いきもの地球紀行 in 近所の海 Dodd Narrows
船乗りおじさんのおすすめ、Dodd Narrowsという小さな海峡(Channel) に行ってみた。Vancouver Island と小さな島の間の幅およそ60mほどの狭さ。渦潮が見られ、その狭さとcurrentの速さで船の通過の難所とされているよう。
バンクーバー島の東海岸はいくつかの細長い島が防波堤のように重なって穏やかな内湾を作っている。風もあまり強くないので、普段、波を意識することはほとんどない。が、このあたりの干満差はおよそ4mもある。初めてIslandのMrinaに行った時、干満差が4mもあると知って驚いたものだった。ちなみに、北海道太平洋岸はせいぜい1.5m程度らしい。
陸路でDodd Narrowsへ行くにはCable Bay Trailというトレイルを1kmほど歩いていく。知る人ぞ知る人気のスポットらしく、駐車場に車がびっしり停まっていることもある。
愚息を誘ったのだが「疲れたから行かない」と断られ、仕方なく一人で行く。午後一時半なのだが、森は鬱蒼としたwest coastに多い温帯雨林、すぐに暗くなってきそうな雰囲気だ。今日は平日、駐車場に車は数台しかない。トレイルを歩きだしてから、熊よけの鈴を持ってくるのを忘れたことに気づく。すれ違う人たちは、皆犬を複数連れている。
トレイルはほぼ平坦で歩きやすい。視界がひらけたところで、ハクトウワシのお出迎え。何度も旋回しているのが見える。さっそくワクワクする。
歩き続けること約30分。ようやく海が見えた。初めてのトレイルなのでキョロキョロしながら歩いていたので、時間がかかった。
干潮とはいえ、最低潮位ではなかった。Lowest tideは深夜だったのだ。夏場は、ヒトデなど色々な生物が観察できそうだ。
おお、高確率でアザラシや、Sea Lionが見えるという情報のとおり、Loggingの上になにやら寝そべっている黒っぽいものが見える。かれらは、昼寝を決め込んでいるらしく、時々頭を持ち上げているくらいで殆ど動かない。双眼鏡が車にあったのだが、すっかり持ってくるのを忘れていた。
更に進んでいくと、岩がちのトレイルとなり、海峡の一番狭いあたりに出た。先客がいて、カメラを構えている。渦潮を撮影している様子だ。鳴門海峡ほどではないが、いくつもの渦潮が見え、潮流もまるで川のように海面を進んでいくのが見える。海面と、海峡を通過するボートを撮影してたら、Sea Lionが現れた。
かなり近い。息継ぎの音や、鳴き声がとても大きく、静けさの中に響き渡る。
しばらく周囲の海や山を観察した後、暗くなっては困るので帰途についた。
すると、Sea Lionたちが、競泳さながらに次々と泳いでくるではないか。
どうやら日向ぼっこをしていたのが、家に帰るのか、餌を取りに行くのかわからないが水に入って海峡のほうに向かっていく。
人生で初めて、こんなにたくさんの野生のアザラシやSea Lionを見た。
Tofinoに行ったときは、わざわさ船で沖に出たりして見たのに結構遠くて豆粒のようにしか見えなかったのに、ここでは、こんなに近くで見える。
うちから車で20分ほどの場所だ。びっくりだ。
運が良ければ、クジラやシャチも見られるらしい。また絶対来よう!
こんどは、大潮で日の長い時狙って早朝から見てみたい。
トレイルは入り組んでいて、もう少し進んでいけそうだ。
岩場には、貝塚や遺跡のようなものが見える。
(遺跡認定されていないのか、なんの案内表示もない)
対岸の島に渡れたらいいのに・・・
大潮でも渡れるかどうか、不明。
まだまだ探検の余地がありそうだ。
バンクーバー島を訪れることがあったら、ぜひ行ってみてほしい。Duke Pointフェリーターミナルから結構近い。ここは、穴場ってことだ。
薄暗くなってきた帰り道、まだまだ犬の散歩の人たちが歩いている。慣れた様子なので、常連さんなんだろう。
帰路は寄り道せず、早歩きだったので30分程度でトレイルの入り口まで戻れた。トレイルとしては、急な坂はなく、Dodd Narrows付近に行くまではゴツゴツした岩もないので歩きやすい。ただ、雨が降っていなかったにも関わらず、大きな水たまりや湿った落ち葉が積もっているので、足元には注意してください。
Dodd Narrows、この景色を見れただけでも、カナダに来てよかった!としみじみ思った。
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