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撮影助手とは?~撮影助手いない問題を紐解く その0

こんにちは!シネマトワ管理人です。

このnote「シネマトワ」では、人材サービスや企業人事に従事してきた管理人目線で、また一人の映画・ドラマファンとして、撮影現場がさらに魅力的な職場になっていくことを期待しつつ、撮影現場や映像エンタメ業界で起こっていることをレポートしています。

撮影助手いない問題をお伝えしていく上で、まずはそもそも「撮影助手」って何をする人?どんな人?について簡単にご説明します。

撮影助手とは何する人?

撮影現場でのいわゆる「撮影助手」と言われるスタッフは、おおざっぱに表現するとこんな構成になります。

撮影現場での撮影部の位置づけ&体制

一般的にイメージされる「映画やドラマのキャメラマン」という「キャメラマン」とは、ここでいう「撮影監督」のことです。

スタンダードな体制はこうで、予算のある現場や撮影の内容次第で、この編成にさらに追加で

・特機(ドリー、クレーンなどの特殊機材の操作・取り扱い)
・オペレータ(Bカメ、ステディカムの操作・取り扱い)
・DIT/VE(撮影データ管理、映像の調整)

といったポジションが置かれたりします。
(海外ではちょっと編成が違うみたいですが、また別のところで)。

撮影現場では各部に助手が必要なのですが、この助手というのは単なる「アシスタント」と表現するにはその域を超えています。
撮影部でいうと、撮影助手は「機材取扱のプロ」とでもいいましょうか。なんなら撮影監督よりも機材に詳しく、フォーカス操作などは完全にお任せということもあるようです。今は、撮影監督は映画監督や各組織の長と打ち合わせしながら絵を決めていく、撮影助手はそれが機材で実現できるようにする、というのがおおむねの構成のようです。

撮影助手のキャリアステップ

撮影監督になるためには、日本では一般的に見習いからスタートし、サード→セカンド→チーフ→撮影監督の順で、ステップアップしていくのがスタンダードなキャリアステップです。
近年は、当ステップを経ず、いきなり撮影監督として抜擢される人もいるそうです(これも結果として撮影助手が増えない理由の一つかも?)。
見習い~チーフの下積みがない場合でも、たまたま撮った映像をyoutubeとかにアップしていて、それをたまたまどこかのプロデューサーや監督に見いだされ、撮影監督にアサインされるということもあるそう。なので、撮影監督は超若手、撮影助手は超ベテラン、ということもあるそうです。
また、撮影助手のキャリアが流動的なため、チーフになってしまうと、常時サード、セカンドが人手不足になってしまうようです(見習いからチーフまでの期間は5年~10年:管理人調べ)。
特にサード、セカンドが常に不足しているので、チーフクラスだけどセカンドの依頼があったり、サードだけどセカンドやってみようか、など急に次のステップの依頼があったりなども。このあたり、現場のやりくりの苦労が垣間見えます。
撮影助手もチーフクラスになってしまうと、もともとは撮影監督を目指していた方も、撮影助手として売れっ子になってしまい、生活費が撮影助手の仕事で成り立ってしまっていると、「次のステップに行きたいので撮影助手の仕事は請けません」と言いたいけど言いにくくなることもあるようです。

最初の一歩の撮影助手にはどうやってなるのか?

撮影助手の方はどうやって撮影助手になったのか。そのパターンはいくつかあるのですが管理人調べですとこんな感じです。

・機材屋(カメラ機材を専門的に扱うレンタル会社)や制作会社に入社
・大学で映像学科を選考して教授から最初の仕事をもらった
・日本撮影監督協会などの撮影助手の育成講座を受けてそこの人脈で紹介してもらった
・インターンを見つけて応募した
・専門学校で学んでその専門学校から紹介してもらった
・先輩に誘われて

・・・など。
一つ目の機材屋や制作会社に社員として仕事に従事する方には実はお会いしていません。実際、撮影部の約8割はフリーランスで構成されているとのことで、部門としてはフリーランス比率が比較的高い部門となっているようです。

撮影助手の年齢層や男女比

撮影助手の年齢構成は20代~30代半ばぐらいまでが中心だそうです。40代の方もお会いしましたが、チーフクラスで、チーフ歴も長い方のようです。
男女比は、ちゃんと調査していないですが、男性の方が多いらしい。ただ、管理人が実際お会いしたのは女性の方が多かったです。とある会社さんの新卒の撮影助手割合も4人中3人が女性という例があったようで、あまり男女差がないのかもしれません。

具体的にはまたインタビュー記事でご紹介していこうと思います^^

参考:
知られざる映像職人、フォーカスプラーという職業
PRONEWS:「「撮影」「照明」それぞれの役割とは~プロダクション撮影部・照明部編