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【映画祭の今】ジョニー・トー最新作をオンラインで!Far East Film Festival2020

 先日カンヌ国際映画祭が従来の形の開催を断念し、「オフィシャル・エレクション2020」作品を発表したことがニュースになったが、この夏に開催される映画祭は完全オンライン開催がメインになっている。ヨーロッパやアメリカで最新アジア映画を紹介するタイプの映画祭は、私が携わっている大阪アジアン映画祭出品作が入選しているケースが多く、リアルで行けないため、今までは情報を追うだけだった。

 そんな「見ているだけ」だった映画祭の一つ、イタリアのウディネで開催されるアジア映画の祭典、「Far East Film Festival2020」(FEFF)が今年は完全オンライン開催になるということで、出品作品を見ると、ジョニー・トー監督の最新作も出品されている!ちなみに今年の大阪アジアン映画祭で観客賞を獲得した『少年の君』はクロージング作品に選出、人気を呼んだ香港映画『私のプリンス・エドワード』、韓国映画『チャンシルは福も多いね』も選出されている。他にもユン・ガウン監督(『わたしたち』)の最新作もラインナップされているのだが、残念ながらこれらの作品は日本では観られない。今回のFEFFは、

・全世界配信(一部この国は除くと書かれている場合あり)

・ヨーロッパ全域配信

・EU国限定配信

・イタリア限定配信

と、作品ごとに配信地域が設定されている。

【日本で鑑賞できる主な作品】

・ジョニー・トー『CHASING DREAM』

・ホウ・シャオシェン『CHEERFUL WIND』リストアバージョン

・アンドリュー・ラウ『THE CAPTAIN』

・足立紳『喜劇 愛妻物語』

・松居大悟『#ハンド全力』

・渡辺紘文『普通は走り出す』他

二ノ宮隆太郎『お嬢ちゃん』

をはじめ、数は多くないがフィリピン、マレーシア、韓国の日本未公開作を観ることができる(字幕は英語を選べる)。

【チケットのシステムは?】

こちらは作品ごとにチケットを買うのではなく、シルバー忍者、ゴールデン侍、プラチナ将軍という3種類のパスのどれかを購入し、ログインすれば鑑賞できるシステムになっている。

グッズが欲しいならゴールデン侍かプラチナ将軍だが、値段が段違いに高いので、純粋に映画を観るだけならシルバー忍者(9.9ユーロ=1200円ぐらい)で十分。サイトのトップページから購入できる。



【鑑賞のシステムは?】

先ほど、クロージング上映の話をしたが、通常の映画祭同様にスケジュールが組まれており、中にはレッドカーペットはトークイベントもあるようだ。

鑑賞方法は2種類。いずれも該当作品のページに飛び、どちらかを選ぶようなスタイルだ。該当作品ページでは、座席表があるので、混み具合が分かるようになっている。バーチャルシアターという感じだ。

1.オンタイム鑑賞 

通常の映画祭のように、バーチャルシアターで座席を予約、映画祭スケジュールのオンタイムで鑑賞する。(イタリアとの時差は日本がプラス7時間)

2.即時鑑賞

通常のストリーミング配信のように、好きな時に鑑賞もできる。こちらも、映画祭のイントロが入り、監督の映画祭に寄せた動画コメントが入ってからの上映になるので、FEFFに参加している気分になれる。

6月26日から7月4日までの開催、英語字幕だが映画祭の雰囲気を味わうだけでも、参加する価値はあると思う。日本で鑑賞不可の作品も、監督のメッセージまでは観ることができる。今年の大阪アジアン映画祭では残念ながら来阪が叶わなかった『チャンシルは福も多いね』キム・チョヒ監督のチャーミングなメッセージも必見!エンターテイメント性のある作品がラインナップされているので、この機会にステイホームで海外映画祭デビューしてみて!

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