見出し画像

「高齢者とカナダ旅行」 率直な感想

前述しましたが、今年初めて80代前半の母をカナダに招待しました。母は、年齢の割に若くて50代で乗馬と登山、60代で油絵と卓球を本格的に始めてそれぞれ一定の成果を上げてきました。海外旅行もあちこち行っていたはずですが・・・
今回、ずいぶん衰えたな・・・というのが私の感想です。

■ 足が痛い
まず、昨年変形性膝関節症の手術をしたため痛みで膝が思うように動かせません。母は「手術が失敗した!」というのですが、痛みが強くてリハビリができず、痛み止めを飲むように勧めても胃が悪くなるとの理由で中断。体重も何故か増加・・・カナダ渡航前は回復期リハ病棟で働いていたので、術後の注意点であるとか痛み止めの飲み方などはずいぶん説明したのですが・・・聞く耳を持ってもらえませんでした。結果これです。

足に負担をかけないように車であちこち連れて行くのですが、車がでかいので車高が高く、乗り降りに苦労していました。今度は、踏み台を準備しようと思います。

Saanich Inlet

■ 荷物が異常に多い・・・
今回は、一泊の予定だったので持ち物は下着程度でいいと言っていたにも関わらず、なぜか下着の他に半袖長袖2枚ずつ、ズボン下、ジャケット、帽子2つ持っていました・・・帽子はちなみに4つ日本から持参してきました・・・王室じゃあるまいし、なんでそんなに帽子が必要なんでしょうか?
ただでさえも転びやすいのに、荷物が多いので両手が塞がっています。しかも、日本から持参した肩掛けカバンが異常に重い(汗)こんなに重いもの邪魔・・・しかも、小さいのでジャケットが入りません。結局息子に持ってもらうことにしました。ショルダーバッグに入れるのは貴重品だけにして!というのですが、何故か貴重品というか巾着袋が出てきました。巾着袋にパスポートやスマホを入れているようです。
肩掛けじゃないものは、ひったくりに遭うかもしれないし、荷物を2つにすると置き忘れるおそれがあるから一つにまとめて」と言っても、巾着袋を手に持つことは譲れないようです・・・
いくら、比較的安全なカナダでも、小さな巾着袋を持って歩いている人は見ませんね・・・インドやタイなど治安が良くない地域を旅行してきた割にはあまり経験がいかされていません。

金曜日だからなのか、人だらけのビクトリア。いままでで一番混雑していました。
人力車のお兄さんが、別の人力車にぶつかっちゃったところ。

■ 暑いのに寒がる
真夏でも「寒い寒い」と言ってエアコンを切ったり、気温30℃でも毛布をかぶって寝ている患者さんはよくいました。が、うちにもいた!体感温度26度くらいなのに、なぜか長袖セーターに長袖ジャケット。さすがに暑くなって「ここで脱いでいいかい?」とズボン下を脱ごうとする・・・嘘だろ?いくらカナダでも、公衆の面前でズボンを脱ぐやつがあるか???てか、なんで真夏にズボン下を履く???
母の思考回路には「カナダ=寒い」がなぜか刷り込まれているらしい。
本州の人が、北海道は夏でも雪降ってると想像するのと同じですな。
でも、ビクトリアの雑踏を観察していると、やはり高齢者は暑くても長袖ジャケット着てる人が多いですね。もちろん、有色人種です。白人は寒さに慣れているようで少し暖かくなると半袖やノースリーブが多いですけど、インドっぽい人やアラブっぽい人は結構しっかり着込んでいる。カナダは多様性の国ですね・・・

というわけで、かなり典型的な高齢者となった母でした。

ブッチャードガーデン、植物も多様
みるからに暑そうですが
日差しが強すぎてうまく撮影できないハンギングバスケット
バラ満開、ハンギングバスケットが春の倍のボリュームに!

ブッチャードガーデンに行くのは4月、5月と3回目ですが、こんなに人がいっぱいいるのは初めて!5月はまだバラが咲いていなかったので、今回見られて幸せ!また来たい!と思って年間パスポート購入。毎日でも入場していいそうです。しかも、グッズや飲食も10%割引だった!

■ 自然にあまり感動しない
これは、うちの母だからなのかもしれませんが、カナダの広大な景色を見ても
「幌別に似てる」(北海道の太平洋側の住宅地、大昔新日鉄の社宅があった)
「〇〇に似てる」(北海道の内浦湾に面した北の湘南と自称している地域)
などと、北海道の自分が育った町や私達の実家があった町と比較してあまり感動してもらえません。
いや、違うでしょ!北海道の鉛色の海とは。あの、太平洋の荒波が打ち寄せる室蘭や登別とは!

農場は、たしかに北海道の農家にそっくりです。だって、
「北海道がパクった」んですから。
札幌農学校のクラーク博士らが、北海道の気候に着目して北米式の農業を導入したのは有名な話。ここ、バンクーバー島にも多数のファームが存在し、牧草地、牛舎、牛が草を食む姿など風景はよく似ています。

マンサード屋根。札幌農学校第2農場と同じ屋根

というわけで、母は、特にVancouver Islandには感動しませんでした。
Victoriaや、Vancouverダウンタウンならいいそうです。

■ 木が似てる。木が同じ。
うーん、たしかに常緑針葉樹の部分は似てるかもしれません。でも、うちの実家の辺はあまり高い木はありませんでした。トド松やエゾマツは道央の然別湖あたりならかなりの高木原生林が見られたのですが。
カセドラルグローブを見れば驚くかもしれませんが、あいにくまだ交通が完全に復活していないようです。

■ 北海道の高齢者は、都会好きな傾向
 私が住んでいる地域は、一軒一軒の土地が広いです。普通の家でも敷地は1エーカー(1224坪)ぐらいあります。なので、隣の家が見えません。
母は、こんな田舎に住んで気持ち悪くないの?といいます。いえ、その木の向こうに家があるんです・・・しかも、豪邸が・・・

あの木の向こうに家があるんですよー

北海道の実家の近くは、家の周りは農地だったり、荒れ地だったり牧草地だったりしました。ちょっとニュアンスが違うんですよー。しかも、こっちは家が高いです。実家の土地は1坪5千円ぐらいだったような気がします。こっちは、高すぎる気もしますけど。
 母の気になる点は、カナダのような未開の地にどのようにこれだけの建物を建てたのか?いつ、人が住み始めたのか?という点でした。建国150年とはいえ、人はもっと昔から住んでいたし、日本が開国150年であれだけの発展ぶりなので同じことなのでは?と思うのですが、「西部=未開」というマカロニウエスタン的な刷り込みがあるようです。これは、ちょっとおもしろい。バンクーバーは、トロントより蔑視されているのではないか?という質問は面白いと思いました。

便利な都会が大好き(札幌の実家からの夕焼け)

来週は、ソルトスプリング島やナナイモに行ってみようと思いますが、楽しんでもらえるかなぁ?

追記:まだオチがありました
■ 環境の変化に適応できない
 仕事から帰ったら、母が外に布団やクイーンサイズのシーツを干していました。
カナダは布団や洗濯物を干すという発想はあまりありません。なんでも洗濯できて乾燥機で乾かせるからです。

なんで、干していたかというと「猫が寝ていた」というのです。
犬や猫を飼っているとそういうことは日常茶飯事であり、いちいち洗ったりしません。しかも、クイーンサイズのシーツは大きくて交換するのが大変なので私は2週間に1度程度しか洗っていません。昨日まで留守にしていたので5日程度しか使ってないんですが・・・
ま、親孝行と思ってシーツ交換のついでにマットレスの向きを変えました。柔らかすぎて腰が痛いというのです。

そして、やってしまいました。
ぎっくり腰になりました、私が。
人生初。
いままで散々体を酷使してきましたが、ついにこの日がやってきた!
今日、明日は気温が上がるのでカヤックにでも行こうと思ったのに・・・
しかも、日本から持ってきてと頼んでいた腰痛ベルト、あっさり忘れられていました・・・そんな馬鹿な・・・あれほど言ったのに。
そんな、一日でした。
寝ながら書いていたので、変換ミスが多くなりました。
ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?