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第1話 リトルラックは砂海に踊る-前編

 2021年某月某日。
 とあるオンラインセッションのルームに5名のゲーマーが集った。
 そう、今日から2020年秋に頒布が開始されたサバイバル&ロボットアクションRPG「砂塵戦機」のキャンペーンが始まるのだ!

GM はい! てなわけで始まりました砂塵戦機キャンペーン! 今日からしばらく、よろしくお願いしますね!

一同 はーい!

GM さてさて、事前に簡単な設定とレギュレーションをお渡ししておりましたので、そちらを元にPCを作っておいていただいたのですが……みなさん、準備はokかな?


ちなみに、こちらが事前に配布した資料!

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これをもとに、事前に振り分けとPC/クルーの設定は組んでもらったぞ!


プレイヤーA はいー、できてますー!

プレイヤーB 私も大丈夫!

プレイヤーC しかし、なかなかクセのある船とオーナーだよな。

プレイヤーD 俺はオーナーの悪友ポジで頑張らせてもらうよ。

GM じゃ、軽く状況を説明してから自己紹介といきましょう!

一同 は~い!


GM さてさて、本作は――「戦争で荒廃した砂漠地帯で生きぬくロボットバトル&サバイバルTRPG」です! そして今回は、元貴族の放蕩息子の持ち船、"リトルラック"の日常をつづるキャンペーン……になる予定です。
 事前に公開した通り、"リトルラック"オーナーのダニエル・ロアは、名家の生まれなのに放蕩が過ぎて、船一隻与えられて勘当されちゃったダメなおじさん。当年40歳。
 ……まぁ、放蕩時代のコネやらなんやらでどうにか仕事にはありついていて、そんなこんなで12年。その間に戦争も沈静化しちゃったし、本国とは連絡もとれなくなっちゃったしでもう大変。
 でもまあ、とりあえず明日のおまんまが食えればいいよねー、くらいのノリで、風の向くまま東へ西へ。
 そんな"リトルラック"の愉快な乗組員が君達ってワケなのさ!

ダニー(GM)  「ってわけでー、いつも通りの仕事ー。特に聞きたいこともないよね? みんないつも通りでよろしくー」

GM ……と、投げやりな感じで次の仕事を振られた君達なのであった。

プレイヤーD それが、この【任務概要】ってわけだな。

プレイヤーA お水運びの仕事みたいですね。

GM そのとーり!


 僕はセッション開始前にある程度どんな話になるのかは、公開しておく派。今回も以下の【任務概要】を事前に公開しておいたんだぜ。

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プレイヤーC 
誰かがやらねばならない仕事だ。そしてそこに"奴"が現れるかもしれんしな……。

プレイヤーB "奴"? なんだか早速因縁が。(笑)

プレイヤーC ふふふ。

GM ま、その辺りも含めて、自己紹介をしていきましょうか! それではルーキーのプレイヤーAさんから!

プレイヤーA はいー。


■■■ PC1-レン ■■■

プレイヤーA→レン レン=ハワード、16歳ぐらいの女の子でアンセス市の生まれです。家族はすでにおらず、倉庫の中にはいっていたA:gusを使い、市内でアルバイトみたいなことをしていました。なぜA:gusがあったのかは不明。
 いろいろあってリトルラックに雇われることになって、今回が初めてのお仕事となります。元気な性格で、活発に行動します。

※アンセス市……ルールブックに記載されている、砂海の主要都市の一つ。
※A:GuS(アーガス)……本作の表題でもある体高4~9mほどの人型戦闘乗機。Armord:Gum Strollerの略で、通電によって爆発的に収縮する天然素材のゴム状物質を人工筋肉としており、低馬力低燃費なのが特徴。化石燃料が枯渇した、という事情がなければとても利用されることはなかったと思われるビミョー兵器である。

レン 搭乗機体はソードマン、白兵能力が高い分、遠距離能力はほぼありません。本人の性格的にも突っ込んでライフルかブレードで攻撃します!

GM 今回はWW(ウズモンド・ウォーターズ)社で買い付けをするところから始まるので……別の船に乗ってウズモンド市まで来て、そこで雇われたって感じかな。

※ウズモンド市……砂海中央部にある主要都市の一つ。砂海内で最大の水源を保有しており、経済基盤は砂海一。WW社ことウズモンド・ウォーターズ社は同市が半官営で運営する水源管理会社。

レン アンセス市とウズモンド市は大分離れてますね……じゃあ、そういう感じかもー。

GM ま、なんかうまい設定が思いついたら後付けしていいよ。(笑)


■■■ PC2-ヨルノハ ■■■

GM じゃ、次は家族で乗員している枠のプレイヤーBさんかな!

プレイヤーB→ヨルノハ 名前はヨルノハ。都会から離れた場所で、弟のカイルと二人暮らしをしていました。所属したきっかけは依頼の関係で、弟が入りたいと言い出したことから……っていうきっかけで考えてました!

GM 生活班員のカイル君(11歳)だね。

ヨルノハ 年齢は19歳で、日常面ではカイルと一緒に炊事洗濯といった生活班員として働いています。

GM ほいほい。……あっ、便宜上、ヨルノハとカイルも1年以上は乗り込んでいて、新人はレンだけってことにしてくださいな。

ヨルノハ はいなっ。

レン 乗機はなんでしたっけ?

ヨルノハ ハウンドです。大小の機銃を4門装備した火力過多な機体です!


■■■ PC3-ケイン ■■■

GM では次、ベテラン枠担当のCさん!

プレイヤーC→ケイン ケイン・マクガイル。元プラデュー市軍所属。部隊行軍中の夜、謎のA:GuS1機に襲われ、部隊は全滅した……。

GM おほっ、重めの設定!

※プラデュー市…砂海の主要都市の一つ。戦時中の最前線を支えた都市で、豊富な軍需物資を備蓄した軍事色の強い都市。

ケイン 独自の調査の結果、連邦の新型A:GuSのテスト相手にされ、元々上で話がついていたと言う事が分かり、軍を離脱。フリーになり、リトルラックに所属。ロア家の人脈と情報網を利用して相手パイロットを探している。

GM うーん、ただようボトムズ感。(笑)

ケイン 左肩を赤く染めたワイルドグースが愛機です!よろしくお願いしますー!

GM 完全にボトムズじゃねーか!?

プレイヤーD レッドショルダー!?

※左肩を赤く染めた……「装甲騎兵ボトムズ」の主人公、キリコが物語開始当初所属していた部隊のトレードマークにして別称。最低野郎(=ボトムズ)フリークスどもは赤い肩と言っただけで敏感に反応する習性があるので選別が容易だぞ。

GM てかPC名もその界隈で聞いたことある感じするな!?

ケイン 姓は微妙に変えてます。(笑)

※その界隈……微妙に違うし怒られるといけないので秘密にしておく。まぁ最低野郎界隈で探せばすぐ見つかる。


■■■ PC4-アントニオ ■■■

GM では、最後は最古参でオーナーの悪友枠のDさん! お願いします!

プレイヤーD→アントニオ  おう。アントニオ・バルテ、37歳の男性だ。オーナーのダニーの放蕩仲間。同じくシグニアの名家、バルテ家の三男坊で家も継げないが軍人や官僚にもならずに遊びまわっていた。運転が大好きで葉巻と紅茶も愛している。
 乗機のサーペントは、ダニーの独立時についていく時の手切れ金代わり。ただ輸入機で運用コスト(ミサイル)も高い機体をくれる辺り気遣いなのかどうか。(笑)

GM Dさんには同じく古参のクルーの設定をお願いしていましたね。

アントニオ ダニーの執事で番頭のバティスト・ジレ、62歳だな。

GM (データを見て)おや、こちらも生活要員ですか、いきなり環境Lvが3。

ヨルノハ 居心地の良い船ね。

ケイン まぁ、オーナーがぼんぼんだしな。(笑)

アントニオ 今は、実家とも連絡も取れないが、長い付き合いのダニーとは、それなりにやっている。バティスト爺さんには悪い仲間と思われている……って感じかな。

GM うむ、なかなか個性的なメンバーが集まりましたね! それでは、まずはこの4名+オーナーのダニー、執事のバティスト、生活班員のカイルをメインにお話を回していきますね! みなさんこれからどうぞよろしくお願いします!

一同 よろしくー!!


■■■ 1-0 リトルラックの日常 ■■■


GM ……さてさて、さっきも話した通り、今回のお仕事は生活用水の運搬だ。リトルラックは、大手――というか砂海で唯一水利権を有するWW社と懇意にしており、割と日常的にこなしている仕事です。 なもんで、オーナーのダニーはゆる~くよろしく言い、アントニオ、ヨルノハ、ケインらは「あー、いつもの感じね」と伝わったわけですが――。

ジレ(GM)  「ぼっちゃま、いつも通りではありませんぞ。先日より雇い入れた新人パイロットもおります」

ダニー(GM)  「あー、そーだったねえ。レン君だっけ? うん、まぁ、僕らは大体こんな感じで仕事してるんだ。よろしく~」

レン 「はい! よろしくお願いします!」 笑顔で元気に返事します!

ジレ(GM)  「全然説明になっておりませんぞ! ……仕方ありませんな、レン嬢には私からこの仕事について説明しましょう」

ヨルノハ 「なんというか……オーナーいつもあんな感じなの……」と、レンさんにこっそり教えてあげます。(笑)

レン 「そうなんですね~」

ケイン 「まぁ、あれでなかなか面倒見はいいぞ? あんな感じだから勘違いされやすいが」と、こちらもレンにこっそり教えてあげよう。

レン 「ふむふむ」

ジレ(GM)  「……うぉっほん。この仕事は、砂海の中心にある中央山嶺に趣き、水利管理会社のWW(ウズモンド・ウォーターズ)社から水を買い付け、遠隔地にて販売する仕事です。
 基本的に、WW社は現金での取引しか受け付けておりませんので、自腹で水を買い、それが売れるかどうかは自己責任……とリスクはありますが。
 "砂海"で孤立している都市では飲料水は確実に不足しておりますからな。安定した商材と言えます」

アントニオ 「飲料水ならば売れないことはないしな。まぁ盗賊がでたら戦闘になるくらいだ。気軽にやればいいさ」

ジレ(GM) 「この仕事で一番注意すべきは『漏水』ですな。水のタンクはそれなりに丈夫ではありますが、ささいな傷でも漏れだしてしまいます。
 具体的には、船体が1点のダメージを受けるごとに成功報酬が1000cdt減ると考えていただければよろしい。
 首尾よくいけば12000cdtほどの純利益が期待できますが、できるだけ避けたい事態ですな」

ヨルノハ 具体的すぎる。(笑)

ケイン メタい説明だなぁ。

GM メタ台詞のギャグが好きなんです。(笑)

ジレ(GM) 「まぁ、要するに、諸君の具体的な仕事は『針路の安全確認と障害の排除』です」

アントニオ 「サンドシップを擦るだけで減額。……まったく世知辛いな」

ケイン 「賊が出たらサーチ&デストロイ、船を守る。シンプルな仕事だ」

レン 「水は貴重品、必要な人に届ける大事なお仕事ですね!」

ジレ(GM) 「アントニオ様の言う通り、野盗に遭遇する確率も高いですからな。十分注意しつつ、運搬を進めるとしましょう」

ヨルノハ 「できる限りは。賊は怖いけども……」

レン 「野盗……でてきたらどうすればいいですか?」

ジレ(GM) 「とにかく、船の防衛が第一ですな。豆鉄砲一つ撃たれただけでもこちらの被害は甚大です。敵を撃退できればそれに越したことはありませんがね」

アントニオ 「撃墜すりゃボーナスが出るぜ。野盗も襲ってくる以上はそれなりの覚悟があるだろうから遠慮するこたぁない」

レン 「帰ってもらえばいいんですね」

ケイン 「あぁ、アントニオの言う通り、ボーナスだと思えばいいさ」

ジレ(GM) 「……ですが、撃退にかまけて船を無防備にすれば、却って被害は大きくなります。その辺りは、先輩方がよく教えてくれるでしょう。……ですな? ケイン殿、アントニオ殿」 ……と、釘を刺しておくジレ爺ちゃんであった。

ヨルノハ ジレ爺ちゃん。(笑)

ケイン 「あぁわかっているよジレさん、新人の面倒をよく見て『使えるように』教育してやればいいんだろ?」

アントニオ  「はいはい、まずは水が漏れないように進むことが優先だよな……まぁ軍人さんがうまく鍛えてくれるだろ」

ケイン 「おい! 丸投げする気か?」

アントニオ 「さーてな?」

ダニー(GM)  「ま、何事もなければのんびり気楽な船旅さ。気負わずに楽しくやっていこう」

バティスト・ジレ(GM) 「ぼっちゃま! 爺が今初心忘るべからずという話をですなぁ……!」

ダニー(GM) 「はいはい、いつまでもぐだぐだしてないでさっさと出発しようぜ! 出発しんこー!」

ケイン 「ジレさん、大将はドーンと構えてくれる位が安心できるってもんだぜ」

アントニオ  「そうそう爺さんも血圧あがるぞ」

ジレ(GM) 「おぬしらが甘やかすからいつまでたっても坊ちゃまがこんな調子なのだ! うくくくく……!」

レン 「あはは、楽しいです」

GM ……ま、てな感じで、ゆる~くお仕事を開始するリトルラックの日常でありましたとさ。

ヨルノハ ほんとにゆるい船ねえ。(笑)

レン ゆるふわー!


■■■ 1-1 お仕事開始! ■■■


GM ま、そんなこんなでお仕事開始。既にWW社で水を仕入れたところから開始です。

ケイン 了解だ。

GM レンは水の仕入れも終わって、出発しよーかな、というところで乗員募集の張り紙を観て参加した、とかそんな経緯だと思いねえ。

レン はいー。

GM さて、お仕事の内容はこんな感じになりますね。

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レン ふむふむ……。天候見たり進路確認したりしつつ、問題に対処する感じですね。

GM せやねー、まず毎R最後に【トラブル】があって、これによって船体ダメージが発生する。
 【針路確認】をしておけば、【トラブル】の固定値を減らせて、ダメージが起こらない率を上げれる。
 【天候観測】をすれば、【針路確認】の判定を有利にできて、【点検作業】をすれば、ダメージを受けた時の被害を軽減できる。
 【針路確認】は、出撃するとEPを消費するので、適度に【機体整備】しないといけないし、連続で出撃すると難易度もあがる。……そんな仕組みとなってます。

アントニオ  受けるダメージを減らすことを考えるか、受けるものとして、点検作業で回復点をストックしておくか。

GM 非戦闘時以外の手番は、任意の順番で構わないことになっているのですが――まぁ、都度相談していると時間がかかっちゃうので、機体が軽い順で進めることにしましょうか。

一同 了解~。

GM じゃ、アントニオからだね。

アントニオ その前に、針路確認の必要成功度の確認じゃないか?

GM おっとそうでした。1/2D10+1で……4

ヨルノハ むー、結構多いわね。

アントニオ ……うーむ、4かぁ。それなら【点検作業】でダメージ軽減のストックを高めておくか。

ケイン ですな。

アントニオ では、《運動/運転[-2]》で【点検作業】。11以下……おっ、10と4。

GM 0は0としても10としてもいい。

アントニオ で、《運動/運転》が3Lvで、それ以下だからさらに成功度+1。

※『砂塵戦機』では、2D10による下方ロールを採用しており、2D10の合計値が目標値以下ならば判定成功となり、成功度+1となる。このとき、さらに「判定にした技能のLvより低い出目」があればさらに成功度+1される。つまり、一度の判定で最大成功度+3まで達成できるのだ。
※また、PCは[0]の出目を[0]として使っても[10]として使っても良い。判定の際には低い目である0を、ダメージ決定などの際は高い目の[10]を選ぶことができるのだ。一方、GM側のユニットは固定で[0]は[10]として扱う。

レン やったねー!

アントニオ  LPで4→3にすれば、3成功になるが……さすがに1R目だし。温存しておくか。

※LP……『砂塵戦機』では、LP(幸運度)を消費することで、判定のダイスを振り直したり、出目を操作(±1)したりすることができるぞ。

GM いや、【点検作業】のストック数は成功度+1だから、2で最大値までストックされたよ。

アントニオ おお、そうだったか。

GM 溜まっているダメージを消化しつつ、という状況なら3以上でも意味があるけどね。

アントニオ なるほど。じゃあ、ここで止め。「まずは愛車(サンドシップ)の状況は見て回っておくかな。ぶつけそうな場所ってのは、やはりあるもんだしな」って感じで次の方どうぞ!


GM 次はヨルノハかな

ヨルノハ じゃあ私は【天候観測】にいきます。《自然知識》Lv2で――4、6なので1成功ですね。

GM こちらもストック+2。 

ヨルノハ 天候観測は得意なのよ。「……うん、しばらくは大きな変化はなさそう」

ケイン ほうほう、じゃあ、それを聞いて【針路確認】に向かうとするか。


GM お、ではケインの手番です。

ケイン 《運動/運転》Lv1で挑戦します――[7,1]で2成功! 先輩枠の意地を見せられたぞ。(笑)

GM めでたし。これで1R1回のノルマは達成して、トラブル処理も1D10+2。

アントニオ これならストックしてる点検ポイントでこのRのダメージは解消できそうだな。

ケイン 「大きな障害はなさそうだ」と連絡してから帰投するぞ。……EPを10点消費、っと。


レン 最後は私ですね。……どうしましょう? EP犠牲に【針路確認】するか、【天候観測】を蓄積させておくか。

GM 温存しても良い気がするね。

レン では【天候観測】ー。ヨルノハさんの横でお空見上げておきます。11以下で……わーん、13で失敗!

GM 5、8はLPで出目操作してもどうにもならなそうだね。

レン 「いい天気……」すやすやー。

ヨルノハ 「あらら……」

ケイン 「新人は一度くらいは失敗する……寝るなー!」

カイル(GM) 「レンさん、レンさん、寝ちゃダメです! 見張りも大事な仕事ですよー!」

GM と、ヨルノハと一緒に見張り台に立っていた弟分のカイル君。

ヨルノハ 「ほら、起きて起きて!」

レン 「あぅ……。すいません、ぽかぽかいい天気だったから……」しょんぼりしながら起きます

GM 砂漠で見張り中に寝たら干からびそうな気がしないでもないが。(笑) ……まぁ、そうやってふんわりしていますと。

カイル(GM) 「……あれっ? おかしいな。……やっぱりそうかも? ねーさん、アレ、見てくれる?」

GM と、カイルがヨルノハに双眼鏡を渡して指した方向には……。

レン 「なに?なに?」ヨルノハさんの後ろからひょこひょこ顔出してみるのです。

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GM ルートを塞ぐように、岩塊が鎮座しているのです。

ヨルノハ 「岩塊が……」

レン 「衝突するー!?」

GM いやまだだいぶ先の方です。(笑)

ジレ(GM) 「……ふぅむ、確かに。お手柄ですぞ、カイル君。先日まではなかったので、おそらく流砂で流されてきたのでしょうが……困りましたな。あの道を塞がれると大分迂回しないとなりません」

レン 「ど、どうしよう?ヨルノハちゃん」

ヨルノハ 「どかせられるならどかしたいけれど……」

ケイン 「A:GuSで壊すしかあるまい?」

アントニオ しかし、75点か。結構硬いな。

GM 3Rめ終了までに破壊できなかったら、迂回せざるを得なくなって制限時間が+2R。

アントニオ 他の作業もしながらとなると手番が足りるかな?

レン 距離はどうなるんですか?

アントニオ 【ロックオン】はできるか?

GM そこらへんは風を利用して近づいた態で、どの武器で殴ってもいいよ。回避は3で、電子防御は0だ。回避は別に岩がよけるわけではなく、効果的な箇所に当てれるか否かみたいな理屈ね。

ヨルノハ はあい。


GM じゃ、最後に【トラブル】の処理。……8で12、2ダメージだ。

アントニオ 早速【点検】ポイントで解消しておこう。「あ~、補修材貼っとけ。まだなんとかなる」

GM ほい、では船体ダメージも点検ポイントも0になりましたー。

レン 結構ダメージ大きいですね。……これは【点検作業】は毎R必須でしょうか?

GM トラブル値が0になったらトラブル発生しないってのもお忘れなく。


■■■ 1-2 リトルラックの多忙な日々 ■■■


GM じゃ、まずは【針路確認】の難度……1+1で2。ひくい。

レン やったー?

GM ぬーん、これはトラブルを未然に防げるちゃんす。

アントニオ 【機体整備】でEPも大事だなあ。順番はそのままかい?

GM ですな、アントニオからよろしく。

アントニオ じゃ、【針路確認】。《運動/運転》Lv3……[6,3]で2成功!

GM ぬぅ、素で2成功か。これでこのRはトラブルなしだな。

レン やったー!

ダニー(GM)  「さっすがアンちゃん。頼りになるぅ」

アントニオ 「そうだろ~? 任せておけよ~」 


ヨルノハ 次は私ね。どれにいこうかな……? 【岩塊】いっちゃう?

レン いけいけー!

ヨルノハ えーと、まず駆動値点のEPを支払って……それから攻撃ね。射程は全部○でいいんでしたっけ?

GM そのとーり。移動しながら最適距離で撃ったという態でokだ。

ヨルノハ では、出撃! ……【ラピッド】と【エイミング+】も使っていいですか?

【ラピッド】……連続攻撃時のコストを軽減するスキル。
【エイミング】……R中、同じ敵への命中率を向上させるアクション。+はその強化版。

GM うむ、乗せていいよ。

ヨルノハ 全ぶっぱしちゃおう! 「早めに何とかしなきゃ……!」

GM その場合の目標値は……火器14、機銃+4、【エイミング+】+3、回避-3で、18以下×4かな。ダメージは全部HR。

ヨルノハ コストは機銃1×4、初弾0、次弾以降2×3、ラピッド-1で9……と。

GM うむ、きたまえ!

ヨルノハ まずはマシンガンLが[0,1]、[0,3]、マシンガンSが[6,2]、[4,6]!

ケイン おお、良い出目!

GM ダメージは12点、12点、10点、8点で合計42点。いきなり半分以下!

ヨルノハ 「これだけ撃っても壊れないの……? 嘘でしょ……?」

カイル(GM) 「でも大分削れてるよ、ねーさん!」

アントニオ 「ああ大分崩れてきている。もう一息だ」

レン 「ヨルノハちゃん凄いね、半分ぐらい壊れてる!」

ヨルノハ 「ならよかったわ! ……一旦補給に戻るね」


GM じゃあ、次はケインだね。

ケイン 結構EPを食ったからな、今回は【機体整備】だ。

GM 【機体整備】をするならまずは5点回復。

ケイン 「整備頼む!この暑さでEゴムがへ立っちまった!」

整備班(GM) 「了解。あの岩の件もあって、まだ出番はありそうだ、あんたは少し休んでな! その間に仕上げておくぜ!」

ケイン 「休める時に休ませてもらう、頼んだぞ!」と休憩に入ろう。


GM ……で、最後はレンだね。

レン はいー。では【岩塊】に挑戦! 「いってきまーす!」

ダニー(GM)  「よろしくー。いってらー」

レン まず、EPを5消費して、【エイミング】してバヨネットでブレード×2……EP9消費かな?

GM ですな!

レン あ、【スマッシュ】も乗せられます?

GM もちろん。スキルは命中判定前に宣言してくれればokだ。

※【スマッシュ】……白兵兵装での攻撃時、ダメージを上乗せするスキル。

レン 「行きますよー!」 [7,8]と[0,5]で両方命中! ダメージは17点と14点です!

GM おしい、あと2点!

アントニオ 「おお、もう少しだ」

GM マシンガンも撃っておく?

レン やってみます。目標値は15……[1,5]です!

GM 15-6で9ダメだから壊れた! レンがとどめとばかりにマシンガンを斉射すると、道を塞いでいた岩塊がずぅん、と音を立てて転がり、砂に沈んでいきます。

レン 「なんとか壊せました!」

GM 砂中の浅瀬に、どっかから転がってきた岩が引っかかっていたみたいだね。

ケイン 「おー、なかなかやるじゃないか」

ジレ(GM) 「お見事! 若いのになかなかの乗り手ですな。これはいい買い物でしたな、ぼっちゃま」

ダニー(GM) 「船も華やぐしね~(ウンウン)」

アントニオ 「違いないな!」

GM ……とまあ、そんな感じで2Rめもこれにて終了。【針路確認】が順調に進んだから、トラブルも起きなかったぜ!

ヨルノハ よかったー!


■■■ 1-3 不穏な気配 ■■■


GM 今回の【針路確認】の難易度は4。

アントニオ ……ん~、もう1回は行けるか。【針路確認】!

GM おや、前のRも挑戦したから難易度が上がるぞ?

アントニオ 悩ましいな。まぁ、それでも11以下だから、やってみるさ。……って[8,8]で失敗してるじゃねーか!?

GM ダイスの振り直しをするにも微妙な数字だなあ。(笑)

※『砂塵戦機』のLPは、ダイス一つを振り直す、という処理。そのため、悪かったほうだけ振り直せば成功しやすいのだが……[8,8]や[9,9]が出ちゃうと目が当てられないんだよなあ。

ダニー(GM)  「ははは、アンちゃんはすぐ調子に乗るからなあ」

アントニオ 「うっさいな!?」 じ、爺さんの【サポート】を頼みたい!

GM まぁ、使いどころかな。(笑)

※【サポート】……本作では、チーム結成時に決めたクルーが「サポート能力」を持っており、これらを利用することで戦闘や探索を有利に進めることができる。
 リトルラックのクルーは、ジレ爺さんが「【一般作業】の判定時に2Dを振り足し、その後任意の出目を選択する」、カイルが「【移動/突撃】時のEPコストを[0]にする」という能力を持っている。

ジレ(GM) 「アントニオ殿、もう少し東側の様子をご確認ください」

アントニオ [5,5]で1成功。……天候Pも使えば2段階までいけるんだが。

ヨルノハ 使っちゃえ!

アントニオ すまねえすまねえ……じゃあ2段階成功!

GM これでさっきと同じく9が出なければ最大2ダメ。

アントニオ 「はっはは、じいさんのお陰で見落とさずに済んだぜ」


GM では次、ヨルノハ。

ヨルノハ はーい。今回は【機体整備】かな?

GM みんな大体ハラペコだからな。

ヨルノハ 「整備お願いします……」 EPを5回復。

カイル(GM) 「ねーさんお疲れ!」

GM 蒸しタオルとかもってくるカイル。気が利く子なのだ。

ヨルノハ わぁい! 良い子! 私が育てたんだぞー!(笑)

GM はいはい。(笑)


ケイン 次は俺。【点検作業】しておくか。11以下で……[8,7]。

アントニオ あちゃー。(苦笑)

GM 爺さんのサポート、もらっとく?

ケイン お、お願いします!

GM らじゃー。これで今回のサポートはタネぎれだね。

ケイン [7,5]。くうう、LPを使って1成功にはしておく!

GM ほい、成功度+1だから、点検ポイントが[2]に回復しました。

ケイン 「爺さん、助かったぜ!」

ジレ(GM) 「なんのなんの。……しかし、どうもみなに疲れが見えてきましたな」

ダニー(GM)  「とはいえ、しばらく停泊できるような港もないんだよな」

GM と、思案顔のダニー。……ってところでとりあえずRの最後まで処理をしておきましょう。


レン 私も【機体整備】です。「整備お願いします!」

整備班(GM) 「昨日は大分活躍したからな」

レン 「手伝うことあればいってください、頑張ります!」

GM ほいほい。ではEP5回復だ。


GM 最後に【トラブル】の処理。[0]+4だからダメージなし。ザンネン。

ケイン よしよし!

GM ……さて、それではここでちょっとしたシーンを挟みましょう。【針路確認】を終えて帰投したアントニオに、オーナーのダニーがのほほんとした調子で近づいてきます。

ダニー(GM) 「みんなお疲れー。アンちゃんもお疲れ。アシ(A:GuS)の方も大分くたびれたみたいだねえ」

アントニオ 「ああ、万全な機体は一機もないぞ」

ダニー(GM) 「……だよねえ」

アントニオ 「……なんだよ、その顔は」

ダニー(GM) 「……えーと、嫌なこと言っていい?」

ヨル えーっ!?

レン しょ、食料が無くなってしまったとか……!?

GM いやいや。(笑) てかまぁ、ここは馴染みのアントニオだけに相談してるシーンってことでお願いしますよ。

レン はーい。

ケイン ……オーナーが嫌なこと言うときはホント嫌なこと言うからなぁ。

ダニー(GM) 「いや、オレが賊だとするじゃん? で、水を運搬する船がある情報を知ってたとするじゃん?」

アントニオ 「……おぅ」

ダニー(GM) 「そしたら、機体が十分くたびれたところで襲うのがイイって気がしない?」

GM ……と、ダニーが漏らすや否や。「みなさん! 緊急事態です! 4時の方向から正体不明の機影を確認!」と、見張りについていたカイルの声が、艦内放送で響き渡るわけです!

アントニオ 「げえ……っ」

カイル(GM) 「数は……2機? あ、いや、でもサンドバギーの騎兵が何機も……! 明らかにこちらを狙ってます!」

ヨルノハ 「ひっ……!?」

レン 「敵……!? ど、どうしよう?」

ケイン 「ふん、ボーナスが向こうからやって来たか!」

ダニー(GM)  「……あー、嫌な予感があたっちゃったかぁ。アンちゃん疲れてるところ悪いけど、引き続き迎撃頼むよ」

アントニオ 「……やれやれだな」

GM ……ってことで、時間もちょうどいいし、今日はここまでとしましょう! 次回はいよいよ初めての戦闘から再開だ!

一同 は~い!

to be continued...!!

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