鯨と鮭とグリズリー 自然の営みに包まれるSayward / バンクーバー島探検その5
Saywardの埠頭では鮭が釣れるという。鮭を海で釣ったこともないし、見たこともない。私にとって鮭とは、川を上ってくる魚なのだ。
Saywardはバンクーバー島の北部、メインランドとの間に無数の島が入り組む不思議な海峡ジョンストン海峡に位置する小さな村だ。
例によって、Saywardの情報は少ない。
友人からの「あそこで竿を借りて鮭をつれる。その場で捌いて持ち帰ることができる」という情報。行ってみるしかない!
Campbell Riverから約70km。そこまで町はない。電波もない。
道路は思ったよりも良い。
知人から、
「北の方は、山がちで、道路は曲がりくねっている」
と聞いていたが、そんなに厳しい急カーブはない。Tofinoのへ行く道方がカーブが多い。
ハイウェイから、あまり目立たない道へ入る。
しかし、村に続く道には意外と立派なCOOPのガソリンスタンド。
この先数十キロガソリンスタンドがない。
ローカルな道に突然、信号が出現。この橋、片側交互通行らしい。
村に入ると、キャンプ場の看板が。
早速、様子をチェック。一泊25ドルで、RV用は7か所ぐらいしかないが、2カ所空いているようだ。キャンピングカーとトレーラーが全部で4台ほど泊まっている。水道も水洗トイレもある。今日はここに泊まろうかな。
村役場でお金を払って、これから港の方に行ってみたいんだけど、どうしたらいい?と聞くと、First Come First Serveなので、ピクニックテーブルの上にこの紙置いておいてと、ピンクの紙(領収証)を渡される。まあ、何か物が盗まれても自己責任ってことだ。
村を軽く探検し、お目当ての埠頭に向かう。
え?グリズリー?Cautionを2度見した。
ブラックベアーは小型でそこまで獰猛ではないが、グリズリーは日本でいうヒグマと同種。来る直前にVancouver IslandにGrizzlyが出たという動画を見たばっかりで、どこかなぁ?と思ってたがまさにこの場所だったのだ。
しかも、そのGrizzlyは2頭の子連れ。島で繁殖しちゃってるんじゃないか!
(本来IslandにはGrizzlyはいない)
怖すぎるので、奥まで行かず。
さて、港(といっても小さなWharfなのだが)まで車で5分ほど。
途中、でかい丸太置き場(Sawmill)を間近に見ながら進む。
終点がKelsey Bayだった。
中にInformationやギフトショップがある。
お店の人が色々話しかけてきて、このWharfやVisitor Centreがコミュニティの有志で運営されていることや村のことを親切に教えてくれる。
埠頭そばのRV parkはキャンピングカーで満車。みんな長期滞在して連日釣りを楽しんでいるようだ。
女性の釣り人も多い。ここなら、気軽にきて釣れるので最高だ。
ぶらぶらしていると、同じくぶらぶらしているおじさんが村や海、カサン山で行われるトレイルランの話をしてくれる。村人の人口は200人ほど。ハイウェイの方のSayward Valleyには700人ほど住んでいると言っていたので人口1000人ぐらいのコミュニティなんだろう。
誰かが
「Whale!」と叫ぶ。
海に目をやると、ぬるぬるぬるっと鯨の背中が海面をなぞるように見えた後、真っ黒な尻尾が海面から突き出た。
ハンプバックだ。こんな間近で見るのは初めて。
鯨は7月以降、鮭を追って海峡を北上していくらしい。ここは海峡の幅が狭いので、鯨やシャチの観察に絶好の場所なんだろう。
ここなら2週間ほど滞在して、毎日釣り糸を垂れたり、鯨の回遊を見たりしてのんびりできそうだ。
Sayward、気に入った!
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