語る、死す。

~喫茶店にて窓際のソファー席に2人の女の子~


池上結婚したらしいよ〜
って言われたんだよね。

あ、そうなんだ
あのときの彼女と結局?
よかったね、としか言えないじゃん、
別に思ってもないけど。


躊躇ってたからさ、全部。
いつも、何するにも時間かかっちゃってたのね。
氷がさ…んー、なんか忘れちゃったんだけど。


うち、なんにもなくて。
飲み物もぬるくって。
真夏だったから、
角砂糖みたいな氷買ってきてくれて。
それをさ、欠片をだよ。
急に服ん中のこの、背中から入れられて
すっごい冷たくてびっくりして…
でもさ、それきっかけでキスとかできちゃうの。
意味わかんないよね。


どっちもが特別で、たぶん特別じゃなかった。
いい空気感だと思ってたんだけど
1番じゃないのわかってたから、
結局わたしは殴られて
なーんの話もできずにさよならって。


背中に入った氷とね、よくわかんないけど
勢いで手繋いで走ったコンビニの帰り道がさ、
嫌な記憶のほうが多いくせに、
それだけはどうしても、ここにあるんだよね。
夜中とか思い出しちゃうし。
二度とないのに、会えたらこれ話そうとか
あれ謝ろうとかたまに考えてんの。
絶対、合ってたのにな〜



ねぇ聞いてないでしょ、いいけど。

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