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映画の起源(4):発明王エジソン、映画も発明する?!

さて、いままではフランスを中心とした映画史を見てきました。

しかし、実は同じ年代に、アメリカで同じように映画がある人物の手によって発明されていました。発明王エジソンです。彼は、電池、電球や蓄音機などの数々の発明で知られていますが、実は映画にもかなり力をいれていました。

リュミエール兄弟が使用したフィルムを発明したのはエジソンでした。実は、1894年にエジソンの発明したキネトコープの体験が、彼らのシネマトグラフィ発明のきっかけとなったのです。

「はくしょん!」

1893年8月りっぱな髭をもつ男性がくしゃみをする様子が撮影されました。このたった4秒の映像が、『フレッド・オッツのくしゃみ』という名で知られる、キネトスコープによる映像作品第一号です。ちなみに、フレッド・オッツはエジソン本人です。若い!

この『フレッド・オッツのくしゃみ』は、撮影のために特別に改造された倉庫で撮られました。採光が容易なように日当たりのいい場所に建てられたこの倉庫は、黒い紙で覆われ、室内に入る太陽光が調節できるように暗幕が設置されていました。これが、ブラック・マリアという名の、初の映画スタジオです。

また、あまり知られていませんが、1895年の始めに、助手のウィリアム=ケネディ・ディクソンは映像と同時に、音を録音することを思いつき、実行しました。これはトーキー映画ができる30年前の話です。

エジソンはいち早く、マイブリッジの研究に目をつけ、彼を家に招待してはアイディアを探り、4つの偉大な発明を経て、ついにはエジソン印のキネトスコープを完成させました。4つの発明、撮影する装置(カメラ)・撮影したものを定着するもの(フィルム)・撮影する場所(スタジオ)・撮影したものを見る装置(映写機)、を見れば、エジソンという人がいかに科学に精通し、先見の明があった発明家だったかということがわかります。

さすが!発明家エジソン!!

ただ、彼の発明したキネトスコープですが、実は驚くほどFraise-Greenというイギリス人が作ったものにそっくりだったそうです。さらに、フィルムは彼のアシスタントのウィリアム=ケネディ・ディクソンによる発明だったと現在では言われています(35㎜という幅も彼が定めたのです)。

今回はエジソンすごい!と書きましたが、次回は、その発明王の失敗と嫉妬のお話です。エジソン黒歴史です(笑)


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