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第5話 リトルラックは希望に縋る-後編

■ 潜入作戦・後編 ■

■ Round2 ■

GM ……さて、後編です。マヒル君の懇願と、ボードウィン大尉の要請に従って、北限支社付近のブラックスワン支配地域へと生身で向かった君達。地下道を通って強制収容所へと潜入した1Rめが終了したところで終わっていました。

ケイン 思い出しました!

ヨルノハ はいっ!

GM 事前に告知していた通り、今回はA:GuS戦闘はしない予定ですので、とにかく今あるクエストをクリアしていってくれたまい。

レン むむ、でも脱出後に対人戦闘はありそうですねー?

GM そうだね、では、それに関わるクエストが新たに開示だ。

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GM ぶっちゃけ調査が終わっても、そのあと脱出しなきゃならないので、その、こちらがクリアできてないと……いろいろ損します。

アントニオ なるほどなー。

ケイン 了解です!

GM えーと、前回から基本のイニシア値順で行動してもらってたっけ?


 この回、メンバーの予定が噛み合わず4週も間が空いてしまったため、前回のリソースなどがちょっと曖昧だったりする。進めやすさ優先で処理しちゃったが細かいことはいいっこなしだぜ!


GM うーん、思い出せん。(笑) ログ辿るのも時間かかるし、コマの並び順でいいかい?

アントニオ 構わんよ!

GM じゃ、ケインからよろしく!

ケイン では【潜入調査】を続けます。〈欺瞞/偽装〉2Lvで……おっ、[2,2]で3成功!

レン すごいー。

GM うそーん!

ケイン うしっ! 前回イマイチだったからな、挽回できたぞ!

GM なんか演出を挟みたいけど、まだ半分くらいだからなー、特に何も用意してない。……とりあえず、ケインも敵の軍人たちにビシバシムチでしばかれながら強制労働してもらいましょ☆

ケイン 了解です、クリア時に演出してもらえれば!


GM じゃ、とりあえず今回はサクサク進めよ! 次はレン~。

レン 〈探索/調査〉Lv4で【コンタクト】です。……[9,4]で2成功ですね。

GM うむ。これで5達成。無事にジュラ族、マヒルの両親たちとコンタクトすることに成功したな。

マヒル(GM) 「ナサトガ! アレマハ!」

GM ……レンにはマヒルの言葉は解らないが、どうやら父母に再会できたことを察せるね。

レン 「良かった。このまま色々と話を聞こう!」

マヒル父(GM) 「救援アリガトヲ、私、西方語チョトワカル。助ケ、感謝。デモ、我々ミンナ体力ノ限界。助ケル、頼ム」

レン 「武器や食料を持ってきました。後ほど奪回作戦もしますから、それに呼応していただければー」

マヒル父(GM) 「理解シタ。デモ、困ッタ。我々、何人カデブロックワケサレ、相互ニ連絡、トレナイ」

GM どうも、敵さん、相互に協力できないように数名のグループごとに管理しているようだね。

アントニオ むむ、厄介だな。

ヨルノハ 直接渡してしまうと目立ちそうだし、どこかに隠して保管場所だけ伝えておきましょうか?

レン 「他のグループにも連絡できたら連絡しますね!」 .……たぶんあと達成値2の部分だと思われますので。

GM ご名答。(笑) さらに他のグループにもコンタクトできたら、もっと成功率があがるよってことで報酬もあがるって態。

一同 了解~。


GM 次、ヨルノハー。

ヨルノハ 【臨検】をやっておきましょう。

GM ざっざっざっ……臨検部隊が見回り中。あやしい連中はいねがー。

ケイン なまはげスワンだー。

ヨルノハ んー、でも、どんな風にやるのか浮かんできませんね。

GM まぁ、どの技能で挑戦するにしても、判定で成功した以上はこじつけでごまかせたことにするから。

ヨルノハ はーい。とりあえず【医療】で判定。3-2Lvで……[1,4]で2成功!

アントニオ 持病の癪が。

GM 仮病で誤魔化す?

ヨルノハ えーと、医療物資を届けにきた感じで一言二言くらい挨拶してぺこぺこしながら通りすぎようとします……!

GM まあよいでしょう。(笑)

スワン兵(GM) 「あんな衛生兵いたかな?」「徴集した現地民だろ」

ヨルノハ 「こちらに置いておきますので~」

スワン兵(GM) 「おう、置いとけ。……おっ、要請しといた薬が入ってるじゃねえか、助かるな」「作業始まってからこっち、ずっと地下暮らしだからな……おかしくもなるぜ」

GM ……とかなんとか言ってるのを耳にしたりしつつ、ヨルノハはなんとかやり過ごしたのだった。
 あ、このクエスト挑戦したときダメージなので……(ころころ) 出目[1]なのでHP3点減らしといてね。

ヨルノハ はーい。


GM では2Rめのラストはアンちゃん。

アントニオ ま、【部隊情報】だな。〈交渉[軍]〉3Lvで……[7,5]か。

GM 1成功かな。

アントニオ サポートを2点使って2成功にしておこうかな。

GM ほい。ではこれで【部隊情報】も目標達成。アンちゃんは厳戒態勢の市街地へ夜陰に乗じて潜入したとかそんな感じ。

アントニオ 「ふー、こんなところで軍で受けた訓練が役に立つとはな」

GM A:GuSについては2個中隊。中型艦2隻、小型艦4隻、A:GuS30機くらいの編成だ。

アントニオ 機種の構成は解るかな。

GM 大部分は黒塗りに統一されたワイルドグースやソードマン。いかにも軍隊って感じで、機体統一されてる感だ。

アントニオ 中量級ばっかりじゃねーか。……しかしよくこれだけ同機種を揃えたもんだな。

GM 規格が似てて整備性が高いんだよね。

アントニオ 整備性は大事だなー。

レン しかも使いやすいと評判の2機種です。

実はついてきてた下士官(GM) 「やっぱ、裏にプラデュー市軍がついてるっていう予測は当たってそうっすね」

アントニオ 「傭兵だと混成が普通だしな。これだけ揃えられるのは、まとまった資本がないとな」

GM とはいえ厳戒態勢中なので、さすがに部隊の全機種をチェックするとこまではいかないね。より詳しく調べるなら残り2分もクリアしてちょ☆

アントニオ 了解だ。


■ Round3 ■

GM さて、残り2R。とりあえず任務達成はいけそうな気配だけどどうなるかな?とりあえず、ケインから手番どうぞ!

ケイン 引き続き【潜入調査】を〈欺瞞/偽装〉で。……[4,6]で1成功か。LPを使って2成功にしておきます。

GM おけ、これで6段階まで。ケインは作業員に紛れ、工事に従事――。

ケイン そろそろ目的が見えてきますかね?

GM そうだね、どうも土を掘り返して外に捨てていることはわかるんだが、捨てた土の方は放置している。

レン 水がでてくるか、何か埋まってる?

GM うむ。一方で、支社が管理していた水源管理施設なんだけど、こちらはほとんど目立った作業をしてない。

ケイン ……水が目的じゃない、ってことか。

監督(GM) 「さっさと動け! お前らなんか幾らでも代わりはいるんだ! 工期が遅れれば、二度と太陽は拝めないからな!」と、高圧的に喚き散らす現場監督。

ケイン 「太陽が見たいよ~」と演技を入れながら作業を続けよう。


GM 次はレン~。

レン では【コンタクト】を……わーいー[1,0]で3成功、7まで達成ですー。

GM うーむ、では完璧にコンタクトとれた。

レン 身を低くして、潜入するのです

カイル(GM) 「……レンさん、すごいですね。あんな狭い穴にするする~って入り込んで」

レン 「ケインさんとかみたいに、身体が大きいわけじゃないから、カイルくんも同じようにいけるよ!」そういいつつどんどん他のグループの方に。

GM うむ、レンがするするとコンタクトをとりつけたことで、時あらば蜂起する準備は万端整った!

レン ではマヒルパパにもそのことを伝えて戻ります。「連絡もしてきたから、これでいつでもいけます!」

下士官(GM) 「調査が終わった後も、ウチらが地下道に残って、連絡役をするっすから、みなさんはこの件を大尉にご報告くださいっす!」

レン 「お願いします!」


GM ではヨルノハ。

ヨルノハ 先ほど臨検で衛生兵として紛れ込んでいけた……? ので、それでいくつか情報ありそうな場所を回った、ということで【部隊情報】に。

GM ほいほい、きたまえー。

ヨルノハ 〈分析〉2Lvで……[5,4]。LPを使って4を2に。

GM むむ、これで7まで達成だ。

ヨルノハ 「うまく衛生兵として紛れ込めたので……比較的動きやすいですね」と、きょろきょろ。

GM ふむ、ではヨルノハは、部隊が司令部として使っているサンドシップに近づく。そこには、ヨルノハは多分今までに見たことのない、曲線的なシルエットを多用した機体が3機、並んでいる。

ヨルノハ これは……!?

GM いわゆる、第3世代A:GuSと呼ばれる超高性能A:GuSだ。

アントニオ 第3世代! 欲しい!

GM もし、この場にケインがいたら――それがワイルドスワンと呼ばれる機体であるとすぐに気づいたことだろう。

レン 硬くて汎用性ある機体さん!

ケイン い、いやがったか――!

GM おっと、この情報はインターミッションまでは共有されないものとしてくれ。ここで暴走されても困る。(笑)

ケイン 了解です。(笑)

GM ちなみに3機ともそれぞれ微妙に兵装に違いがあるよーです。

ヨルノハ 「……強力な機体を用意してるみたいですね。……見つかる前に持ち場へと戻りましょ」こっそりこそこそ。


GM はい、では3Rめのラスト。アンちゃんのばん。

アントニオ 【臨検】を〈運動/運転〉4Lv……[2,9]で2成功か。

GM 今回みんな出目が強いなー。

アントニオ LPで9を振り直し。……[1]で3成功、これで5達成だ!

ケイン ナイスダイス!

GM アントニオがめちゃめちゃできる男じゃねーか……。

アントニオ 必要達成いくかで1手番変わるからな。

レン これは4Rめは、【潜入捜査】を終わらせたら、サポートとかをどんどん増やせますね。

GM じゃのう。とりあえず緊張はするのでHPを5点、減らしといてね。

アントニオ 了解。

GM 臨検をやり過ごすどころか、部隊の待機場所とか、臨検時間とか、そういうとこまで全部把握したみたいな感じだな。


■ Round4 ■

GM さてでは4Rめ。全部終わってから脱出ミッションはあるので、色々溜めておいた方がいいよ。

アントニオ サポートは大事!


GM じゃ、4Rめのあたま! ケインだよ!

ケイン これで成功してくれ! 【潜入調査】を〈欺瞞/偽装〉で判定します! ……[3.8]で11!

GM うーむ、これで【潜入調査】も7まで解決。全ミッションクリアだ。

レン やったー。

ケイン よしっ!

GM ふむ……ちょっとこの件、ちょうどいいからRの最後に演出しますわ。

ケイン 了解、他の方々よろしく~。


 てなわけで、ヨルノハ、レン、アントニオはそれぞれサポート系のクエストをこなして、しっかり脱出の準備を整えるのだった。


GM 3、2、3成功とは凄いな。PCの出目が優秀過ぎる……。

アントニオ 「ふぅ~~。準備はこれで十分だな」

ヨルノハ 「あとはケインさんの調査結果待ちですね……」

GM うむ、では後回しにしていた【潜入調査】の結果。……ケインは、目的を調べて地下空洞内で息をひそめていたのだが――そこに見覚えのある男が通りかかる。

ケイン グレン……だな?

GM その通り。君の元同僚で、以前「良い仕事がある」と声をかけてきたグレン・ランカーだ。彼は、現場監督とこんな会話をしている――。


グレン(GM) 「首尾はどうだ?」

監督(GM) 「はっ、順調に掘り進めております。指定のポイントまであと数日というところでしょう」

グレン(GM) 「やれやれ、カウフマン准将も後で掘り出す人の気持ちを考えてくれりゃいいのにな」


ヨルノハ 一体何を発掘してるんだろう?

レン 雰囲気的に第3世代型A:GuSかもですねー、試作型の。

アントニオ とはいえ、A:GuSって設定的に超技術でもないしなー。戦時中に埋められたのかね?

ヨルノハ 水はいらないらしいし、それくらいしか思いつきませんねえ。

GM まぁ、続きを聞いてくれ。(笑)


監督(GM) 「しかし、作業効率は日々落ちています。そろそろ限界かと」

グレン(GM) 「何人使い潰しても構わん。なんとしても期日に間に合わせろ。でないと今までの苦労は水の泡だ」

アントニオ 中々のひどさ。

ケイン グレン……!

グレン(GM) 「成果を出さなきゃ、俺もお前も切り捨てられる。そんだけヤバい賭けなのはお前らも解ってるだろ?」

監督(GM) 「はっ……!」

グレン(GM) 「WW社だってバカじゃない。南方戦線がひと段落したら全力で取り返しにくる。そうなる前に、何としても掘り出すんだ」

監督(GM) 「了解です!」


GM ……ってなことを聞き取ることができました。

ケイン なるほどー。

GM で、ケインは、今の会話に出てきたカウフマン准将って名前を知ってます。

ケイン ほうほう!

GM ……ここから、割と長い説明に入ります。適当に相槌売ってくれると嬉しいな。

一同 はーい。(笑)


■ 歴史の陰に埋もれしもの ■

GM カウフマン准将は、今を去ること70年前の、連邦軍辺境方面軍プラデュー軍令部司令官。

アントニオ ふむふむ。

GM 1420年代、帝国の大攻勢によって、連邦軍は一時的に北方地域の大半を失った時期がありました。

レン 今が1499年でしたっけ?

GM その通り。帝国は1429年にプラデュー市を陥落、1432年にアンセス市を陥落、1433~35年にかけては連邦本土の目と鼻の先である白の海まで攻め込まれています。

アントニオ ルルブにも書いてある砂海の歴史だな。

GM この状況が打開されたのは、ウズモンド水源及び南方方面軍が持ちこたえたおかげで、1437年の第二次ウズモンド水源攻防戦で帝国軍が退けられた結果、補給船が伸びきった帝国軍は徐々に戦線維持能力を失います。

レン 各個撃破されたんですねー。

GM そして、1450~70年代にかけてA:GuSの実践投入が進んだこともあって、中央山嶺以東へと撤退したのでした。

ケイン やったぜ!(by連邦軍)


GM ……話は戻ってこの帝国の大攻勢のとき、北方方面軍の司令官だったのがリドリー・カウフマン准将。連邦軍の教本によれば、屈辱的な敗戦の端緒となったプラデュー市攻防戦の司令官として汚名を残しているのですね。

ヨルノハ ふむふむ……。

GM ……そのようなわけで、一応連邦の正規軍(を自称している)プラデュー市軍出身のケインは、当然、戦史としてその事実を知っていたわけです。

ケイン なるほど……。


GM さて、こっから先は、ケインがグレンが去ったあとに執務室を調べて分かったこととしましょかね。

ケイン カサカサカサ……シュタッ!

GM デスクの引き出しに、市軍がよく使う二重底の仕掛けを発見したケイン。そこで、ケインはグレンの残した報告書の類いから以下の事実と推論を導き出す――。
 ……さて、さきほどレンがA:GuSが埋まっている? と言っていたが、それは割と根本的に違っている。

レン あれー?

GM というのも、A:GuSが実戦投入されたのは1450年代のことなんだね。

ヨルノハ ふむ?

GM プラデュー市が陥落したのは1429年。つまり……どういうことだと思う?(笑)

アントニオ 掘り出そうとしているものは、A:GuS投入前の遺物ってことになるのかな?

レン そうなるとお金か、移動手段……とかでしょうか?

ケイン 戦車とか?

アントニオ 燃費悪い装備が!

ヨルノハ うーん、解りません!

GM 全員不正解! A:GuSが戦線に投入された理由はなんだっけ?

ヨルノハ えーとえーと。

レン 砂の上を動けるからー?

アントニオ 燃費が良いから、だよな?

GM そう、A:GuSは低燃費で動かせるからなんだが、じゃあ、なぜ燃費がよくないといけないかというと……"砂海"での資源が枯渇してしまったから、でしたね?

レン じゃあ、やっぱり燃費の悪いものが埋まってる?

GM いやいや、もっと価値のあるものだよ。

ケイン 燃料?

アントニオ ……資源か!

GM あったり~!

アントニオ 燃費の悪い装備じゃなく、資源そのものだったか!

GM リドリー・カウフマン准将は、プラデュー市の前線維持が長くはもたないことを見越し、当時備蓄していた資源が帝国軍に奪われないよう、密かにその多くを中央山嶺の一角に秘匿したのだ!

ケイン な、なるほど……!

GM リドリー・カウフマン准将は占領時に自決、秘密を知る者の大半は捕虜になったり、戦死したりしたため、以後70年近く、その情報は秘匿されたままになってしまった。
 ――ところが、ひょんなことからカウフマンの残した物資隠匿の情報が記された暗号文書をプラデュー市軍が入手。しかし、資源を隠したとみられるポイントはWW社の支配領域にあったため、策謀を巡らせ、支配下に置いた、というわけだね。

レン でも今の時代に使えるのでしょうか?

アントニオ 原油の類いだと漏れが心配だが。

GM まあ、原油に限らず、石炭や鉄鉱石、それから軍需物資の備蓄も大量に保管されているはずなのよね。当時使われていた合成火薬は、現在使われている鉱石由来の黒色火薬よりも強力だし。

レン 連邦軍に売るつもりでしょうか?

GM まぁ、現在砂海と連邦本国の通商・連絡は完全に途絶えているから、連邦軍に売るというより自分たちで使いたいって方だろうね。
 ……というか、単純に今の砂海ではめちゃめちゃ価値ある資源なのよね。資源がないって理由で稼働できない設備もたくさんあるし、原油や石炭なら単純に燃やすだけでもめちゃめちゃエネルギーを得られるわけで。

ヨルノハ 確かに!

GM ――てわけで、敵さんの目的はこの秘匿された備蓄資源の奪取で、北限支社や水資源の確保ではなかった、というわけだな。

ケイン グレンはどういう立場なんだ? 横から奪おうとしているとか?

GM それも大体把握できるだろう。チーム・ブラックスワンは、表向きはフリーランスの傭兵部隊だが、実際のところは奇襲やテロ、強制労働などのヘイトを買う作戦を行うことを見越してプラデュー市が矢面に立たせているっていう立場。

ヨルノハ むむむ……!

GM 今回の作戦が終わったらいつの間にか消えて、しれっとプラデュー市軍に再編成されてるんじゃね? って感じ。グレンは完璧にプラデュー市の犬だよ。

ケイン そういうことか……。

レン プラデュー市さんは上役がすり替えられて、実働部隊はおとがめなし、ですねー。

プラデュー市(GM) 「はぁ? 我々なんかしましたっけ?」

GM と、しらばっくれる気まんまん。なんなら、八百長試合でブラックスワンを撃退した態にしちゃうかもね?

レン わー。

GM 非道なるブラックスワンの圧政から人々を解放したプラデュー市軍に敬礼!

ケイン 周到なことだ……!


GM ま、報告書の類いからケインはそれだけの情報を読み取って、みんなに持ち帰ったよ。

アントニオ 偉い!

レン 「ケインさん、おかえりです!」出迎えてお話聞いたー?

ケイン 皆聞いてくれ、かくかくしかじか。

アントニオ 「……う~ん、やばい臭いしかしないなあ」

レン 「資源が埋まっている……この情報を持ち帰ればいいのですね!」

ヨルノハ 「……情報持ち帰って、間に合うのでしょうか?」

レン 期日はわかったのでしょうか?

GM 発掘自体はあと数日で完了予定。これは間に合わないかもしれないけど、積み込みとか運搬とか後始末もしなきゃならないだろうから、持ち帰って即座に出撃すれば、なんとかいけるかも、くらいの時間。

ヨルノハ ぎりぎりですね……。

アントニオ 足止めできれば間に合うが……。

GM 南方戦線の情報も入ってきていて、それで調整しているようではあるけどね。

下士官(GM) 「とにかく、一刻も早くこの情報を持ち帰った方がいいっす」

レン 「強制労働されている人たちは、どうしますか?」

下士官(GM) 「暴動を起こすにしても、外からの攻撃にあわせてでなきゃ意味がないっす」

アントニオ ……だよな。制圧されて終わっちまう。

下士官(GM) 「そうっす。いくら装備を渡したからって、あちらは歴戦の兵士たちっす。工期を遅らせるために暴動を起こしたところで、制圧されて終わりっす。外部と連携しなきゃ、捕まってる人たちだって無駄死にっす!」

レン 「助ける為に犠牲を強いるのは本末転倒ですね!」

ヨルノハ 「それはダメです……!」

ケイン 「一刻も早く帰ろう。奪還部隊を連れてくるのが今できる最善だ」

GM そのとーりだ!


 かくしてPCたちは重大な情報を持ち帰るべく、脱出を図る。
 ここで脱出ミッションを行ったりもしたのだが、充分に準備を整えてあったPCたちは危なげなく脱出に成功したので、その経緯は割愛する。


■ 脱出、そして―― ■

GM では、脱出前にマヒルからヨルノハに。

マヒル(GM) 『ありがとう。ヨルノハいなかったら、きっと話聞いてもらえなかった……』

ヨルノハ 『絶対みんなを助けてみせるから……ね』

マヒル(GM) 『おれ、父さん母さんとここでがんばる! ヨルノハたちがきたら、中からも騒ぎおこす! ヨルノハ、恩人。おれたち、信じる!』

ヨルノハ 『うん。無理して怪我だけはしないようにしてね』

GM ヨルノハに励まされて、マヒルは笑顔で地下道へと帰っていく。

ヨルノハ 「……よし、私も頑張ろうっ!」


GM ……さてでは時を進めて数日後。帰還した君達の報告を、ダニー、WW市軍のボードウィン大尉、ちょうど帰還していたライゼン委員ら、本件の関係者が受けたところです。

ライゼン委員(GM) 「ううむ……そんな目標があったとは」

ボードウィン大尉(GM) 「ポラリス市との紛争を誘発し、北限支社地域を支配した上での発掘とは恐れ入るな……」

ライゼン(GM) 「確かに大反攻以前の資源にはそれだけの価値がある」

ダニー(GM) 「……で、どーするんです? ほっとけば撤収するとは思いますけど」

ボードウィン大尉(GM) 「聞くまでもない。発掘が完了する前に、北限支社を奪還する。
 資源をみすみす渡せば、パワーバランスは一気に狂う。こちらが入手することができればベストだが、最悪でも資源を破壊して敵の手に渡らぬようにしなければ!」

レン 「それに強制労働されている人たちが、もたないです!」

ボードウィン大尉(GM) 「ああ、彼らのためにも一刻も早く動かねば!」

アントニオ 「速度と規模の兼ね合いをどこでとるかだな」

GM ……と、そんなわけで、WW市軍は、可能な限りの戦力を集めて、北限支社奪回のため作戦を実行することになります。もちろん、その中にはリトルラックも戦力に数えられています。

ダニー(GM) 「……まぁ、そうなりますよね」

アントニオ 「ま、俺らが今一番、中に詳しいしな」

ダニー(GM) 「修理費も丸々出してもらったし、ここまで関わっちゃったからねえ……」

レン でも思ったのですが北限支社防衛してるのって黒スワンさんたちなんです?

GM ああ、チーム・ブラックスワンは中型艦2隻、小型艦4隻、A:GuS30機を抱える大所帯なんだよね。発掘作業のため、歩兵中隊も同道していて、これらが発掘作業の管理を行っている。

ヨルノハ 凄い……大部隊!

GM 作戦については、ボードウィン大尉が練り上げ、最速で動ける5~6隻+フリーランス4~7隻で50機くらいのA:GuSでの攻略戦になる。数の上では勝っているが、敵は支社の防衛設備を使えるし、補給一つとっても攻める側が不利だから、かなり苦しい戦いになると思われる。

ケイン しかも、敵には第3世代A:GuSもいるからな……。

GM WW社もおっつけ援軍を出すつもりだが、そうなればプラデュー市もなりふり構わず援軍を差し向けてガチバトルになる可能性がある。それはWW社としても避けたい。

ヨルノハ 戦争……は、嫌ですね……。

GM ま、そんなわけで、次回の目標は「①敵が発掘と持ち出しを完了する前に最速で仕掛ける」「②最悪資源が敵の手に渡らなければok」「③長期戦になってガチバトルになったら事実上失敗」という感じ。

アントニオ なんとか積み荷を運ぶ船だけでも落とせれば勝ち、か。

ダニー(GM) 「はー……。結局なんか本格的な戦闘に巻き込まれる形になっちゃったけど……ここで踏ん張らなければ、砂海のパワーバランスが一気に崩れていろいろマズい。僕らも商売を続けられるか怪しくなる」

アントニオ 「そうだな。先がわからなくなる」

ダニー(GM) 「……危険な作戦だ。それだけにWW社も成功の暁には破格の報酬を約束してくれてる。しばらくはのんびり暮らしていける」

レン 「ボーナスですね!」

ダニー(GM) 「ああ、だから、もう少しだけ頑張ろうぜ!」

アントニオ 「まあここで逃げだすのは恰好わるいしな」

ヨルノハ 「マヒル君たちのためにも……!」

GM うん、救援が来ると信じて、辛い境遇を必死に耐えているジュラ族や、市民の人たちのためにも、頑張ってくれ。


GM そして今更だがケイン。

ケイン はい?

GM 君は、任務終了後、ヨルノハから敵の部隊情報を教えられて愕然とする。――なぜなら、ヨルノハの語った敵の新型は、あの夜、君と仲間を蹂躙した黒いスワンそのものだったからだ。

ケイン 「ようやく、見つけたか……」 ニヤリと獰猛そうな笑顔をします。

ダニー(GM) 「……ケインの目的も、この作戦にかかっていたようだな」

ケイン 「そうですね、あぁ早く会いたいものです……」

ヨルノハ 「ケインさんの目的……」

GM そういえばヨルとアンちゃんは初めて聞くかもしれないね。レンとダニーは知ってるけど。

ケイン ……いい機会ですから、全員に伝えておきましょう。

ヨルノハ 「……そんな過去が」

アントニオ 「ま、砂海で生きてりゃいろいろあるよな」

ダニー(GM)  「……ケイン、忘れていないよね? 僕との約束」

ケイン 「えぇ、忘れていませんよ」

ダニー(GM) 「……君の気持ちは理解しているつもりだ。でも、君の勝手が作戦に支障をきたすなら、僕は躊躇なく制止するからね」

ケイン 「……………」

ダニー(GM) 「でも、任務の範疇でそのチャンスがあったら――存分にやるがいいよ」

ケイン 「……ありがとうございます」

レン 「あの、リトルラックは治りそうですか?」

ダニー 「ああ、君達が潜入してくれてる間にね」

アントニオ 「なら、あとは気張るだけだな」

ダニー(GM) 「出発は明朝だ。必要な物資はWW社が取り揃えてくれることになったけど、時間は全然ないぞ。作戦開始はおそらく60時間後。やるべきことは全部済ませて、体調も万全にしておくんだ!」

レン&ヨルノハ 「わかりました!」

ダニー(GM) 「無茶な作戦だが、やるしかないんだ! 作戦終了したらボーナスとバカンスを用意してやるから、今は無茶してくれ!」

一同 「おーーーーーっ!」

GM ってなダニーの掛け声とともに、リトルラックとクルーは最後の戦いの準備を始めるのだった――!

■第5話リザルト

■報酬     42000cdt
■繰り越し予算 12000cdt
■合計     64000cdt
■個別報酬   各2000cdt

■XP:3
■SP:2

■交流ボーナス
ヨルノハ [58]賞与 報酬+5000cdt
レン [43]願望 LP+1
アントニオ [33] 発明 兵装一つを半額で購入
ケイン [50] 臨時収入 報酬+3000cdt

See you next mission!!

■■■次回更新のお知らせ■■■
本作は現在進行中のキャンペーンのリアルタイム連載となっており、
次回更新は2021年8月30~31日頃を予定しています!
次回も乞うご期待!

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