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第1話 リトルラックは砂海に踊る-後編

~~~ 前回のあらすじ ~~~

 マイグレーターチーム、"リトルラック"は、通常業務の水の買い付けを行い、辺境地域に販売するべく砂海を渡っていた。
 途中巨大な岩塊に道を塞がれたりもしたものの、まずまず順調に航海を続けていたのだが――少しずつ溜まった機体の疲労度がピークに達したそのとき、オーナーのダニーは嫌な予感をおぼえていた。
 そして、その悪い予感が的中するかのように、見張りのカイルから敵襲の知らせが届くのだった――!


■■■ 1-4 リトルラックの初陣! ■■■

GM さて、前回の続きだ! 戦闘用のエネミーコマとクエストは配置済なので確認してくれい!

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※"貪狼(タンロウ)"……左右の腕にアンカーブレードを装着した近~中距離を得意とする攻撃的な機体。ちなみに、本作の舞台は東西2勢力の戦争跡地であり、英語名のユニットは西側製、漢字名のユニットは東側製となっている。"貪狼"は東側製だ。
※ボクサー……練習・訓練・スポーツ用として広く普及しているA:GuS。火器は積んでいないが、そこそこ頑丈な装甲と高めの格闘性能が特徴。
※軽騎兵……サンドバギーなどに搭乗した兵士。火器も装甲もA:GuSとは比べ物にはならないが、数が揃えばそれなりに脅威となる。

レン 「目視確認、A:GuS2、小さいのが3!」

アントニオ A:GuSは2体か。

ケイン 軽騎兵はバギー兵って感じか。そこまで強くないな。万全なら大して怖くはないが……。

アントニオ こちらはケイン以外腹ペコだからな。(苦笑)

GM 敵A:GuSは2機だが、サンドモービルのようなものに乗った略奪部隊がいて、こいつらが船に攻撃する際は一律[1]ダメージとして扱います。

ダニー(GM) 「【針路確認】については、そちらの位置データなどからこちらで行う! お前たちは戦闘に集中してくれ!」

GM ……とのことなので、【針路確認】は、戦闘中はこなさないでok。

アントニオ 「助かる。流石に走り回るほどバッテリーに余裕がない」

GM まぁ、まとめると、戦闘に集中しつつ、母船へのダメージは【カバーリング】や【点検作業】で抑えてくれ、ってことですね。

ヨルノハ 「任せて!」

ケイン  「ボーナスGetだ!」


GM てわけで、まずは配備だ。防衛側からセットするルールなので、各自下半分の、C、D、防衛エリアのいずれかにコマを配置してくれ。

レン Cに!

ヨルノハ とりまDにいきましょうかね。

ケイン こちらもDに!

アントニオ 遠距離だし。こちらは拠点。

GM 敵が船を襲ってきたら【カバーリング】することも考えなければならぬので、2機くらいは拠点にいた方がいいかもだよ。

ヨルノハ じゃあ私が拠点に!

GM ふむ、重めの二人が前に出てきたか。ならば……ボクサーがA、他は全部Bだ。

レン すごく分かれてる!?


 GM側の戦略としては、火力の高いレン(ソードマン)をボクサーで足止めし、その隙に他の連中で船に攻勢をかける予定。さて、思惑通りにいくかな……?


GM で、次は『戦況』だ。

アントニオ 前にこない風向きで頼むぞ~!

※『砂塵戦機』では、Rごとにトランプカードを使って『戦況』、すなわち『風向き』と『天候・地形』を決定する。
 『風向き』が合致した方向へは移動のコストが軽減され、さらに『天候・地形』によって射撃が有利になったり、ペナルティが発生したり、さまざまな効果が発生する。
 流動性の高い砂の上で、常に滑走しながら戦う、という設定を反映しつつ、これによって状況に応じた最適行動を模索してもらうことを想定したシステムなのだ。

GM ♠のA! 『凪』じゃねーか!?


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アントニオ 防衛側のこちらとしては願ったりだな!

レン 相手側のEP、あまり高くないみたいですしね。

GM ぐぎぎ……! じゃ、じゃあ次は『イニシア値』の決定だ!

※『砂塵戦機』では、1D10+機体のイニシア補正によって『イニシア値』を決定し、その値の順番で手番が進む。


 イニシア値は、アントニオ[10]→軽騎兵×3[10]→ケイン[9]→"貪狼"[9]→ヨルノハ[7]→レン[6]→ボクサー[6]の順となる。


GM 続いてファストフェイズ~。

『ファストフェイズ』は、移動などで位置取りを決定し、攻撃準備を整えるためのフェイズ。イニシア値が低い順に進み、軽い機体は重い機体の動きを見てから位置取りをすることができるようになっている。

GM 同値はPCが優位とみなす……ので、こっちのボクサーからか。……こいつ、近接装備しかねーから前いかな話にならんのだよな。(チュートリアルということで、ボクサーの兵装はPC用の火器のないデータを使用している)……EPを5消費してAへ。

レン 次は私ですね。【ウィービング】を使用!

【ウィービング】……ラウンド中の回避率を向上させるスキル。

GM 了解、では次ヨルノハ。

ヨルノハ 飛び込んできたボクサーに【エイミング】をします!

【エイミング】……R中、指定したユニットへの命中率が向上するスキル。自身よりもイニシア値が低いユニットしか指定できない。

GM OK。で、次はこちらのリーダーか。……サーペントがいるから、後ろで待機するって選択肢がねーんだよな。

アントニオ してもいいのよ?

GM ヤダー! EP5消費で前へ!

アントニオ ちぇっ。これで俺は全部の武器が最適射程外だ。

GM ミサイルLは、実際には撃てなかったとしても、いるだけで行動範囲を狭められるってところが厄介なんだよ。……で、こちら終わってケインだ。

ケイン ふむ、ここは【セッティング】だ! 軽騎兵より先に動きたい。

【セッティング】……敵の動きを見極めて優位に立つためのアクション。ダイスを振り直して決め直すか、イニシア値を±1することができる。

GM ケインのイニシア値が[9]→[10]へ。同値はPC有利なので、次のメインフェイズでは先に動けるようになった。……で、次。軽騎兵が全員Bへ移動。

アントニオ 最後は俺だな。最適射程を割っているが……【ロックオン】を"貪狼"に。

【ロックオン】……ミサイル、カノン砲等の弾道計算の必要な兵装の照準を合わせるアクション。判定に成功することで、R中、対象へのミサイル、カノン砲の命中率が向上する。

アントニオ 索敵15で、敵の電子防御が2。13以下……[2,4]で成功だ!

GM では、ファストフェイズ終わり――の前に。

ヨルノハ 前に。

GM リトルラックからの【支援攻撃】だ!

ヨルノハ わーい!

【支援攻撃】……母船からの援護射撃。「支援攻撃回数」コのD10を振り、出目が敵の管理番号(後述)に合致していた場合、1回につき5ダメージを与えるぞ!

GM 管理番号はエネミー管理用のシートに0~9が割り振られているのだ。リーダーが0、ボクサーが1、軽騎兵が2~4だな。……じゃ、PC番号順で、このRはレンが撃ってみてくれ。

レン リトルラックの攻撃回数は3ですから、3D10ですね。……えーい![4,8,9]!

GM この場合、軽騎兵Cに5ということだね。

レン やったー! 当たってますよ!


GM よし、ではメインフェイズ。今度は先程とは逆に、イニシア値が高い順に手番が回ってくるぞ! ケインとアントニオが[10]で同値……この場合、順番はPC同志で好きに決めるルールだが。

アントニオ では俺からでいいかな?

ケイン 頼んます、アントニオさん。

※メインフェイズ……メインフェイズでは、「フェイズ:メイン」のアクションを1回と、「Mフリー」のアクションを好きなだけ行える。攻撃は「Mフリー」なので、持っている兵装の数だけ殴れる+それ以外の何かが1回できる、って感じである。

アントニオ 【針路確認】でEPがかつかつだからな。メインは【補給】でEPを5点回復。
 その後、Mフリーで"貪狼"にミサイルL。【スナイプ】【スナイプ+】を乗せて、命中値は13+【ロックオン】12+スナイプ2×2で……29-"貪狼"の回避6……23以下だな。

※『砂塵戦機』の攻撃判定は、[攻撃側の命中-防御側の回避]を目標値に判定を行い、下回れば成功となる。ここでは【ロックオン】によるミサイルの命中補正と、命中値を向上させるスキル【スナイプ】【スナイプ+】を使用している。

アントニオ ……ただし、射程が△だから3D10で高い2つ、だな。[7,3,9]で23-16で7ダメージ。くぅ、切ねえ。

GM "貪狼"は、最新の曲面装甲を標準装備しているので、ミサイル・機銃ダメージを2軽減する。よって5ダメージだな。

アントニオ LP使うか。……[9]を振り直して[4]。

GM 出目11になったから、23-11で12。曲面装甲で最終的には10ダメージだな。

アントニオ 「まずは派手に開幕のお知らせだ! みんな続けよ!」

ヨルノハ 「すごい……!」

レン 「射程あってないはずなのに、当ててます!」

GM それはね……ミサイルだからだよ。(笑)

※本作のミサイルは、【ロックオン】というひと手間がかかるかわりに、+12という圧倒的な命中補正が得られる。回避が高く、装甲が薄いタイプの敵にはまさに天敵と言える。

アントニオ 「まっこんな派手にミサイルをぶっ放せるのもダニーのコネのお陰だけどな~。……あと俺の実家」


GM では、次はケインだね。

ケイン 了解。さて、どいつを狙うか……。

GM オススメはボスの"貪狼"……じゃなくて実は軽騎兵だ。当てにくいけど当たれば大概落ちるし、落とせれば攻撃回数を減らせる。Cは支援攻撃でダメージを受けてるしな!

ケイン なるほど。では軽装機のCに【エイミング】をし、その後ブレードで攻撃だ!

GM うむ、きたまえ!

ケイン 命中値はもろもろ足して18-6。……[1,8]で命中!

GM 12ダメージ!

ケイン 【ダブルアタック】でもう一撃!

【ダブルアタック】……使用済の携行武器を再度使用できるようにするスキル。

GM ひえ……!

ケイン [0,3]で命中! 落ちろッ!

GM それはたまらん……! 軽騎兵Cはケインのブレードによって両断され、乗っていた奴らは木っ端のように宙を舞う……!

ケイン よぉし、まずは1機撃墜!


GM 次はこちらだな。軽騎兵たちが母船に攻撃をしかけるぞ! ハンドガンとライフルで2回ずつ……! 両方命中で母船に2ダメージ!

アントニオ 【点検作業】ポイントが2点残ってるからな、ちょうどそれでキャンセルしておくか。……カバーするEPもないし。

ヨルノハ 1ダメにカバーするのも損ですしね!

GM 軽騎兵達はハンドガンも持っているので、それぞれ近距離のケインを攻撃!……ぬぅ、両方はずれ。

ケイン 「おおっと、危ねぇ!」

GM しょんぼり。


GM で、次はリーダーの"貪狼"だな! んー……まぁ、ケインを普通に左右のブレードで殴るか。(ころころ)2回ともあたって、32点!

レン 大きい!?

ケイン 【ブロッキング】を使用!4点軽減して28ダメージ……!

【ブロッキング】……剣や盾でダメージを防ぐスキル。

アントニオ 半分はHPに流せるよ。

ケイン おお?

GM その通り。本作では、機体が受けたダメージを半分まで、自身のHP(=気力)で受けることができる。……神経を擦り減らして致命傷を避けるイメージだね。

ケイン なるほど、ではHPとAPを14点ずつ減少。

GM HPはなくなると死ぬけど……【調息】で割と雑に回復できるので、無理しない程度にHPに回すといいぞい。

ケイン 了解!

GM あとマシンガンで船を撃っておこ! ……おっ、出目が良い。最大ダメージで12点。

ケイン 「やばい、貯水タンクが!」

アントニオ 【カバーリング】! EP2点を消費してダメージを肩代わりだ。

GM ではアントニオ機に12ダメージ。ちなみに、【カバーリング】では身を呈している形になるので、ダメージはHPにまわせないぜ。

アントニオ アームシールドがあるので機銃ダメージを2点軽減、10ダメージ。「やれやれ、オレの機体は身を挺してかばうような仕様じゃないぜ。次はなんともならんぞ……!」

レン というか、"貪狼"すごい命中精度ですね、これは危ない?

GM こいつはeRank2だから結構強いぞ!

eRank……敵の強さの指標。ゲーム開始直後はリーダー2、それ以外1位がちょうどいいだろう。


GM では、これでこちらは終わって、ヨルノハのばん。

ヨルノハ はーい。ではでは、【エイミング+】したボクサーにマシンガンL2つをぶっぱです! 目標値17で……[3,0]と[6,4]! 合計21ダメージ!

GM け、結構痛いな!?

ヨルノハ 「うまく撃ててる? 心配だったけど、結構当たるものね」

GM なんの、タフが取り柄の訓練機だ! 足止めくらいはさせてもらう!

ヨルノハ メインアクションは【補給】でEPを回復しておきます。

GM ok!


GM じゃ、次はレン!

レン あの、【機体整備】って他の人にも使えますか?

GM 本来の【補給/補修】は母船にいる自機にしか行えないのだが……今回は仕事内容を鑑みて、予め整備体制を整えていたということで、いいよ。

レン では、【機体整備】をアントニオさんに! 「アントニオさんの補給を優先してください!」と、指示出ししたということで。

GM じゃあアントニオはEPとBPを合計5回復。

アントニオ 「助かる!」もちろん全部EPだ!

レン 攻撃は両手のバヨネットブレードでボクサーを攻撃! 【スティング】を1回乗せて、[0,4]と――わーん、[16]で失敗ー!

GM LP使う?

レン 1差なので、使います! なので、両方命中して、合計28点!

ケイン 「やるな、新入り!」

レン 「ぎりぎりでした……! この人達強いです!」


GM 最後、ボクサーが反撃! ……一発当たって13ダメージ!

レン 6点、HPで受けます! 「い、痛い……!」頭を振って気をしっかり保ちます……!

GM と、これで1R終了!



■■■ 1-5 猛攻!リトルラック! ■■■


GM では2Rめの戦況を……。

ヨルノハ あっ、しまった、【ウェザーサイト】を使っておけばよかった!

【ウェザーサイト】……次の『戦況』を確認し、山札の上か下に送ることのできるスキル。

GM おお、それは[フェイズ:Mフリー]だから、本来は自分の手番の時に使うんだよね。……まぁ、今回は初プレイで慣れてなかったし、使ってたということでいいよ。

ヨルノハ ありがとう! じゃあ確認して……あっ、これは無理。一番下に送ります。(笑)

GM 何が出るかな?っと……ってまたA!? なんだよこれ!?

レン 凪ってますねー。

GM この風、少し泣いています……。


◆1Rめの戦闘経過→2Rめ開始時点の戦況◆

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ヨルノハ 「しばらく風は吹かないまま……だね」

GM とほほ……。じゃあファストフェイズ。ボクサーから。

※イニシア値をダイスで決めるのは1Rめだけで、以降は【セッティング】等で調整しない限り変動しないぞ!

GM 先にレンに殴られたくないので【セッティング】……をするとレンもやるだけなんだけど、一応やっとく!

アントニオ 【エイミング】されるよりはマシだからな。

GM それな!

レン 次は私。もちろん【セッティング】で+1します!

GM すぐに追い抜かれた!

レン ここで【ウィービング】しても【エイミング】されて攻撃されるので、実質無駄になっちゃうから先手必勝です!

ヨルノハ 同値ゆえエイミングできないので私も【セッティング】するしかないね。

GM 何気にこのセッティングの攻防は好きだな。最終的に団子になっちゃうけど、優位を取り合おうと牽制し合ってる感。……てわけで"貪狼"も【セッティング】。

ケイン ふむふむ。……じゃあ、俺も【セッティング】だな。

アントニオ 俺は【セッティング】する余裕がないんだよな。【ロックオン】で"貪狼"――成功!


 イニシア値は、ケイン[11]→軽騎兵×2[11]→アントニオ[10]→"貪狼"[10]→ヨルノハ[8]→レン[7]→ボクサー[7]の順となる。


GM 『支援攻撃』は――"貪狼"に一発命中か。

アントニオ 「今日の砲手はいい感じに当てていくな」

ヨルノハ 「一番強いのに当たってる……さすがだよね、砲手さん」

GM 名無しクルーだけどね!(笑)


GM では、メインフェイズ、ケインから!

ケイン 軽騎兵Bに【エイミング】からのブレード×2! ……ちと足りなかったけど、LPを使って、両方当てた!

GM 12×2で24ダメージ。軽騎兵B、撃墜!


GM では、続いて残った軽騎兵A! シンプル処理だと全部EP2でコスト管理楽なんだが……本来EP使わないライフルやハンドガンでもEP使うという事実に直面している。とほほ。

アントニオ ご愁傷さん。(笑)

GM まともに撃ってもケインにあたらねーから母船撃つよ! ライフルが……[10,9]で失敗……。

※GMの判定は、[0]の出目でもチャンスが発生せず、必ず[10]なのだ……。

GM 軽騎兵はこれで残りEP1。なんもできねえ……。

アントニオ 俺の番。さっきと同じくメインは【機体整備】。で、"貪狼"に、ミサイル+スナイプ×2、最適射程外……[4,3,1]。

GM ひっく!

アントニオ 高い目二つで、差分ダメージ……23-7で、16点!

GM 14ぬけ! 地味に痛い……!

アントニオ 「おいおい。今のは調子に乗れるくらい完璧な機動予測だったんじゃないか?」 調子に乗ってよう。(笑)

レン 「直撃してました!」

アントニオ はっはっは!


GM じゃあ"貪狼"。割と好き放題できるが……ここは敢えてのアントニオ2回刺し!

アントニオ 「まじか!?こっちに来るかよ!」

GM アンちゃんからしかダメージ受けてないからな。それに、お前がいると動きが制限されるんじゃー! ……とばかりにアンカーブレード2枚おろし!

アントニオ 回避は2しかない!

GM 18以下で成功! ……[8,7,9]で17?

アントニオ げげ、LPを使って回避を……!

GM ちっちっち、出目を[0]に操作することはできないから、8→9にしても命中なのさ。

アントニオ ダイス振る意味。(笑)

GM [0,9]以上では外れるから……。2発目も当たって、32ダメージだ!

アントニオ 「ちぃっ、こちとら軽量機だぞ!?」 HPに16点振り分け!

レン 「アントニオさん!?」

GM カバー要員いるの前提なとこのある機体なんだよね、サーペント。あと、申し訳程度にマシンガンで母船を攻撃。[8,9]で5ダメージ……。

ヨルノハ ここは私が! 【カバーリング】で肩代わり!

アントニオ 「助かったぜ。ヨルノハ!」

ヨルノハ 「ど、どういたしまして」


GM じゃ、次はそのヨルノハ!

ヨルノハ さっきと同じくボクサーに【エイミング+】して、マシンガン斉射! 8点と、11点!

GM ぼこぼこさー。APが削りきられてFPにダメージが入る。これで【小破】だ。

※『砂塵戦機』は、骨格(FP)と装甲(AP)の二段階耐久性を採用しており、FPにダメージを受けると【小破】状態となって動きが鈍くなってしまう!

ヨルノハ マシンガンSも撃っておこーかな。射程距離外だけど……4ダメ。

GM 残り12点。


レン それはブレード一撃で倒せる数字! 続けていきます!

ケイン 「任せたぞ!新入り!」

レン [6,6]で命中! 14点ダメージ!

GM どぅーん! ボクサー、撃墜!

ヨルノハ 「やるね……!」

アントニオ 「よくやった!」

レン さらに行きますよ! 【ワイルドハント】を使って"貪狼"に【エイミング】、ライフルとマシンガンLで"貪狼"を攻撃です!

【ワイルドハント】……本来、自身よりもイニシア値の高い相手には使えない【エイミング】の制限を無効にするスキル。

レン LPも使って……12と9点!

GM 機銃ダメージは曲面装甲で2減って、19抜け。もうダメっぽいなあ。(苦笑)

アントニオ 「外さないな。いい新人を雇ったな、ダニー」

ケイン 「だな、俺もうかうかしてられないぜ!」


 この時点で、GM側の残り戦力はEPが尽きて行動不能になった軽騎兵1機と、AP+FPの残りが40程度の"貪狼"のみ。
 ……6Rめ、先手をとったケインの集中攻撃を受けた後、アントニオのミサイルで"貪狼"は仕留められたのだった。


ケイン 「やったな、アントニオ!」

アントニオ 「ああ!ケインの一撃(小破)のお陰だ。だが電池はからっけつだがな」(笑)

レン 軽騎兵はどうします? 撃っちゃう? 撃っちゃう?

GM もう、こっち何もできないし、弾丸の無駄でしょう。軽騎兵はアシを捨てて逃げて行ったってことで、撃墜扱いでいいよ。

ケイン 「回収して資産にしようぜ」

GM ってことで、戦闘終了!

レン やったー!


■■■ 1-6 初めての報酬。そして―― ■■■


ダニー(GM)  「おー、みんなさんきゅー。おかげでこっちは被害ゼロだったよ~」

レン 「もう電池がないので動けません!」

ケイン 「ふぅ、心臓に悪い戦いだったぜ!」

アントニオ もう機銃の一発も撃てないぞ。(笑)

ヨルノハ 「みんな無事みたいね……良かった……」

ダニー(GM)  「……ちょうど町も見えてくる頃だ、ここまでくればもう大丈夫。みんなおつかれー」

アントニオ 「ふぅ~~さっさと船で一服したいところだな」

レン 「被害が出なくてよかったです!」


レン ところで、盗賊さんはこの場合どうなるのでしょう?捕縛?

GM 撃墜したのは死んで、軽騎兵のはバギーを捨てて逃げてったかな。……まぁ、割とヒャッハーな世界だし、悪党の生死を気に病む必要はないよ。

レン でも、レンにとっては初めての人殺し……。「これが傭兵稼業……」

ケイン 「レンも童貞卒業だな。おめでとう、なんか奢ってやるぜ。これも傭兵の流儀だからな」

ジレ(GM) 「これ、ケイン殿。レディ相手に下品な言葉はいけませんぞ!」

ケイン 「爺さん、これは傭兵のしきたりの話だぜ? 人殺しておまんま食うやつにはそれ位の覚悟が必要って事さ」

ジレ(GM) 「そこではなく、下品な単語を使うのをですなぁ!」

ケイン 「はいはい、爺さんには負けるよ」

レン 「? ……よくわかりませんが、ご飯はいっぱいいただきます!」

ヨルノハ 「ふふふ」


GM 獲得した報酬を合わせた予算は差し引き27000cdt、それとは別に、パイロットには2000cdtの個別報酬が入りましたよ。

一同 いぇ~い!


GM では、ここから『幕間イベント』のコーナーだ。一仕事終えた君達は、仲間たちとの交流や、日常生活を1D100で決定し、それに応じた特別なボーナスを獲得できるよ。

ケイン こいつが嬉しいんだ! ……えーと、[06]だな!

■[06]安堵:PC/クルー1名が、安堵の気持ちを伝える。→最大HP+4。

ケイン ほうほう?

GM ここは、カイル君かな?

カイル(GM) 「みなさんお疲れ様です! ……どうなることかと思いましたけど、ほとんど被害がなかったみたいで安心しました!」

GM と、蒸しタオルと飲み物を配りにくるカイル君。前線で2機撃墜し、リーダーの"貪狼"と渡り合ったケインの活躍に目をキラキラさせているぞ。

カイル(GM) 「僕もA:GuSに乗れたらなあ……!」

ヨルノハ 良い子でしょ~? 私の弟よ!(笑)

ケイン 「アントニオやヨルノハ、新入り連中の動きが良かったからな。……今度基礎ぐらいなら教えてやるか?」

カイル(GM) 「本当ですか!? やったー! 約束ですよ!」

ヨルノハ かわいい!

カイル(GM) 「あっ、姉さんには内緒にしてくださいね? 心配するといけないから……!」

ケイン 「あぁ、 男同士の約束だ!教えるものか!」

GM てな感じで、ケインはカイルと交流を深め、気力が充実しました……ってことで最大HPが向上した、と。

ケイン やったー!


レン 私は [29]です。

■[29]感心:PC/クルー1名の仕事や戦闘行動に対し、感銘を受ける→SP+1

アントニオ SP! いいなあ!

レン わーい!

GM レンは自発的な内容だから、誰と話すか決めていいぜ。

レン では襲撃を予知したダニエル船長に。

GM おっ、GM楽できるかと思ったんだけどな。(苦笑)

ダニー(GM) 「ほいほい、お疲れさんー」

レン 「船長、アントニオさんに聞きました! 襲撃を事前にわかるなんてすごいです!」

ダニー(GM) 「でしょでしょー? ……と言いたいところだけど、別に予測したワケじゃないよ」

レン 「そうなんですか?」 はてな顔で首傾げて。

ダニー(GM) 「ここで襲われたらいやだなー、と思ったときにホントに襲われたってだけの話なんだなぁ、コレが。……ったく、嫌な予感ほど当たるんだから参るよー」

レン 「そういう時のためにここにきました、もっと頑張りますね!」

ダニー(GM)  「ま、この砂海で生き残るにゃ、慎重すぎるくらいでちょうどいいからね。勘もバカにしたもんじゃない。レンちゃんも嫌な予感がしたら遠慮せずに人に言いなよ?」

レン 「わかりました!」

ダニー(GM) 「予感ってのは、説明がつかなくても、突き詰めてみると案外理屈が通ってたりするもんだからね……」

GM とかなんとか、チャラ男のようで案外考えてる風を吹かせてみたりしたオーナーであった。

レン もっとがんばろーと燃え上がって、戦闘訓練に励みます! って感じで、SP+1ですね!

GM いいんじゃないかな!


ヨルノハ 私は[50]。

■[50]臨時収入:クルー1名から臨時の予算をもらう→3000cdtを獲得。

GM 臨時収入をもらえる? 理由がわからんな?(笑)

ヨルノハ 一体何があったのかしら……?(笑)

GM そうだなぁ……じゃあ、今回回収した敵の資材から、ハウンドに流用できるものがあったので、現金じゃないけど実質的な改造費とかにまわせた、とかそんな感じでどう?

ヨルノハ okです!

整備班(GM) 「……ふむ、この部品はヨルのハウンドに使えるな」

ヨルノハ 「えっ? そう……なの?」

整備班(GM) 「おう、ちっとばかり強化できるかもな!」……個別予算合わせるとちょうど1Lv改造(5000cdt)できるからね。

ヨルノハ 「強化……お願いしてもいいです……?」

整備班(GM) 「おう、任せておきな!」

GM まぁ、どこを改造したかは次回までに任意で決めていいので、よろしくね!

ヨルノハ はーい!


アントニオ じゃ、俺だ。人材来い、人材来い、人材来い……! [83]。

■[83]勧誘:有能な人材を見つけた。ぜひ雇い入れたいものだが→クルー1名を割安(12000)で雇用可。

GM すごい、ほんとにクルー引いた!?

ケイン 凄ぇ!

アントニオ キター! チーム予算減るけど通常2万だからかなりお得だぞ!

ヨルノハ クルーいぇーい!

アントニオ うち環境Lv高いんで枠に余裕あるしな。

GM じゃ、折角だから、ルルブの巻末に収録されてるクルーのスクラッチ表を使おう。1D100を3回振るのだ!

アントニオ よしきた! [85]、[17]、[69]!

■[85]生活要員/環境Lv+1 一般作業を1回、アクションを消費せずに行う
■[17]年齢/性別:27歳/男性
■[69]名前:ウィリアム

GM また環境か!

ヨルノハ さらに環境が加速する……!

GM アントニオ2票で多数決をとろうか?

ケイン 雇っていいに1票。

アントニオ 俺もいいと思う。

レン 私もokですけど、もう確定ですね。

ヨルノハ こちらも異議なしです!

GM じゃあ、状況的に新たに雇うってよりは――こんな感じがいいかな。厨房係のウィリアムがオーナールームに駆け込んでくるんだぜ。

ウィリー(GM) 「オーーーーナーーーーー! さっき市場でめっちゃいい調理設備みつけたんだ! 導入させてくれーーーー!」

アントニオ コックだったんかい!(笑)

ウィリー(GM) 「頼むよおおおお! アレがあれば今までできなかった無油フライとかできて超便利なんだよーーーー!」

アントニオ 「おお~飯が旨くなるぞ。買っちゃおうぜ!」

レン 「おいしいご飯食べたいです!」

ケイン 「酒のつまみのレパートリーが増えるのはありがたい」

ヨルノハ 「いいですねっ」

GM アントニオの口添えが決めてになって買えたってことにするね。(笑)

ダニー(GM) 「えー、まじでー? それナイスじゃーん。買っちゃお買っちゃお!」

ウィリー(GM) 「やったーーーー! アントニオありがとう! 恩にきるぜ! ヒャッハー! これでノンオイルフライも作れまくりだぁ!」

ヨルノハ ハイテンションね、ウィリー。(笑)

アントニオ 「そうだよな~。砂海でも故郷の味とかもいいもんだし」

GM ということで、設備投資代として12000を支払いましたってことで。


 その後、残ったチーム予算を振り分けて改造費を捻出したり、チーム能力の成長をどれにするか決めたり、次回に向けてこまごま相談をするプレイヤーたち。

 ……だが、すでに次回のお話はある程度決まっているので、閉幕する前にもう少しだけ、付き合ってもらうとしよう。


GM ……てなわけで、色々改造案等あると思うのだが、それは次回までに回してもらうとしまして、お仕事後の話をちと進めて、今回のお話を終えようと思います。

一同 は~い!

GM ――無事に水を守りきり、辺境の町に辿り着いたリトルラック。PCたちは水の売買をオーナーやバティストに任せ、機体の整備に勤しんでいた……のだが、売買交渉に出かけたダニーは難しい顔をして帰ってくる。

ケイン 「オーナーどうした? 渋い顔をして?」

アントニオ 「ふぅ~~~(葉巻吸いつつ)うん?どうかしたのかダニー」

ダニー(GM) 「……参ったよ、相場が変わってて、大分値切られちまった」

ジレ(GM) 「正直、これでは利益はほとんど出ませんな……」

ヨルノハ 「そんな……」

レン 「何か変わったことがあったのです?」

アントニオ 「うん?水の値下がりとは珍しいな。……かなり安定した仕事のはずだろ?」

ダニー(GM) 「……まだ確定ってわけじゃないが、ちょっと思あたる節はあるな。……アンちゃん、ついてきてくれるか? 他のみんなは整備を進めておいてくれ」

GM と言って、ダニーはアントニオを伴って情報収集に向かう。

アントニオ 「……どうした? 何があったんだ?」

GM まぁ、そこのやりとりは省略して、結果だけ言いましょう。

アントニオ ふむ?

GM その夜――青い顔をしたダニーとアントニオが大慌てで帰ってくる。

アントニオ おおお!? なんだなんだ!?

ダニー(GM) やべえ! こいつはマジでやべえことになった! みんな、すぐ出港だ!」

GM 大急ぎで出港準備を促すダニー。

ヨルノハ 「えっ……? 一体なにが……?」

レン 「みんなどうしたんです?」

ケイン 「了解だオーナー、一応外で警護に回ったほうがいいか?」

ダニー(GM) 「いや、とにかく急いで出なきゃやべえ! 出港準備を最優先にしてくれ!」

ヨルノハ 「は……はいっ……」 状況掴めないまま準備します。

アントニオ ……で、本当に何があったんだ?

ダニー(GM) 「水が安くなる理由なんて一つしかねえ。……この近くで新しい水源が見つかったんだよ!」

ヨルノハ えー……!?

レン 「水が……それは取り合いが起こりそうです?」

ダニー(GM) 「そう思ってアンちゃんと聞き込みをしたら、案の定だ。その水を元手に、近隣の自治都市の実効支配を進めてるヤツがいる」

アントニオ 「……ヤバイぜ。新たな水源なんかヤバイ臭いしかしねえ」

レン 「戦争……始まります!?」

ヨルノハ 「それは……まずいのでは……!?」

ダニー(GM) 「まずいもまずい! 少なくとも、WW社と利益を共有しようと考えてる可能性はない!」

ケイン 「利権争いに巻き込まれるのはまっぴらだぞ」

アントニオ 「水が安く手に入るようになること自体はいい話なんだけどなぁ……それで済めばなあ」

ダニー(GM) 「WW社の下請けしてるオレたちは、完全に奴らの敵だ! そうとなりゃ、向こうの手は二つに一つ。WW社に情報が漏れないように、傘下に収めるか……もしくは、抹殺するか、だ」

ヨルノハ 「ひっ……!?」 抹殺こわっ……!

ダニー(GM) 「この街はまだ完全にそいつらの支配下にはないみたいだから、今ならまだ引き返せる。……だが、オレたちの情報は当然向こうに伝わってるはず。早晩討伐部隊に襲われるぜ!さっさと逃げねえと命が幾つあっても足りねえよ!」

アントニオ 「さっさと逃げるに限る!」

ダニー(GM) 「……それとも、WW社の下請けをやめてこっちの連中の傘下に入るか? そうなりゃ確実にWW社と敵対する羽目になるから、どっちにしろ最悪だけどな!」

ケイン 「オーナーはどっちがいい? 俺はあんたの雇われ兵だ。どっちにしろ契約きれるか裏切られるまでついていくぜ?」

アントニオ 「WW社相手にドンパチとかもっとないわ! 規模が違うぜ!」

レン 「……あの、そんな簡単に変えたところを信用してもらえます?」

ダニー(GM) 「アンちゃんとレンちゃんの言う通りだな。WW社相手ならまだ人並みに扱ってもらえてるが……」

ケイン 「使い捨てはいつもの事だ。俺は気にしないぜ」トラウマが疼く。

レン 「むしろこの情報を本社?の方に伝えれば何か褒章ありそうです!」

ダニー(GM) 「そう、それな。……どっちを向いても地獄だが、まだ先に希望があるほうがマシだろ?」

アントニオ 「ダニーの身元がしれても厄介だしな。さっさと離れるとしようぜ」

一同 賛成!


GM ……てわけで。意図せずしてハチの巣に鼻を突っ込むことになってしまった”リトルラック”。這う這うの体で逃げ帰りたいところだが、当然追手は迫ってくる!
 次回、砂塵戦機キャンペーン第二話! 「幸運の女神(リトルラック)は振り向かない」をご期待ください!

アントニオ おお~~~! こいつは波乱の予感!

ヨルノハ うお~!! すごいことになってきた!!

レン わくわくー!

ケイン 激戦の予感しかしませんね!次回もよろしくお願いします!


See you next mission!!

■■■次回更新のお知らせ■■■
本作は現在進行中のキャンペーンのリアルタイム連載となっており、
次回更新は2011年3月10~20日頃を予定しています!
次回も乞うご期待!

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