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第4話-轟け! 熱血自由団!!-後編

Climax Phase-02
■■■ 死闘の果てに ■■■


■■■ Round5 ■■■


ミーファ 一応【エンサイクロペディア】!

GM もちろん、噂のレライエ先生ですよ!

一同 ですよねー。


 と、いうわけでレライエの登場。とにかくレベル10とは思えないとんでもないスペックの鬼エネミーである!


GM ディブロウも生き残ったし、ここからが本番だぜえええ!

ミーファ 殺意高すぎるよ!?

GM そっちのセットアップだけど、【陣形】使う?

一同 うーん。

ミーファ どっちにしろレライエは【クローズショット】持ってるし……。

※【クローズショット】……同エンゲージの対象に射撃攻撃を行うレンジャーのスキル。

アッシュ ディブロウを倒さないと、【陣形】使っても僕はレライエにエンゲージできないんだよな……。

トーリ ディブロウを集中攻撃して何としても倒すしか手は無いね。

チロル なので、陣形は使いません。

GM ならばレライエから。弓使い同士気が通じたのか、目標はトーリ。

トーリ またそれ?(笑)

GM 【クイックアクション】でマイナーを増やして、【イーグルアイ】と【シュアショット】。メジャーで【ダブルショット】だ!

※【クイックアクション】~【ダブルショット】……まぁ、要するに超強い二回攻撃ってことだ!

トーリ 当然【インタラプト】だよ! まてまて、撃ち方やめー!

レライエ(GM) 「やむをえぬ」

ミーファ かっこ良いな……。

アッシュ 何が通じたんだ……?

GM ディブロウ。チロルに【マススラッシュ】……クリティカルしねえ!

チロル 中央エリアに呼び込む作戦大成功! 私も回避できないけど。(笑)

GM くそ、ダメージは38点。ちっくしょ、こいつレライエと比べると同じレベルなのにものすげ見劣りすんなぁ。

一同 そりゃあね。(苦笑)

チロル 【プロテクション】と合せて28点止め。もー、怒ったから!

トーリ こっちの番! ディブロウ、落とす! いつものコンボに【ブルズアイ】を使用! 合計55点!

GM まだ生きてらぁ!

ミーファ 次、私とアッシュだけど、今回は私が先に行きます! 【ファイアボルト】で、44点!

GM ぐっ……。3点オーバーで落ちた! さっきからぎりぎりで倒しやがって~!

トーリ なーいす!

アッシュ よし、レライエに接敵……は、まだできないからマイナーで中央エリアに移動。メジャーでMPポーション。

チロル 私はマイナーはなしでメジャーで【ジョイフルジョイフル】をミーファ姉ちゃんに。

ミーファ えええ。私、もうズタボロなんだけど。(笑)

チロル じゃあ、私とアッシュ兄ちゃんに【ウォーターウェポン】を頂戴! レライエは物理防御高すぎるから!

ミーファ むー。5体目が気になるけど、まあ、魔法防御の方が高いエネミーはそんなにいないと信じて、【マジックブラスト】+【ウォーターウェポン】! これでHP6、MP8。(笑)

アッシュ さんきゅー、ミーファ!

ミーファ いろいろ瀕死。(笑)

GM クリンナップフェイズ。おっと、また北エリア。

ミーファ 今度は誰よ!?

GM 出てきたのは……クレイブ伯爵です。

一同 おいーーーーー!?

クレイブ伯爵(GM) 「ふふん、なかなか楽しんでるようじゃねえか。どぅれ最後は俺が相手してやらぁ! かかって来いや!」

アッシュ 高みの見物じゃなかったのか!?

ミーファ ごっ!(殺意の炎) やる気出てきた!

GM: レイブ伯爵は2本のレイピアを抜き放ちます。

ミーファ ……【ウォーロード】?

※【ウォーロード】……ウォーリアの上級クラスで、二刀流が特徴。

■■■ Round6 ■■■


GM クレイブ伯爵の識別値は18です。

ミーファ 踊りつつ【エンサイクロペディア】。(ころころ)成功!

GM 12レベル妖魔のヴァンパイアナイトです。【ディフェンスライン】に【ブレイクスラッシュ】、【属性攻撃:闇】で回避しつつ確実にダメージを与えるタイプですよ。

※【ディフェンスライン】……命中判定で回避判定を代替するウォーロードのスキル。
※【ブレイクスラッシュ】……【プロテクション】等の防御効果を無効にするナイトのスキル。

ミーファ なんでウォーロードとナイトのスキル両方持ってるのよ!(笑)

チロル 人には達成できない世界にいるんだね……。

GM エネミーだから~♪ NPCだ~から~♪

アッシュ セットアップに【陣形】で、北エリアに移動! レライエと伯爵にエンゲージします!

ミーファ もう敵は出ないから、西エリアに移動。

チロル 私も北エリアに移動! それから、【ファイトソング】でトーリ姉ちゃんの【インタラプト】を復活!

トーリ あ、あー、待て待て。うん、言える。(笑)

GM セットアップ終了でいいかな? ではこちら。まずは伯爵。

クレイブ伯爵(GM) 「オラオラ~! ボサっとしてると切り刻むぞ!」

GM と、アッシュにマイナーで【ブレイクスラッシュ】、メジャーで攻撃。【妖魔の剣技】っていう固有技があるから、回避判定は-1Dだぜ!

アッシュ む、それはかわせない……!

GM ならば40点の闇ダメージ! 【プロテクション】は無効だ!

チロル あうー、【プロテクション】ができない~! アッシュ兄ちゃん気をつけてー!

アッシュ なんの、まだまだぁ!

GM 続いてレライエがトーリにさっきのコンボ!

レライエ 「先程の失態、取り返させてもらう!」

トーリ 【インタラプト】! 待ってー、まだその時じゃないよ。(笑)

レライエ 「ぬぅ、機を逸したか」

チロル トーリ姉ちゃんって、実は凄い人なんじゃないかな……?

ミーファ なんであんな上から言えるの……?

トーリ ふふん。実力だよ、実力。(と言いつつ冷や汗)

GM ではそっち。

トーリ レライエにいつもの! (ころころ)むむう、さっきから命中にフェイト使ってるのに、全然クリティカルしないなあ。

GM 意外と出ないのがクリティカル。突然出るのもクリティカル。……とりあえず、回避は失敗。

トーリ くらえ、新スキル【サドンインパクト】! 37点の防御無視!

GM 防御無視はいてえー!

アッシュ 次、僕! 【スマッシュ】+【ブランディッシュ】をレライエと伯爵に(ころころ)……って、何だこの出目!?

GM はっはっは、それなら【ディフェンスライン】を使うまでもない! (ころころ)……あれ?

チロル ……うわ。ひどい出目。

GM あれれれれれ? なんで伯爵もレライエもかわし損ねてんの!? わけわかんない!?(笑)

アッシュ あらら。

ミーファ 当たった。(笑)

チロル これが勇者の力?(笑)

トーリ GMの出目を操る勇者力なんて始めて見たよ。(笑)

GM 恐るべし、勇者力……。

アッシュ 棚ボタだけど当たった! 【ボルテクスアタック】を乗せて……って、8D+18で41点って低過ぎないかぁ!?

トーリ 勇者力、尽きたのかな。(笑)

ミーファ GMのダイス目を下げる能力みたいね、勇者力。(笑)

チロル アッシュ兄ちゃん、元気出して。(肩ぽん)

アッシュ とほほ。

ミーファ 私は待機します。

チロル じゃあ私!

クレイブ伯爵(GM) 「ヘイヘイ、カモーン!」

チロル お爺ちゃんは無視して(笑)、レライエにハルバードで攻撃!

レライエ(GM) 「受けて立つ!」

チロル 命中17と言って攻撃!

GM (ころころ)おし、出目5、6! 19と言って回避!

レライエ(GM) 「ふっ、まだまだよのう」

チロル くっそー、まだ怒り(【フューリーブラッド】)が足りないよ!

ミーファ 団長、【祝福】下さい!

アッシュ 承認! 【祝福】だ! 全員MP全快!

GM ひでー。

ミーファ ひどくない! 【マジックブラスト】+【ファイアーボルト】で伯爵とレライエを攻撃! 【マジックフォージ】も乗せて、45点!

GM どう考えてもひどいよ、ぜんぜん避けられないし!

クレイブ伯爵(GM) 「てめえ、やるじゃねえか!」

レライエ(GM) 「まだまだぁっ!」

トーリ うー、でもこれでラウンド終了。次はもう、レライエの攻撃止められないよ……!

チロル トーリ姉ちゃん……。(肩ぽん)

トーリ まだ死んでない!

ミーファ 一回は【ガーディアン】が使えるけど……。

GM さて、クリンナッププロセスですが。

一同 ん?

トーリ まさか、まだ出るの!?

ミーファ ちょっと待ってよ、エネミーは5体って言ったじゃない!?

GM 言いましたね。だからエネミーは出ません。ドアを蹴破って出てきたのは……近衛騎士のイグニスです。

イグニス(GM) 「勇者殿! すみませぬ、遅くなりました!」

一同 助けがきたーっ!(喜)

チロル 本当の勇者きたー!(笑)

トーリ 本当言っちゃあかんで、チロリン。(笑)

アッシュ きゃー、勇者サマー!(笑)


■■■ Round7 ■■■


GM イグニスは【スティールクラッド】や【カバームーブ】を使う防御型ナイトです。ダンサー経由で【エンカレッジ】【ダンシングヒーロー】も使用可能です。

ミーファ 頼もしい!

クレイブ伯爵(GM) 「ちっ、邪魔しやがって」

レライエ(GM) 「無粋な奴!」

ミーファ おだまりなさい! これだけひどいことしといて! 絶対に許しません!

クライブ伯爵(GM) 「まあいい、まとめて殺ってやらあ!」

GM とりあえず、セットアップは特になくて、伯爵の行動ですが。

ミーファ その前に【エンカレッジ】! アッシュ、【蘇生】頂戴!

アッシュ OK、【蘇生】承認!

チロル HPぜんかーい!

トーリ でもあたしは回復せず。実はゲーム始まってから一回もダメージ喰らってないんだよね。(笑)

ミーファ 【マジックブラスト】+【ファイアボルト】を北エリアに!

GM くそぉ、ミーファの魔術判定高過ぎだなあ。全然避けられん。

ミーファ 魔術判定命、だもんね。

GM ……ってゆうか、エネミー全般が回避は低めなんだよなあ。4D振られたらまず避けられない。まあ、個人的にエネミーが避けまくるって言うのは爽快感がないから、良いバランスだと思うけど。

ミーファ でもこっちもダメージリソースはもうないので、(ころころ)37点の火ダメージ!

GM あちちちちち! でもまだ死なないぞ!

チロル そこで騎士さん、【エンカレッジ】を!

イグニス(GM) 「了解です、さあ、ミーファ殿!」

ミーファ 了解! もう一回同じの、いっけー! (ころころ)37点!

GM うっし、両方ぎりぎり生きてる! ……てゆうか、レライエよりヴァンパイアナイトの方が死にそうなんですが、何故か。(苦笑)

一同 さすがレライエ……。

GM とにかく、こっち。アッシュに伯爵ことヴァンパイアナイトが【ブレイクスラッシュ】しつつ攻撃! (ころころ)当たって、33点!

アッシュ それは受けて、26点分【ソウルバスター】!

GM うぎぃぃぃ、そういやまだ残ってたぁぁぁぁぁ! 死にかけじゃぁ!

トーリ で、レライエだけど。

レライエ(GM) 「ようやくうぬを撃てるか!」

GM と、トーリにおんなじコンボ! 38と……2回目は【魔眼の射手】を使ってクリティカルに!

※【魔眼の射手】……射撃攻撃1回をクリティカルに確定するレライエの固有スキル。

トーリ フェイト使ってみるけど……やっぱダメ、全然避けれない。

GM 一発目に、【ダイレクトヒット】を乗せる! ダメージは47点!

※【ダイレクトヒット】……攻撃1回に対し、かばう/カバーリングを無効にするレンジャーのスキル。

ミーファ 【ガーディアン】!

トーリ さんきゅー!

GM 止められたが、2発目がある! クリティカル分含めて60点!

ミーファ イグニスさん!

イグニス(GM) 「トーリ殿、危ない!」

GM と、【カバームーブ】後に【アイアンクラッド】。29点止め。

チロル 【プロテクション】! 19点止め!

GM なら、防御力と合わせて完全に防いだ!

レライエ(GM) 「ぬう、今のを防いだ、だと……!?」

ミーファ やばい、格好良い! ときめきそう!(笑)

トーリ これは、惚れてもいい展開!? ありがとう、イグニス!

チロル アッシュ兄ちゃんにライバル出現?

アッシュ いやあ、僕じゃライバルにならんだろ。(しょぼん)

GM とほほ。全然抜けなかった。レライエ、意外にダメージ出なかった。

一同 いやいやいやいや!?

トーリ 超怖ろしいってば!

ミーファ 全力で止めたんだってば!

GM ちぇ。まあいいや。移動しても届かないので、とりあえずイグニスは待機。そちらどうぞ。

トーリ そろそろリソースがないけど、いつものをレライエに。(ころころ)命中19。

GM (ころころ)おっと、同値で回避成功!

トーリ まじでー!?

GM 6、5だよ、俺もびっくりだ。俺SUGEEEEE!

ミーファ アッシュ君、ヒーローになるチャンスよ!

チロル 【ブランディッシュ】だよ、兄ちゃん!

アッシュ よーし、行くぞー! (ころころ)命中18!

GM レライエは、(ころころ)無理。伯爵は【ディフェンスライン】。3D+10だから余裕で回避……(ころころ)って1、1、4だとぉ!?

トーリ うわぁ、勇者力爆発。(笑)

アッシュ 喰らえ! 32点の水ダメージ!

GM うう、それでレライエは落ち。

ミーファ やった!

GM (計算中)……ダメだ、伯爵も卒倒。(がっくり)

トーリ ちぇー! またアッシュにいいとこ持ってかれた!

アッシュ うわーん、よかったよーよかったよー!

GM ううう、何てことだ。てゆーか、ヴァンパイアナイト、魔法に弱すぎだ! 何だよ物理防御25/魔法防御8って!(笑)

チロル 【ウォーターウェポン】、大正解だったね。(笑)

トーリ ちぇーっ、勇者力はレライエのダイス目まで操作したんじゃないのー?(ぶちぶち)


 強敵との戦いに勝利し、浮かれる一行。
 ……しかし。
 GMはまだラウンドの終了も、フェイズの終了も宣言していない。

 そう。

 戦闘は、まだ続いているのだ……!


Ending Phase-01
■■■ 勇者の報酬 ■■■


GM さて、トーリさん。

トーリ はい?

GM 危険感知判定をしてもらえます? 目標値は13。

トーリ はぁ? (ころころ)15だから成功だけど?

GM ではトーリは気がついたよ。勝利に浮かれる君の背後で――誰かが大剣を振りかぶっている!

トーリ へ?

ミーファ はいぃ!?

アッシュ 何事!?

GM マイナーで移動、メジャーでトーリに【バッシュ】! 命中は26! 気がついたので回避は試みていいよ。

トーリ んなこと言われても、26は、無理だよ!

GM では、【ボルテクスアタック】も乗せて、77点!

トーリ 死ぬ死ぬ!

チロル ぷ、【プロテクション】はできる!?

GM 感知してみてちょ。

チロル 11で失敗……。

GM では、君は背後の気配には気がつかなかった。ずんばらりん、とトーリは斬られてしまいました。

トーリ きゃーーーーー!?

GM 勝利に浮かれる君達の耳を、トーリの悲鳴が劈いた。

チロル やったー! って、トーリ姉ちゃん!?

アッシュ なんだっ!? どうなってんだよ!?

GM もうお気づきだよね? トーリを斬ったのは、イグニスだ。

ミーファ い、イグニスさん、何を……!?

GM イグニスは、倒れ臥したトーリに剣を突きつけ、いつでもとどめをさせる態勢をとります。

アッシュ や、やめろーーーーーっ!

イグニス(GM) 「動かないでいただきましょう。……勇者殿」

アッシュ くっ、仕方ない。自制する。けど……!

GM 睨みあう君達の傍で、兵士達が伯爵の懐を探ります。

兵士(GM) 「イグニス様、『神器』の欠片を発見しました!」

GM イグニスは鷹揚に頷くと、アッシュに向き直り。

イグニス(GM) 「勇者殿、聖剣をお渡し下さい。……でなければ、この娘の命はありませんぞ」

アッシュ わけが解らないっ! どういうことですか!?

イグニス(GM) 「お答えする義務はありません。おとなしく言うことを聞いて下されば、命までとろうとは思いませぬ。どうぞ剣を……」

GM と、言いながら剣をトーリの首筋に……。

チロル と、トーリ姉ちゃん、血がいっぱい出てるよう……。(泣)

トーリ あたし死にかけだよ……。

アッシュ ……トーリの命には代えられない。剣は渡しますよ。でも、せめてどういうことなのか……。

イグニス(GM) 「……………」

GM イグニスは、アッシュの問いには答えません。

チロル トーリ姉ちゃんのところに近づこうとするけど……!

ミーファ ダメよ、チロルちゃん!

チロル だって、だってー!(じたばた)

アッシュ ちくしょーっ! 剣をイグニスと自分の間の地面に叩きつける!

GM イグニスは、剣を兵に拾わせると、沈痛な面持ちで言います。

ミーファ 沈痛……?

イグニス(GM) 「あなたがたには、理解できぬ事情もあるのです。どうかもうこれ以上『神器』の件には関わりますな」

GM そしてイグニスは、兵達と共にその場を後にします。

ミーファ ……本心からしていることじゃ、ないのかな?

チロル ミーファ姉ちゃん、早くしないとトーリ姉ちゃんが!(じたばた)

アッシュ ばかやろーーーーーっ!

トーリ と、とりあえず助けてー! 【ヒール】下さいー!


Ending Phase-02
■■■ 聖剣の真実 ■■■


GM トーリは応急処置を受けて、とりあえず起き上がって良いですよ。

トーリ ほっ。

GM で、ですな。呆然としている君達の後ろで、惚けた声がするのです。

アッシュ う?

クレイブ伯爵(GM) 「ちっ、まんまとしてやらわれたぜ。マクファーソンの小倅め。最後の欠片を手に入れる瞬間を狙ってやがったか」

一同 伯爵!?

GM いえす。クレイブ伯爵がむくりと起き上がります。

クレイブ伯爵(GM) 「おっとっと、もう荒事はなしだ。……悪ィな、力試しのつもりだったんだが、とんだ邪魔が入っちまった」

ミーファ 急にいい人になったふりしても騙されないぞ。(ぼそっ)

クレイブ伯爵(GM) 「まあ、そう言うな。こちらにも色々事情があんだよ」

GM と、伯爵は頭ぽりぽり。

アッシュ ……話を聞かせて下さい。

クレイブ伯爵(GM) 「……見ての通り、俺らは魔族だ。俺も他の連中も、魔族ちゅうことで昔は人間とは敵対していた」

ミーファ 警戒するけど、続きを聞くよ。

クレイブ伯爵(GM) 「……だが、100年も前になるが、『魔導師』と『聖剣の勇者』が人間の振りをして暮らせるよう、この領が手に入るように取り計らってくれたんだ。俺らにとって、二人は恩人だ。だから『勇者』の遺志を継ごうという奴がどんな奴か、ちぃとばかし力を試してやろうと思ったってわけよ。どうだ? 迫真の演技だったろ? げへへ」(笑)

ミーファ ええ。あまりに上手過ぎて今もファイアボルト撃ちたいくらいです。(にっこり)

トーリ 約1名、ガチであたしを狙ってた気もするけど。

レライエ(GM) 「結局一度しか撃てなかったぞ」

ミーファ わぁ! 生きてる! まだいた!

トーリ こいつ生きてる~!?

GM 誰もとどめさすって言わなかったじゃん。

トーリ 何度も撃たれてたら、あたしは3回くらい死んでたよ!

レライエ(GM) 「許せ。こちらもとどめを刺すつもりはなかった」

トーリ まあ、実際死にかけたのは別の人の一撃だったしね……。

GM ザガンとかニクネヴェンとかも起き上がって、【ヒール】したり怪我の手当てを手伝ったりしてくれますよ。

ミーファ でも、そういう風に言うということは、イグニスさんがなぜあんなことしたか知っているんですか?

クレイブ伯爵(GM) 「マクファーソンの小倅は、ルク王に頭があがらねえ。恐らく、全てはルク王の謀りごとだ。奴め、島を救う手柄を横取りしようというつもりだろうな。ったく、浅ましい奴だぜ」

ミーファ あ、あんの王様ぁぁぁぁぁ!(怒)

チロル こ、怖いよミーファ姉ちゃん。

アッシュ 手柄か……そんなことの為に……。

クレイブ伯爵(GM) 「四つ目の祭壇についても、既になにがしか情報を得ているに違ぇねえ。遅かれ早かれ、ルク王の手で島の精霊力は取り戻されるだろうよ」

ミーファ でも、こんなことをする人、ただ黙って許すなんて嫌です!

トーリ かばってもらったときのトキメキと、後ろから突然斬られたときのあの絶望……ちょっと借りを返してやりたい気分だよ。

ミーファ まあ、イグニスさんは命令でやったんだと思うから……と気づかないうちにフォローを。(笑)

チロル あの騎士、私達を騙してたんだね! 酷いよ!

アッシュ 僕も正直、わざわざ僕らを勇者待遇しといて、あんな風に裏切るなんて許せない!

チロル 怒りレベルMAXだ!

クレイブ伯爵(GM) 「ふん、根性はすわってるみてぇだな。なら良いことを教えてやろう」

トーリ ? 何かな?

クレイブ伯爵(GM) 「最初、お前らを『偽者』と言ったのを覚えてるか?」

ミーファ ええ、しっかりと。(笑)

アッシュ 覚えてます。どうして決め付けるんだ、って思いましたから。

クレイブ伯爵(GM) 「なんでかっちゅーとだな。お前の持ってたあの剣――ありゃ『聖剣』なんかじゃねえ

一同 えええ!?

トーリ ふむ、やはりな。(爆笑)

GM って、なんで知ってる顔してんだよ、トーリ!(笑)

チロル トーリ姉ちゃん知ってたのお!?(笑)

ミーファ なんでいきなり賢者キャラに!(笑)

トーリ いやま、言ってみただけ。(笑)

GM と、とにかく、だ。

クレイブ伯爵(GM) 「俺は『勇者』が『聖剣』を振るうのをこの目で見たことがある。間違いない、お前の持ってた剣は『聖剣』じゃねえ」

アッシュ そうか、どおりで柄が変な色してると思ったぜ!(爆笑)

一同 お前、気に入ってたじゃねーか!(笑)

アッシュ 変な色だから気に入ってたんだよー。(笑)

クレイブ伯爵(GM) 「お前達、あの剣をどこで手に入れた?」

チロル えっと、どこだっけ……?

ミーファ 忘れてる!(笑)

チロル 違うよー、骸骨のおじちゃんにもらったことは覚えてるのー!

トーリ とにかく、かくかくしかじかで村の近くの遺跡で骸骨騎士からもらった、と話すよ。

クレイブ伯爵(GM) 「ならその骸骨騎士のところに行ってみろや。『聖剣』のこと、なにか知ってるかもしれん」

ミーファ あの、伯爵。『魔導師』さんのことを知ってる、って仰ってましたよね?

クレイブ伯爵(GM) 「おう。俺ら魔族にとっては恩人だ……」

ミーファ じゃあ、なぜ『神器』を壊すなんてひどいことをしたのか、知ってるんですか?

クレイブ伯爵(GM) 「それは――俺らにもわからん。そもそも『聖剣の勇者』と『魔導師』は、共に旅をしている仲間だった。俺は二人と面識があるが、二人は固い絆で結ばれているように思えた。『魔導師』が何故あんなことをしたのか、なぜ『勇者』と戦う羽目になったのか。その辺りのことはまったくわかんねーんだ」

トーリ 『神器』は元々島にあったんだよね?

GM ですね。……と、クレイブ伯爵の台詞がまだ続くんだった。

クレイブ伯爵(GM) 「ただ、『魔導師』が『神器』を破壊したとき、その場にいたのは『聖剣の勇者』だけだ。……あまり考えたくはねえが、『勇者』が失器の罪を『魔導師』に着せた可能性も否定できねえ……」

アッシュ ……骸骨騎士に会いに行こう! そこではっきり聞いてやる!

トーリ よく考えると、あいつに初めて会ったときは、私達、『勇者』のことも『聖剣』のことも全然知らなかったんだね。

アッシュ ところで、王はあなた達が魔族だって知ってるんですか?

クレイブ伯爵(GM) 「ん? いや、知らなかったはずだぜ」

アッシュ じゃあ、今回イグニスに姿を見られて大丈夫なんですか?

クレイブ伯爵(GM) 「まずいはまずいが、あれだけ派手にやられて見せたからな。退治したと思ったんじゃねえか? まあ、ダメだったとしても、俺だけ姿を隠せば、他の連中は人間のときの姿を見られたわけじゃないからな」

トーリ みんな、普段は人間の姿してるのか。(笑)

ミーファ レライエとか絶対ちょんまげ姿でしょ。(笑)

レライエ(GM) 「そんなことはないぞ、ほれ!」

GM と、レライエが変身すると、そこにはざんぎり頭のおっさん登場。

レライエ(GM) 「どうだ、文明開化の音がするだろう! ちょんまげなんて時代遅れだぜよ」(笑)

アッシュ まあ、戦いでボロボロにされた僕達が心配するようなことじゃないか。

ミーファ そうだね。(笑)

アッシュ でも、僕らこの先、多分王様に反抗するような行動とるだろうし、村の人に迷惑がかかるのはちょっとね。

クレイブ伯爵(GM) 「まあ、その件に関してはすまなかったよ。お詫びと言っちゃあなんだが、わしの溜め込んできたアイテムの類いを持っていって構わんぞ」

GM てわけで、マジックアイテムも含めて、各人レベル6までのアイテムを一つずつ持っていってよいですよ。あと、次回までに領内で普通に買い物はできるので、普通のアイテムは自由に購入して構いません。

一同 お~。


Ending Phase-03
■■■ 王者の誇り ■■■


GM ――さて、最後にマスターシーンをして今回のシナリオは終了です。


 ファージアス王城の一室。神器の欠片と聖剣を手にしたルク王が、イグニスを前に乾杯している。

ルク王 「趣味の悪い剣だ。これが聖剣とはな……」

イグニス 「……陛下、これで良かったのでしょうか?」

ルク王 「何を言う。お前も祖先の失態を回復するチャンスと言うたではないか」

イグニス 「しかし……」

ルク王 「この一〇〇年、代々のファウゼン王が島の混乱を治めるためどれだけの心血を注いできたことか……! 先代も、先先代も、この私も! 誰よりも島の為に尽くしてきたのだ! あのようにお気楽な田舎者共が、したり顔で勇者を気取るなど我慢がならん!」

 ルク王は、手にしていたワイングラスを床に叩きつける。

ルク王 「英雄となるは、英雄王ファージアスの子孫たる我こそが相応しいのだ」

イグニス 「……………」

ルク王 「……全島に布告を出せ。一週間後の吉日、『光の中』――すなわちこの大陸の中枢たる神域――『王家の墓所』にて、この私、ルク・デュラ・ファウゼンの手で、島の精霊力を回復する儀式を執り行うとな!」

イグニス 「御意……」


 ――やっぱり世の中そんなに甘くなかった!
 さらば、勇者様勇者様とちやほやされた日々。

 救国の手柄を横取りしたのは島の最高権力者。
 果たして、お気楽四人組に勝機はあるのか?

 そして、真の聖剣の力とは?
 『神器』を巡る四人の冒険は、いよいよ佳境を迎える――


Mission4
―― 勤しめ! 熱血自由団! ――
End 

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