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バイデン新大統領とリモートワークと陶王子〜緊急事態宣言関西Day8

 NHKを付けながら作業をしていると、国会中継からバイデン大統領の就任演説が流れてくる。その上部と横には、帯状に緊急事態宣言発出に伴う交通機関の間引き運転や各種商業施設の営業時間短縮情報がゾロゾロと流れてくる。非常時ということを突きつけられているような気分になるなと思いながら、トランプ元大統領のキツイ語調で自己中心的、攻撃的な言葉をもう聞かなくて済むと思うと、なんだかホッとする。人を攻撃する強さなんていらない。和をもって尊しとなす。議論を重ね、少しでも相互理解が進む世の中に舵を切れるようにと祈る気分だ。

 今週から週2回のオジョーのリモートワークが始まった。いつもは私がお弁当を入れているが、リモート中はお弁当なし。お昼になったら、何かを作って一緒に食べる。今日は大豆のお肉でガパオライスならぬガパオ生春巻きに。こんなの子どもが夏休みの時以来だろうか。平日の昼に、こんな感じで二人でお昼食べるなんて、なんとも不思議な気分だ。

 私は夏だろうが冬だろうが熱いお茶を飲んでいるが、ずっと愛用していたちょうどいいサイズの急須が最近すぐに溢れてしまい、オジョーが買ってきたガラスの急須に変わって今日で2日目になる。確かに便利だし、お茶の色もわかるのだけど、やっぱり焼き物の方がいいなと思っている。溢れようが、何しようが、あのフォルムが好きだし、黒光りする感じもいい。10年以上選手だからよくがんばっているほうだ。

 さて、マイコップを使うのは日本人だけの習慣という話を聞いてなるほどと思ったのが、『陶王子 2万年の旅』柴田昌平監督のインタビュー。縄文土器からはじまり、陶器の歴史を語るに、日本はその原始的なところから登場し、常に陶器に親しんできた。ほぼ一県ごとに焼き物の産地があるというのも日本ぐらいならば、誰もが修学旅行や何やらで焼き物体験をしているという民族も日本人ぐらいだと言われ、なるほどなと膝を打った。映画では古代から現代まで中国からエジプト、ヨーロッパと時間も場所もかけてゆく。最後は宇宙まで!実にスケールの大きな物語をナビゲートしてくれるのが、のんが声を演じた陶王子。時代によっては希望となり、時代によっては権力の象徴とされ、時代によって翻弄される陶磁器の運命。だが、どれだけ高級で精緻なものが作られるようになっても、器というのはあくまでもふだん使い。分厚い、何かの景品のコップの方が、長く手元で使っているケースも多い。久しぶりに手でこねたり、形を作ったりしたくなるような陶磁器をめぐる人と自然と道具のドキュメンタリー。のんと出かける冒険にワクワクできる作品だ。


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