よろしく頼むぜ」

下士官(GM) 「了解っす。……それにしても、みなさん頼りになるっすね。民間とは思えないっす。一応オレたちもWW社の所属だから民間っすけど」

ケイン 「俺より他の奴の方が動きが良いがな。……これじゃあお目付け役を買った意味が無いってもんだ」

GM ……てなわけで、すったもんだの末に潜入作戦まですることになっちゃったリトルラックの面々。果たして敵の目的はなんなのか? そしてラックはどのように関わっていくことになるのか? いろいろなことが明かされる後編も期待してくれよなっ!

一同 は~い!

to be continued......

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